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蔡総統の太平洋諸島訪問(3)台湾の防衛予算3%まで増額(追記修正あり) [2017年10月31日(Tue)]
蔡総統がホノルルの東西センターで何を言ったか、ニュースに少しずつ出ている。
スピーチ入手できないだろうか?

台湾の防衛予算を、少なくとも防衛予算の2%まで、必要であれば3%まで確保、と蔡総統ホノルルの東西センターで明言。
現在年間防衛費の調達予算(修正しました。)はUS$2.76 billion。約3千億円。

(追記)台湾の年間国防予算はGDP2%の1兆200億円。
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201608190003.aspx

Tsai promises 2% defense budget hike
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2017/10/31/2003681359

U.S.-Taiwan ties vital to peace in Asia Pacific: President Tsai
https://chinapost.nownews.com/20171030-159216

PressReader - Honolulu Star-Advertiser: 2017-10-29
https://www.pressreader.com/usa/honolulu-star-advertiser/20171029/281767039480186


<アジア太平洋の安全保障を動かしているのはアジア人女性?>
ところでどうでもいいような話だが、私は重要な情報だと思っている。
この米国務省管轄のホノルルにある東西センターの所長。
長年チャールズ・モリソンという方がトップだった。(1998年8月1日から2016年12月30日)
彼の最初の奥さんが韓国の方で、現在は日本人の奥さん。
彼の後任Dr. Richard R. Vuylstekeが今回の蔡総統の訪問をアレンジしており、奥さんは台湾人。美貌の元テレビキャスター。本人も台湾との関係が強い。
https://www.eastwestcenter.org/news-center/news-releases/east-west-center-welcomes-new-president

私は誰とは書かないが、この中の一人と知り合い。
米国白人男性を操ってアジア太平洋の安全保障を動かしているのはアジア人女性だったりして。
蔡総統の太平洋諸島訪問(2)パールハーバー訪問の意味 [2017年10月31日(Tue)]
10月28日から開始した蔡総統の太平洋諸島訪問。日本のメディアは殆ど取り上げていないのだそうである。このブログが唯一の情報源、と煽てられてフォローする事とした。

蔡総統、太平洋諸島訪問の直前に米国のダニエル・ラッセル前国務次官補の訪問を受けている。太平洋島嶼国のブリーフィングである事は明らか。台湾関係法を知れば当たり前の話である。

蔡総統の太平洋諸島訪問とラッセル前米国務次官補
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2249

蔡総統が最初に訪ねたのは米国のハワイ。しかもパールハーバー。
台湾関係法は西太平洋安全保障のための米台の軍事同盟だ。
蔡総統のパールハーバー訪問はまさにこの軍事同盟の強化のメッセージを関係国に、しかもトランプ大統領のアジア訪問直前に、発していると受け止めてよいであろう。

下記の記事は、今回の蔡総統のハワイ訪問を中国が強く反対した事が書かれている。
ここにパールハーバー訪問を入れるって米国も黙っていない、ということか?

OCTOBER 29, 2017
Taiwan president arrives in Hawaii despite Chinese objections
Reuters Staff
https://ca.reuters.com/article/topNews/idCAKBN1CY012-OCATP

(これはイギリスのメディア)
Taiwan president Tsai Ing-wen lands on American soil despite China's protest
The Taiwanese leader will make stopovers in Honolulu and Guam.
VASUDEVAN-SRIDHARAN By Vasudevan Sridharan
October 29, 2017
http://www.ibtimes.co.uk/taiwan-president-tsai-ing-wen-lands-american-soil-despite-chinas-protest-1644988?utm_source=social&utm_medium=facebook&utm_campaign=%2Ftaiwan-president-tsai-ing-wen-lands-american-soil-despite-chinas-protest-1644988


China Asks US to Not Allow Taiwan President in Guam, Hawaii, Latin American Herald Tribune, October 28, 2017
https://warsclerotic.com/2017/10/28/china-asks-us-to-not-allow-taiwan-president-in-guam-hawaii/

(キリスト教系のメディア)
China Pressures Trump Admin. to Deny Taiwanese President Entry to Hawaii
Posted on 28/10/2017 by Edward
http://edordway.com/2017/10/28/china-pressures-trump-admin-to-deny-taiwanese-president-entry-to-hawaii/


以下の記事は、パールハーバーなどハワイ訪問の様子。

Tsai visits Pearl Harbor memorial in Honolulu

By Chung Li-hua / Staff reporter, with Reuters, HONOLULU, Hawaii
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2017/10/30/2003681305

(ロイターの記事だが、アラブのメディアまで取り上げている)
Taiwan president arrives in Hawaii despite Chinese objections
http://www.arabnews.com/node/1184911/world#.WfZw1yyRWbg.facebook

東西センターにも訪問。


この蔡総統のツィッターにある、戦闘機と蔡総統を乗せた飛行機が平行に飛んでいる写真は、かなり刺激的、扇動的なのでは?
https://twitter.com/iingwen/status/924735918589673472
『海の民のハワイ』小川真和子 著(1) [2017年10月31日(Tue)]
287823.jpg

『海の民のハワイ』小川真和子 著、人文書院、2017
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b287823.html


この本に出会えたのは、そしてこの著者にお会いできたのはこのブログのおかげである。
改めて2010年にブログ開設を強く勧めて(ほぼ強制的に)くださった笹川会長の感謝したい。

発端は,この4、5月に声をかけていただいた海洋議連・島嶼議連(会長;古屋圭司議員)の講演会である。
太平洋の海洋安全保障は日本が出て行かなければどうにもならない、と国会議員の皆さんに訴えた。
豪州 ー 努力は認めるが規模が。。。
米国 ー 能力はあるが本土の東海岸が後ろ向き。
島嶼国 ー 日本が出て来るとずーっと期待していたのにいつまで経っても何もしないのでとうとう中国やシーシェパードの援助を受ける結果に。。

日本が海洋国家である、というのは国内の範囲での話ではないのだ。
数千年前の神武やそれ以前から広大な海洋を制覇していたのだ。
鎖国の江戸時代だって、グロチウスなんか知らないでも自由な海を謳歌していた。(内緒で)

国会議員に訴えた手前日本のシーパワーの原点を知っておくべきと、瀬戸内海の村上水軍博物館を訪ねた。資料をたどる内に立命館大学の小川真和子教授の論文に出会った。

ちょうどアメリア・イアハートのフェイクニュースを産経の英文メディアJapan Forward に書く機会をいただき、小川真和子教授の論文を引用させていただいたので、ご本人にご報告した。それをきっかけに先日お会いし、新刊の『海の民のハワイ』をいただいたのだ。
読み出したら止まらなくなった。

この本、水産庁と外務省大洋州課は必読です!

この本はハワイを中心に書いてあるが、100年前、広大な太平洋を「面」として開拓したのは、山口、岡山、広島、和歌山あたりの人々なのである。南洋貿易会社も和歌山の紀州日置村の方達が開始したのだ。

紀州日置村の南洋開発 ー 『南洋群島昔話 其の一』昭和19年5月
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2154

本の紹介のはずが前置きが長くなりました。
ネタバレにならない程度に後2、3回今度は本の内容をご紹介したい。
「島の国際法上の地位」山本草二(自分用メモ) [2017年10月29日(Sun)]
『国際行政法の存立基盤』(山本草二著、有斐閣社、2016年)に収められている「島の国際法上の地位」を再読。


2013年に亡くなられた山本草二先生にお会いすることも教えをいただくこともなかったが、宇宙法や国際通信法もカバーされているようだ。私の一つ目の博論は通信で、開発論だから国際法には触れていないが、山本先生の通信関係の論文も時間を作って読んでみたい。通信分野も、島嶼国はじめ、脱植民地化の動き、すなわち開発イデオロギーと資源イデオロギーと関係しているはずだ。もしかしたら山本先生はその視点で議論されているかもしれない。

さて、前回も気になった箇所だが、「島の国際法上の地位」の436頁にある、民族自決権と島の定義の議論。アフリカ14カ国とラ米19カ国が大陸棚や経済水域がその島の住民に帰属し、現地の支配権力はこの権利を行使できないという主張に、なんとニュージーランドが具体的な対抗する理論展開をしている。即ち、「現地の統治権力の援助・支持なくして住民による海洋資源の開発と利用は不可能である以上、むしろ島周辺海域に対する権利の取得はみとめたうえで、その資源の利用と配分について合理的な利益が保証されるよう(以下略)」(436頁)

このニュージーランドの指摘は重要な気がするし、この指摘に太平洋島嶼国はどのように反応したのであろう?
この箇所こそ、自決・開発・資源イデオロギーの対抗軸、もしくは入り身の術的な視点ではないだろうか?
豊富な資源を持った途上国が悲惨な社会になった例はいくらでもあるが、豊かになった例はあるだろうか?例えばブルネイか?あそこはシェル石油がいるし。。
パプアニューギニアは国家予算10年の天然資源の権利料を得たとニュースで読んだ記憶があるが、国家の福祉・教育は改善されているのであろうか?
天然資源が国家を豊かに人々を幸せにする、とは思えないのだ。。


「海洋法における「島の制度」再考」栗林・加賀美(自分用メモ) [2017年10月29日(Sun)]
『日本における海洋法の主要課題(現代海洋法の潮流第3巻)』(有信堂高文社、2010年)に収められている第7章「海洋法における「島の制度」再考」(栗林忠男、加賀美康彦著)を再読した。

松井芳朗先生の自決権と天然資源の永久的主権の論文を読んだ後なので、問題意識が初回に読んだ時よりも明確になったような気がする。

以下、メモ。

第三次国連海洋法会議、第2会期(1974年)で、「一括派に属する立ち場として、南太平洋4カ国(フィジー、ニュージーランド、トンガ、西サモア)の提案は島国からの興味深い視点を提供する。同4カ国は、領海条約第10条1項と同一の島の定義を設け、島嶼国の島を含めたすべての島について、陸地領土に適用される規定に従って領海、EEZ及び大陸棚を決定するよう主張した。」(同署233ページ)
その後に続くニュージーランドの論理も興味深い。独立国のうち島嶼国は全体の30%。大陸部分に認められる領域が島に認められないのは不平等である、と。サモア、フィジーもそれに続いている。
そしてこれに他の島嶼国の共感を呼んだのだ。SIDSの起源か?

先進国には島を分類することに批判的な国が多かった。例えば英国、フランスだ。両国は多くの島を領土として抱えているから当然であろう。(235−236頁)

引用している小田滋教授のコメントが興味深い。
「領海の場合はともかく、沿岸国の排他的経済水域や大陸棚境界確定にあたって島がどのような意味を持つかは、理論的問題であるよりは各国の赤裸々な現実的利益を反映した経済問題であり、(中略)統一的草案の規定は手を触れられることもなく、本条約の条文に引きつがれたにとどまる」
ここは同教授の『注解国連海洋法条約 上巻』にあり、原典も確認した。

UNCLOSの島の制度に、太平洋島嶼国が積極的に関与している話は、当方の最初の博論でも若干取り上げた。漁業管理と情報通信の発展が繋がっているからだ。FFAとPEACESATのケースを取り上げたのだ。
これに関するニュージーランド外交官のペーパーも入手できた。
Chris Beeby, ‘The United Nations Conference on the Law of the Sea: A New Zealand View’, Pacific Viewpoint, September 1975
蔡総統の太平洋諸島訪問とラッセル前米国務次官補 [2017年10月29日(Sun)]
昨日10月28日から台湾の蔡総統の太平洋諸島訪問が開始した。
蔡総統のツイッターに興味深い情報が。
10月24日に米国のダニエル・ラッセル前国務次官補の訪問を受けている。ラッセル氏は東アジアと太平洋地区を担当し、奥様は日本人だ。
下記のBloombergの記事によるとトランプ政権になって辞任し、現在はニューヨークのアジア協会で研究職に。外交官は続けているとのこと。
「ラッセル米国務次官補が辞任へ、トランプ政権下で退職相次ぐ」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-02/OM7KRQ6K50XT01

後任はまだ決まっていないようだ。
Taiwan Relations Act.の意味を先日遅まきながら知った。もちろんラッセル氏の台湾訪問は蔡総統の太平洋諸島訪問へのブリーフィングであろう。台湾の外交と米国のそれは繋がっている。少なくとも西太平洋に関しては。

パラオを防衛するのは米軍?台湾軍?
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2218


ダイヤモンドセキュリティ構想と自由で開かれたインド太平洋 [2017年10月28日(Sat)]
DiamondSecurity.png

この4、5月に発表する機会をいただいた海洋議連・島嶼議連で使用した当方のパワーポイント資料から

クリックすると拡大します


2012年に発表された安倍総理のダイヤモンドセキュリティ構想は「自由で開かれたインド太平洋戦略」と名称が変わったのかもしれない。
その原点は下記の2007年の「二つの海の交わり」と言うスピーチである。引用したい。


皆様、私たちは今、歴史的、地理的に、どんな場所に立っているでしょうか。この問いに答えを与えるため、私は1655年、ムガルの王子ダーラー・シコー(Dara Shikoh)が著した書物の題名を借りてみたいと思います。
 すなわちそれは、「二つの海の交わり」(Confluence of the Two Seas)が生まれつつある時と、ところにほかなりません。
 太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として、一つのダイナミックな結合をもたらしています。従来の地理的境界を突き破る「拡大アジア」が、明瞭な形を現しつつあります。これを広々と開き、どこまでも透明な海として豊かに育てていく力と、そして責任が、私たち両国にはあるのです。

インド国会における安倍総理大臣演説、「二つの海の交わり」Confluence of the Two Seas、平成19年8月22日 より
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/19/eabe_0822.html


ダーラー・シコー(Dara Shikoh)の「二つの海の交わり」(Confluence of the Two Seas)が具体的に何を指すのか検索してみたが見つからず、下記のMonika Chansoria博士の2ページのペーパーがあった。この「二つの海の交わり」が安倍総理のスピーチに出て来た背景には内閣官房副長官補 兼原信克氏と内閣官房参与の谷口智彦氏の提案があったと言う。

"Abe’s bid to forge this vision began in his first term as Prime Minister, when he addressed the Indian Parliament in August 2007. The Japanese leader was inspired by the most famous authored work of Mughal prince Dara Shikoh, the book Majma‐ul‐Bahrain (The Confluence of the Two Seas; published 1655), which became the founda on and tle of Abe’s speech and vision for Indo‐Japanese rela ons − that of nurturing an open and transparent Indo‐Pacific mari me zone as part of a broader Asia. In fact, the speech “Confluence of the Two Seas” underscored the pivotal advisory role of Deputy Chief Cabinet Secretary, Kanehara Nobukatsu, and special Cabinet Advisor Taniguchi Tomohiko. The concept of a “broader Asia” is fast transcending geographical boundaries, with the Pacific and Indian Oceans’ coalescence becoming far more pronounced and evident than ever. In order to catch up to the reality of this “broader Asia”, Prime Minister Shinzo Abe referred to Japan undergoing “The Discovery of India” − implying rediscovering India as a partner and a friend."

Monika Chansoria, JAPANESE INVESTMENTS ARE INSTRUMENTAL TO INDIA'S ACT EAST POLICY, Asia Pacific Bulletin, No. 385
https://www.eastwestcenter.org/publications/japanese-investments-are-instrumental-indias-act-east-policy



この4、5月に発表する機会をいただいた海洋議連・島嶼議連で兼原信克氏も谷口智彦氏も多分ご存知ない事を発表した。ダーラー・シコーの「二つの海の交わり」が多分概念的だったのに比べ、ダイヤモンドで結ばれたはるか西のマダガスカルと、はるか東のイースター島(南米まで行ってサツマイモを持って帰って来た可能性もある)南はオーストラリアより先ニュージーランドまでの、広大な2つの海を結んだのは太平洋島嶼国の人々の祖先、オーストロネシア語族である。だいたい三千年から千年前の話である。
高度な航海術を持つ彼らは数百キロ、数千キロを行ったり来たりしていたのだ。
動植物、人、工芸品、いろいろなものを交易しまさに「自由で開かれたインド太平洋」の先駆者であったのだ。このオーストロネシア語族は多分日本にも来ているであろう。私は神武もオーストロネシア語族であったのではないか、と想像している。

安倍総理のダイヤモンドには14カ国の主権国家である太平洋島嶼国がしっかりカバーされている。
「ダイヤモンドセキュリティ構想」がまたは「自由で開かれたインド太平洋戦略」が日米豪印で主導される事は賛成するが、良くも悪くも、広大な海洋、太平洋のEEZを管轄する主権国家の小島嶼国の存在を忘れてはならない、と思う。その上で来年の第8回島サミットの海洋安全保障(広義)が議論されるべきであろう。

<参考資料>
このペーパーには太平洋の事は出てこないが、モディ首相は数年前、インド人が人口の半分を占めるフィジーを訪問している。太平洋島嶼国の重要性は、すぐに理解できる相手のはずだ。
Titli Basu, India-Japan and ‘Confluence of the Two Seas’: Ten years on, September 13, 2017
https://idsa.in/issuebrief/india-japan-and-confluence-of-the-two-seas_tbasu_130917
「日本人が知らない最先端の「世界史」」 福井義高著 [2017年10月28日(Sat)]
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近現代史を学ぶ上で必読書、ではないだろうか。
人気のようで延長できず返却期限が来たので、超特急で読んだ。本当はこれも線を引きながら付箋をつけながらじっくり読みたい本である。
そして何よりも歴史を専門としない私などにもわかりやすいように書いてあり、奥は深いのだが読みやすい。

この本の特徴は著者がその巻頭で書いているように、近現代史が日本の視点でしか語られていない事に疑問を持ち、外国の多角的な立場で議論されている事だ。


平川祐弘(東京大名誉教授)氏がレビューを書いている。
https://www.bookbang.jp/review/article/516861


コミンテルの、もしくはスターリンの陰謀。平川氏が上記の書評で指摘する「無謀きわまりないインパール作戦」への別の視点も興味深かった。私には著者福井義高教授の指摘が印象に残った。それが日本の植民を進めた新渡戸の断末魔のような声に響鳴していたからだ。

新渡戸は、日本が欧米に従って国際法を遵守し、植民を進めたにもかかわらず 欧米はそれが気に食わなかったことを嘆いた。福井氏は(このブログに書けるほど読み込んでいないし記述はうろ覚えだが)日本が欧米のしたたかさや横暴な振る舞いに対応できるほどの国ではなかった事を指摘している。スターリンにもバカにされるほど間抜けな国であったのだ。

福井先生のこの本は第3弾が期待されていると言う。ぜひ書いていただきたい。
ミクロネシア連邦大統領訪日ー海洋安全保障とダイヤモンドセキュリティ [2017年10月27日(Fri)]
10月23日から10月26日まで,ピーター・マーティン・クリスチャン・ミクロネシア連邦大統領(H.E. Peter Martin Christian, President of the Federated States of Micronesia)が実務訪問賓客として日本に滞在した。

天皇陛下との会見。安倍総理、河野外相、古屋議員島嶼議連会長との会談などが行われた様子である。

下記のサイトにある3億5,000万円の無償資金協力「経済社会開発計画」の他に安倍総理からのメッセージとして海洋安全保障(広義の)が明確に示された印象を受けた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005184.html


これは古屋議員が会長をされている島嶼議連・海洋議連の成果であろう。

「自由で開かれたインド太平洋戦略」
(2)両首脳は,海洋の安全保障に関し,法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性につき一致し,クリスチャン大統領からは,日本がこの地域で果たしている戦略的役割を評価する旨の発言がありました。
(日・ミクロネシア首脳会談 http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/fm/page4_003394.html  より)


日経、10月26日の記事に小さく掲載されていたが、ミクロネシア連邦が野放しにしている便宜置籍船ビジネスも協議されたようである。このブログでも書いているが今年のPIF決議にも書かれているので、さすがに外務省は「知らない」ではいられないはずだが、一応本件は内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策担当)薗浦健太郎議員にも報告している。

<関連ブログ>
ミクロネシアの便宜置籍船ビジネス
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2241

安保理北朝鮮制裁リスト9隻の内パラオ船籍は3隻
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2230

太平洋島嶼国が北朝鮮に提供する便宜置籍船
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2195

北朝鮮を支える太平洋島嶼国
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2192

「青い太平洋」とボートの腐乱死体
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2189

中国と北朝鮮を結ぶパラオ船籍の船
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1461


ダイヤモンドセキュリティ=「自由で開かれたインド太平洋戦略」 については次回。


京大vs東大 [2017年10月26日(Thu)]
西の京大、東の東大。
あまり大学の事は知らないし関心がないのだが。

秋に世界中から学者が日本に来るようで、京都にいることをもう言わない方がいいかもしれないと思うほど、ここ数日は忙しい。
でも興味深い話が山ほど聞ける。

京大に招聘された学者との会話。
「リエコは安倍支持か?」
「そりゃ、太平洋海洋安全保障の私の野望(!)を叶えてくれるのは安倍政権しかいないから支持です。」
「京大は絶望に包まれているよ。みんな安倍が勝った事に落胆している。」
「全員ですか?」
「全員だ。」
「もしやマルクスをまだ教えているんでしょうか?京都は共産党が強いですからね。」
「そうだよ、みんなマルクス経済だ。」

ま、どこまで本当でどこまで冗談かわからないが、京大ってそういうところだったのか多少の衝撃を受けた。


ところがである。その逆のような話を先日坂元教授の授業で伺った。
条約とは何か?という授業である

現在東大系が出している「国際条約集」と京大系が出している「ベーシック条約集」があるのだそうだ。
ここの "international military tribunal for the far east charter" の訳。
当時の日本政府は「憲章」ではなく「条例」と訳した。本来ならな「憲章」である。言葉の重みが違う。「条例」の方が軽い。
坂元先生は「日本は言の葉の国ですからね。」とこの意味をご説明された。
当時翻訳作業に関わった国際法学者たちが誰は全然知らないのだが、静かな抵抗を感じた。

さて、東大系の「国際条約集」と京大系の「ベーシック条約集」で唯一違う訳があってそれがこの名称なのだそうだ。
極東国際軍事裁判所条例 と 極東国際軍事裁判所憲章

京大は「条例」を、すなわち当時の日本政府の「言の葉」を受け継いでいるのだ。これは意外であった。
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