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Principle10: リオ宣言第10原則(1)[2012年08月12日(Sun)]
リオ宣言(正式名称:環境と開発に関するリオ宣言 Rio Declaration on Environment and Development)と呼ばれるものが存在します。1992年のリオ地球サミットで合意された27の原則からなる宣言文で、(原文はこちらに、日本語訳は環境省のこちらのページに掲載されています)。

リオ+20では、この27の宣言のうち、市民参加、情報アクセス、司法アクセスを定めた「第10原則(Principle10)」の推進に熱心に取り組む人たちがいました。TAI(The Acccess Initiative)のメンバーです。

彼らの作成した映像が彼らのfacebookのPageで公開されていました。



「世界の貧困層の多くが土地利用に関する政策の変更を事前に知らされることもなく、暮らしの基盤を突然失うといったリスクにさらされている。こういった事態を食い止めるためにもPrinciple10は重要である・・・」。映像では、TAIがこういった事態を改善するために活動を行っていることが紹介されています。

私がTAIの活動を知ったのは、2012年1月、リオ+20の成果文書に関する非公式会合の開催に合わせニューヨーク国連本部を訪れた時のことです。市民社会のメンバーによるワークショップの席で「リオ+20では、これまでに合意されたことが尊重されしっかり守られることが必要だ」と発言をした女性がいました。TAIのメンバー、Carole Excellさん(写真の女性)です。私はこの会合に「生物多様性の主流化」を推進する立場から参加しておりましたので「合意します。例えば生物多様性条約もそのひとつにあげられますが、その重要性については成果文書の草案(ゼロドラフト)には十分に反映されていません」と声をかけました。すると彼女からは「生物多様性のことはよくわからないけれど、是非知って欲しいことがある。それはリオ宣言の第10原則のこと」とTAIのキャンペーンについての説明を受けました。

IMG_2980.jpg
(TAIのメンバー、Carole Excellさん。NYでの非公式会合にて)

TAIの活動は1999年に始まりました。The World Resource Institute(WRI)という環境シンクタンクが事務局を務め、7つの市民社会組織がコアチームとなり運営に関わっています。TAIには現在150以上の市民社会組織が加盟しており、これまで45カ国を超える国で市民参加や情報アクセスの改善を求める提言活動を行ってきたそうです。

リオ宣言第10原則には、このようなことが記されています。

環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することにより最も適切に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、公共機関が有している環境関連情報を適切に入手し、そして、意志決定過程に参加する機会を有しなくてはならない。各国は、情報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加を促進しかつ奨励しなくてはならない。賠償、救済を含む司法及び行政手続きへの効果的なアクセスが与えられなければならない。

「市民参加、情報アクセス、司法アクセス。日本にとってもとても重要なことでしょ?」。福島第一原発の事故があり、日本の市民社会がもっと関心を持つべき課題だという指摘がありました。私はPrinicple10についてあまり詳しくありませんでしたが、帰国後リオ+20NGO連絡会のメンバーやこの領域に詳しい方に情報を共有し、TAIのメンバーが提言文を作成した際に日本の市民団体からも賛同ができるよう、微力ながら働きかけをいたしました。3月のNYでの非公式会合ではTAIのメンバーから直接日本政府へのアピールがなされています(その時の様子はこちらの報告をご参照ください)。

リオ+20の交渉においては、リオ宣言の個別条項であるPriniciple10を言及することに対しては日本を含む先進国側から反対の声がありました。Principle10
について特筆することが、途上国側が「共通だが差異ある責任」を定める「Principle7」について強く主張することを導くことになりかねない。Principle10の内容には合意だが、Principle10という言葉を言及することは控えよう、というムードがあったからです。

準備会合を経て、TAIや環境正義(Environemntal Justice)に関わるメンバーの強い働きかけもあって、Principle10という言葉は明言されないものの、その内容の重要性については明言が必要だと言う方向で合意形成がなされていきました。

最終的には以下を含む複数の項目でPrinciple10に関する文言が盛り込まれています(テキストは環境省による日本語訳より)

【政治的コミットメントの更新】
我々は、情報と司法、行政手順への広範囲な国民の参加及びアクセスが、持続可能な開発の推進に不可欠であることを強調する。持続可能な開発には、地域、国家、準国家の議会と司法、及びすべての主要グループ、すなわち女性、子供と青少年、先住民族、非政府組織、地方政府、労働者と労働組合、企業と産業、科学界と技術界、農業者、及び地域社会、ボランティア団体、財団法人、移住者、家族などのその他ステークホルダー、及び高齢者や障害を持つ人々、の意義のある関与と積極的な参加が必要である。この点に関し、我々は、主要グループやその他ステークホルダーとより緊密に協力することに合意するとともに、必要に応じ、すべてのレベルでの持続可能な開発のための政策と計画の意思決定、企画、実施に寄与するプロセスにおける彼らの積極的な参加を推奨する。(パラグラフ43)

我々は、市民社会の役割、及び市民社会のすべてのメンバーが持続可能な開発に積極的に参加するようになることの重要性を認める。我々は、市民社会の参加の改善は、とりわけ、情報へのアクセスの強化、市民社会の能力及びそれが可能な環境の構築によって決まると認識する。我々は、情報通信技術(ICT)が、政府と国民の間の情報の流れを促進していることを認識する。この点に関し、ICT、特にブロードバンドネットワーク及びサービスへのアクセス改善に向け作業し、デジタル・ディバイド(情報格差)を埋めることが不可欠であり、この点に関する国際協力の寄与を認識する。(パラグラフ44)

【持続可能な開発のための制度的枠組み】
関連する国際フォーラムにおける市民社会と他の関連ステークホルダーの参加及び効果的な関与を強化するとともに、この点に関して、持続可能な開発を実施するために、透明性及び幅広い国民参加とパートナーシップを推進するもの。(パラグラフ76(h))

我々は、地域、国家、準国家及び地方レベルでの行動が、必要に応じ、環境的な事象における情報へのアクセス、国民参加、及び司法アクセスを推進することを推奨する。(パラグラフ99)
+++

この成果に対して、WRIは6月22日に「リオ+20のテキストはガバナンスの改善のための希望をしめしている」という声明を発表しています。

2012年8月12日18時がエネルギ−政策についてのパブコメの締め切りということもあり、関連する話ということで今日のエントリーにさせていただきました。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/yukikazet/archive/51
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