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早川理恵子博士
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Googleの蜻蛉号が駆け付けたバヌアツのサイクロン災害 [2015年03月29日(Sun)]
00004623_main.jpg


バヌアツサイクロン災害で、離島の救援活動をしている超豪華ヨット、ドラゴンフライ号(蜻蛉号)はグーグル創立者ラリー•ページの持ちものだった。

Dragonfly’s mercy mission to Vanuatu
Paul AshtonMarch 26, 2015, SuperYacht World
http://www.superyachtworld.com/news/dragonflys-mercy-mission-to-vanuatu-7172

サイクロン1週間後には寄港していた北太平洋のポナペからバヌアツに到着。
船には水を作る機能があり、今まで5万リットル水を提供。
バヌアツ到着後医療関係者が乗船し、1週間で10の離島の村々の220人のけが人を治療した。

ドラゴンフライのキャプテンは昨年同地を訪ねた際に歓迎してくれたバヌアツの人々にお返しができて嬉しい、と述べている。またユニセフと赤十字とのコラボが重要だった、とも。

今回の救助活動はページ氏の即断、指示だった、という。


この超豪華ヨット件はこのブログでバヌアツの被害進捗を取り上げる優先度は高いと思わなかったが気にはなっていた。
グーグル、だったのか。

ページの資産は203億ドルとwikiにあった。
ビリオネラーには直接お付き合いする機会もあり詳しくなってしまった。
世界で格差が広がる中で、この超お金持ちの、超豪華ヨットが、最貧国の(でも世界で一番幸せな国)バヌアツの災害支援にかけつけた、という話は考えさせられるところが大きい。
まず、ミクロネシアの海上保安事業を民間財団の立場から支援して痛感しているのが民間の身の軽さだ。政府が本案件を扱ったら、まずなぜミクロネシアなのかで数年の協議を要するところを、数ヶ月で進めた。
蜻蛉号レベルの船、イヤ日本には離島災害支援にうってつけの自衛隊が所有するUS2なるものがある。勿論今回活躍の機会はなかった。
確か中谷防衛相がバヌアツに調査隊を派遣したはずだが結果はどうなったのであろう?

images.jpeg


ニュージーランドからも1隻豪華ヨットが救援にかけつけた、というニュースがあった。

バヌアツのタックスヘブン [2015年03月29日(Sun)]
バヌアツのサイクロン災害情報、このブログを薗浦外務大臣政務官も、参院外交防衛委員会委員長である片山議員も読んでいただいているようで、(勿論ご本人ではなく秘書の方なんだと思いますが)災害支援と全く無関係とも言えないバヌアツのタックスヘブンの件を簡単に振れておきたい。

バヌアツと言えば、タックスヘブン。
タックスヘブンの太平洋での元祖。
この件は外務省はそれほど把握していないかもしれないが、IMF等が詳細を押さえているはずなので財務省が把握しているのではなかろうか?


<バヌアツの独立の裏にタックスヘブンあり>
英仏の共同統治が1世紀近く続いたバヌアツ(旧名ニューへブリデス)で独立の動きが顕在化したのが1971年。英国政府がタックスヘブンを導入したのも1971年。
この独立運動を牽引したのが、ペンタコスト島出身のウォルター•リニ初代首相だ。この共同統治の結果、英仏の2つの教育システムがある、と以前書いたが、リニ牧師はアングロフォン。独立を反対するフランスとは逆に、英国はタックスヘブンを導入する事で独立を進めようとした。
リニ牧師の独立運動とタックスヘブンを結びつける論文はまだ見ていないが、この2つがつながっている事はほぼ間違いない。

<ブレトンウッズ体制とタックスヘブン>
このタックスヘブン、英国「政府」が導入した、と聞いていたが、政府に入るべき税金が減るのである。なぜ英国政府が押し進めたのか、ずっと疑問だった。
バヌアツのタックスヘブンを研究するGreg Rawling 博士の下記の論文を読んで理解できた。
ドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制下。米国の支配を逃れたい、ソ連、中国のお金が大量に英国に流れたのである。そしてこの巨大な資金運用をするために、英国政府は旧植民地にタックスヘブンを次々と作っていった。実際はもっと入り組んだ話ですが、多分そういう事だと思います。

Rawlings, Gregory (2004) “Laws, Liquidity and Eurobonds: The Making of the Vanuatu Tax Haven.” In The Journal of Pacific History, Vol. 39, No.3: 325-341.


<バヌアツのインフラ整備とタックスヘブン>
英仏政府が植民地支配してきたバヌアツ。
ヨーロッパ本国はほとんど地域の開発に手を差し伸べていなかった。よって通信等のインフラが改善されたのが、米軍がWWIIの際基地を設置した時と、1971年のタックスヘブンが紹介された2回だけ。
1971年前後には港湾、住宅、通信等のインフラが次々と改善された。
タックスヘブンを目指してやってくる欧米の金融関係者のためだ。バヌアツの人々のためではない。しかも、欧米人が経済活動をする中心地ヴィラのあるエファテ島とサント島だけで、離島はほとんど放っておかれたまま。


<独立に反対するフランス人植民者>
バヌアツの多くの土地が未だ、フランス人に所有されている。
英仏統治時代もフランス人の土地所有率は高かったようだ。そんなフランス人は強行にバヌアツの独立を反対した。仏軍が米国の不動産屋にしてリバタリアンのフェニックス財団と手を組んで、武器を秘密裏に持ち込み、バヌアツ人同士の殺し合いまでせたのだ。(これも入り組んだ話だがリニ首相の自伝に詳しい)
英国はそのフランスに独立を認めさせるために、所得税をなしとした。今でもバヌアツには所得税がない。その分タックスヘブンからの収益で補おうという事だ。これが英国政府がタックスヘブンをバヌアツに導入しようとしたもう一つの理由。


<世界のタックスヘブンに>
今年独立35周年を迎えるバヌアツの歴史は、このタックスヘブンの歴史であるという見方もできるであろう。タックスヘブンのために、銀行は山ほどできて、法律事務所も山ほどあり、世界のお金持ち、小金持が集まる場所となった。
陰の部分もある。1988年、笹川平和財団が開催した太平洋島嶼会議参加した、セシー•レゲンバヌ大臣は(現在ご子息が国土大臣)その自伝の中で、80年に独立を果たしたバヌアツのリーダー達が次々に汚職に手を染めていった事を嘆いている。
タックスヘブンはバヌアツの独立を支えたと同時に、世界から集まる魔の手に導かれ政府の汚職体質も醸成してしまった、という事ではなかろうか。


<今またタックスヘブン>
こんなタックスヘブンのバヌアツに新たな魔の手がここ数年延びていた。
一つは、鉱山産業で潤っていた(もう過去形?)豪州のお金持ち達。
鉱山会社では大卒初任給が一千万円だそうだ。
唸るお金の回しどころをバヌアツに定めた。ある程度の小金持ちになれば諸経費を払ってでもバヌアツにペーパーカンパニーや、土地、家を持っていた方が得なようである。昨年バヌアツにはいかにも成金とわかる趣味の悪いオーストラリア人がヴィラや高級リゾートを跋扈していた。
豪州がバヌアツの災害復興に躍起になる理由は自分たちの利益に直結している、という点も見逃してはならない。政府の年金運用もバヌアツでやっている、と聞く。
加えてこのブログで取り上げるチャイナマネー。主に中国官僚の汚職マネーの逃避場所ともなっている。数年前バヌアツを訪ねた際は、タイのタクシン氏が逃避先亡命先として検討するためバヌアツを訪問中であった。
この豪中の唸るお金、逃げたいお金が、バヌアツのバブル、インフラ整備を後押ししている。


<バヌアツの土地問題>
独立で奪い返した土地を今度は自ら欧米人に売り渡し(正確には75年リース)、分譲販売で土地が切り刻まれている。お金を得た現在の持ち主はよいが、次世代以降はどうなるのか。土地を売って得たお金は高級車購入に当てられ、財産を使い果たした後に戻る土地はもうない、という社会問題も実際に発生している。
この土地開発をなんとか阻止しようと活動しているのがレゲンバヌ国土大臣だ。市場自由化を進める世銀とも応戦している様子が下記の公開討論会で確認できる。


Praxis Discussion Series: Pacific Futures


<日豪協力の意味>
タックスヘブンなくしてバヌアツの独立はなかった。
しかし、タックスヘブンがさまざまな災いをバヌアツにもたらしているのも事実だ。
サイクロン災害支援を日豪で、と当方が主張するのは、豪州こそがバヌアツのタックスヘブンを利用してきたから、また現在もしているからである。
即ち、同国の裏の裏まで押さえている、豪州との協力は必須なのである。
バヌアツ政府の許可なしに豪州法執行機関が立ち入り検査をする事もまれではない、と聞く。
これを黙って見るバヌアツ政府、若しくは世論、そして国際社会が、バヌアツの政治経済体制の問題の深さを語っている。

旧日本軍艦船油流出恐れ(読売新聞2015.3.28) [2015年03月28日(Sat)]
読売新聞の高沢剛史記者からご連絡をいただいたのは1月中旬の事だ。
ミクロネシア連邦チュック州に沈んだ日本船の油流出問題。このブログ見て連絡をした、という。
南の楽園の島は、そのイメージとは対称に、毎日取り上げきれない程の記事、ネタがある。

”ああ、あの件か。”
記憶を辿りながら対応したが、電話を置いてから過去のブログを確認した。


ミクロネシアの海洋汚染 − 日米に届くか小国の声
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/539


PIF総会への日本の参加
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/436


そうだ、ミクロネシア閣僚から直接問い合わせをいただいたのであった。
そして民主党政権の山口壯外務副大臣が下記のようにPIF総会で述べ、外務省大洋州課も前向きな反応を”珍しく”示した件であった。しかも米国がキャンベル国務次官補始め50名も送ったPIF総会でのコメントだった。

「ミクロネシア連邦は,第二次世界大戦中に沈没した船からの油漏れによる環境汚染に対処すべく,国際社会に対し支援要請を行っている。国際社会がこの要請に前向きに対応することを期待。我が国としても,環境問題として,どのような支援が可能か検討していきたい。」

大きな案件である。動きがあれば記事になっている。その後この件は見当たらなく気になっていたが、高沢記者の連絡を受け、立ち消えになっている事が確認できた。


外務副大臣の国際会議での声明である。どのように消されてしまったのだろうか?


高沢記者から再度連絡をいただいた時はコメントが欲しい、という事だった。
今度の島サミットの議案には海洋管理が入るが、油流出だけでなく、広い海洋管理の視点からの支援が必要と述べたかった。
こういう時SNSは便利だ。削られる事を覚悟で書いたコメントが下記。
高沢記者に送ったコメントをコピーする。



- - - - - - -
高沢様

拝復、

パラオでのJMASの活躍、そして天皇皇后陛下のパラオ訪問は、これらの地域が日本とは未だに関係がある事を語っています。


ミクロネシア、サモア等の島嶼国はウィルソンがself-determinationをパリ講和会議で訴えたときも、独立は不可能と認識。c式統治、となったわけです。
WWII後は米国が、ソ連の圧力で渋々独立を認めたのですが、自分たちの安全保障上、完全に自立させようという気はなく、従属を強める政策を取ってきました。

「トラック島の油問題」の実態はブログに書いた範囲でしか知りませんが、これに限らず、バヌアツのサイクロン被害も、何にしても自分たちだけではやっていけない規模の国家である、という現実があります。
ここら辺はEHカーが『平和の条件』で議論しています。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/857
カーの言うように「軍事経済力の裏付けがない小国は存在してはならない。民族自決を否定はしていない。しかしそれを国家と結びつけるのは現代では無理がある。」(これは私の理解)という事だと思います。

しかし、国家を辞めろ、とも言えないので、それは国連が定めた本来の「自由連合協定」の形で存続するのがベストだと思います。
現在米国とミクロネシア3国が締結しているのが、冷戦構造下の協定なので、当該地域に戦略的関心を失った米国の支援の手が離れつつあります。そこに入り込んでいるのが中国です。

ミクロネシア3国に関しては日米が(本来の)自由連合協定のような枠組みで、特別なケアが、特に海洋管理などの安全保障と経済面での支援が必要と考えています。


早川
- - - - - - -


大手新聞社の記者がこのブログを参考に取材、記事を書く。しかもかなり大きな扱いだ。こんな光栄なことはない。このブログを続けていてよかった。高沢剛史記者、ありがとう。
これからも戦後70周年という視点から取材を続けるという。このブログが引き続きお役に立てば幸いです。
始めての恐喝メールとLets go Vanuatu [2015年03月28日(Sat)]
このブログ始まって以来の匿名恐喝メールをいただいた。

「バヌアツの我々の活動を誹謗中傷するな。我々は必死なんだ。」という内容である。
こういうメールを匿名で出してくるところが哀しい。
まともなNGOだったら、組織概要、財務報告、活動報告があるのは当たり前。
ちなみに匿名でもIPアドレスが残るので、誰が出したかは確認できるようだ。


バヌアツサイクロン災害の情報が山のように流れる中で、怪しいのがたくさんあった。
「私は今日仕事を辞めました。これからバヌアツに行きますので$$$寄付してください。」
んーー?実際に寄付した人はいるのであろうか?
お友達の中でやるのはいいんでしょうが、公に募金となれば、透明性は確保しなければならない。


ところで、もっと調べてから書こうと思っていたが、この山のように流れる情報の中で、気になっていたのが、
「バヌアツ旅行を中止しようかしら。。」
「だめだめ、サント島は無傷です。バヌアツは観光業で成り立っています。」
というもの。
オーストラリアのビショップ外相もバヌアツ観光を押進めようとしている。

Book a holiday to Vanuatu soon: Bishop
http://www.dailymail.co.uk/wires/aap/article-3006802/Book-holiday-Vanuatu-soon-Bishop.html

バヌアツ観光と言えば、以前は東急のLe Lagoonがあったが今は人手に渡り、残るはThe Melanesianである。今修復作業が進んでいると聞く。
http://www.rexgroup.co.jp/
 

サント島ではマユミ・グリーンさんという方が長年観光業を営んでいる、
確かブリスベンからサントへの直行便もあったはずだ。

http://blogs.yahoo.co.jp/santomarakai/9953701.html


これも災害支援であろう。Lets go Vanuatu!
パラオ海中国旗に関するパラオ大統領声明 [2015年03月26日(Thu)]
日本でもパラオでも話題になっている、パラオ海中の日本沈没船に取り付けられた中国国旗について、パラオ大統領から声明が出ました。

内容については、どうでしょうか。。 わざと、日本と中国を出していない配慮を感じます。
パラオにとってマイナスである、という表現です。

Presidential Statement- Flag mounting at historical dive site It is unfortunate and quite disappointing to see such a...

Posted by Office of the President, Republic of Palau on 2015年3月25日
パラオの中国人、ハワイのミクロネシア人 [2015年03月26日(Thu)]
これも気になっていたニュースである。
天皇皇后両陛下の訪問を控えたパラオで、海中の旧日本軍沈没船に中国の国旗が取り付けられていた、というニュースだ。


旧日本軍沈没船に中国旗 パラオの人気潜水スポットで発見
http://www.sanspo.com/geino/news/20150322/sot15032205010006-n1.html


中国ウォッチャーの福島香織さんが、うまく整理していたので拝読した。

パラオ海底の五星紅旗の愚
  「天皇訪問」直前の挑発、「単なる悪戯」か?
福島 香織 2015年3月25日(水)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20150324/279087/?rt=nocnt


国旗があるのも、はずれているのも発見したのは同じ共同通信の記者、とどこかで書いてあったので、真相は?と気にっていた。石垣島の珊瑚に自らいたずら書きをして記事にした記者もいたからだ。

中国人は、他の国でも国旗を飾ったりするのだそうだ。海中に国旗を、というケースもあるという。
だから今回のパラオの件が単なるいたずら、である事も否定できない。
しかし、天皇皇后陛下訪問前。時期が時期である。

パラオ人も怒り、4月15日には、直行便を削減、とあったが、残念ながら簡単に削減できなそうなのだ。われらが(力が入りまへん)ナカムラ大統領始め、パラオの4人のビジネスリーダーが直行便を引き入れ、中国人観光客で潤っているのだ。



もう一つ。ハワイのミクロネシアホームレスの話。
FBに動画が掲載され、議論を読んでいたのが気になっていた。
噂には聞いていたが、映像で見るのは始めて。
ミクロネシアから医療サービスを受けにハイワまで来た人々が帰国せず、そのまま居着いてしまう。
公道にテントをはり、道で用をたす。
コメントには、ハワイ州政府では対処できない、連邦政府がどうにかしろ、追い返せ、教育をしろ、と悲鳴とも読める声が山のように寄せられている。


パラオの中国人と、ハワイのミクロネシア人。(ハワイにはパラオ人ホームレスはいないそうです)
共通点は何か?
ミクロネシアの島嶼経済が、政治が、社会そのものが健全ではない、という事であろう。
米国のミクロネシア支援政策は大失敗、こんなヒドイ国はない、とが米国人自らが語るところ。
日本に戻したければ、ドーゾ。
安倍政権であれば喜んで引き受けるであろう。


An important video you should see - as well as the comments on Stephany Sofos video. We MUST do more to end this nightmare for these people and the residents of Oahu.

Posted by Partners in Care - Oahu's Continuum of Care on 2015年3月23日





バヌアツ、サイクロン被害 緊急支援要請 [2015年03月25日(Wed)]
昨日3月24日の情報である。
バヌアツ首相とUN Office for the Coordination of Humanitarian Affairsからの緊急要請でUS$29.9 million、6月24日までの向こう3ヶ月、被災したバヌアツの人々が生きていくための資金が必要、という内容だ。

Flash appeal launched for cyclone-affected Vanuatu
http://reliefweb.int/report/vanuatu/ocha-media-release-flash-appeal-launched-cyclone-affected-vanuatu


個人やNGOの寄付もされているが、政府レベルの支援が必要、とのこと。
勿論、薗浦外務副大臣をバヌアツに派遣した日本政府はこのアピールを認識していると思うが、現地の悲痛な声が当方にも届くので、非力ながらこのブログにも書かせていただきたい。
途上国、小国の現実。政府にお金がない、という事はこういう事なのだ。



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写真はFRANZ軍のバヌアツでの様子。バヌアツ首相府から


当初は見ていてイライラしたが、豪仏NZの通称FRANZ軍事協力枠組みは最大に支援を展開しているようである。面目躍如、と言ったところか。
地理的にも、また歴史的にも、政治経済上もバヌアツは日本から遠い。その経済、政治は実質的には豪州が押さえており、日本の大きな出番はなかった。

しかし、このサイクロンの最中に大統領が日本で防災会議に参加。安倍総理があらゆる支援を実施する、と大統領に約束したのである。これで、バヌアツサイクロン被害支援は日本にとって特別な使命となったのではないであろうか?


薗浦外務副大臣のバヌアツ訪問の結果はまだウェッブには出ていないようである。
国家予算の事はよくわかりませんが、US$29.9 million、約30億円。日本にとって無理なお金ではないのではなかろうか?
豪NZの関係、面子が気になれば、共同出資でもよいではないだろうか?
島サミットも控えている。
岸田外相とフィジー、イノケ外相会談 [2015年03月24日(Tue)]
バヌアツのサイクロンを追いながら、気になるニュースが沢山あった。
その中でも下記の岸田外相とフィジー、イノケ外相会談は、胸に痞えていたものが取り除かれた感じだ。


Rt-Inoke-680x365.jpg

Ratu Inoke Builds Japan Ties
Fiji Sun
http://fijisun.com.fj/2015/03/17/ratu-inoke-builds-japan-ties/

日・フィジー外相会談 (外務省ウェッブ情報)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_000058.html



イノケ外相、在日大使の時からよく存じ上げ、食事もよく誘っていただいた。
イノケ外相がバイニマラマ氏の誘いを承諾し、フィジー軍事政権で外相としてフィジーを守り、PIDFを設立された事もよく知っている。
イノケ外相は前政権の外交官が全員更迭される中でバイニマラマ氏に唯一人抜擢されてた外交官である。
(参考)太平洋島サミット2012ーフィジー問題
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/489

そのイノケ外相から「日本は韓国と中国に悪魔的行いをした。」とツイッターで述べられ、大ショック。日本外交がフィジー対応を何もしていない事を懸念し、笹川会長と羽生会長にフィジー出張を直訴した位だ。
慌てて探した外務省アジア大洋州局伊原局長とイノケ外相の面談ニュースは、年を間違えて2013年の事であった。

外務省アジア大洋州局伊原局長、フィジーのイノケ外相を表敬
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1059


さて、上記 Fiji Sunのニュースには
ー 5月の島サミットにバイニマラマ首相が参加し、安倍総理と会談。
ー 岸田外相も両国の関係を新たなレベルで修復させたい、と。
ー フィジー産品の日本市場開放
ー 経済、投資交流の活発化
ー 園芸、観光農業開発支援
ー 議員交流
ー visa reciprocal arrangement
等、多岐にわたる生産的な議論がされたようである。

なお、上記のvisa reciprocal arrangementは意外と重要と当方は考えている。
なぜか? 日本ーフィジー直行便が、日本ー香港に取って代わられたのは、中国がこのvisa reciprocal arrangementを進めたという背景があるからだ。

加えて、3月12日に提出された「第7回太平洋・島サミットに向けた有識者会合提言」にはフィジー参加が下記の通り記述さている。当方のブログで提案した通りなので嬉しい。

「本年9月に総選挙が実施されたフィジーについては、PALM7に首相の出席を確保することに 大きな意義がある。フィジーがPIFへ復帰するか否か、現状では不透明な状況だが、PIFへの復帰いかんにかかわらず、フィジー首相のPALM7への参加を実現させるべきである。フィジー首 相が出席すれば、PALMは「日本とPIF諸国首脳会議」ではなく、「日本と島嶼国の首脳会議」で あることを名実共に示す機会にもなろう。」

島サミットとフィジー
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1089
PALM and Fiji (この内容はイノケ外相にも送らせていただいた)
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1090
矢内原忠雄を読む『軍事的と同化的・日仏植民地政策比較の一論』 [2015年03月23日(Mon)]
太平洋の島々は比較的平和に独立運動が進められたが、バヌアツは闘争の末、死者を出す結果となった。
その背景にいたのが、フランスである。
英国はサモア、フィジー、パプアニューギニア等々旧英領が独立する中で、バヌアツの独立も70年代から支援してきた。しかし世界で唯一の英仏共同統治だったバヌアツ(ニューへブリデス)の独立は容易でなく、特に同地に土地を所有しビジネス(コプラ、牧畜等)を行う、フランス人の反対は容易に想像できた。

またフランスは、バヌアツの独立が近隣の仏領、ニューカレドニア、タヒチ等に及ぼす影響も懸念。バヌアツの独立を留めようとする理由であった。

このフランス植民地政策について矢内原が論文を書いている。自分にとって優先度は低かったが、バヌアツのサイクロン情報をフォローする中で、急に気になり、一気に読んだ。
矢内原忠雄全集第四巻に『軍事的と同化的・日仏植民地政策比較の一論』がおさめられている。


フランスは英国の次ぐ広大な植民地を有していた。
「植民地分割競争の熾烈にしてキロメートル病の病熱に浮かされていた帝国主義初期時代の事であるとはいえ、経済的価値の有無を問題とせずしてただ広大なる領土を、而して地理的接続の領土を征服領有したところに、植民地獲得政策におけるフランスの特色が見られるのであろう。」
と矢内原は説明している。

加えてフランス植民地の特色として同化政策と軍事政策をあげている。

軍事政策は、フランスの植民地が人の植民にあるのでもなく、かと言って生産性の高い統治でもなかった事を指摘。では何をしていたか?国際連盟規約を無視した原住民の軍事化を進めていた。第一次世界大戦時には80万人の植民地原住者部隊がフランス本国に輸送されている。

同化政策は啓蒙哲学とフランス革命思想に根拠し、人間としての自然権を保有する植民地原住者はフランス人と等しく、フランス人に化し得べき人間としてみる。これによって同化政策が進められた。

このフランスの同化政策と軍事政策は日本に共通すると矢内原は議論を展開させる。
しかし、日本の軍事政策は原住民を軍事化する事ではなく本国の軍事強化であり、日本の同化政策にはフランスのような哲学がない事を指摘。

この論文は昭和12年2月、1937年矢内原が東大を追われた年に書かれている。
戦後の昭和23年(1948年)東大に復帰した矢内原が「帝国主義研究」といタイトルで編纂した論文集に納められている。


この論文集のはしがきには

「全て道を失うた者は、分岐点まで引き返し、そこにて正しき道を見いださねばならない。日本が正しき道によりて高きに至るためには、日華事変以前、満州事変以前、否、二・二六事件以前に目をかへして、そこに正道と邪路の分岐点を見出さねばならない。」
とある。


バヌアツの話に戻ろう。
サイクロン被害支援は、ある意味で日本の植民政策の延長である。繰り返すが「植民」とは西欧諸国による、現地住民の搾取、奴隷化、差別の歴史だけではなく広く社会現象を表すものである。
東大においては、戦前、新渡戸稲造、矢内原が教授した「植民政策」の講義が、戦後「国際経済論」として引き継がれている。

その観点から、バヌアツの歴史、文化、伝統文化、民族、独立の過程、英仏旧宗主国のバヌアツでの動き、そして現在の宗主国である豪州の動き、さらにはメラネシアグループの動きや、バヌアツ独特の金融経済(タックスヘブン)、西パプア独立支援運動などなど、日本は多くを研究せねばならない。
あまり書きたくなかったが現在書いている当方の博士論文はバヌアツをケーススタディに選び、まさにバヌアツの章を書いている最中のサイクロンであった。
バヌアツで日本のODAが意外な活躍 [2015年03月23日(Mon)]
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薗浦外務副大臣のバヌアツ入りを英語でFBに上げたら100件近いイイネをすぐにいただいた。
日本に対する期待大きいようだ。
その中で、日本のODAで建てられたヴィラ中央病院が多くの患者を救ったというコメントがあった。

この病院、約14億円かけ昨年完成。
バヌアツ、1980年の独立後は旧宗主国の英仏の支援が充分だったとは言えない。
実はこの病院、肝心の医師や看護婦がいなくてオープンできないという噂を去年聞いていて知り合いが責任者だったので心配していた。
でもまさかこんな活躍を見せるとは。

なんと、当方のFBに薗浦外務副大臣からコメントが寄せられ、古い病棟は屋根が飛んでいた、ということだ。
薗浦外務副大臣は共同ニュースで、短期的支援の他に、長期的支援を行う、と言っている。

「120万ドル緊急無償援助へ バヌアツなど被災国に」
【ポートビラ共同】
http://www.sankei.com/photo/daily/news/150322/dly1503220021-n1.html

バヌアツー 日本にとっては遠くて遠い国。
旧宗主国の英仏は、搾取、拉致、差別を行ってきた。独立後も前も、多くの離島への支援はほぼゼロに等しい。地方創成を掲げる日本が、バヌアツのこれからの開発を支援する役割は大きい。

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