切り替えてゆく[2012年09月26日(Wed)]
河合隼雄さんと上野千鶴子さんによる「欲望と消費」という本を読んでいます。
その、印象的な冒頭の一節。
「時代を生きている人々には、同時代はいつでも転換期と見える。わたしたちもまためまぐるしい変化の時代を生きていると思いこんでいるが、おそらく高度成長期の人々も、明治・大正期の人々も同じように感じたことだろう」
これを読んで、私は「感覚麻痺」という言葉を思いました。それからいまが特別であるという「特別感」のことを。
それらは時代や社会という「渦」の持つ特徴かもしれませんが、同時にわたしたちは身体を持つ生身の人間、たった一度きりの体験を積み重ねによってできた時間のしるしです。
これらの間にある緊張感のようなものさえ、装飾してしまう自分。これもまた「消費」という欲望なのでしょうか。
写真は朝の由比ケ浜海岸。随分涼しくなって、うっかりすると水着には向かない季節といわれてしまいそう。「まだ置いていかないでね」。