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ハノイろう教育プロジェクト [2013年08月06日(Tue)]
ベトナム南部ホーチミン市近郊のドンナイ省の教育大学内で実施してきた、ろう者教育プロジェクトが成功しているので、同様のプロジェクトをハノイで行ってきました。

しかし、五年間の契約期間満了をもってハノイでのプロジェクトは終了の方向です。ビジネスと同様、非営利のプロジェクトも実はうまくいかない事が多いのです。

理由は、当初の計画のようには手話で教えることのできる教員を多く養成する事ができず、プロジェクトが目指していた程には手話で十分なコミュニケーションが取れない科目が出来てしまいました。

南部との違いは取り組み方の柔軟性と現場の熱意だったと思います。

学校の継続は教育省の判断次第ですが、我々としても勉強を継続したい学生さんには、ドンナイでの奨学金給付などを考えています。
防災グローバルプラットフォーム会合2013 [2013年08月04日(Sun)]
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2013年5月21〜23日の三日間スイス、ジュネーブにおいて防災グローバルプラットフォーム会合(GP2013)が開催された。この会議は2年毎に開催されており、4回目となる今回は国連国際防災戦略事務局と1400を超える世界中の自治体からなる防災キャンペーンの共催により開かれた。

この会議は防災に関するものでは世界最大級であり、参加者は172ヵ国から様々な立場(政府代表、国際機関、赤十字・赤新月社、国際NGO、市長、議員、地域コミュニティー、原住民族、障害者、若者、経済界、学者など)を代表する3500人以上が集まり、全体会、政府代表による会議、テーマ別会議、サイドイベント、「イグナイト・ステージ」と呼ばれる個人・団体による発表など合わせて170以上のイベントが行われるという規模であった。

実はこれまで防災に関する国際会議で障害をテーマに目立った議論は行われてこなかった。

しかし、昨年10月にまとめられた国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の「障害者の権利を実現するインチョン戦略」においては、10ある目標の一つに「障害インクルーシブな災害リスク軽減および災害対応を保障すること」が掲げられた。また、同じく10月に開催された災害リスク軽減に関するASEAN大臣級会合においては「障害インクルーシブな災害リスク軽減」に関する世界的にも最も先進的な宣言が出されている。このように近年アジアを中心として国際的な場で障害と防災・減災に関する議論が活発になりつつある。

日本財団は世界的な防災・減災への取り組みにおいて「障害」がテーマとして認識されて来なかった現状に鑑みて、ドイツ国際協力公社、国際障害同盟(IDA)、障害インクルーシブな防災・減災ネットワーク(DiDRRN)とともに「障害インクルージョン:ポスト2015防災・減災フレームワークへの障害者の参加拡大」と題したサイドイベントを共同開催した。過去に国連の防災関連会議において「障害」をテーマとして取り上げたイベントが開かれたことはなく、このサイドイベントは初めての取り組みであり開催された意義は大きい。

東日本大震災の経験を基に「防災・復興のあらゆる課程に障害当事者の参加を実現すること」を訴える基調発表を行った宮城教育大学の松崎丈准教授の他、タイのモンティアン・ブンタン上院議員、フィジー障害者協会とIDAの代表として参加したエレノア・カイサウ氏、米国連邦緊急事態管理庁障害者統合調整ディレクターのマーシー・ロス氏がパネリストを務めた。議論の結果として「障害者の効果的な完全参加」「アクセシビリティ」「障害者のインクルージョンが横断的課題であることの認識」の三点が2015年以後の新しい防災・減災の行動枠組みに重要であるとの提言がまとめられGP2013の議長に提出された。80人を超える聴衆が集まり、国連国際防災戦略事務局の職員によれば「たいへん人気のあるサイドイベント」とのことで、災害時における障害者の問題は多くの参加者に取って新鮮であり関心の高いものであったようだ。

一方、一組(または一人)15分の持ち時間を使って次々と発表が行われるイグナイト・ステージにおいても障害をテーマに日本やアジアの参加者からの発表があった。宮城教育大学の松崎准教授は聴覚障害の「聞こえ」を疑似体験出来るような音声を英語とドイツ語で流したり、警報ブザーの代わりとなるフラッシュライトを点滅したり、趣向をこらした発表で聴衆の注意を引く発表を行った。

また、日本障害フォーラム(JDF)と日本財団は東日本大震災における沿岸被災都市の障害者死亡率が全住民の2倍以上であったという報道を重く受け止め、記録ビデオ「生命のことづけ 〜死亡率2倍 障害のある人たちの3.11〜」を制作したが、この問題を日本国内のみならず海外にも広く伝えるためJDF事務局の原田潔氏がイグナイト・ステージにおいて発表し、またブースも開設しビデオの紹介を行った。

さらにジョグジャカルタのろう青年たちによる発表は、ビデオを用いた防災教育に関するもので、ビジュアル的にもたいへん素晴らしいものであった。これらイグナイト・ステージでの発表の様子は文末のURLアドレスを参照して是非ご覧頂きたい。

子供と減災に関するテーマ別セッションにおいても、ベトナムの脳性麻痺の少年Danh君が洪水の中かろうじて生き延びた経験から防災対策の大切さを話し多くの参加者の共感を得ていた。

また、日本財団は国連笹川災害防止賞を設けており、300人以上が参加した授賞式の挨拶で笹川会長から「障害者や高齢者など要援護者への対策を地域が一つになって取り組むべきである」という旨の発言もあり、今回のGP2013では障害者のインクルージョンに関する日本からの発信はたいへん目立っていたのではないかと思われる。
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今後の動きについてだが、2015年3月には第3回会議が仙台で開催されることが決まっており、そこで新しい行動枠組み「ポスト兵庫行動枠組(HFA2)」が採択され、その後国連総会で支持を得る運びとなっている。

今回ジュネーブで開催されたGP2013は2015年仙台の国連防災世界会議(WCDRR)までに開かれる最後の大規模な国際会議であり、その議長報告は2015年まで引き続き継続されるHFA2の議論に大きな影響があるため非常に重要なものであると言える。従って議長報告の中で「災害は地域レベルで発生し解決策も地域に存在するとの認識のもと、地方自治体が都市開発を行う場合、障害者のニーズに十分な注意を払うこと」、また「インクルーシブでコミュニティーをエンパワーする参加型の取り組みが持続性のある防災に強い地域づくりのツールである事が示され、また女性がそのような地域づくりの牽引役である事、さらに先住民、難民・国内避難民、子供と青少年、高齢者、障害者や多くの民間支援団体が減災への取り組みを実施している事が示された」と地域における障害者への配慮や障害者が減災への取り組みを行っている事が明示された意味は大きいだろう。

関連ウェブサイト(全て英語だがイグナイトステージとテーマ別イベントは動画もあり雰囲気を知ること可能)
GP2013議長報告
http://www.preventionweb.net/files/33306_finalchairssummaryoffourthsessionof.pdf
サイドイベント「障害者インクルージョン」
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/programme/sideevent/view/502
イグナイトステージ松崎丈氏
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/programme/ignitestage/view/402
イグナイトステージ原田潔氏
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/programme/ignitestage/view/399
イグナイトステージDiDRRN インドネシアのろう青年たち
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/programme/ignitestage/view/435
テーマ別セッション「子供と減災」(Danh君の出番は50分頃から)
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2013/programme/featuredevents/view/486


東日本大震災二年目の検証とインクルーシブな復興 [2013年02月12日(Tue)]
今年も日本障害フォーラム(JDF)さんと共催で「東日本大震災二年目の検証とインクルーシブな復興」と題するイベントを3月5日議員会館で開催します。是非ご参加ください。

ベトナム支援 [2013年02月12日(Tue)]
会長がベトナムより受勲。 その時の様子です。
障害者と災害 Disability Inclusibe DRR [2012年12月11日(Tue)]
東日本大震災、障害者の生死をわけたものは何か?をテーマにしたビデオを作成しています。 予告編です。
障害者の高等教育に関する提言 −進学を選択できる社会に向けてー [2012年08月24日(Fri)]
またまた久しぶりの更新です。 FBやTwitterを中途半端にやっていて最近思ったのは、やはり仕事の関連では記録として残す意味でブログの方が良いかな・・・と。

さて東京財団による表記の政策提言がまとまりました。 

東京財団さんに障害者の高等教育政策が未整備であり、政策研究のテーマになり得るかと提案をしたのが2011年の6月。

この提案に賛同し素早くプロジェクトを発足していただいたお陰で、早いペースで提言がまとまりました。

また、このプロジェクトが一つのきっかけとなって文科省で障がいのある学生の修学支援に関する検討会が始まっています。

プロジェクトメンバーとして参加して下さった以下の先生方に感謝いたします。(敬称略)私が申し上げるのは失礼ですが、このテーマに中途半端な関わり方をしていらっしゃる方は誰一人としていません。

青柳まゆみ(筑波大学大学院人間総合科学研究科助教)
金澤貴之(群馬大学教育学部准教授)
近藤武夫(東京大学先端科学技術研究センター講師)
白澤麻弓(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター准教授)
森壮也(日本貿易振興機構アジア経済研究センター貧困削減・社会開発研究グループ長代理兼開発スクール教授)

そして東京財団の冨田清行政策研究事業(内政担当)ディレクター、亀井善太郎研究員兼政策プロデユューサー。 何と言っても本研究の中心となって活躍なさった三原岳研究員兼制作プロデューサーの存在がなければ、ここまでの成果はあり得なかったでしょう。

三原さんの霞が関での顔の広さは相当のもので、本件でメインターゲットとなる文科省高等教育局にも凄く顔が売れています。この人脈と霞が関ウォッチャーの実力が存分に発揮されました。流石、元記者・・・恐るべし。
個展 [2012年05月13日(Sun)]
昨年10月に銀座月光荘で開かれたいしいまき個展です。 150人を超える方がお見えになり大変盛況でした。

国連専門家会議関連のサイト [2012年05月13日(Sun)]
久しぶりの更新です。 Facebookを利用し始めてから、すっかりブログの方はおろそかになってしまいました。

さて、今年の大きなイベントの一つだった国連専門家会議「CTと障害−アクセスと共生社会、すべての人のための開発へ−」が無事終了し、関連の日本語サイトがでそろったので、以下にリンクを貼りつけます。(写真は会議参加者)
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国際連合広報センター その1

国際連合広報センター その2

DINF障害保健福祉研究情報システム

日本財団のサイト

日本財団ブログマガジン

UNの公式サイトはこちら→ UN Enable

世界各国と日本から集まって下さった専門家・オブザーバーの方々、国連経済社会局の伊東さん、エリックさん、東京の国連広報センターの山下所長、妹尾さん、JDF藤井さん、原田さん、TBS山崎さん、高木さん、瀧澤さんはじめ手話、音声、パソコン通訳者の方々、そして財団スタッフの面々、本当に有難うございました。 この会議の公式報告書が今後様々な国連会議や各国での議論に活用されることを期待しています。
東日本大震災被災聴覚障害者 遠隔情報・コミュニケーション支援事業 [2011年12月12日(Mon)]
9月11日に開始した聴覚障害者との遠隔情報・コミュニケーション支援事業。 

想定していたよりも市町村役所への通信端末設置が遅れていました。 

しかし、岩手県洋野町久慈市への設置以後、ようやく進み始めました。

先週12月7日には釜石市大船渡市に設置して来ました。

これで市町村では岩手県が洋野町、久慈市、釜石市、大船渡市、宮城県が石巻市、合計5自治体です。

他、盛岡の岩手県立視聴覚障害者情報センターにも設置済みです。

公的機関以外では宮城県ろうあ協会にも2台貸与、日本障害フォーラム(JDF)被災障がい者支援岩手本部にも貸与しています。

今週は盛岡市の岩手県ろうあ協会を訪ねて利用と普及をお願いする予定です。

できれば、その足で宮古市も訪問したいと考えています。

12月7日時点での利用状況は個人登録者が69人、開始以来の利用件数が296件です。

うち代理電話が262件、窓口での遠隔通訳が34件です。

また、この事業の活動の一つである臨時災害FMやコミュニティFM放送の文字による配信もプラスヴォイス三浦社長が中心に進行中。
尾形理事長が石巻市長を訪問、遠隔情コミへの協力要請 [2011年12月05日(Mon)]
12月2日(金)午後、日本財団理事長が石巻市長を訪問。 

日本財団遠隔情報コミュニケーション支援事業への協力を要請。

iPad2とドコモのWifiルーターを市役所に設置し、窓口での遠隔通訳(字幕提示と手話通訳)への活用をお願いしました。


左:亀山紘 石巻市長 右:尾形武寿 日本財団理事長


合わせて、石巻市の聴覚障害者約450人への日本財団遠隔情報コミュニケーション支援事業に関する情報提供、タブレット端末の日常生活用具としての認定をご検討下さるるようお願いしました。
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