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「3.11」に向けて・・・その2 [2012年02月17日(Fri)]

私は2008年6月14日,「岩手・宮城内陸地震」を体験した。

1週間後に迫った論文テーマ発表会の準備のため朝早くから大学の研究室に1人でいた私は,生まれて初めて,震度5クラスの揺れを体験した。研究室が高層階だったこともあり,実感としては震度以上に大きな横揺れだった。

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パソコンが倒れ,キャスター付のイスが本棚に激突し,水槽の水があふれ出した。机の下に身を隠すなどという咄嗟の対応もまったく取れないまま,揺れが収まるまでただただ固まっていたのを覚えている。

もし,京都に就職することなく,そのまま仙台に住み続けていたとしたら,震災後に私は何をしただろうか。あのとき無力だった自分が,あのときの地震を遥かに超える規模の震災を前に,「何もできない」という無力感を感じていた。でもそれ以上に感じていたのは,ある種の「後ろめたさ」だった。4年前の地震で机の下に潜り込むこともできずに固まっていたダメな私だが,ダメはダメなりに,未曽有の事態にがむしゃらに動き回ったはずだろう。

そんな想いから,何度もチャンスに恵まれながら,私は9月まで6か月間,仙台に行くことができなかった。でも逆にそんな私だからこそ,三者三様に即座に動いた若者たちの話に刺激を受けた一方で,私のように「動けなかった(または,動かなかった)」という選択をした人の背景や想いも同様に大切にしたいと思う。

それぞれにどんな「3.11」を迎え,「3.11」にどんな想いを馳せるのか。
それは多様であっていいし,それぞれなりに向き合うことができていればいいのだと思う。
それぞれの,「3.11」に向けて・・・

(N)
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