「夢は叶う」加藤丈夫さん講演記1 [2013年05月31日(Fri)]
少数民族の女の子たちの夢を後押しするため、協会は年より"25の小さな夢基金"昆明女子中学(中高一貫校)で「夢は叶う」講演会を開催してきました。 雲南の山奥で育った女の子たちにとって、大都市昆明で勉強すること自体が夢のような話 でも、世界はもっと広く、若さというのは無限の可能性に溢れています。 彼女たちがより大きな視野を持ち、大きな夢を抱いて社会に羽ばたけるよう、毎年の講演会では日本の各界で活躍する方々がさまざまなお話しをしてくださいました。 今年は月日、富士電機株式会社元会長 の加藤丈夫さんが昆明に夢を届けてくださいました。 2009年のアルバート・アインシュタイン医学大学・丘ヤス名誉教授、 2010年の日本経済センター・新井淳一会長(当時)、 2011年のアサヒグループホールディングス・池田弘一相談役 に続く、度目の講演会です。 これから毎週金曜日、全回に渡って加藤さんの講演内容をご紹介していきたいと思います 1.はじめに 最初に私の自己紹介をしておきましょう。 私は1938年の生まれで、現在74才です。 1961年に大学を卒業して富士電機という電機メーカーに入社して、その会社に一昨年までちょうど50年間勤めました。 富士電機は主に発電所や工場などで使う大型の電気機械や設備を作っていますが、現在日本はじめ世界の国々で約2万5千人の人が働いています。 富士電機は中国でも広く事業を行っており、全国に工場が10か所あってモーターやインバータを作っていますが、そこでは中国の人が約4千人働いています。 また、中国の国内に多くの発電所も作っています。 私は約20年前、富士電機がはじめて中国に工場を作ろうという計画の責任者でしたが、その仕事で何度も来たので、私にとって中国は大変なじみの深い国です。 私は富士電機では20年間取締役を務め、そのうちの4年間は会長でしたが、私の会社生活の大半は人事部門で、社員を採用したり、教育をしたり、給料を決めたり、一人ひとりを最も適した仕事に配置するなどの仕事をしてきました。 会社には「ヒト・モノ・カネ」の3つが大切だと言われますが、私はその中のヒトの部分を仕事にしてきたわけです。 特に教育の仕事には熱心に取り組みましたが、会長になってからは、会社の中だけでなく、私の母校である開成学園という学校の理事長もつとめました。 開成学園には、12才から18才までの中学生と高校生の男子2100名がいますが、現在日本では最も学力レベルの高い学校だと言われており、卒業生の中には社会のさまざまな分野で活躍している人がたくさんいます。 今日は、私がよく知っている人の中で、大きな夢に挑戦してそれを叶えた人の話をしたいと思っていますが、その前に、一昨年3月に日本で発生した「東日本大震災」のことをお話しましょう。 ≪続く≫ 加藤丈夫さん略歴 東京大学法学部卒業。富士電機株式会社に入社し、企画部長、人事勤労部長を務める。1989年に取締役就任後、取締役副社長、取締役会長を歴任。企業経営に携わるかたわら、企業年金連合会理事長、社団法人日本経済団体連合会労使関係委員会委員長、中央労働委員会使用者委員、学校法人開成学園理事長兼学園長などの要職も歴任した。 |