魔法の解き方[2015年07月12日(Sun)]

人生のプロセスをリズミカルに進めてゆくひとの特徴として
「アンテナを多角的にはること」
そして「潔く手放す」というのが
セットになっていること、というのがあるようだ。
「アンテナを多角的にはること」というのは
高名な人からの言葉でも
身近な誰かのアドバイスであっても
神秘的な啓示のようなものであっても
一旦は、その全体を受け止め
潜在意識にインプットすること。
そしてそれを、
すべて、きれいさっぱり、意識から消すこと。
それが「潔く手放す」ということ。
出会うたびに
同じ悩みを、言葉を変えて口にするひとと、
あ、あの時とはもう、違うところにいるのだ、と
螺旋状に人生のプロセスを進めていくひととは
そんなところが違う。
いっぱい吸って、
心地よく吐き出す。
ああ、まるで、海のようだなと、
潮風の記憶を、肌に辿る。
***
鶴岡八幡宮。
夜、境内をあるくと「ほう、ほう」と声がする。
その正体を「アオバズク」というのだと、人から教えてもらった。
まあ。なんという、愛嬌のある顔をしているのかしら。
たとえば「もんもん」とした気持ちに捕まったような時
アオバズクの、あの、
ミツバチのような、はっきりとした
黒と黄色のつぶらな瞳で
首を傾げているようなさまを思い出すと
「ほう、ほう」。
なんだか、なんでも、
なんとかなるさと、思えてくる。
***
世の中には、
魔法をかけたがるひとが、たくさん
そして
魔法の解き方に気づかせてくれる人は
あんまり、いないような気がする・・・と、
「戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。」
という
「自由と平和のための京大有志の会」
の言葉を、反芻する。
***
戦争って、
何故だか、「こころあたりがある」存在。
***
「ほう、ほう」。
アオバズクの声は、遠くまで届くのだそうだ。
「ほう、ほう」
真似して返してみると、
ちょっとこちらを意識をして、
返してくれる「ほう、ほう」がかわいい。
魔法使いの手先のような
この賢げで存在感のある
アオバズクを思い出すことにしよう。
魔法の解き方を、忘れそうになった時には。