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ちいさくつもる時間のこと[2013年05月14日(Tue)]
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母の日の夜。おうちに電話をかけたら、おばあちゃんが少ししょんぼりと「お風呂のお湯を準備するのに、失敗しちゃってね」と話していた。うっかり、ひねる蛇口を間違えてしまったらしい。

「ついにぼけがきてしまったかなあって、悲しくなってきちゃってね」と話すおばあちゃんの言葉が忘れられない。そんなことないよ。実際、私なんてもっともっとドジやうっかりを重ねてる。それにおばあちゃんは、ゴールデンウィークに一緒に過ごしたこと、とても細かく覚えているじゃない。いいながら、ああ、元気そうにみえるおばあちゃんにも不安というものがあるのだなあとじんわり考えた。

昔の人は気丈だけれど、やっぱり歳を重ねるごとに、少しずつ降り積もった時がその存在を増してゆく。あれほどシャキシャキしっかりしていた近所のおばあちゃんも、今はおトイレをすませるにも、少し苦労していると聞いた。老いて記憶がおぼつかなくなった人たちの姿を、おばあちゃんはデイサービスや何かで目にしているから、いつかは自分もあんな風になるのかなと、考えたりもするのだろう。

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私の暮らす部屋のベランダには、セロリがちょこんと植えてある。去年はアゲハチョウの幼虫がやってきて、むしゃむしゃ全部葉っぱを食べちゃったあのセロリ。今朝みたら、いつの間に(一晩で?)とっても背が高く成長していた。違う植物かなと、見間違えてしまうくらいに。

その、すくすく育つセロリをみていたら、おばあちゃんと一緒に畑の草むしりをしたことを思い出した。「スギナンボウ(スギナのことを、おばあちゃんはこう呼ぶ)がどんどん生えてきちゃって、あれは根が深いから、大変なんだ」とおばあちゃんはいっていた。大きなスコップを持って、地面の奥まで突き刺し、根ごとそれを抜き取る。やってみせると、おばあちゃんは「さすが農家の家の娘だね」といって喜んだ。おばあちゃんの畑は、今年、お花を半分しか植えない。草むしりするには限界があるから、残り半分は農薬をまいてしまったらしい。「本当は撒きたくなかったけど、ずっと草むしりばかりしているほど、元気じゃないし」。そういいながら、今でも毎日2-3時間は畑で作業をしているというのだから驚いてしまう。私だったら、それだけたくさん作業をしたら、ついつい人に自慢をしたくなることだろう。

昔は、桜の花の季節になると、おばあちゃんのことをよく考えた。今年も桜がみれて嬉しいというので、時の流れの儚さを思い、すこし切なくなっていた。今は、伸びてゆく草をみて、おばあちゃんのことを思う。

おばあちゃんがつくってくれる野菜が、私は一番おいしい。少しかたくても、私には特別においしい。
タグ:時間 いのち
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