一昨日から学校が再開し、少し気持ちに余裕ができた。
年末に厚労省から「児童養護施設等及び里親等の措置延長等について」という局長通知が出た。朗報だった。
要は、社会的養護にある子どもについては、原則18歳(高校卒業)までの措置であるが、特別な事情(例えば、就職がまだ決まっていない、就学が遅れた等)があれば20歳までの措置延長が可能であるが、この措置延長の規程を積極的に活用しなさいというもの。
これによって、大学や専門学校に進学した子、高卒就職した子についても措置延長が可能になった。(ただし、通学や通勤に便利な都市部でないと難しい。あくまでも措置延長だから、東京の大学へ進学した場合に東京の施設へ措置変更するというわけにはいかない。)
同時に、中学校卒業や高校中退等で就職する児童についても、卒業や就職を理由として安易に措置解除することなく、継続的な養育を行う必要性の有無により判断することとされた。児福法を純粋に読めば、こうした子どもの措置を継続できないわけはないのだが、児童養護施設では高校等へ進学しない(あるいは中退した)子は原則、施設を出なければならないと考えられてきた。
この問題に対して国は、昭和63年に「養護施設入所児童のうち中学校卒業後就職する児童に対する措置の継続について」という通知を出した。これは、中卒で就職しても概ね6か月間は措置を継続できるというもので、要は、15歳で施設を出て就労したとしてもうまくいくわけないのだから、しばらくは措置を継続して就労支援をしなさいというものだ。しかし、この通知が今では、高校等へ進学しないで就職する子は原則として措置を継続できないことを裏付ける論拠として利用されてしまっているのだ。今回、この通知は廃止された。
このように措置延長や継続についての通知が出されたとしても、すぐには状況は改善しないだろうし、もし通知のとおり措置延長や継続が実施されたとしたら、それでなくとも混迷している施設はさらに混迷を深めていくことだろう。なぜなら、高校等へ進学しない(というよりできなかったという方が正しいかも)子や中退してしまう子は、発達的な課題をもっていたりして社会適応が困難な子が多く、単に施設での養育を継続したとしても自立への有効な道筋を見出しにくいからだ。しかし、例えそうだとしても、社会的養護の責任として(うまくやっていくことができないとわかっていても)卒業や就職だけを理由に社会に放り出すことはなってはならないだろうし、真剣に養育に携わってきたという自負があるならばそれはできないであろう。
現在、社会的養護にある子どもの数は、義務教育終了後に急激に減少している実態がある。社会的養護が高校生年代の子どもの問題に十分に機能していないことの表れともいえる。これは決して社会的養護の分野に限らない。ある弁護士さんが「高校は安易に子どもを切り捨てる(表向きは進路変更に伴う自主退学だが)。高校を辞めた子がその後どうなっていくのか考えているのだろうか。」と嘆いていた。社会(大人たち)は、自分たちに都合のいい子どもとは向き合おうとするが、厄介な子どもと向き合うことを避けがちだ。
高校生年代は、児童(児福法では18歳未満をいう)の最終段階であり、社会的自立に向かう重要な時期だ。児童虐待に対して、早期発見に努め、被虐待児に対して治療的養育に努めても、最終段階での支援が不十分であれば、虐待の連鎖を断つことはできないだろう。社会的自立が困難な子どもの割合が増えている。それでなくとも少ない子ども。児童の最終段階での支援について、社会全体がもっと関心を寄せなければならない。