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Post 2015 Development Agenda (バリでの国際会議に参加して)[2013年04月05日(Fri)]
3月23日-25日、インドネシアのバリ島で2015年以降の開発課題について話し合う国連の会議に参加してきました。

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(CSOフォーラム本会議場)

現存のMDGs(ミレニアム開発目標)の目標達成年2015年以降の、新たな開発目標設定に向けての
議論が開始されており、今回の会合はその一環として位置づけられています。

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(ロビーには参加各団体からの配布資料がたくさん)

2015年以降の目標設定を巡る議論は、ポストMDGsの検討(MDGsのフォローアップをどうするか)、ならびにSDGs設定(あらたな持続可能な開発目標をどうつくるか)というふたつの流れがあり、今後これらがどのように統合されて行くかが注目されています。

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(女性グループの会合)

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(グローバル・ガバナンス&アカウンタビリティーについての会合)

今回の会合を受けて、5月末にHLP(ハイレベルパネル)によるレポートが国連事務総長に提出され、9月の国連総会に向けて、UNDESA(国連社会経済局)によって事務総長レポートとしてとりまとめられる予定です。

*ハイレベルパネル設立の背景については、こちらの記事をご参照ください。
「国連事務総長、ポスト2015開発アジェンダに関するハイレベル・パネルのメンバーを任命」(2013.8.7国連広報センター)
 http://unic.or.jp/unic/press_release/2764

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(声明文にインプットする「動く→動かす」の稲場さん。国際女性の保健連合のシャノン・コワルスキ=モートンさんと)

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(フィリピン、インドネシアで活動する女性たち。NGOへのインターンの派遣や教育を手がけているとおっしゃっていました)


今回の会議の日程とその内容:
・23日- 24日はGlobal CSO Forum(グローバル市民社会組織フォーラム)
25日に開催されるHLP Outreach Day(ハイレベルパネルアウトリーチデー)に向け、市民社会のメンバーによる提言作成
この日の活動レポートは以下リンクより
Post2015GlobalCSOForumBali2013March

・25日 HLP Outreach Day(ハイレベルパネルアウトリーチデー)
 ハイレベルパネルのメンバーと市民社会組織(NGO、ビジネス、学者、女性、ユースなど)による会合。本会合とテーマ・セクター別のラウンドテーブル会合を開催
この日の活動レポートは以下リンクより
Post2015HLPoutreachBali2013March

ハイレベル会合の結果採択された声明文の本文はこちらです。
http://post2015.org/2013/03/27/final-communique-from-the-bali-hlp/
(これに対し、市民社会からはタックスヘブンや不正な資金の流れの規制について触れられていることは評価されたものの、不平等是正に関する取り組みが重要視されていないなどのコメントがだされています)

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(ハイレベルパネル会合の本会議場)

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(テーマごとのラウンドテーブルでの議論)

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(各テーブルには水と「林檎」が・・・)

*ポスト2015開発目標のロードマップについては下記リンクをご参照ください。
 http://www.sustainabledevelopment2015.org/index.php/stakeholder-forum/uncsd-official-docs/timeline

追伸:クリエイティブな普及啓発ポストカードです。
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(表面:「質問です」 (点字) 「答えは後ろに」)

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(すべての人たちをMDGsにとりいれましょう(もちろん、障がい者も))
生物多様性2013[2013年01月20日(Sun)]
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早朝に家を出て、大阪に。今日もたくさん出逢いをいただきました(富士山、綺麗だった〜!)。

「生物多様性2013 〜Rio+20からCOP11、そして・・・」と名付けられたその会合で、私は国連生物多様性の10年市民ネットワークのメンバーとして、リオ+20の報告をしてきました。

以下、その要約です(関心のある方向けの少しかたい文章ですがお許しください)

++++

リオ+20は持続可能性の課題について包括的に話し合われる場。いまこの時期に日本の市民として、発言すべきことがあると考えた。ひとつは、生物多様性の主流化のこと。COP10を成功に導いた日本は、この領域でのリーダーシップを発揮し続けるべき存在。そして国連生物多様性の10年は日本の市民社会の発案により正式採択にいたったこと。COP10に関わりを持った日本の市民として、生物多様性の主流化に関わり続けることは大切な課題のひとつ。

また、3.11そして原発事故を体験した日本の市民として、発言すべきこともあった。国家主導の国連の会議の場では、原発の危険性といった政治的にデリケートな問題は扱われにくい。現代社会の抱える課題のひとつとしてこういったことがアドレスされないことはいかにも不自然であり、市民セクターとして、声をあげる必要を感じた。成果文書には文言ははいらなかったが、海外の市民セクターからの賛同があり、NGOや女性グループによる発言に、こういったポイントが盛り込まれている。国際会議の場で、日本の市民の声がこんなに注目されたことはこれまであまりなかったのではないか。ここから得た交流はいまも続いており、海外の女性メジャーグループとのつながり、現在もリオ+20以降の政策提言などを一緒に行なっている。

リオ+20を経て、同じ年の秋にインドで開催された生物多様性条約会議(COP11)で感じたことのひとつは、愛知ターゲットの目標4にも掲げられた「持続可能な消費と生産」への関心が高まったということ。今後はこれまで以上に、生活の場に生物多様性のコミュニケーションが浸透してくることが予測される。

ポストMDGs/SDGsなど、今後の開発目標の設定にあたり、同時に愛知ターゲットの達成にも結びつく(それにむけた流れを加速する)アクションが起こせる可能性もある。リオで得たつながりを、今後にも活かしていきたい・・・。
+++++

その後のパネルディスカッションでお話させていただいたこと。

・ソーシャルメディアの活用など興味深いとりくみもあったが、国連でのリオプロセス、とくに成果文書の交渉が果たして本当に「変革」を促すうえで有効な場であるか。今後問われるポイントと
言えそう。それ以外の場で、さまざまなイニシアティブが発動されている。社会の変革のメカニズムに変化が生まれている。

・新たな流れを起こす主体として、ひとつには企業があり(自然資本宣言など多くのイニシアティブを発動した)、地方自治体のような団体があげられる。リオプロセスでは「国家ばかりではなく地方政府の役割が重要」という主張を、地方自治体のメンバーが力強く行なっていた。中央政府を動かすのは難しいかもしれない。けれども地方の行政とともに好事例を作り出すことはできる。今後はそういった動きが加速化していくのではないか。

・・・など、など。

発言のタイミングを逃しましたが、この時代の「合意形成」のもうひとつ重要なポイントとして、「プロセスの継続」というのがあげられると、私は思っています。

個人的つながりを維持し、情報を共有し、会議がない時にも、ともに動き続ける・・・。このスタイルは、ソーシャルメディアを含めたさまざまな情報伝達手段を手に入れた今の時代だからこそ、手にすることができたもの。会議が重要なのではなく、むしろ大切なのはそれらをつなぐ(in-between)プロセス。そこをどう構築していくかが、今後活動をよりよくしていく上で、きっと有効に機能する。

課題はあるけれど、可能性に満ちた時代なんだ。活かしていかねば。

(関西のみなさま、ありがとうございました)
Principle10: リオ宣言第10原則(2)[2012年11月13日(Tue)]
以前書いたPrinciple10: リオ宣言第10原則(2)という記事の続編です。

オーフス条約についてのわかりやすいパンフレットができたそうです。
こちらからご覧いただけますので、是非ご活用ください。

この情報は大阪大学大学院法学研究科の大久保規子教授の運営するグリーンアクセスプロジェクトのサイトにて紹介されています。このプロジェクトは環境権を保障し、持続可能な社会をつくるため、あらゆる人々の多様な環境保全活動が相乗効果を発揮できるような参加と協働の仕組みの構築を目指したプロジェクトで、他にもオーフス条約や環境とついてのとても分かりやすい解説が掲載されていますのでとても参考になります。

リオ+20でPrinciple10: リオ宣言第10原則をめぐる政策提言活動をしていた人たちのメーリングリストでは、 ECLAC(ラテンアメリカとカリビアン地域の経済委員会:Economic Commission for Latin America and the Caribbean)で11月に開催されたサンディゴ会議の件が話題になっています。

ラテンアメリカではオーフス会議を地域レベルで推奨する動きがあるらしく、それについて前進する動きがあったとのこと。地域ですすめていく上でのロードマップが合意されたとのことです。

(くわしくはこちらの記事に)
http://www.eclac.org/cgi-bin/getProd.asp?xml=/prensa/noticias/comunicados/7/48317/P48317.xml&xsl=/prensa/tpl-i/p6f.xsl&base=/tpl-i/top-bottom.xsl

環境政策への市民参加について。
私の出身地宇都宮でも、住宅街に隣接する工業団地に産業廃棄物処理場が建設される計画があるとのこと、問題になっています。

朝日新聞 2012年06月09日
宇都宮の産廃焼却施設問題 その背景は
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000671206090001

こういった各地で起こっている問題に対する有効な手段を得るために。そして日本の必ずしも十分とは言えない法体系に働きかけるために。国際会議への市民参加を通じて果たせる役割を模索する日が続きます。

先日のエントリーの続き。リオ+20のフォローアップとして、新たに設定されるSDGs(持続可能な開発目標)について、女性メジャーグループが提言をとりまとめていますが、その中のエネルギー政策について、原発に関する草案部分を担当することになりました。他に、廃棄物などの領域を担当する方とも連携し、Principle10についての言及をいれていこうと思っています。

(この記事については、のちほど加筆する予定です。とりいそぎ、関心のある方への共有のためにUPしました)
リオ+20その後:女性メジャーグループの動き[2012年11月11日(Sun)]
リオ+20の議論を受けて、今後のフォローアップに関する意見交換がメーリングリスト等で行われています。現在注目されているのはSDGs(持続可能な開発目標)の策定に関するもの。

女性メジャーグループのメーリングリストでは以下のような意見が交わされています。

・ジェンダー平等と女性の権利とエンパワメントは新たなゴールに関するいかなる議論においても基礎となるべき
・MDGs(ミレニアム開発目標)からの教訓を活かし、ジェンダーや環境を無視することに陥りかねない単純な一律のアプローチは避けるべきである。統合された、変革力のある、権利に基づくアジェンダが必要である
・ジェンダー主流化は重要だが、汚れた流れの中で主流化したいのではない。真の持続可能な開発のために開発課題を再定義する必要がある
・ポスト2015の枠組みは女性の権利や先住民族の権利を含む人権全般に配慮したものであるべき。外部投資の負の影響を被りやすいのは女性。これは企業のアカウンタビリティにも関連する問題
・男と女、過去と将来世代、都市と田舎、富めるものと貧しいもの間の負荷の均衡分担が必要

上記提言は抽象度が高いですが、女性の権利、人権が中心におかれるべき、というのが全体的なトーンとなっています。

さて、これらを受けて、女性グループとしての意見に盛り込む内容を共有するタイミング。項目毎にどういう提案を行うべきか、担当者があてられ、メールベースで意見を調整していくようです。

さて、私が関心のある持続可能な開発のための政策議論に、女性の声をもっと反映させるべき、ということに関連して、文字通り「女性が声をあげる現場」の情報をみつけたので、ここに紹介しておきます。

+++
インドのクダンクラム原発に市民が反対しているという記事
http://jp.globalvoicesonline.org/2012/11/08/17574/ (日本語訳)

クダンクラムでの、女性たちの反対運動
http://lucian.uchicago.edu/blogs/atomicage/2012/09/14/video-women-power-vs-nuclear-power-in-kudankulam/
http://www.youtube.com/watch?v=Po6ydkydP7c&feature=player_embedded(映像)

(生物多様性条約COP11(10月)では坂田昌子さんが、福島第一原発について話をして欲しいとインドの市民活動家の集会に招かれました)
+++

原発に関しては、リオ+20でも女性グループが積極的に意見を発していました。今後もそういった姿勢を保ち続けるよう関わリ続けることが大事だと考えます。


リオ+20関連記事:
「女性グループの活動とメディア報道」
https://blog.canpan.info/yukikazet/archive/19
女性メジャーグループのポジションとリオ+20の成果
https://blog.canpan.info/yukikazet/archive/29
Principle10: リオ宣言第10原則(1)[2012年08月12日(Sun)]
リオ宣言(正式名称:環境と開発に関するリオ宣言 Rio Declaration on Environment and Development)と呼ばれるものが存在します。1992年のリオ地球サミットで合意された27の原則からなる宣言文で、(原文はこちらに、日本語訳は環境省のこちらのページに掲載されています)。

リオ+20では、この27の宣言のうち、市民参加、情報アクセス、司法アクセスを定めた「第10原則(Principle10)」の推進に熱心に取り組む人たちがいました。TAI(The Acccess Initiative)のメンバーです。

彼らの作成した映像が彼らのfacebookのPageで公開されていました。



「世界の貧困層の多くが土地利用に関する政策の変更を事前に知らされることもなく、暮らしの基盤を突然失うといったリスクにさらされている。こういった事態を食い止めるためにもPrinciple10は重要である・・・」。映像では、TAIがこういった事態を改善するために活動を行っていることが紹介されています。

私がTAIの活動を知ったのは、2012年1月、リオ+20の成果文書に関する非公式会合の開催に合わせニューヨーク国連本部を訪れた時のことです。市民社会のメンバーによるワークショップの席で「リオ+20では、これまでに合意されたことが尊重されしっかり守られることが必要だ」と発言をした女性がいました。TAIのメンバー、Carole Excellさん(写真の女性)です。私はこの会合に「生物多様性の主流化」を推進する立場から参加しておりましたので「合意します。例えば生物多様性条約もそのひとつにあげられますが、その重要性については成果文書の草案(ゼロドラフト)には十分に反映されていません」と声をかけました。すると彼女からは「生物多様性のことはよくわからないけれど、是非知って欲しいことがある。それはリオ宣言の第10原則のこと」とTAIのキャンペーンについての説明を受けました。

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(TAIのメンバー、Carole Excellさん。NYでの非公式会合にて)

TAIの活動は1999年に始まりました。The World Resource Institute(WRI)という環境シンクタンクが事務局を務め、7つの市民社会組織がコアチームとなり運営に関わっています。TAIには現在150以上の市民社会組織が加盟しており、これまで45カ国を超える国で市民参加や情報アクセスの改善を求める提言活動を行ってきたそうです。

リオ宣言第10原則には、このようなことが記されています。

環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することにより最も適切に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、公共機関が有している環境関連情報を適切に入手し、そして、意志決定過程に参加する機会を有しなくてはならない。各国は、情報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加を促進しかつ奨励しなくてはならない。賠償、救済を含む司法及び行政手続きへの効果的なアクセスが与えられなければならない。

「市民参加、情報アクセス、司法アクセス。日本にとってもとても重要なことでしょ?」。福島第一原発の事故があり、日本の市民社会がもっと関心を持つべき課題だという指摘がありました。私はPrinicple10についてあまり詳しくありませんでしたが、帰国後リオ+20NGO連絡会のメンバーやこの領域に詳しい方に情報を共有し、TAIのメンバーが提言文を作成した際に日本の市民団体からも賛同ができるよう、微力ながら働きかけをいたしました。3月のNYでの非公式会合ではTAIのメンバーから直接日本政府へのアピールがなされています(その時の様子はこちらの報告をご参照ください)。

リオ+20の交渉においては、リオ宣言の個別条項であるPriniciple10を言及することに対しては日本を含む先進国側から反対の声がありました。Principle10
について特筆することが、途上国側が「共通だが差異ある責任」を定める「Principle7」について強く主張することを導くことになりかねない。Principle10の内容には合意だが、Principle10という言葉を言及することは控えよう、というムードがあったからです。

準備会合を経て、TAIや環境正義(Environemntal Justice)に関わるメンバーの強い働きかけもあって、Principle10という言葉は明言されないものの、その内容の重要性については明言が必要だと言う方向で合意形成がなされていきました。

最終的には以下を含む複数の項目でPrinciple10に関する文言が盛り込まれています(テキストは環境省による日本語訳より)

【政治的コミットメントの更新】
我々は、情報と司法、行政手順への広範囲な国民の参加及びアクセスが、持続可能な開発の推進に不可欠であることを強調する。持続可能な開発には、地域、国家、準国家の議会と司法、及びすべての主要グループ、すなわち女性、子供と青少年、先住民族、非政府組織、地方政府、労働者と労働組合、企業と産業、科学界と技術界、農業者、及び地域社会、ボランティア団体、財団法人、移住者、家族などのその他ステークホルダー、及び高齢者や障害を持つ人々、の意義のある関与と積極的な参加が必要である。この点に関し、我々は、主要グループやその他ステークホルダーとより緊密に協力することに合意するとともに、必要に応じ、すべてのレベルでの持続可能な開発のための政策と計画の意思決定、企画、実施に寄与するプロセスにおける彼らの積極的な参加を推奨する。(パラグラフ43)

我々は、市民社会の役割、及び市民社会のすべてのメンバーが持続可能な開発に積極的に参加するようになることの重要性を認める。我々は、市民社会の参加の改善は、とりわけ、情報へのアクセスの強化、市民社会の能力及びそれが可能な環境の構築によって決まると認識する。我々は、情報通信技術(ICT)が、政府と国民の間の情報の流れを促進していることを認識する。この点に関し、ICT、特にブロードバンドネットワーク及びサービスへのアクセス改善に向け作業し、デジタル・ディバイド(情報格差)を埋めることが不可欠であり、この点に関する国際協力の寄与を認識する。(パラグラフ44)

【持続可能な開発のための制度的枠組み】
関連する国際フォーラムにおける市民社会と他の関連ステークホルダーの参加及び効果的な関与を強化するとともに、この点に関して、持続可能な開発を実施するために、透明性及び幅広い国民参加とパートナーシップを推進するもの。(パラグラフ76(h))

我々は、地域、国家、準国家及び地方レベルでの行動が、必要に応じ、環境的な事象における情報へのアクセス、国民参加、及び司法アクセスを推進することを推奨する。(パラグラフ99)
+++

この成果に対して、WRIは6月22日に「リオ+20のテキストはガバナンスの改善のための希望をしめしている」という声明を発表しています。

2012年8月12日18時がエネルギ−政策についてのパブコメの締め切りということもあり、関連する話ということで今日のエントリーにさせていただきました。
女性メジャーグループのポジションとリオ+20の成果[2012年07月23日(Mon)]
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(白いスーツの女性が女性メジャーグループのリーダーSascha Gabizonさん)

先日こちらのエントリーで「女性グループの活動とメディア報道」について紹介しました。

今日はリオ+20で女性メジャーグループの活動をとりまとめコーディネートしていたWECF(Women in Europe for a Common Future)による「女性メジャーグループのポジションとリオ+20の成果」についてご紹介します。オリジナルの文書はこちら。リオ+20を振り返るニュースレターという形でまとめられています。その要点について、以下、私からの解説をつけて概訳を紹介します。

リオ+20では、女性メジャーグループのコーディネーターの動きがとてもよかったこともあり、数多くの市民セクターの中でも女性メンバーの結束はとても強いものでした。会議場で毎日開催される情報共有&戦略会議(コーカス)。それにいたる準備。アフリカ地域の声を届けるための啓蒙やコンサルテーテョン活動も展開していたというから驚きです。

女性・ジェンダーというテーマに関しては、1994年に国際人口開発会議(ICPD:カイロ)、1995年に北京世界女性会議という大きな会議がありました。まもなくこれらの会議はそれぞれ20周年記念を迎えようとしています。過去20年における地球上の変化を、世界人口の半数を占める女性は、どう見ているのか・・・。地域再生や持続可能な社会づくりおける女性の役割がますます注目を集めるなか、国連会議と女性の活動について知る上での参考としてお役立ていただければ幸いです。

+++++

1:約200の女性団体がリオ+20に参加
交渉に臨むにあたり、女性メジャーグループは幾つかの人(団体)が交渉のフォーカルポイント(窓口)となりました。その主な項目とは(カイロ人口会議と北京女性会議を参照とした)セクシュアル・リプロダクティブヘルス&ライツ、森林と生物多様性、食料安全保障、法律と開発、エネルギー、貿易、技術、能力開発、化学物質、採掘、エネルギーと水、実施手段、持続可能な開発目標(SDGs)などです。女性メジャーグループは事前にNYで何度か開催された非公式会合の段階から「コーカス」と呼ばれる会合を開催していました。その参加メンバーを中心とした情報共有用のメーリングリストを開設、約300人が参加して、成果文書についての意見交換をメールベース、時には電話会議を開いて行ってきました。電話会議は世界中からの参加があること、英語がネイティブでない人がほとんどで参加者の国連交渉への理解もまちまちであることから運営上の難しさがありましたが、リーダーのSaschaの高度なファシリテーション力によりこういった障害を丁寧に乗り越えていきました。

2:成果文書への評価(得たもの、失ったもの)
女性メジャーグループが発表した成果文書に対する評価の文章はこちらからご覧いただけます。主なポイントは以下です。

1)女性の権利が弱められている。リプロダクティブライツについてはバチカンやイスラム圏の国の反対もあり成果文書からは削除された。これはこの領域の議論の後退と言える。

2)女性の権利と健康に反する貿易。貿易に関しては得たものがあった。米国による「すべての持続可能性に関する政策にWTOルールを適応させる」という酷い要求は最終文書で削除された。これが通ってしまうと予防原則の適応や製品ラベリングによって有害な輸入から小規模農家を守ることが不可能となるところだった。医薬品の貿易に関する文言(注:「すべての人に医薬品を」の言及のことと思われる)が残されたことはポジティブであり、(交渉における)ダメージコントロールとして有効に機能した例と言える。

3)ジェンダー平等と女性のエンパワメント-僅かだが前進-全体的には、女性のリーダーシップの必要性や女性の重要性について、エネルギ−や水、食料安全保障という領域での言及はポジティブであった。特に女性の参加をパリティ(Parity:同等)にするための国家手段の利益について触れた文章がよかった。これは女性がリーダーシップポジションの50%(半数)を得ることを達成することにつながるものだ。アイスランドが具体的な目標とタイムラインを提案し、女性メジャーグループもこれを支持したが最終的には成果文書には残らなかった。

4)水、衛生と食料への人権-防衛された-
食料への人権についての文言は改善された。水と衛生への人権についての文言はカナダの反対にあったが改善され、リオ+20の成果文書では明確に合意されている。

5)技術アセスメント -認められているが弱すぎる-
技術に関するセクションでは、国連事務総長に技術アセスメントに関する作業をスタートさせるよう求めており、アスベスト、鉛、原子力、DDTや他の殺虫剤などの災害からの教訓を鑑み女性メジャーグループもこれを強く支持してきた。健康リスクや社会経済コストについて技術が検証されず、多くの人たちがこれらの脅威にさらされ、健康を害している。技術アセスメントに関する文言は弱すぎる。けれどもこれは最初のステップであり、正しい方向に向かっている。特に発展途上国(そしてもちろん将来世代)はここから利益を得るべきである。

6)将来世代 -no voice(発言がない)
将来世代は将来世代のための高等委員会の設置を求めたがこれは最終合意文書からは削除された。これは私たちすべてにとって大きなロスといえる。

7)放射能汚染-沈黙のうちに隠された
チェルノブイリや福島など多くの事故(スリーマイル、トリカスタン(フランス南部の原発)、アッセ(ドイツの放射性廃棄物最終処分場)など)を経験したにも関わらず、放射能汚染(Radioactive pollution)についてはリオ+20の成果文書ではひとことも触れられていない。現代世代そして将来世代への計り知れない健康へのリスクと受け入れ難い経済コストや原子力産業への間接的な補償金の存在については、誰も無視することができない。

(エネルギー、気候変動やグリーンエコノミー、採掘についても触れた女性メジャーグループの声明はこちらからご覧いただけます)。

3:女性のリオ+20でのグッドプラクティスセレモニー(優良事例表彰式)
6月21日に、11プロジェクトのリーダーが女性大臣や環境リーダーのネットワークから表彰を受けました。セレモニーにはメキシコ、南アフリカ、ブラジル、ナイジェリア、デンマーク、アイスランドやスイスのハイレベルの大臣が参加しました。設置された5つの受賞カテゴリーは食料主権、気候変動への適合、ディーセント・ジョブ(働きがいのある人間らしい仕事、などと訳される)と健康、水と衛生、そして持続可能なエネルギ−です。ギエナ、エクアドル、ガテマラ、ブラジル、ウガンダ、インドなどから地域に根付いて展開されるプロジェクトが受賞されました。詳細が記されたブックレットはこちらのページからダウンロードできます。こういった賞は地域コミュニティーの中で女性が果たす役割の重要性を認識し、それにとりくむ女性たちを勇気づけるものであったようです。ブラジルの受賞者の女性の発言として「多くの人たちは私をごみのように、売春婦のように扱った。私も彼らと同じ一人の労働者なのに」という言葉が紹介されています。

4:女性の大臣のネットワークとWECFによるポストリオ+20のコミットメント
6月20日、国連機関や国際NGO、市民社会の女性リーダーが終結しリオ+20後のジェンダー平等と持続可能な開発にむけたアクションについてのコミットメントを表明しました。

5:女性のメジャーグループのサイドイベント
リオ+20開催期間中、女性メじゃーグループの主催で、女性の環境衛生、女性の抵抗とレジリアンス(回復・復元力)、食料主権を創造する女性という3つのサイドイベントが開催されました。

6:本会議場でのスピーチ
女性メジャーグループを代表して、エジプトのHala Yoursry女史が声明を読み上げました。
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(女性メジャーグループのディナーでのHala Yoursry女史。写真を撮らせてとお願いしたら「眼鏡は外した方がいいわね」と笑顔で)

7:持続可能なダイアログデー(SD Dialogue Days:ブラジル政府が主催した市民対話)
女性メジャーグループのメンバーもスピーカーとして複数活躍しています(詳細はこちら)。

8:UN Women (UNウィメン)女性リーダーシップフォーラム
UN Womenは2011年2月に発足した国連組織で正式名称を正式名称は「ジェンダー平等及び女性のエンパワーメントのための国連組織(UN Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women)といいます(こちらのサイトに日本語の説明があります)。

9:デモンストレーションや記者会見などのアクション
女性メジャーグループメンバーは女性の権利を訴えるデモ、日本市民グループによる脱原発デモに参加しました。

10:他の活動
本会議場の交渉現場以外にも、ピープルズサミットなど多くの場で女性による活動が展開されました。

11:ピープルズサミット
本会議と同時開催されたブラジル市民主催によるイベント「ピープルズサミット」には2万人以上の人が参加したといわれています。女性グループは6月18日に大掛かりなデモを展開しました。女性メじゃーグループの参加者からの主な主張は、女性への暴力の廃止、地方の女性農業者の権利を守り、土地収奪やバイオ燃料、遺伝子組み換え作物や(ウラン)鉱山採掘、森林伐採をとめることにありました。

12:リオ+20に向けて、アフリカのフランス語・アラブ語圏での準備
セネガルやチュニジア、エジプトなどのアフリカ諸国でリオ+20についてのワークショップが開催されました。参加していない人たちもリオ+20の成果についてフランス語やアラブ語で文書を作成し共有してます。

13:プレスリリースの配信
リオ+20開催期間中、多くのプレスリリースの配信がありました。オリジナルの文章はこちらに掲載されています。
+++++
市民セクターの参加[2012年07月20日(Fri)]
2012.3.28NY.NGO連絡会.jpg
(写真:リオ+20NGO連絡会のHPに掲載された活動報告より)

リオ+20(国連持続可能な開発会議)に向けて結成されたリオ+20国内準備委員会の第8回会合が7月20日に開催されました。

リオ+20国内準備委員会は外務省・環境省が窓口となり、さまざまなセクターで活動する代表的な団体の人たちに声がかけられて結成されました。

この「さまざまなセクターの人たち」のことを、リオ地球サミットのプロセスにおいては「メジャーグループ」と称しています。国際会議に参加する市民セクターというと「NGO」という印象を持たれるかもしれませんが、国連の会議における決定権を持つ政府の代表以外を「市民社会」と位置づけたとき、そこにはさまざまなプレーヤー(主体)が存在します。国連会議への市民参加推進への大きなきっかけをつくったといわれる1992年のリオ地球サミットでは、市民社会の多様性とその参画の重要性を明らかにするために、採択文書「アジェンダ21」において9つのメジャーグループを規定しました。このメジャーグループの構成は@女性、A若者・子供、B先住民族、CNGO、D地方自治体、E労働者・労働組合、F産業界、G科学技術コミュニティー、H農民です(リオ+20の本会議でもこの順番で女性メジャーグループがスピーチの筆頭であり、これはメジャーグループの形成に向けて国連に強く働きかけたのが女性だったという歴史からだと教えていただきました)。

(9つのメジャーグループについてはリオ+20公式サイトのこちらに説明があります)。

国内準備委員会はリオ+20における議論に貢献することを目指して、世界の課題とそのために必要なこと、解決までのギャップなどについて何度も話し合いの場を設けました。そもそもリオ+20とは何なのか。何が問題となっているのか。それぞれの団体やグループはどんなことを考えているのか・・・。それは現代社会の抱える課題についてさまざまな人たち(マルチステークホルダーという言い方をしたりします)が一同に集まり話し合うとてもユニークな場でもありました。

テーブルを囲んで固い議論を重ねるだけでは相互の議会が深まらないと、NGO側がリーダーシップを発揮してワークショップ方式での意見の交換の場を設けたこともあります。そして、これらの議論は会合に参加していない人たちにも開かれたものであるべきと、U-treamという動画配信システムを使ってインターネット配信も行われるようになりました(過去の会合の記録については、こちらのサイトで録画動画をみることができるようになっています)。国連の会議に向けた意見表明というとても固い内容の会議でしたが、東京にいなくても、動画配信をみてどのようなことが話し合われているか、その雰囲気も含め感じ取ることができる・・・。動画をみていた方から、会議の後にコメントをいただくことも多くありました。こういった会議運営のスタイルが導入されたことは、この時代を象徴する特徴的なことのひとつと言えると思います。

リオ+20に向けてさまざまなセクターの意見を取り入れるため「国内準備委員会」を設置することについては、リオ+20に関する国連文書(A/CONF.216/PC/3)に「奨励する」と記されています。けれども実際にそのような形で9つのメジャーグループを招集しリオ+20へと臨んだのはもしかしたら日本が唯一かもしれないそうです。「そういう場があるというのは素晴らしいことね」と海外の方からも評価をいただきました。国内準備委員会のメンバーからも「こういったいろいろなセクターの人たちが一同に会し意見を交わすことができるのは有り難い」という声がありました。

市民参加という意味で海外の方から日本が評価された点がもうひとつあります。それは、NGO側にリオ+20について普及啓発し参画を促す、コーディネート役を担う団体としてリオ+20地球サミットNGO連絡会があったことです。この連絡会は、(社)環境パートナーシップ会議が事務局となり2011年6月に設立され、環境、開発などといった領域をまたいだ市民間の情報共有の場づくりにおいても重要な役割を果たしました。国際会議というと、経験の差やリソースの問題もあり団体によって対応できる能力がまちまちですが、こういったコーディネート団体があったことで、政府との意見交換会やメディアへのブリーフィング、提言書のとりまとめなど、NGO全体としての連携感を持って動くことができました。

会議は終わりましたが、持続可能性の課題解決にむけた道のりは長いです。その道のり(プロセス)において出会い、交流が起こり、可能性を育みながら行動を起こしていく・・・。そのような流れが今後も続いて行けばと考えています。

写真は、今年3月のニューヨーク(国連本部)での準備会合での政府とNGOの意見交換会での一枚。海外の市民セクターの方もいらしてのロビー活動の場となりました。リオ宣言第10原則を推進していたThe Access Initiativeのメンバー、将来世代のための高等弁務官の設置を推進していたThe World Future Councilのメンバー、文化の重要性を訴えた先住民族のメンバー、リプロダクティブ・ライツをどう捉えるべきかと説明にきた女性メジャーグループのメンバー・・・。主張を持った人たちを直接政府とつなげることが大切と考え、個別に参加を呼びかけたりもしました。「つながり」を示すことで新たな流れが生まれる。「風を起こす」ことが必要と思ったからです。

小さくて地道なことの積み重ね・・・。華やかに見える会議の裏側には、こういった表には出ていないさまざまなストーリーがたくさんあるのだと思います。そういう細々とした活動の中から、これからの市民参加を考えるヒントを掘り起こしてみたいと思っています。
幸福度[2012年07月19日(Thu)]
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リオ+20の振り返りながら、少しずつ思い起こしたことを記録にまとめる日々です。

幸福度という言葉があります。振り返るとリオ+20では成果文書の草案「ゼロドラフト」の段階から「GDPはWell-beingを測る指標としては限界があり、環境・経済・」ということが指摘されてきました。最終的に採択された成果文書ではパラグラフ38にて以下のように表現されています。

「私たちは政策決定により適確に情報を提供するためにGDPを補完するより広い指標が必要であることを認識し、この観点から国連の統計委員会に、関連する国連システムの機関や他の関連組織と協議しながら、現存のイニシアティブに基づきこの領域における作業プログラムを立ち上げることを要求する」
38. We recognize the need for broader measures of progress to complement gross domestic product in order to better inform policy decisions, and in this regard we
request the United Nations Statistical Commission, in consultation with relevant
United Nations system entities and other relevant organizations, to launch a
programme of work in this area building on existing initiatives.


UNDP(国連開発計画)は6月20日に持続可能性のための人間開発指標を発表しました(リリースはこちら)。
リリースはUNDB長官Helen Clark氏の発言として「衡正、尊厳、幸福、持続可能性(Equity, dignity, happiness, sustainability)は私たちの生活の基盤でありながらDGPにおいては欠如している」と紹介しています。

Beyond GDP(GDPを超えて)。

これについては他にもたくさんの議論があるようです。

Gross National Happiness(国民総幸福度)ブータンの掲げる指標です。(リンク

Watch the Earth Database "Beyond GDP" How can we measure progress? 「GDPを超えて:どんな風に進捗を測定すればいいのか?」(リンク

Foresight in Department for Business, Innovation and Skills(リンク
将来予測や先端技術の調査を担当するイギリスの官庁。
Mental Capital and Wellbeing(精神的資本とWellbeing)というレポートを出しています。(リンク

Centre for Well-being (リンク
"Beyond GDP: UK to Measure Well-Being" (リンク
「科学者のいうあなたを幸せにする10のこと」というコンテンツがかわいいです。

日本でも内閣府が「幸福度に関する研究会」を開催しています(サイトはこちら

幸せとは何か。何を目指して社会の中で生きていくのか。
「模範解答を失った」と認識が広まることがもしかしたら社会を硬直から救うチャンスなのではないかと、外務省からの帰り道、Kさんと語らいながら考えました。

生命を維持していくために最低限必要なこと・・・。それさえ満たされていない人たちが大勢いることを知る世界で、私たちはどんな「満たされ方」に納得を得て生きるのだろう。

新月の夜の考えごとです。
写真は、清里で写した一枚。

追伸:
ニューヨークで準備会合に参加していた頃、自然資本に詳しい某Sさんと交わしていたスカイプを読み直していたらこんな会話を見つけてしまいました。
"でも最後は、道具に頼らなくても、のび太くんは静ちゃんと結婚できるんですよね"(Sさん談)。12時間の時差を超え、交渉文書を読みながら私たちはいったい何を語らっていたのでしょう(笑)。リオが終わったら咲くように朝顔の種を買ってきて、玄関先に植えたいと話していたSさん。いかがお過ごしでしょうか。
知らない世界のこと[2012年07月18日(Wed)]
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あまりに鮮やかな色彩をしているので、思わず写した一枚です。ブラジル、リオ・デ・ジャネイロのB&B(ベッド・アンド・ブレークファースト:朝食付きのホテル)での一枚。

リオではふたつのB&Bを利用しましたが、その両方が女性の方が自分の暮らすマンションの空き部屋を使って経営しているものでした。

夫に先立たれた未亡人の女性。部屋には旅行好きだった旦那さんの思い出の品がいっぱいで、訪れたお客さんからのプレゼントも含め、そこいらじゅうに珍しいものたちがたくさん並べられています。もうひとつのB&Bを経営していたのは、旦那さんと別れて自立することを決めたという女性。彼女には子どもがひとりいて、それ以上は授かりたくなかったのだがブラジルでは避妊が認められていない(*)。そこで旦那さんと意見が合わず、離婚するしかなかったのだといいます。さいわい彼女はB&Bを経営するという選択肢を手にすることができました。セキュリティー万全の快適なマンションで娘と二人で豊かな生活を営んでいるようです。

このふたりの女性は・・・お互いを知っているのかどうか、尋ねることはなかったですが・・・同じリオのコパ・コバーナのまちで毎朝客人と共に朝を迎え、マンゴーやパパイヤのたっぷりはいったフルーツサラダとご自慢のブラジルコーヒーを朝食に出し、言葉も通じないような誰かと(ゲストの多くは海外からの旅行者のようです)と一日いちにちを過ごしているのでしょう。「こんな贅沢な朝食、日本ではたべられないよ」とそれらの果物が日本ではとても高いのだとつげると、ふたりとも(おもわず両方のB&Bでその話をしてしまった)「もっとお食べなさい」と笑って応えてくれました。「たくさん食べなきゃだめよ」「ここ(コパ・コバーナのまち)にもジャパニーズレストランはあるからね」と。

知らない場所にはいつも新鮮さがあり、発見があって楽しくて。だからつい旅を求めてしまいます。けれどもどんな旅人も、そこにずっと暮らす人の持つ「どうしてもはいりこむことができない『暮らしの風景』」をどこかで感じ、自分にもまた還る場所があることを知るのでしょう。

少し前のことを思い出しながら、「可愛らしい朝食のある風景」のことを、人生で一番くらいに大切にしていきたいと考えました。

(*)ブラジルの避妊についてはナショナルジオグラフィック(日本版)2011.9.9付で「少子化とメロドラマ」と題する記事が掲載されていました。
2015年とその先の未来へ[2012年07月17日(Tue)]
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国連持続可能な開発会議:通称リオ+20が終わり、今後の具体的な取り組みに関する議論が進められつつあります。

リオ+20の成果の一つとして、SDGs(持続可能な開発の目標)の制定に向けたプロセスが開始されることが決まりました(ご参考まで:外務省がとりまとめたリオ+20成果文書の概要はこちらからご覧いただけます)。

現在世界には「2015年までに世界の貧困を半減させること」などを目指すMDGs(ミレニアム開発目標)と呼ばれる目標が存在しています。 MDGsの達成目標年である2015年以降の開発目標をどのように定め課題解決に向けた取り組みを推進していくか。MDGsに取り組む人たちの間では既に「ポストMDGs」の議論がはじまっています。

これから始まるSDGs制定の議論の背景には、持続可能性の問題に取り組むためには先進国側も消費と生産パターンの見直しなどを含めた責任を追うべきだ、という途上国側からの主張もありました。国際的な開発目標というと遠い世界のことのように思われがちですが、私たち日本人の生活を支える食料や資源の多くは海外からの輸入に頼っており、私たちの消費スタイルがそれらにどのような影響をおよぼしているのかということについては、実はあまり意識されていないように思います。

リオ+20そのものはあまり注目されなかったかもしれませんが、地球規模の課題が山積する中、今後世界がどのような方向性に向けて進もうとしているのか、足元から振り返ることが大切です。

SDGsは2015年以降の国連開発課題に整合的なものとして統合されることが合意されています。これからの目標づくりが今後はこれらの議論がどのように整理されてゆくのか。MDGsについての学びを深めながら考えてゆけたらと考えています。

写真は皇居にて。
2012.7.17。ポストMDGsに向けての外務省とNGOの意見交換会が開催されました。

参考:
リオ+20におけるSDGsの議論について(JACSES小野田さん報告資料20120707
動く→動かす- もう一歩、貧困のない世界へ
JANIC(国際協力NGOセンター)MDGs2015キャンペーン(キャンペーン自体は2012年3月末で終了)
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