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年末の読書『宿命の子』 [2014年12月31日(Wed)]
繰り返すが、締め切りの原稿を抱えているので、後で読もうと購入だけしたのが間違い。ページをめくったら止まらなくなってしまった。

年末の読書2冊目は『宿命の子』

本書の中盤から書かれている笹川批判キャンペーン。1991年に財団に入った自分にとって、初めて知る事ばかりで尚更止まらなくなってしまった。
当時、日経新聞の友人から電話をもらい逮捕の件を聞いた。一応総務部長(だったような記憶)に報告した事がある。多分メディアで公開される寸前の情報だったのであろう。「そんな事をおまえが言うな!」と怒鳴られた事を記憶している。

先にも書いたが、財団に入る事が決まってすぐに笹川批判を体験する事になった。しかし批判する人に限って悪い事をしていたり、わざわざ私のような非力な小娘を(今は非力なおば娘)呼び出して吊るし上げにする卑怯な人ばかり見て来たので、逆に「プロ-笹川」になってしまった、のだと思う。
もし笹川批判をするのであれば、なぜ本丸に行って正々堂々と批判しないのか、と。

笹川批判の背景にあった、運輸省の反応とお家騒動として書かれている内紛。二重の批判を受けてきたのである。加えて東大の蝋山政道教授のような人が書く誹謗中傷文章。「学者」とは実証主義を知らない、三流ジャーナリズム並み、思い込みの非論理思考を好むようだ。

現在、当方に原稿を依頼されている琉球大学の藤田陽子教授。臆面もなく私にこう告げた。
「笹川良一のやっている事は贖罪なんです。私の父は笹川の事を知っていてそう言っていました。」
藤田陽子教授のお父様は亡くなられたそうなので確認できないが、笹川良一氏は藤田教授の父親を知らないのではなかろうか?また父親の言う事をそのまま信じ、人に臆面もなく話す様子は「これでも学者か。」と思わざるを得なかったが、残念な事に世の中こんな学者ばかりなのである。せめて実証主義的論文を自分が書いて、学問とは、常識とは、況や倫理とはこういう事である、と示してみたい。

話が逸れたが、『宿命の子』は笹川陽平会長の伝記である。
本を読むまで知らなかったが唖然とするような苦労をしてきた方なのである。
読後、ジワッと湧いて来た感想は、笹川会長に出会えて幸運だった、という事だ。
ブログを読ませていただく前は当方も、お金持ちのボンボンというイメージを持っていた。

私がこうして25年間続けさせていただいているのも、笹川会長のおかげなのである。
羽生会長から繰り返し聞かされている。「あんたを評価しているのは笹川会長だけだよ。」
ではどのように評価されてるのか?
日本財団、広報の宮崎正さんが笹川会長に私の事を聞いた事があったそうで、教えてくれた。
「あいつは頭がおかしいんだよ。」とおしゃっていたそうである。
喜ぶべきか、悲しむべきか。
年末の読書『インヴィジブル•ウィポン』 [2014年12月31日(Wed)]
締め切り間近の原稿を抱え、本当はそっちに集中しなければならないのだが、読み出した2冊の本が面白くで、止まらなくなった。

一冊は以前グラフにまとめてブログに書いた本で『インヴィジブル•ウィポン』である。
結構長いのだが、続きが読みたくて朝の4時に目が覚める程。(時差、年のせい、との説もありますが。)

私は修士を3つ持っているのだが(3つ目はcertificate)2つ目の国際政治を学びたいと思ったきっかけが、事業で扱ったUSPNet, PEACESATだった。事業を進める中で、情報通信(ICT)とは技術でも中身でも、また資金でもなく、国際政治である、と痛感したからだ。両者は衛星を利用していたので、衛星開発が進むケネディ政権から見て行く必要があった。


この『インヴィジブル•ウィポン』はどこかで見かけて、ケーブルの長さの国際比較があったので気になっていやが著書名も著者名もメモせずに放っておいた。今抱えている原稿(学術図書です。)の参考資料で必要と思い必死になって探したのである。しかもこの本、英文出版20年後に和訳されていた。英語で読むのは時間がかかるが日本語だと、それは早い。

海底ケーブルの初期から第二次世界大戦開始までが描かれているが、当方にとって驚愕の事実が次々と出て来るし、著者の視点は、まさに自分がICTを国際政治で分析したい、と考えていた事と一致している。なんでもっと早くこの本を手にしなかったのであろうかと猛省した。

はしがきに
”前略 ー だが20世紀の大半を通じて電信は人々をを分離し孤立させる目的で政治によって管理され、ゆがめられ、変形されて来たのである。本書はこのパラドクスを理解するための一つの試みである。”
とある。

そうなのだ。ICTは人を、情報を繋げるといより、政治的に分離、孤立させてきた。
英国が一大ケーブル帝国を築くのだが、なぜそのようになったかも史実と共に説明されている。

興味深い事は多々書かれているが、19世紀の日本と中国のICTに対する対応である。中国は帝国主義による植民地支配としてICT開発を受け入れず、最終的に悪徳企業による搾取的、私的独占企業にやられてしまった。これとは好対照だったのが日本。

1869年にはイギリスの通信技術者を招き横浜ー東京間を結び、1970年にはグレート•ノーザン電信会社に権利を認め、上海、ウラジオストクを長崎に繋げる。1972年にはヨーロッパに留学生を送り電信技術を獲得。1891年の時点で11,610キロの陸上電信網、435の電信局があったという。
しかし、このICTに対する理解と能力が第二次世界大戦では全く働かない。

もう一つ面白いのは英国が海底ケーブルの優位に立ったのは、企業に条件なしで権利を与えたからである、という。他国は権利を与える代わりに自国政府への優遇を条件とした。結果、全てのケーブルが英国につながり、英国の貿易、政治の優位性を導く事となった。

そしてこの世界に張り巡された海底ケーブルによって、情報戦、プロパガンダが誕生する事となる。通信が発達していない状況では、将校達は遠隔地の戦場でクラウゼヴィッツが形容したFog of Warの状態で戦わなければならなかった。しかし通信がその状況を一機に変えた。戦いは太陽の下で行われるようになったのだ。しかし、この太陽に誰もが平等に照らされる訳ではない。

サイバーセキュリティ、インターネットガバナンスが議論される今もこの状況は変わらない。誰もが一瞬で世界と結びつく現在では、状況はより混沌としているのかもしれないし、それと同時にポジティブな面も多々あるのだと思う。

次回は『宿命の子』
パラオ レメンゲサウ大統領訪日(3)解放記念日 [2014年12月27日(Sat)]
images.jpeg

パラオ大統領、天皇陛下と会見 2014年12月17日


太平洋で仕事をするということは、先の大戦に向き合うという事なのである。

グアム、サイパンには日本占領からの解放記念日がある。
グアムは7月21日。サイパンは7月4日。
10年以上前だが、これをサイパンの知事から聞かされた時はショックだった。

もし米国が「日本占領からの解放」と主張するのであれば、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島も同様であるはずだが、私の知る範囲で、ミクロネシア3国にこの解放記念日はない。

だから、今回レメンゲサウ大統領が繰り返し述べている
「太平洋地域に日本のリーダーシップが必要だ。」
というコメントは、しかも海洋保護分野で、即ち安全保障面でのリーダーシップである事は、深い意味がある。

この土台を作ったのが日本財団と笹川平和財団だ。
実は、重要だったのが米豪との調整。ワシントンDCとキャンベラでの会合は事業開始の2008年から数えて数十回になるであろう。なにせ米豪は、ミクロネシア地域は自分たちのテリトリーだと思っているのだから。確かにそうなのだが、それだったらもっとちゃんと管理しなさいよ、と口では言わないが心で唱える。
島嶼国側も、絵に描いた餅ばかり見せる米豪政府、関連団体に段々嫌気がさしてきたのではなかろうか?実際に監視艇を、メンテと燃料付きで供与し、人材育成まで手がける財団の支援は、米豪には悪いが、段違いなのである。

レメンゲサウ大統領訪日中の日本へのラブコールは財団が積み上げてきた実績が基にある。


さて、今月19日、米国の連邦高裁が「シー・シェパード」に対し、捕鯨船への攻撃などを禁じる仮処分命令に違反したとの判断を示した、とのニュースがあった。
当方、シーシェパードにも格別な思いがある。
2011年3月11日のあの日。パラオでシーシェパードによる海洋監視協定が締結された。これを覆したのが我々のミクロネシア海上保安事業なのである。
もとより財団のミクロネシア海洋保安事業はシーシェパード対策ではない。シーシェパードがパラオに入る3年前から我々は活動を開始している。
私は、情報収集を開始した。収集先は米国沿岸警備隊、国務省、海軍、そしてパラオ関係者等々である。この情報収集活動が影響を与えた。(というか影響を与えるように動いた)
日本の海上保安庁が国際刑事警察機構を通じて指名手配している相手である事は、米国は百も承知である。当初、情報収集として動いていた当方は、(良い意味で)米国に利用され始めた事に気づいた。即ち日本が動いている、という情報が米国の、ワシントンD.C.を動かしたのである。(確証はないが、正しいと思う。)
安全保障を米国に管理されているパラオは米国の言う事を聞かなければならない。
ちなみに豪州海軍にも情報収集したが何も知らなかったし、全く反応なし。豪州海軍はSSと同レベルと認識し始めたのはこの頃からだ。

何はともあれ、米豪と調整は必須なのである。
彼らの太平洋の活動は驚く程手薄である。特に役人は2、3年で変わるので一から説明する必要がある。
日々情報共有につとめているが、時々「なぜ70年前私たちはこの小さな島を巡って殺し合いをしたのでしょうね?今は共に守って行く時ですね。」というと相手は黙ってしまう。
やっぱり日本占領からの解放なんて美辞麗句でしかないのであろう。

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(2)違法操業 [2014年12月26日(Fri)]
日本記者クラブでのレメンゲサウ大統領の講演。

「ここで明確にしておきたい。日本漁船が一番法を遵守しており、このような漁業活動は海洋保護区制定後も歓迎したい。」

"Let me take this opportunity to say that of all the fishing companies in Palau the Japanese fleet is by far most law abiding. It is this type of fishing companies who will be welcomed in our fishing zone."

下記のビデオ23分30秒頃の発言である。



この部分を豪州、特に環境団体に聞かせてやりたい。
日本の水産庁関係者や漁業関係者もこの大統領の発言は喜んでいるのではないだろうか?

日本漁船の違法操業に関して当方は格別な思いがある。
ミクロネシア海上保安事業。まだ海洋問題も、水産問題も何も知らないで始めた2008年。以前にも御紹介したが各国、特に豪州の反応は酷かった。

在FSM豪州大使「日本が海洋保護活動ですって。それじゃあ、日本漁船の違法操業取締のために、ミクロネシア警察に日本語を教えたどうかしら」
クリストファー•ヒル国務次官補「日本の違法操業が先月捕まったばかりですねえ。まあがんばってね。」
ミクロネシアの水産行政関係者「日本が違法操業監視をするなんて。」
(意訳してありますが、ほぼこんな反応でした。)

何も知らなかった私の当時の感想は「日本って、日本漁船って、そんな悪者だったの?やっぱり水産方面はなるべく避けよう。」だった。

ところが、この数年で違法操業の実態、豪州の海洋管理、特に違法操業監視はあってなきがごとし、である事を知った。
2008年の時点で知っていれば、言い返してやったのに口惜しい。


この問題、捕鯨にも通じるように思う。
豪州NZは日本の漁業活動が太平洋で展開する嫌なのだ。日本を追い出すために、若しくは管理するために太平洋島嶼国のEEZを設定したと言ってもよいのではないだろうか?


前のブログにも書いた。でも繰り返したい。
この状況を知れば、PIFの議長でもあるパラオの大統領が、日本のリーダーシップ、特に海洋管理への貢献を期待した上記のコメントは深い意味がある。

パラオ レメンゲサウ大統領訪日(1)太平洋EEZを守れ [2014年12月24日(Wed)]
2014年の最後の(多分)天命は、ミラクルと共に降り立ったのである。

選挙でこの話は流れたか、と危惧していたがパラオのレメンゲサウ大統領が12月16−19日訪日された。
これが以前ブログに書いた今年初頭に笹川会長と面談した際に議論させていただいた案件である。
やる事はやった。後は神の声を天命を聞くのみ、と思っていたところであった。

天皇陛下との会見や、日パ首脳会談の模様はニュースでも取り上げられている。
この中でも日本記者クラブの下記の講演とJapan Timesの"Palau President Remengesau seeks visit by Emperor, Empress in 2015"が多くの情報を含んでいるのではないだろうか?






<想定外の件>
官邸は外務省より情報公開に積極的なように見える。
日本パラオ首脳会談、記者会見の様子が即日インターネットで公開された。私はすぐに米豪パラオの関係者に周知した。
ところが、そのビデオによく存じ上げている日本人がいて驚いた。しかも首脳会談ではパラオ代表団側に着席している。
なぜ?どうして?笹川会長がこの首脳会談に?ご本人に是非お伺いしてみたい。
首脳会談前日に行われた笹川会長とレメンゲサウ大統領の面談の件は自分がこの1年仕込んできた件なので、ホッと胸をなで下ろしたのだが、この首脳会談の件は全くの想定外であった。

日・パラオ首脳会談等‐平成26年12月17日(記録映像庫)
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201412/17palau_shunou_kaidan.html


<ペリリュー戦の、第二次世界大戦の仇討ち>
レメンゲサウ大統領は
「日本に太平洋地域のリーダーシップを取って欲しい。」
「違法操業を含む海洋安全保障は日本がイニシアチブとって欲しい。」
と述べている。
レメンゲサウ大統領は現在地域組織PIFの議長でもある。即ち地域の代表としての立場もある事を忘れてはならない。そのレメンゲサウ大統領の言葉は一国の首脳を超えた重さがある。

さて、このコメントの意味を理解し感動しているのは日本に何人いるであろうか?もしくはこのコメントに驚愕している米豪関係者はどれだけいるだろうか?
私は、この大統領のコメントでペリリュー戦の、第二次世界大戦の仇討ちができた、と咄嗟に思った。
違法操業監視とは太平洋のEEZを、即ち太平洋の海洋全体を日本に守って欲しい、アクセスを許す、という事である。

米豪は先の大戦でこの太平洋から日本を追い出したのである。その追い出した地域の、今は主権国家となった太平洋の島嶼国が日本に戻ってきて欲しいと記者会見で明言したのである。
ちなみに米国は、先の大戦で日本の占領からパラオを解放した、と未だにイケシャアシャアと議会等で述べている。そんなのは嘘である事は、ニミッツ司令官の本を読めばわかる。ペリリュー戦はフィリピン奪回のためであった。即ち米国自身の利益のためでしかなかった。


<レメンゲサウ大統領の殺し文句>
記者会見の質問で、日本とパラオの関係を尋ねられた大統領は、”あの”殺し文句を披露した。
「日本とパラオは太陽と月。太陽がなければ月は輝けません。」
アイランダー外交術を知らない日本人はこれでイチコロであろう。
もし米国との関係を尋ねられれば
「月と星は共に夜空を照らす友人です。」
とか言うのである。
私は「外交術」を、国際政治のリアリティを島の人たちから25年間学ばせていただいた。

二枚舌、三枚舌と非難するなかれ。
これは小国の、弱国の外交術なのである。(大国もやってますけど)
人口2万人の国家が国際社会で生き延びていかなければならない。パラオがベトナムの違法操業にやられっぱなし、損しっぱなしの現状を思い出して欲しい。

大統領は日本との関係で第二次世界大戦以前からの歴史がある事を繰り返し述べている。
また、大統領ご自身が日系4世だそうだ。
日本は、人口2万人の小国の大統領が殺し文句を披露する背景を慮って、ミクロネシア地域での、太平洋島嶼国でのあるべきリーダーシップを取るべきだ。
これが、現在PIF運営で揉めてる豪NZへのアドバイスにもなるであろう。
Falsificationism [2014年12月24日(Wed)]
娘が何かを主張した。この後に発展する夫婦喧嘩で、実は娘が何を言ったか忘れてしまった。

愚夫が即座に娘の認識、主張を否定した。
「そうじゃないよ。太陽が東から昇るくらい当たり前の話だよ。」

ここで偉大なる哲学者である母(私の事)は「ピキッ」と反応した。
東大出のおじさんが好んで使う「太陽が東から昇るほど当たり前」論を、まさかこの愚夫が恥も外聞もなく唱えようとは。なさけなや〜。
これで博士、教授と名乗るのか。許せん!聞き捨てならん!娘の教育によろしくない。

「愚夫よ、まさか反証主義を知らないのか?」
「太陽が東から昇るというのは西から昇らないという事を証明しない限り、証明できないのである。」
「即ち、娘の議論を反証しない限り、娘の主張を否定する事はできない。という議論である。多分。。」

愚夫は反証論を知らなかった。
ちなみに、愚夫にソクラテスの「無知の知」を教えたのも偉大なる哲学者の妻(私の事)であった。

ところで反証主義の英語を知らず苦労した。Falsificationismという。舌を噛みそうである。
ちなみに認識論はtheory of knowledge。 若しくはepistemology これも舌を噛みそうである。

久しぶりに中島敦の『名人伝』が読みたくなった。
日本財団パラオにNippon Maru IIを寄贈 [2014年12月18日(Thu)]
先日、日本財団よりパラオにNippon Maru IIが寄贈された。
コロールとペリリューを結ぶ定期船である。

パラオに旅客船寄贈 台風で沈没、後継に
産経 2014.12.15
http://www.sankei.com/photo/daily/news/141215/dly1412150043-n1.html

日本財団は1990年にNippon Maru IとYamato Maruをパラオに寄贈している。
その事をこのブログに書いたと思ったが見当たらない。自分のフォルダーにあったので下記に、記録としてコピーしておきたい。2008年か2009年に書いたものである。
2012年の台風で修理されたNippon Maru Iは沈没してしまった。

Nippon Maru I.png
  
Yamato Maru.png


写真、上が修理されたNippon Maru I 下が丘に上がったままの大和丸

パラオで再び活躍する日本丸
1990 年(1991 年という説もあるので関係機関に要確認)日本財団からパラオに寄贈された日本丸と大和丸の内、故障で5年ほど使用されずにいた日本丸が、この5月ナカムラクニオ元大統領の造船所で修理され再び活躍することになった。

パラオは戦前日本が南洋庁を置いていた島だ。今でも日本語が 25%残っており、日系人も多い。世界一種類が多いサンゴ礁を目的に世界からダイバーや観光客が訪れる。
第 2 次世界大戦のペリリューの玉砕では日本兵約 1 万人、米兵約 2 千人が亡くなっている。 戦闘の前に島民は移動を強制され、被害者はいないが戦争の傷跡は消えていない。

寄贈された日本丸は国の中心であるコロールとペリリュー島を、大和丸はコロールとアンガウル島を結ぶ定期船とし活躍していた。
当時はペリリューにもアンガウルにも小さな自家発電しかなく、食料の備蓄ができなかっ た。コロールへ週に1,2回は物資を調達しに渡る必要があった。日本統治時代に慣れた米の味は島民に昔の自給自足のタロイモ生活に戻ることは難しくさせていた事情もある。 何よりも当時ペリリューには病院がなく、通信も発達していない環境で定期船はまさに生 命線であった。

寄贈のきっかけは、当時のエピソン大統領とパラオの海をこよなく愛した石原慎太郎氏の友情関係があった。また当時副大統領を務めたナカムラ氏の積極的な働きかけもあった。エ ピソン大統領の要請を石原氏が笹川良一会長に伝え、日本財団からの寄贈が決定したのであ る。
寄贈に当たり、事前にパラオの人々を日本に招き船舶の管理ができるよう日本財団が訓練を提供。それでも2000年にはエンジンが故障し、ペリリュー州政府が独自に修理。2003年まで持ち応えた。しかし修理したパーツに問題があったらしく、再び故障。それから 5 年間海に浮いたままであった。

ペリリュー島には今ではコロールから海底ケーブルが引かれ電話もインターネットも通じる。発電所もできて冷蔵庫もある。しかし診療所はできたものの医者がいない。週に一度だけコロールに駐在する米軍の医師が診察に訪れるだけである。依然として定期船は生命線として必要だった。貨物船はあるが人が乗るのは危険だし、燃料も食う。
動いたのはナカムラ氏である。2008 年、ペリリュー出身のナカムラ氏は酋長に選ばれた。 酋長・州議員議会に働きかけ、修理費 65,000 ドルをパラオ政府に要請した。 「せっかくもらったものを修理しないで使わないのはもったいない。日本丸はソリッドな 美しい船体だ。最近台湾から寄贈された船は 200,000 ドルもする。65,000 ドルは高くない。 修理をしないで使わない手はない、と思った。」 ナカムラ氏の父は三重県出身の船大工だ。職人魂が動いたかもしれない。

現在ビジネスを広く展開するナカムラ氏は続ける。 「ビジネス感覚のない政府に定期船の運営を任せていてはだめだ。ペリリュー・マリン・ トランスポーテーション・オーソリティ(PMTA)という第 3 機関を設立し、貨物船はPMTAが運営を行っている。収益を上げているよ。」
エンジンはまるまる代えた。修理には約 2 カ月かかった。日本からのパーツが届くのを待 つ必要があったからだ。仕様書が紛失していたことも時間がかかった要因だ。
出航は 2 日後の 5 月 22 日を予定している。
さて、大和丸の方だが残念ながら丘に上がったままである。
太平洋の海底ケーブル [2014年12月16日(Tue)]
以前ちらっと読んで気にはなったがちゃんと記録していなかった太平洋の海底ケーブルの起源と発展。やっとその資料が見つかって喜んでいる。しかも、この本日本語版も出ていた。

インヴィジブル・ウェポン―電信と情報の世界史1851‐1945 単行本 – 2013/6
D.R. ヘッドリク (著), Daniel R. Headrick (原著), 横井 勝彦 (翻訳), 渡辺 昭一 (翻訳)


原本は英語で1991年発行。20年以上経って翻訳されている。

この本で確認したかったのはケーブルの長さ。
下記の表はHeadrickの本から書き写したもの。その下のグラフはこの表を元に当方が作成したもの。

cable graph1.png


cable graph2.png


やっぱり注目したいのは大英帝国の圧倒的な支配である。これ太平洋が貢献している。
太平洋を横切る最初の海底ケーブルは、英領バンクーバーからオーストラリア、ニュージーランドに敷かれた。そのために、2つの小さな島が英米に併合されている。Necker islandとFanning Island だ。英国の完全な独占政策が影響しているのだ。絶対他国と相互接続させない。この独占体制、その後百年続く。
これが米独の共同海底ケーブル開発に結びつけた。サンフランシスコからハワイ、ミッドウェイ、ヤップを経由したアジアへ結ぶケーブルである。

日本は第一次世界大戦後、太平洋に展開していたドイツのケーブルを譲り受ける形で一機に通信網を展開。これが、軍縮で日本の軍事力を削減した欧米諸国、特にドイツとケーブルを共有していた米国にとって反日、排日感情を形成する要因の一つに。

通信と世界経済、世界政治。現在のインターネット覇権と全く同じだ。
外務省アジア大洋州局伊原局長、フィジーのイノケ外相を表敬 [2014年12月15日(Mon)]
kubuabola-oceaniapac.jpg



外務省アジア大洋州局伊原局長がフィジーのイノケ外相を表敬したとのニュースがフィジー外務省に掲載されている。えっどこで?伊原局長フィジー訪問?それともイノケ外相日本に来ていたのだろうか?と、色々他のニュースも探したが見当たらず。

昨年の11月末の事であるが重要である。(今2014年でした。)


なぜ重要なのか。来年の第7回島サミットに向け、PIFに戻らないと明言しているフィジーをどうするか、という問題が残っているからだ。確か前回、前々回の島サミとも日本政府は豪州に遠慮してバイニマラマ首相を呼ばなかったと記憶している。

このフィジー外務省のウェッブにはイノケ外相が伊原局長に対し「フィジーを孤立させたPIFに戻る気はない。」と伝えている。イノケ外相のコメントは正確には「フィジーを孤立させた豪州NZがでかい顔をしているPIFには戻る気がない」であろう。
豪州NZのフィジーに対する制裁が強化される中、他の島嶼国はフィジーに対し同情的でった。クリントン長官でさえ同情的であった。


それでは、PIFをカウンターパートとしている島サミットをどうするか?フィジーなしで進めるのか。
1997年に開始した島サミットは実は対PIF対策として開始した。対島嶼国ではなかったのだ。どういう事か?
1992年に開始した日本のプルトニウム輸送。PIFが強硬な反対声明を毎年出していたのである。福島原発事故のあった2011年前までの島サミットは極端に言うと電事連の行事あったのだ。

それが前回の2012年第6回島サミットから流れは大きく変わった。PIF対策というより海洋問題を中心とした本来あるべき姿。(この海洋を提案したのは笹川平和財団)言ってみれば倉成ドクトリンという基本姿勢に戻った対太平洋島嶼国政策を模索する事ができるようになった、と言ってよいであろう。

もう一点。そもそもPIFは旧宗主国の影響を受けず、独立を果たした島嶼国の意見を表明する場として、フィジーのカミセセマラ首相が1971年に設立したのである。そこを豪州NZが牛耳り、しかも創設者のフィジーを追い出す形となってしまった。来年2月には豪州ビショップ外相がフィジー外相を豪州に招聘しPIFのあり方を協議する。もし本来のPIFの理念を日本が理解し支持するのであれば、豪州NZのジャイアン的態度を諭す位の事をしてもよいと思う。ASEANの例を示し、インビジブル・リーダーシップのあり方を説いたらどうであろうか?

日本は次回の島サミットにはこの9月に民主的選挙で選ばれたバイニマラマ首相をPIF枠でなくても呼ぶべきである。できればその前に一度公式訪問してもらい日フィジー関係の強化を示すべきである。太平洋は自分のテリトリー、と思っている豪州NZも文句を言わないはずだ。

私が何よりも気にしているのはイノケ外相が中国、韓国辺りにすっかり洗脳され、日本を「悪魔的行いをした国」と明言している事である。イノケ外相は元在日大使であり親日、知日派であったはずである。
日本は早急にフィジー関係を強化すべきだ。フィジーもそれも望んでいるはずだ。


太平洋に消えるお金の話、復活 [2014年12月14日(Sun)]
2010年、ペリリューとアンガウルに大規模なリゾート開発がありいつの間にか立ち消えとなった件がある。「太平洋に消えるお金の話し」としてこのブログでも軽く取り上げた。

現在議論されているパラオのカジノ関連の情報を検索していたら引っかかったのだ。
この話、いつの間にか復活している。しかも同じメンバー。

Iris buys a further 50% stake in resort
Posted on 29 October 2014
http://www.thesundaily.my/news/1211088

ペリリューでリゾート開発なんて話はニュースに出ていない。
投資家も同じ手で何度も騙されないであろう。であれば、これは意図的、確信犯か?
すなわち投資と見せかけたマネロンではなかろうか?

この件を進めているのはUK Investment Holdings Limitedという英領バージン諸島の会社でマレーシアに本社がある。これだけで十分アヤシイ。
トリビオン政権の2009年に本事業は立ち上がった。ウェッブを見るとパラオの案件がメインのようである。

UK Investment Holdings Limitedを検索している最中に英国政府の投資会社を発見。金融危機対策のために2008年に設置された会社。
太平洋島嶼国のタックスヘブンと言えば英国政府。1970年周辺に英国政府がバヌアツに設定したのが元祖。
もしかして、このパラオの件も英国政府が絡んでいる可能性はないだろうか?逃げたいお金は中国官僚の汚職マネーだけではないかも?
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