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夢は叶う―新井会長講演記G [2010年09月22日(Wed)]
 皆様こんにちは!
本日22日は中国ではキラキラ中秋節キラキラです。丸い月に家族円満を願い、家族で集まり、あるいは離れていても家族を想いながら、月餅(げっぺい)を食べる日ですパンダ
 東京事務局でも、支援者様から送っていただいた月餅をスタッフ一同でありがたくいただきました。日本の会員様や支援者様、そして支援をしている雲南の子供たちは大きな家族です。そんな家族のことを想いつつ・・・クローバー
 新井さん「25の小さな夢基金」昆明女子高校での講演連載、いつもは金曜日に更新をしておりますが今週金曜は協会東京事務局は臨時休業いたします。ので連休前に第8回目をお届けします。皆様もどうぞ家族のような雲南の子供たちを想いながらお楽しみ下さいウサギ





第8回 

 じつは発明、発見にはぱっとひらめく前に、その人がどんな問題意識をもっているかがカギなのです。問題意識、つまり、考えに考えて思い詰めるような状態にあって始めてひらめきがさえてくるということなのでしょう。それがなければ、情報もただの雑音です。ショックレー博士も考え抜いて思いつめた状態にあったから、偶然をプラスの成果にすることが可能だったということです。ちなみに、博士がトランジスターという真空管に代わる新電子部品を発明したと発表したのは1948年6月。ノーベル賞の受賞は1956年。発表記事をニューヨーク・タイムスはなぜか科学面でも経済面でもなく、映画欄に掲載した。そのわけはいまもって分かりません。

 英語に「マドリング・スルー」という言葉があります。直訳すれば「泥の中を通り抜ける」ということだが、先が読めない中でも、積極的に当面の課題に立ち向かいそれを切り抜けて大きな成果につなげることを意味します。一見、その場しのぎで済ますかの意味合いがありますが、18世紀の英国で生まれたこの言葉は、むしろ、その反対の概念で、冒険心や勇気をもってやれば、困難も解決するということなのです。
 みなさんも夢を叶えようとすると、余りに遠い夢なので、途方に暮れてしまうことも多いと思いますが、世の中の人々は、偉い人や成功者を含め、みんなが結局、毎日を「マドリング・スルーでやっている」と考えれば、多少は気が楽になるということではないでしょうか。

 私の親しい友人に囲碁の女流名人だった小川誠子さんというひとがいます。いまでは本当の意味の大家ですが、彼女はプロになる試験でつまづいたのです。15歳のとき、最初のプロ試験、最後の一局で涙をのんだ。2度目のチャンスは17歳、プロテストは1年に1回きりという緊張感で、ここ一番の勝負に負けて、また落第です。周りのひとたちは実力があるのに大事な場面で、なぜ、弱気になるのかと首をひねっていたのですが、師匠の木谷実さんが、このひとは日本の囲碁界の最大の実力者でした、「自分が怖いときは相手も怖い、勇気を出しなさい」といってくれた。その言葉が励みになって、3度目でプロ合格、彼女はその後、勝利街道を驀進です。囲碁の世界は天才たちの集まりで、プロ試験に2度も落ちる棋士は仮にプロになれてもあまり大成はしません。しかし、彼女は女流名人を獲得しました。師匠の言葉がよかったのでしょう。

 私も新聞記者生活でも、新聞社の経営幹部としても、この「自分が怖いときは相手も怖い」という言葉には勇気づけられました。人間は弱いものです。しかし、ライバルも同じように弱い人間である、というようにはなかなか思えません。みなさんがこれから夢の実現に向かう場合、覚えておいたほうがよい言葉だと思います。

≪続く…≫



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新井淳一さん略歴
1940年、仙台市生まれ。東大経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。金融担に始まり通商政策、外交、景気、財政などを担当、1975年にNY特派員。帰国後は雑誌編集・編集局経済部長・東京本社編集局長を歴任、2008年、代表取締役で日経を退社。現在は社団法人日本経済研究センターの会長を務める。日本雲南聯誼協会会員

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