• もっと見る

« 生活 | Main | 大学院»
<< 2011年09月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
最新記事
最新コメント
らがー
修論執筆の際に感じたこと (09/26)
やまかわ
修論執筆の際に感じたこと (09/26)
きむさま
修論執筆の際に感じたこと (09/24)
ランラン
修論執筆の際に感じたこと (07/18)
らがー
I'll go (03/29)
jin
I'll go (03/23)
きむさま
I'll go (03/21)
カテゴリアーカイブ
リンク集
新たな木材の利用可能性 [2011年05月22日(Sun)]

今日は大学院のつながりでふたりホールアースまで来てくれました。


一人はファブラボ(FabLab)を主宰するSFCを今年卒業したばかりの平本くん。

もう一人はSFCのM2で山中研の讃井さん。


FabLabとは、「3次元プリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えた一般市民のためのオープンな工房と、その世界的なネットワーク」(FabLab WEBSITEより)とあります。



共通のツールを使って、デザインして切り出す、そのアイディアをネットワークで共有する、そうした試みを行っており、日本では鎌倉、筑波を中心にいくつかの場所でFabLabが立ち上がりつつあるそうです。

基本となるのはペーパーカッター、3Dカッター、CNCと呼ばれる2Dのカッターなどの工作機械で、これをベースに設計した図面を機械で切り出していくのですが、Water Jetと呼ばれる特殊な機械に至ってはアルミの板も自由自在にカットできるそうで、今まで机上や想像上でしか実現しなかったものが、物質としてのモノ作りに繋げられる、そうしたモノ作りの限界を超える可能性があると感じました。









今回は、僕が担当しているろうきん森の学校プロジェクトで、材の活用の取組みを進める中で、新たな活用の方法としてこのデザイン分野から派生した世界的な動きとのコラボを考えました。



デザイン的な志向の彼らとの話はとっても刺激的で、
こちらもクリエイティビティを刺激されました。



現場でアイディアを交わす中で、林地残材をテーマにしたモノ作り企画を秋口に行うことで合意しました。楽しみー。わくわく。



ちなみに讃井さんは子ども向けの色を学ぶ教材を開発していて、
こちらもとってもオモシロそうでした。



Posted by ラガー at 05:29 | 仕事 | この記事のURL
キレイ事でない”共存” [2011年05月19日(Thu)]

一昨日、伊豆の天城の牧場でのシカの囲い罠猟に参加してきました。



今、伊豆ではシカが増えすぎて森林や牧草地、農地への被害が

極めて深刻になっていますが、伊豆に限らず、全国の中山間地で

非常に大きな問題になっています。



原因ははっきりとは分かっていませんが、

@狼の絶滅、ハンターの減少などによる狩猟圧の減少、

A天然林の減少に伴うシカの食糧の減少等

が主要な原因といわれています。




伊豆半島は静岡県内でも特に被害が深刻で、

森の木の皮は剥かれ、材としての価値がなくなることは勿論、

食べられる木はすべて食われてしまうので、アセビなど

特殊な耐性を持った木のみが残っているという異常な状態になっています。





そこで、野生動物管理の観点から、シカに関する特定計画を策定、

数年前から頭数の適正化に取り組んでいます。

しかし、平成14年に1500頭の駆除数が、平成22年には5000頭と

3倍以上に上っているにも拘らず、密度は2.7頭/haとむしろ増えている

いるそうです。




また、ハンターの平均年齢は70歳以上と高齢で、あと5年もすると

動ける人もだんだんと少なくなり、更に問題は深刻化します。





富士山は全体が国立公園で、その半分が国有林で、鳥獣保護区に

指定されており、狩猟は禁じられています。

こちらも近年爆発的にシカが増えていて、夜に牧草地を通ると

ものの30分くらいの間に10-20頭は平気で見られます。

植生にも被害が及び始めていて、何らかの対策が必要です。





ここまでが、現状。





僕は、「増えた→減らす」

という安易に「駆除」は違うと思っています。

いわば人間の都合で増えたものを、増えすぎたから減らす、

というのはこれは正に人間のエゴであると強く思います。





ただ、林家、酪農家、農業を営む人の声は切実で、

これは都会に住んでいるとこの深刻さはわかりません。





シカの頭数は既に危険水域を悠に越しており、僕は

ある程度のレベルまで減らしていく必要はやはりあると思います。




ただ、「有害鳥獣の駆除」ではなく、そこには命に対する敬意が

必要でしょうし、しっかり食べてあげるのが最低限の責務だと

感じます。それがシカの命をいさめることへのせめてもの

償いになるのではないでしょうか。




僕は、この問題を田舎の人だけでなく、都会の人も含め

国民全体で共有したいと強く思います。




今回は、ハンターの高齢化に伴う狩猟圧減少に対して、

猟銃に頼らない個体数管理方法として、「囲い罠と人勢子」

という新たな方法の検討をしました。




柵の中にある程度シカが入った時点で、ゲートを閉め

閉じ込めた後に、人が追い込んでくくり罠にはめる、という

やりかたです。






大きな県の牧場の一角を開放して「くくり罠」と呼ばれる

踏むと足が絞まる方式の罠を80個ほど設置して夜を待ちます。




結果は21:00の時点で12頭牧場の柵の中に入り、

ただ、網の小さな穴をこじ開けてうち9頭は逃げて

しまいました。







収穫としてはありました。しかし思うところはたくさんありました。




県の野生動物保護管理の担当者も、立ち会った地元のハンターも

この問題に対する切実さが違います。




野生動物とのやりとりは真剣そのものなので、

一度対峙すると「捕まえること」に必死になります。

しかし、ともすると駆除が目的化し、「生物としての尊厳」は

横においておかれる。

非常に複雑な気持ちです。




しかし、僕たちは単なる「森を守ろう!」とか「野生動物を保護しよう!」

とか、「自然にふれあおう」とか、そういった単なる「キレイごと」ではない

本当の意味での共存を目指さなければならない。




富士山麓でも、色んな人を巻き込み、本当の意味で「シカとの共存」を目指す、

関する取組みをこれからしていくつもりです。


県のシカの低密度化プロジェクト担当の大橋さんと集った人たち。農工大「狩り部」の面々も。
Posted by ラガー at 05:21 | 仕事 | この記事のURL
古民家再生を通じて未来を考える講座 [2011年04月10日(Sun)]

今月23日から新しい講座がスタートします。


「自然学校講座 森と暮らしのコース」

http://www.wens.gr.jp/program/kouza/morikura11.html



築150年の古民家を再生しながら、森と木との関係を学び、
ライフスタイルを考えていこう!というものです。



古民家は、現在のホールアースの場所から程近いところにあり
ホールアースがここ柚野に来てはじめたときの最初の場所です。
つまりここがホールアースの出発点ということになります。


広瀬家の末っ子のしんもここで生まれ、ヤギや羊と一緒に
育てられたといっていました。


その後、ホールアースが今の場所に引っ越した後に
大工さんが2人住みました。


その大工さんの一人の小杉さんはホールアースの13年続く
自然学校講座の一期生で、腕利きの大工の棟梁です。
今回の講座にあたって二つ返事で快諾してくれました。
つながりの中で生まれた講座です。



今回の震災でも特に感じられたことですが、
日本は今未来に向けた曲がり角にいます。



人・自然・地域が共生する社会の実現のためには
足元のライフスタイルを根本から見直し、知恵や技術を学び、
ネットワークをつくり、実践していく必要があると痛感します。



自分も含め、これがそのためのアクションの一歩になると
信じていますし、興味のあるみなさんとぜひこの時間を
共有したいと願っています。



楽しいですよ!




自然学校講座「森と暮らしのコース」
http://www.wens.gr.jp/program/kouza/morikura11.html
Posted by ラガー at 07:09 | 仕事 | この記事のURL
I'll go [2011年03月21日(Mon)]

It has decided when and where to go to disaster area to support.
Three staffs(including me) will go and deliver aid for displaced person.



The date is 23rd to 27th.
The place to go is Fukushima prefecture(including IWAKI city)



The friends of us lives in IWAKI-city,luckily they have survived.
But lifeline as electricity,water,gas have still disconnected.
And according to hazards of radioactivity, they cannot go outside freely.



The purpose of us is to figure out the real situation in disaster area,
and set up the post to support.



Ittekima---su!
Gambarima----su!
Posted by ラガー at 14:35 | 仕事 | この記事のURL
伐る、伐る、伐る [2011年03月02日(Wed)]

昨日今日と森林組合による伐木のトレーニングを行った。



ろうきん森の学校で今年から田貫湖の南側の
小田貫湿原の横の人工林を新たに借りて、
森林整備に本格的に取り組む。
その前段としてスタッフの技術向上を目的とした2日間の
集中トレーニングだ。



講師は富士森林組合の佐野林産課長。
県の安全講習の講師などを勤める林業40年の大ベテランだ。



まずは安全の話から入り、チェーンソーの目立て
そして、伐木の手順を改めて教わる。
やれていると思っていることでも改めて聞き、
改めて行うと、忘れていることや、出来ていないことが
山ほどあることに気づく。
特に目立ては真似事は出来ても、全くうまくいかない。
佐野さん曰く、
「40年やってもまだ満足いくようにできない」そうだ。
林業は奥深い。




その後は、ひたすら実践。


伐って伐って伐りまくる。



今回の受講生は森づくりを担う選抜メンバー5人だったので、
佐野さんの目の行き届く範囲で、指導を受けながら実践をした。




現場では一本一本木は違う。
どっちに傾いているか、枝の張り方は、倒す方向は、
掛かったらどうするか、など等、常に木と対話をしていないと
思わぬしっぺ返しを食らう。



ホールアース的に言うと、これが「自然語」ということになるだろう。




しかし、佐野さんの技術は本物だ。
達人の技は無駄がなく、美しい。
伐木も、枝打ちも、玉切り一つとっても素晴らしく、惚れ惚れする。




今後、近い将来柚野山の木を手がけることを視野に入れ、
材の搬出方法も同時に検討した。
今回は、グラップル付きのスウィングヤーダーという林業機械を
持ち込んでもらい、実際に集材してトラックに積み込んでもらった。
材の一部は製材して活用する。



ただ現在は国産材の材価が低迷しているので、
ヒノキでも1㎥18000円程度にしかならない。
人件費、集材、運搬、製材、加工を含めると赤字になってしまう。
だから、山主は切りたがらない。



こうした「売れない」⇒「伐りたがらない」という負のサイクルから、
「売れる」⇒「伐りたがる」という正のサイクルに変えていく必要がある。
そのためには、最後の流通の部分にどう付加価値をつけるか、
そこに知恵が試されている。




ホールアースは今年農業生産法人を立ち上げるが、
林業についても今後、より積極的なかかわりをしていく予定だ。
今回、狩猟免許を取った猟師も研修に参加したが、
僕は、第一次産業に深くコミットすることが田舎での健全な
生業と文化を継承していくことにつながると考えている。




いい研修だった。
しかし、疲れた。




Posted by ラガー at 21:54 | 仕事 | この記事のURL
教育についておもうこと [2011年02月28日(Mon)]

週末、ホールアースの馴染みのお客さんが久しぶりにきて話しをしていて、とっても考えさせられた。


彼は高校の先生でサッカー部の顧問をする若手なのだが、部活動のあり方そのものに強烈な危機感を持っていた。


彼いわく学校は今まで「部活動に甘えすぎ」ており、部活動にスポーツだけでなく人間教育も担わせていたのだそうだ。


僕も高校時代ラグビーに育てられたと感じているので、このことはとてもよく理解できる。
確かに学校は今まで部活動に過剰な期待をしすぎていたのかもしれない。


かつてのように経済が右肩上がりで年功序列、終身雇用が機能していたころは、根性があって礼儀正しく、従順な人間が重宝された。そういう人間を育てるのに部活動は最適なシステムであった。


しかし、デフレが続く閉塞的で決まりきった答えなどない社会の中で求められるのは、社会の問題を発見し、自分なりの仮説を立て、行動していく人材だ。


こうした社会的要望に現代の教育システムは全くといっていいほど答えられていない。


一番変わらなてはいけないのはおそらく先生だ。


この世の中を力強く生きる知恵や行動力を持った人間を育てるにはもはや部活動や学校の中だけでは不十分であり、地域社会に積極的に出て行って様々な主体と連携しながら教育を進める必要があると強く感じる。


そしてNPOの役割はまさにそこにある。


彼は「地域連携を進めたい」と言っていたが、そんな彼を応援したいと心から思う。


Posted by ラガー at 13:37 | 仕事 | この記事のURL
谷津山でのロゲイニング! [2011年02月28日(Mon)]

静岡市のど真ん中にある「谷津山」で
昨日ロゲイニングを実施しました。


谷津山は静岡市のど真ん中に残された東西2km、
南北1kmの緑地ですが、近年は山に入る人が
少なくなって竹が進入し、周辺の民家にも災害の
おそれがあるため、いくつかの団体が立ち上がり、
竹林整備や環境教育などの活動を行っています。


数年前からこれらの団体が連携し、谷津山の
公益的機能を更に強化し、発信していくための
「谷津山再生協議会」が立ち上がり、現在5団体が
加盟しています。


今回は静岡県からの委託事業で、
「里山の新たな活用の提案」として昨今話題の
「ロゲイニング」を提案しました。


ロゲイニングとは複数の人でチームになり、
地図を持ちながら地図上に示されたポイントを
制限時間内にいかに多く回って得点を稼ぐかを
競うゲームです。


今回は、関係者が新たな活用の可能性を
実感するということを念頭に、谷津山に関わる
各団体の方にスタッフそして参加者になって
もらいながら実施しました。


当日集ったのは、参加者が約50名、スタッフ約30名。


晴天の下和気藹々とした雰囲気でスタートしました。



今回のポイントは3種類。

地図に示された場所で写真と同じポーズで
写真を撮ってくる写真ポイント。

クイズに答えるクイズポイント。

そして、その場所にいる人の指示で何かを行う
ことで得点が入るアクティビティポイントです。



写真ポイントでは変な格好に参加者は大はしゃぎです。


アクティビティポイントでは「やつやま友の会」の
指導による竹切りだったり、「緑の谷津山を守る会」、
「都忘れの会」によるクイズ、そして冒険遊び場を
主宰する「まちなびや」は子どもが指導する竹鉄砲の
的当てを実施しました。



1時間半の活動を終えて続々と帰ってきた参加者は
口々に「楽しかった!」「坂が辛かった!」といいながら、
その顔は充実感に溢れていました。



表彰式では見事133ポイントを獲得した「ロートルU」
以下3チームに賞状と商品が配られました。



今回のロゲイニングでは里山保全の活動は色んな
切り口があることをまず知ってもらい、そして今後の
活動のヒントにしてもらうという意図がありましたが、
関わっていただいた方には温度差はあれ、その
可能性を実感していただいたようです。


谷津山のように街中にぽっかりと残された緑地
(重岡先生の言葉を借りると「マチ山」)は、地域の
人同士、あるいは人と自然とのつながりの希薄化が
進む現在にあって、その公益的機能の重要性が
益々高まっているように思えます。


協議会には静岡信用金庫が最近加盟し、毎月1回の
作業日には100人ほどが参加し汗を流しているそうで、
今回も50人ほどが参加してくれました。


谷津山再生協議会の代表である重岡先生は、
行政や企業、市民が一体となった活動の重要性を
強調されていましたが、まさに、市民の力、行政の力、
企業の力が問われているのでしょう。










Posted by ラガー at 10:29 | 仕事 | この記事のURL
四季コース大同窓会! [2011年02月27日(Sun)]

今日は歴代の四季コースのメンバーの年に1回の同窓会で、
10数人が集まりました。


1日目は竹の粉砕作業、2日目は富士山麓のシカ問題に
関する視察を行い、旧交を深めながら汗を流し、意見交換を行いました。


僕は別の事業で両日共参加できなかったのですが、
夜は久しぶりに会った人とわいわいと楽しい時間を
過ごすことができました。

でも、調子に乗って飲みすぎました。。。



一番上:竹の粉砕作業を前に


二番目:息子!?いやいや、同僚の息子です。


三番目:みんな揃って


一番下:イノシシ!?
Posted by ラガー at 10:40 | 仕事 | この記事のURL
教育現場と戦略性 [2011年02月12日(Sat)]

今日は僕の担当する「科学と環境教育連携プロジェクト」の一環で

静岡大学の小山教授(火山学)と生命の星地球博物館の笠間研究員を

お呼びして講義をお聞きしてそれに付随してディスカッションを行った。




今年は昨年行った高校向け出張かがく授業「火山基礎編」の続編として、

「火山応用編」のプログラム開発にいよいよ着手する。




火山の専門家兼伝え手としてのジミー

関係者の調整役としてのやまっち

デザイン及び事務局担当のぜっきー

そして僕は事業のハンドルとコンセプトメイク、

こんな役割分担で進めており、概ね事業はいい感じに進んでいる。




ここに来年度から岡山校から凱旋!帰静するわだきが加わる。




学校教育の現場はある意味特殊な世界だ。

学校教育業界の流儀がある。

ただ、先生達は本当に熱心で、プロフェッショナル。

そんな方達と一緒に仕事できるのが、素直に嬉しい。





学校教育のなかに社会教育が積極的に入っていき、

研究から学校教育・社会教育をつなぐモデルを作る。

お互いが足りない部分を補い合う関係に持っていくには

しかし、まだ動かさなくてはならない岩がいくつかある。





そして今は、その岩をダイナマイトで壊すより、

色んなところから水攻めをしている状態。

そしてあるとき、氷が膨張してパカンと割れればいい。





時間のかかる地道な作業だと思って取り組んでいるが、

あれこれ考え、実行し、結果を出せた時、得もいえぬ充実感を感じる。




だから、やめられないのだ。
Posted by ラガー at 23:45 | 仕事 | この記事のURL
ファンキーな住職 [2011年02月07日(Mon)]

週末は「里山つなぎ隊」で柚野にある興徳寺さんの裏の竹林整備を行いました。


興徳寺の松永住職は、柚野の寺の長男に生まれながらも土建屋社長、ブラジル在住暦ありと一風変わった経歴の持ち主で、法事があると袈裟にバイクで颯爽と農村をかっ飛ばす、ファンキーで魅力的な方です。


その興徳寺の裏山の放置竹林の整備を2年ほど前からお手伝いさせてもらっていて、今回は学生中心で、2日間でなんと約100本を切り、人工林も駆逐した竹林は大分整理されてきて終わりが見えてきました。
作業の後、住職の松永さんにお話をお聞きしました。


小6の時に清水まで40km歩いていったこと、18歳の時の日本一周、そして大学を休学して青函トンネル工事で貯めたお金で亘った海外と、まもなくモスクワでその大半を失ったこと、その後の無銭旅行の大陸横断の旅の話。4歳と2歳の息子を連れて亘ったブラジルとそこでの事業の話。倒産の危機に眠れない夜と経営者の孤独。やっと事業が上向いた矢先の住職になる予定だった弟さん不慮事故による突然死。住職になる決心をした夜のこと。そして奥さんとお父さんの死。そうした人生の中で備わった自信と覚悟と達観。
もう幾度となくお話を聞いていますが、いつもながら住職の半生は波乱万丈で圧倒されます。学生たちは食い入るように聞き入っていました。


最後に住職はいつも森の話をされます。
自分が幼かった頃真っ赤に紅葉した柚野山は、今は放置された人工林と竹林になってしまった。自分が生きている間にもう一度紅葉した山と乱舞するギフチョウを見たい、と。



住職の好きな言葉は「大きな努力と小さな成果」だそうです。
今の世の中はその逆で、いかにレバレッジをかけるかが語られる。
しかし住職は言います。
自然の再生には多くの力が要る。この小さな成果の「価値」を理解することが大事だと。



住職はこの秋、NPOを立ち上げて本格的に森づくりを始めるそうです。
地主に一人ひとり話をつけて人工林を伐採し、広葉樹を植える。途方もなく大きな計画を、「僕のささやかな夢」とさらりと語る。



そして、「女は強い」と前置きをしながら、男の存在意義を「ロマンを語る」ことだとさわやかな笑顔で語る。



今回も、心に勇気をもらいました。




興徳寺の松永住職は、そんな人です。




山寺の和尚さん日記
http://kotokuji.eshizuoka.jp/
Posted by ラガー at 09:59 | 仕事 | この記事のURL
| 次へ