everything flows.[2012年08月01日(Wed)]

「万物は流転する」。ギリシア人の哲学者ヘラクレイトスの言葉です。紀元前500年くらいに存在していた人。
8月の最初の日、縁あってとある方とカウンター席で語らう時間に恵まれました。どこからそんな話になったのか、いつのまにか、人の心の有り様についてのことを話していて、思いがけず私は「存在」のことを言葉にしていました。
あらゆる存在は変化していて(生命とはそのようなもので)、心も思考も、肉体もすべて「滞る」ことによって具合がおかしくなる。だから、本来の流れ(循環)と取り戻すという視点からものごとにアプローチしていくといい。巡りめぐりて・・・形あるもの、表層に現れる(そしてなんらかの形や色合いを持ったものとして捉えられる)ものは常に変化する。けれども奥深くには決してゆらつくことのない「空」のようなスペースがひろがっている。それがハートにつながるということ。
いつもこの話をすると、ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの「万物は流転する」という言葉を思い出します。調べてみるとヘラクレイトスは、その背後にある変化しないロゴスを「火」と捉えていたそうです。万物の根源は水であると捉えたのはタレス。火と水と。一見対立するように思えるけれど、これは実際には同じことを別の側面から捉えているにすぎないということを井筒俊彦が指摘しているとのこと(うん、きっとそうだよね)。
最近感じていることは、ある種の文明の下で過剰に評価・活用されるようになった「機能性(ファンクショナリティ)」が、別の感知能力を衰えさせるということの相互作用のことです。それはつまり「眠らせている何かがあるんじゃない?」っていうこと。
何がいいとか、悪いとかではない。「ハートの本質につながる道を覚えていること」それから「フローと共に生きていること」。私たちが学びや成長というものに埋没させてはならない問いは、ただそれだけなのだと思います。
おりこうさん、概念の罠につかまらないで。
写真は、手を振る影の私。