今日は城戸特派員によるいつも以上に力作

のレポートをご紹介します。
ご存知、雲南が生んだ世界に誇る芸術舞踊家
ヤン・リーピン。
その最新の舞台が、今年

月、とうとう日本でも公演されます

いつも協会に様々な中国情報をタレ込んでくださる城戸弘人さんが、今回なんとそのヤンリーピン来日公演制作記者会見に潜入し、貴重な情報をレポートしてくださいました

このレポートを読めば、5月からの公演が待ち遠しくなること間違いなしです。
(YU@東京事務局

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”孔雀”は舞い戻った。 私は舞い上がった。〜雲南出身の国宝級ダンサー・ヤンリーピン会見レポート
●”天は二物を与えた”その素顔●○●○● 3月4日、渋谷Bunkamuraにて、ヤンリーピン主役・総監督で開催される舞台”孔雀”(5ー6月東京と大阪で公演予定)
の制作記者会見があり、私はさっそく”飛んで”行った
ヤンリーピンとは、雲南省白族出身の国宝級ダンサーで、「孔雀公主、舞神」等と呼ばれている。爪先にまで神経を張り巡らした「孔雀舞」は、彼女を一躍トップ・ダンサーにした。
小生は今まで3回の日本公演はすべて皆勤だが、「孔雀舞」の精緻さは人間技とは思えないほどで、毎回”鳥”肌が立ちそうだった。▼「孔雀」の見どころを語るヤンリーピン
記者会見以外では、まず近くで会えるチャンスは皆無なので、当日は気合を入れて受付開始より早めに到着
その甲斐あって1番着であった。もちろん、会見場では最前列の場所を確保。会見場は各媒体の記者陣で満員だ。彼女の圧倒的な人気の高さをうかがわせる。
大拍手で本人が会場に迎い入れられた。
踊り以外では、ヤンリーピンはいつも個性溢れる民族服に身を包んでいる。今回はやや暗いオレンジ色の衣装と帽子で登場。もう50歳をとっくに過ぎているのに、この若若しさはどうだ。小顔、色白でオーラが漂いキリッとした表情で、余裕と風格をも感じる。眼が細いこと、福耳であることは知っていたが、初めて聞いた声は、やや落ち着いた低めの声であった。 ●”孔雀”公演は見どころ満載●○●○● 今回の公演は、今までの民族舞踏がメインだった公演とは異なるという。
舞台は、春・夏・秋・冬という四季折々の移ろいを表現し、ヤンリーピンが主役の雌孔雀として、「誕生ー青春ー恋愛ー老いー死」を演じるストリーになっており、生命観、人生観、無常感を深く感じさせるものだそうだ。見どころが多い点がセールスポイントになっている。
美術と衣装の担当は、映画「グリーン・デスティニー」でアカデミー賞最優秀美術デザイン賞を受賞したティム・イップ。
本公演は、二年前より中国主要都市で約200回上演しており、昨年の舞踏部門での観客動員数では一位の実績を獲得している。
「中国では、孔雀は鳳凰と同じく神聖な鳥として敬われており、私は踊るたびに気持ちを新たに清く生まれ変わって、全力をつくしています」と語るヤンリーピン。
健康維持については、「踊りがヨガを行っているように、ストレス発散の効果をもたらします。また食事の内容については、明代の教科書的な漢方の書の”本草綱目”を参考にしています」と若さ保持の秘訣を明かした。
さらに、今回の会見では、ポスト・ヤンリーピンと目される姪の小彩旗(シャオツァイチー)の同伴が注目を集めた。
▲ポスターの前で微笑むヤンリーピンと小彩旗
●期待の星”小彩旗”●○●○● 小彩旗は、まだあどけない顔の美少女だ。春節前夜に全国放送する”春節晩会”(日本の紅白歌合戦に相当)に、秒針役として舞台脇で4時間も回り続け、1番人気でブレークした。
小生もネットのライブ放送で見ていたが、彼女の運動神経には驚嘆した。今回も舞台脇で、四季という時の移ろいを表す時計役で回り続ける役を演じる。
目まいはしないかとの質問に、「子供の頃から回ることが好きで慣れているし、限界に挑戦することが大好き」と平然としていた。但し、”春節晩会”出演で一躍人気者になってから、メディアの取材攻勢に眼を回したとか(!?)。
伯母のヤンリーピンは、「春節晩会のときも2時間旋回が持てばいいと思っていたが、4時間頑張るとは思わなかった。自分は1分半しか持たない。姪は15歳と若いので、舞踏と限らないで自分の好きな分野に進んでほしい」と、慈しむような優しい眼差しで語っていたのが印象的。
尚、司会者のお願いで、得意の旋回を数回、舞台上で披露した。▼ピルエット(旋回)を披露する小彩旗

●ヤンリーピンと日本●○●○● ヤンリーピンはこれまで2008年、2010年、2011年と3回の来日公演を果たしているが、2008年は四川大地震、2011年は東北大地震に遭遇している。2011年といえば、海外アーティストによる来日公演スケジュールは軒並み、キャンセルまたは延期になっていた。そんななか、ヤンリーピンの「蔵・謎」は、約束だからと公演を実施し、そのうえ出演料の1部を義援金として寄付している。
今回の記者会見は、地震発生日の3月11日を目前に控えた3月4日であった。彼女は「舞踏という芸術で少しでも安らぎや癒しを感じていただければ」と語った。
来日間隔が2,3年と少し長いものの、定期的に来日しており、しかも公演ごとに内容がパワーアップしているのだから、芸術面で日中交流に果たす役割ははかりしれない。
今年の公演でも、あの長い爪で日本人のハートを”孔雀掴み”もとい鷲掴みにするであろう。
1日も早く、感動の拍手の嵐に包まれるカーテンコールの瞬間に立ち会いたいものだ。
今回の記者会見は久しぶりにハイ・テンションになりました。はい
▼参考に公演のチケット情報を下記にお知らせします
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_liping/ticket.html【文・写真 城戸弘人様】
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後日、公演のレポートもお楽しみに!
