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宿命の画天使たち[2009年02月23日(Mon)]
 以前にご紹介した「宿命の画天使たち」三頭谷鷹史(みずたに たかし)著は、大変面白い書物であり、読み進んでいる心に「ストン」と内容が落ちていく。

著者の三頭谷氏であるが、戦前・戦中と当時 知的しょうがいがある画家 山下清氏とその仲間たちが生きた様子、日々の活動を丹念に調べあげ、(引用・関連文献などの数多く分析をしながら)八幡(やわた)学園の仲間たちの取り組み・そしてしょうがい者芸術について暖かい視線で捉え、彼らの芸術性の素晴らしさを伝えている。

 この本の大きな意図は、実像の「画家 山下清氏」を良く知りたかったと言うことである。
著者同様、私たちが知っているテレビや映画などの「山下清」はある意味で着色し伝説化させた部分であり(それって悪いわけではないが)、大衆の評価を得た。この評価は、彼の絵画芸術としての評価ではなく、しょうがいがありながらも天真爛漫に純粋で人生を楽しんでいるイメージで制作され、つくり手側の主観も多い。その意味において、本来の「山下清」とは、どういう人であったのか。




さらに、山下清氏の芸術に触れた著者が快く感じ、また、多くの人たちが今でも展覧会が開催され作品の素晴らしさを伝えていることで、芸術的な感性として「彼 山下清の世界」というものに触れたいという願望があったのだろう。そして、山下清氏を知っていくうちに、一緒に八幡学園にいた「仲間たち」の存在も彼と比べようにもならないくらい素晴らしい作品を創作している仲間に気付くのである。
沼祐一君・石川謙二君・野田重博君・飯島繁君・竹山新作君・三郎君・潤二郎君(ここでは、特異児童作品と言うことで名前をあえて「君」とさせていただく。)

下の絵は、沼祐一君の貼り絵であるが、個人的であるが「釘付け」になった絵である。






八幡学園の園長久保寺先生・その奥さん、そして先生たちは、彼たちを画家にするつもりもなく、日中の活動を通じて情緒豊かに彼たちを保護・育成し「人づくり」に努めていた。そして、彼らはその愛育を受けながら、落ち着きを取り戻し本来の自分に帰っていく。
絵を描くことは、彼たちの心の表現である。

そして、約60年を経た時間の中で、しょうがいのある仲間たちの絵を前にし、あらためて当時の先生方の特異児童にかける熱い支援を感じた。
彼たちの作品は、倉庫に大切に保管されていると言う。








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