懐かしさを知ること。[2013年06月23日(Sun)]
逗子の海を見渡す場所を訪れた。ヨットがたくさん。遊歩道があり、海辺まで降りてゆくことができるのだそうだ。中腹までバスが通っているというので、いつかまた、訪れてみようか。蒼と緑の風色の広場。
とある理由から「四季の歌」の歌詞を調べた。
春を愛する人は 心清き人
すみれの花のような ぼくの友だち
夏を愛する人は 心強き人
岩をくだく波のような ぼくの父親
秋を愛する人は 心深き人
愛を語るハイネのような ぼくの恋人
冬を愛する人は 心広き人
根雪をとかす大地のような ぼくの母親
(作詞/作曲:荒木とよひさ)
小学校で習った歌だ。帰りの学級会(というのだっけ?歌を歌って、連絡事項を確認して「さようなら」をする時間)でよく歌ったのだが、何故だかいつも泣きたくなった。まだ幼いこころの奥に、不思議と、じんと、熱く響くものがあった。涙は喉の奥で、海みたいにしょっぱかった(海のこともよく知らなかったはずだが、幼いこころにも、涙は何故か海を連想させた)。
とても簡単なこの歌を、お年を召した方々と共に口ずさみ、記憶の中に、幼い自分を蘇らせる。そして、考える。「時代を結びつけるのは、このような記憶なのだろう」ということ。
幾千のいのちを包み込む地球が、まるで孤独のように思えた。それは私たちの共有するもののなかで、もっとも深淵で、言葉をやさしくすりぬけてゆく。