風は一度もやまない[2012年08月17日(Fri)]
初めて乗った電車と、初めて降りた駅。降りそびれてはいけないからと車窓の外を眺めていると、思いがけずに緑が高いところにまでたくさん溢れる光景が広がっていました。横浜も坂の多いまちなんだ・・・。畑や大きな樹のあるうちも何軒かみえて「わあ、贅沢」と思います。
「すっかり熟してしまった桃があるのだけど取りに来ない?」と某氏からご連絡があったせいか、以降ずっと桃のことばかり考えて過ごしてしまいました。アロマのデフューザがたくさん並ぶお店で「今日の香りはオレンジです」なんて書かれていたのに、想像の中の桃の勝ち。こんなんだったら、無理してでも桃を取りに伺うのだったな・・・。「食べきれないほどもらった」なんていう、この方もまたなんて贅沢な方なのでしょう。
鎌倉に戻ると、空が淡いピンクの色をしていて(これも、桃のようですね!)、シャッターチャンスと思って海岸に走っていったのですが、ついた頃には既にピンクはどこかに消えてしまっていました。たった数分という時間も待ってくれないだなんて、もう過ぎ去るだけの夏のような冷たさです。
ざーんねん、といって砂浜に腰を下ろすと、さっきまでそこに立って海を眺めていた男性が、突然決心したように上着を脱ぎ捨て、海パン姿になって波に向かって走っていきました。闇が迫る時間で、入るか入らないか少し悩んでいたのではないかと思います。それでやっぱり「入らなきゃ後悔する!」と決断をしたのでしょう。波の中をぐいぐい歩く男性の後ろ姿はでこぼこしていて、時々飛び跳ねる様子は必死だけれど踊るような楽しさで、まるで「なまはげ」のようでした。
この時間の海は、風がとても特別です。どこかずっと遠くから、知らない土地を旅した空気が塊になって押し寄せる。それをおでこを全開にして受けとめる通り行く人々。なんだか、微笑ましいような出会い。
その風のやまない海岸は、冷たいようでいてやっぱり冷たくなりきれない、終わりの夏のような顔をしていました。
服を脱ぎ捨て 海パン姿で海に走っていった男性の気持ちわかるねー☆
わたしも来週は大好きな海に飛び込むぞー
来年じゃなく 今年の海に☆