じいーーっと、そうとは意識しないまま、同じ風景を、同じ顔たちを眺めて暮らしてきたひとたち。
ある時ふと、そんなものがほかにあったかなとびくりとする。
鉄棒で「くるりと回転するあれ」をいつの間にかマスターしたときみたいに
一生懸命大地を蹴り上げたあとで、びっくりするほど「ふわり」と身体が舞うのを感じて。
この風景を「変わらない」って思っているのは、どこからやってきた記憶?
そうしていつの間にか当たり前になった景色は、それごと全部が自分みたいで、とてもとても、切り離すことはできない。
何もいわなくても。どこにいるかわからなくても。