通り過ぎる景色[2012年12月04日(Tue)]

横須賀線の鎌倉から北鎌倉の間。線路の両側にはお寺がたくさんあって、両方の窓から小高い山の風景が見えて、二人連れの誰しらが「あら、あそこ」などといって窓の外を指差して通り過ぎる風景に見とれる様子に遭遇するのが、いつだって面白い。「あそこ」の先に目を向けてみるけれど、角度がくるくると変わる景色の中で、さっき「あそこ」と呼ばれたものは、いつの間にか見えなくなってしまう。「どのあそこだろう」。そう思っているうちに、電車は北鎌倉の長いながいホームについて、正確には横須賀線が長いのであってホームはそのために長くこしらえられているのだけなのだけれど、とにかく小さな駅のその異様な「長さ」にいつも驚く。
それから、もう暮らし始めて2年以上になるけれど、やはりこの風景が「通勤という日常の一部」であることは、よく考えると不思議なようでもある。憧れていたものを日常として受け入れるのは、なんとなくへんてこで、へんてこのまま嬉しいことなのだ。きっと。
そんなことを思いながら、これまた憧れだった「江の電の踏切越しに見える神社」で写した紅葉の写真をここに載せてみた。
紅葉さんのお陰で、まだまだ秋を忘れないでいるのに。夜になると思い出す。いつの間にか、骨にしみる冬です。
あたりまえと笑われてしまいそうだけれど、人生というのは、自分にしかひきうけることができないのだなあ・・・なんてことを、しんみり考えたりしながら、朝と夜の静かな時間を過ごしています。
今年ももう、カウントダウン。