生きる力。[2012年08月04日(Sat)]
(海に降りた空の蒼)
昨晩、満月に虹がかかっているのことに気づいた人は何人いたでしょう。眩しく輝く月の周りの虹は、紫がかった色をしていてため息の出るような美しさでした。
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昨日は生物多様性のNGOメンバーと一緒に福島県の二本松市に福島県有機農業ネットワークの菅野正寿さんを尋ねて参りました。現地からの声を世界へと届けたいとリオ+20(6月に開催された国連持続可能な開発会議)に参加されていた菅野さん。震災や原発事故の起こる前から取り組まれていた地域資源循環社会の実現に向けたとりくみを道の駅ふくしま東和やご自身の田んぼやはたけ、地域循環資源センターなどをご案内いただきながらご説明くださいました(このことについては、のちにもう少し詳しく記そうと思います)。
(菅野さんにご案内いただいた田んぼ。赤ちゃんイナゴがたくさんいて可愛かったです)
農業のこと、農家のこと、地域のこと。兼業農家の家に生まれた私にとってそれらはむしろ「受け入れ難い」将来の選択肢でした。いつも忙しくて大変そう。汗だくになって、汚れた格好をして、毎日まいにち水の見回りや草刈りが必要で、それなのにたくさんお金が儲けられるわけでもない。その上いろいろの行事もあって自由になる時間がなくて大変そう。「そんなの、新しい時代を生きる若い人たちの価値観には合わないわ」。そんな気持ちで、できることなら目を背けたかった存在。私はなんてくすんだまなざしで、故郷の地を耕す人たちのことを眺めていたのだろう・・・。つまり、家族のことを。きらびやかものに憧れ、のみならず足元にある暮らしを拒絶してきた自分の浅はかさのことを思います。
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ここ数日、心や身体を「強ばらせるもの」のことが気にかかっています。「生きたい」という気持ちを分断させる「なにか」。「自己免疫疾患」と呼ばれる病気があるそうです。「異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称」。調べてみると、比較的近年において確認されるようになった病とのこと。「自らを守るはずのものが、自らの攻撃に向かうというのは何故か」。いのちの暗号は不思議で、その多くはまだ解き明かされていません。