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コミュニティ政策学会(横浜大会)に参加して [2014年07月08日(Tue)]
 7月5日(土)・6日(日)に横浜市開港記念会館、横浜市市民活動支援センターにおいて、コミュニティ政策学会第13回大会(横浜大会)が開催されました。会場には学会員の方をはじめ、市民の方も多数参加されてとても活気にあふれた大会でした。
 コミュニティ政策学会は、地域社会におけるすべての 近隣組織や市民活動組織を育て、地域民主主義を発展 させようと努力している人々の全国組織です。 地域社会のリーダーとボランティア、議員、 行政職員、NPO、企業、研究者などのあらゆる 分野の人々が集い、地域自治とコミュニティ政策について、 共に考え、情報交換することを目的として活動しています。

 今回の大会では、記念シンポジウム、分科会、エクスカーションなどの多様なプログラムが組まれていましたが、その中からつぎの分科会を紹介したいと思います。

 ■分科会T■ テーマ「地域における中間支援組織の新たな役割」

 分科会T「地域における中間支援組織の新たな役割」では、まず前段として、横浜市の特徴である市内すべての地区(日常生活圏内)ごとに地域福祉保健計画の地区別計画が策定されていることの目的や意義についての説明があり、1980年代中ごろから生まれた横浜における中間支援組織について、その歴史を振り返りつつ、役割と位置づけを検証することをテーマとしていました。また、事例報告としてつぎの3者からそれぞれの取組・活動内容が報告されました。

 @朝倉 さとみ氏(横浜市社会福祉協議会)
「横浜市社会福祉協議会地区ボランティアセンターモデル設置事業について」
 A塚原 泉氏(NPO法人親がめ理事・子育て支援拠点「かなーちぇ」施設長
「神奈川区すくすくかめっ子事業・神奈川区地域子育て支援拠点の現場・運営から見える、中間支援組織の役割」
 B坂倉 杏介氏(慶應義塾大学G-sec研究所特別研究講師、三田の家LLP代表)
「コミュニティづくりの活動拠点『芝の家』

 @の朝倉さんからは、中学校区域単位で設置されている地区社協が抱えている課題(個々のニーズの多様化、地域住民同士の希薄化、日常生活の困りごとなど)に対応するためのモデル事業として市内5か所(戸塚区・旭区・保土ヶ谷区・青葉区(2か所))で取り組んだ「拠点型」ボランティアセンターの設置事業について報告がありました。実施期間は平成22年度から25年度です。
 運営主体者の募集に際しては、つぎの共通要件を設けたとのことです。
(1)拠点を設けて、相談窓口を設けること
(2)週4日以上、1日6時間以上開館すること
(3)窓口開館時間内で、2名以上の相談員(地域の方)が常駐すること
(4)実施期間は平成25年度まで
 また、拠点形態は、戸建て住宅、空き店舗、ワンルーム、貸スペース、駐在所跡などそれぞれ異なる形態で実施したようです。共通要件をクリアした5か所においては、モデル期間中に補助金が配付されました。
 結果として、ボランティア活動の支援以外にも拠点としての機能を発揮することにより、地域の集いの場にもなり、ボランティアセンターの多様性を確認する効果がでたことで、いわば中間支援組織としての存在感を示すことができた反面、拠点継続のための財源確保、開館時間や配置人数の検討、設置・開設までの準備期間不足といった課題も抽出されたとのことです。

 Aの塚原さんからは、神奈川区で取り組んでいる地域子育て支援拠点の活動について報告がありました。まず、我々の基本的な考え方は、「地域活動に長く関わり続ける中で、顔と顔をつなげ点と面でネットワークを深めていく語り合い学び合いの多様な場をデザインしていく人材になる」ということであると話されていました。また、自分たちのような中間支援組織がしっかりと機能していくためのポイントとして挙げたことは「地域ぐるみ」で取り組むということです。そのためには、区役所との連携、町内のいわゆる「長老」とされるキーパーソンとの信頼関係の構築にあるとのことでした。一方、子どもを預ける親の側に対しても事前の説明会や研修会などを通じて責任と自覚を認識してもらうことが必要ということです。
 例えば、預かった子どもが万一、ケガをしてもそれを安易にNPO側のせいにはしないでほしいといった一見すると、ちょっと乱暴では?と思うようなこともおっしゃっていました。つまり、NPO組織としてできること、またできないことを予め説明しておくことも信頼関係を築くにあたっては重要であるということのようです。いわゆる「企業」と「顧客」という関係ではなく、地域住民みんながそれぞれ地域づくりの担い手の当事者であるという関係にすることがある意味、これまで継続できた秘訣ではないでしょうか。

Bの坂倉さんからは、東京の港区という場所から、まさに都市型コミュニティ社会の形成に取組んでいる活動について報告がありました。ちなみに港区では区域を5つの支所に分けており、このうち坂倉さんは「芝地区」で活動されています。大学連携による「地域づくり」×「人づくり」=「ご近所イノベーション」の促進を実践されており、その具体的な取組として「ご近所イノベーション学校」の紹介がありました。
 主な事業は、想いをまちにつなげるさまざまな講座の実施、ご近所イノベーション活動の情報支援、つながりと活動を生みだす場の運営。学校という名の「新しいかたちの中間支援のプラットフォーム」づくりを通して、多くのご近所イノベーションが起こる地域を目指しているとのことです。その中から今回は「ご近所イノベータ養成講座」(2013年より開講)の紹介がありました。 「ご近所イノベーター」とは自分の想いを実現しながら、地域生活に豊かさと幸せを生み出す次世代のまちの担い手。まちに暮らす一人の人間として主体的な活動を起こし、地域のネットワークや創造的課題解決の風土を育む、地域の〈人財〉とのことです。
 この講座は20名という少人数制で、講義とワークショップのほか、プロジェクトの実践や「芝の家」でのコミュニティ体験を通して「自分のやりたいことをまちにつなげる」技法を学ぶ、実践型講座で、講座内で学びが終わるのではなく、講座の終了が具体的な実践のはじまりと考え、講座が後ったあとにも生きるネットワークづくりとアイデアの技法を身につけることを主眼としたものだそうです。
 坂倉さんのお話のなかで特に印象に残ったのは、地域・まちづくりに関わる人を集めるにあたってのコンセプトです。ここでは、「地域のため」というよりは「自分の人生を豊かにするため」に活動しようということをモットーにしているとのことです。そうしないといつも集まる人が同じになってしまい広がりがでてこないようです。これからは従来型のいわば「垂直型」の自治組織から、「ゆるやかさ」「対話型」「交流の場」といったいわば「水平型」の組織形態が広がっていくのではないかと話されていました。

photo2.jpg

 以上、それぞれの報告の概要をご紹介しましたが、社会構造が大きく変化している時代において、これからの「コミュニティづくり」とは決して一つ二つの形で当てはめるものではないことと、行政、企業、NPO、大学、町内会、市民(団体)などの各主体が個々に活動するだけではなく、相互に連携、対話、協力を積極的に行い地域の実情や課題といったものを共有しながら進めていくことがまさに重要になるということを強く感じました。

コミュニティ政策学会
http://www.jacp-ac.org/

横浜市社会福祉協議会
http://www.yokohamashakyo.jp/

NPO法人親がめ
http://oyagame.web.fc2.com/index.html

芝の家
http://www.shibanoie.net/

ご近所イノベーション学校
http://gokinjo-i.jp/
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