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早川理恵子博士
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島のイニシアチブを支援する日本 [2014年06月30日(Mon)]

Japan to Assist Fiji with Regional Training Program for PIDF Countries

オーストラリアとニュージーランドのいるPIFには戻りません。自分達が立ち上げたPIDFで地域の開発を進めます。ここにはオーストラリアとニュージーランドは入れません!と宣言したフィジー。第2回のサミットが6月18−20日までフィジーで開催されていた。

日本の立場は? 気になっていたところへのバイニマラマ首相のスピーチである。
日本は向こう3年、2.3ミリオンドル(多分フィジードル)を南南協力で支援する。
フィジー政府が自ら計画し運営する人材育成で、対象はツバル、キリバス。
これを豪州がやったらホワイトエキスパトリエートがわんさかやってきて、予算も何十倍位になるであろう。こういう白人臨時専門家への支払いの額は桁が3つ4つ違う。そして成果がほとんどなくて、援助の効果がない事を島のせいにする、よくある話。

このバイニマラマ首相の発表は、日本のメディアはどこも取り上げないが、強調し過ぎる事がないほど日本の戦後外交、太平洋外交に深い意味を持つ。

1.まずはPIDF、即ち太平洋の新パラダイムは日本を歓迎している事。
2.伝統的援助国であるオーストラリア、ニュージーランドへの強烈な批判である事。
3.「伝統的援助国」とは戦勝国の事である。先の大戦のリベンジはバイニマラマが、太平洋島嶼国がやってくれているような気がするのは私だけであろうか。(戦わずして勝った!)

我らがレメンゲサウ、パラオ大統領も今年の所信表明演説で「日本とは100年の歴史がある」と言明。即ちベルサイユ条約で日本が委任国になった歴史を、オーストラリア、NZ、米が忘れようとしている歴史を、パラオ自らが明確に述べている事はどこかに書こうと思っていてウッカリ忘れていた。人種差別が当たり前の当時、欧米諸国が夢にも思わないような植民地統治(南洋庁経営)を日本はしていたのである。


最後に歴史のif
もし、第一次世界大戦後日本が赤道以南の統治も委任されていたらどうであったであろうか?多分、太平洋島嶼は違った発展を遂げていたであろう。
もし日本が第一次世界大戦に参加していなかったら。多分太平洋はドイツ領となり、日本は日英同盟を解消してドイツと太平洋地域で経済的開発を進めていたかもしれない。Hamburg Süd の貨物を太平洋で目にする度にそんなifを想像していまう。
「橋本行革の決定と挑戦」 松井孝治 2014.5 世界 [2014年06月29日(Sun)]
笹川平和財団の長谷川さんが、何か読みたい資料はないか、あれば送るとの事。気になっていた松井孝治さんの「橋本行革の決定と挑戦」をリクエストした。

橋本行政改革。総理府(当時)系の青少年組織の幹部をしていた時だったので、その動きは末端の方で感じていた。しかし、この改革が30代の若手官僚松井氏の発案であった事は始めて知った。こういう大事をする松井氏もスゴイと思うけれど、そういう大事を若手官僚に任せる政治家(だと思う)もスゴイと感動している。下記引用する。

”(前略)松井君一案作れ、との指示が下る。この「発注」こそが私の運命を変える仕事になるのである。せっかくだから、自分自身の、霞ヶ関への、そして首相官邸へのもどかしい思いを一旦全部ぶちまけてみよう、そんな思いで、ここは行革の中核の中核、霞ヶ関改革を橋本政権の目玉にしてやろうと思った。” (「橋本行革の決定と挑戦」 松井孝治 2014.5 世界 から引用)

行革で運命が変わったのは松井氏だけではないはずだ。

私がこの松井氏の原稿を読みたいと思ったのは、来年第7回目が予定されている太平洋島サミットが、まさにこの行革の真っ最中の橋本政権下で開始した事が理由である。
第1回島サミットは、メディアにも殆ど取り上げられず、日本国内の島嶼関係者も何をするのか、したのか、ほとんど知らされず、もっとひどい事に、太平洋の首脳を呼びつけておきながら、当の日本の首脳、橋本総理はちょっと顔を出しただけで、後は外務省の官僚に任せきりだったのだ。
この件をP国のN大統領から指摘され、「申し訳ありません」と日本を代表して謝っておいたが、次回お会いした際はコレコレこういう事情がありました、と弁明できる。

”しかし、橋本行革に携わってみて、やはり痛恨としか言いようがないことは、総理の主導性が、1997年の秋以降の与党内調整において見事に覆されていくさまであった。” (引用、同原稿)

第1回島サミットは1997年10月開催である。まさに1997年9月の内閣改造の直後、即ち総理の主導性が覆されている最中のイベントであったのだ。
そして、このブログで何度も書いているが、当時のサミットは、太平洋島嶼国の地域組織Pacific Islands Forumが日本のプルトニウム輸送に強い反対を表明していた事への対処であった。
電事連、外務省、通産省がどのような動きをしたのか?橋本総理、官邸はどのように対処したのか?

いい方が悪いが、島嶼国を黙らすための目玉事業を外務省は探していたのである。この日本政府の思惑とは全く別に、笹川陽平会長からODA案件にしよう、と言われて1991年から当方が動いていたUSPNetがこの島サミットの目玉事業となった。これは歴史の偶然、運命である。
さらに、予期しなかった成果として既存の電話通信会社を外したネットワークであるUSPNet事業は現在の太平洋島嶼国の通信制度改革にも繋がっている。

来年第7回を予定している島ミットはもう電事連は抜けて、官邸主導のイベントになる事を期待している。それは、パプアニューギニアの液化天然ガスだし(エネルギー安全保障)、これも笹川会長の指示で当方が外務省大洋州課に提案させていただいた広義の太平洋海洋安全保障協力だし、PIFメンバーではない米国との協力である。

来週からの安倍総理の太平洋訪問は、その意味でも特別であり、松井氏の行革の成果でもあって欲しい。

松井氏の原稿まだ続くようであるが先を読むのが楽しみだ。


海を守る2つのレポート「劣化から再生へ 世界の海洋のレスキューパッケージ」「公海から世界を豊かに」 [2014年06月26日(Thu)]

Misson Ocean


笹川太平洋島嶼国基金の三代目運営委員長(*)でもある、海洋政策研究財団の寺島常務理事のブログ「海洋政策は今 寺島紘士ブログ」で海を守る新たな2つのレポートが報告されている。
一つは寺島常務が川口順子氏と共に共同主査となって昨年5月から作業された「公海から世界を豊かに」
もう一つは6月24日に発表されたばかりの世界海洋委員会(GOC)の「劣化から再生へ 世界の海洋のレスキューパッケージ」 (上のYoutubeが手っ取り早く理解できます)

両者をざっとだが読んだ。素人目だが、IUUに関する日本案がGOCの方にかなり取り上げられているのではないか、という印象と、MPAに関しては順応的管理を提唱する日本案とNo Take Zoneの設置を提唱する、即ち新植民地主義を進める白人案(当方の妄想)の隔たりがあるのではないか、という印象を持った。

何はともあれ、海洋問題をオバマ大統領がexecutive powerを使って推進し、グローバルアジェンダになった(なりつつある)事は確かである。
良くも悪くも、米国のアジェンダ=グローバルアジェンダなのである。そしてこのグローバルになった海洋アジェンダの半分以上の(多分)責任は、米、中に続く世界第3位の経済大国日本にある(漁業、プラゴミ、二酸化炭素排出、海底資源等々)。
よって、日本の責任は重い。いかに新植民地主義に屈せずに日本の伝統的里海管理を世界に浸透させるかが鍵のような気がする。


最後に、デカプリオ。
以前このブログにデカプリオの事を書いたら数人のお母さんから反応があった。食を守るのは母親である。そのお母さんに訴えかけるのは、残念ながらケリー長官でも、オバマ大統領でもない。
その証拠に先日開催された”Our Ocean2014"でのデカプリオのスピーチ、Youtubeアクセス4万を超えている。他方ケリー長官は気の毒にも500。
民主政治とは衆愚政治である。衆愚の私が言うのだから間違いない。白状します。デカプリオのスピーチはしっかり2回見たけど、オバマ大統領もケリー長官も早回しでざっと見ただけです。


*(初代:笹川陽平会長、二代目:渡辺昭夫東京大学名誉教授)
"Peacemakers: The Paris Peace Conference of 1919 and Its Attempt to End War"( [2014年06月25日(Wed)]
200px-Paris1919bookcover.jpg

今年の一年の計は百周年を迎える「第一次世界大戦」にした。
最近、マーガレット•マクミランを知り"Peacemakers: The Paris Peace Conference of 1919 and Its Attempt to End War"(英文)を手にした。厚い!5センチ位ある。
全部読むのはあきらめてForward, Introduction, Mandate, Japan and Racial Equality, Conlusionだけ読んだが面白かった。
E. H Carrが『平和の条件』で批判しているself-determination。ウィルソン大統領のいい加減さはまさに空いた口が塞がらない。しかし、この理想主義が現在の国際問題にもつながっている。
ニクソン大統領がウィルソンの肖像画を飾った時、キッシンジャーが戦慄を覚えた、というほど。

そして、今集団的自衛権が議論されている中、第一次世界大戦こそ、日本史上最初で最後の集団的自衛権の行使だったのであるから(のはずだけど間違っているかもしれません。)この経験を今検証しないでどうする?と思うのだが、歴史のif呪縛にかかっているのかifの議論がされてないよね。
ANZACを護衛した日本は逆にANZACから恨みを買ったのだ。豪州ヒュー首相のベルサイユでのあの態度。日本に守ってもらったのにお礼の一言もないわけ?墓を掘り起こして問いただしたい。
今の豪州にもありますよ。この件を話題にするとOZは気まずそうである。特に王立豪州海軍。
やっぱり情報操作、プロパガンダが必要だし、いよいよ安倍首相の豪州訪問が重要な意味を持ってくる。


本の方が断然おもしろと思うが、下記の記事は手軽に読めます。マクミラン、ワシントン軍縮会議の事を取り上げていないのが気になっています。
World War I: The War That Changed Everything
World War I began 100 years ago this month, and in many ways, writes historian Margaret MacMillan, it remains the defining conflict of the modern era.
By MARGARET MACMILLAN
Updated June 20, 2014
http://online.wsj.com/articles/world-war-i-the-war-that-changed-everything-1403300393

追記
今日は朝から、ショパン(ポーランド)、ハチャトリアン(アルメニア)、シューベルト(オーストリア)、マンチア(伊)を弾いて、欧州の民族自立を思いを寄せた。欧州の音楽の豊かさは民族文化の多様性と民族自決の精神と無縁ではないであろう。例えそれが好ましくない結論を導いてしまったのだとしても。
捕鯨裁判と「アルバニー船団記念式典」日本海上自衛隊艦艇の参加 [2014年06月23日(Mon)]
捕鯨裁判 ー 対太平洋島嶼国との関係イコール日豪関係なのである。よって、わからないなりに勉強しないとならない。間違っている可能性もあるが日本の国際法学者も知らなかったので、批判を期待して書いてみたい。

<豪州が主張する領土、EEZ>
学者も専門家もメディアもほとんど取り上げないが、捕鯨裁判核心の部分は南極海の豪州が宣言している領海、EEZの問題である。
南極大陸ー南極条約なるものがあり、その中の一つが「南極地域における領土主権、請求権の凍結」。で、主張、請求しているのがニュージーランド、オーストラリア、イギリス、フランス、ノルウェー、チリ、アルゼンチン。
下記の地図のオレンジの部分がオーストラリアが主張している領土である。かなり広い。

220px-Antarctica,_territorial_claims.svg.png


<日本政府が指摘した国際司法裁判所の管轄権の無効>
日本の捕鯨調査に対する豪州の攻撃。南極海で調査を止めれば捕鯨は反対しないよ、と言っていた時もある。即ち、本音は南極大陸の領土とそれにつながるEEZの確保である。即ち、本音は鯨なんかどうでもいいのだ。だって白人はさんざん鯨を殺してきたのだし、潜水艦による被害の方が大きいというニュースもある。
領有権 ー 先に宣言した方が勝ち、実行支配が優先する。スペイン・ポルトガル間のトリデシャス条約、サラゴサ条約、米国のグアノ島法等々。
南極大陸は自分たちの領土という主張に基づいて豪州は国際司法裁判所に訴えたのである。
訴えてこれが国際機関に取り上げられた事自体に意味がある。
ここを日本外務省は明確に指摘し、裁判所に管轄権がない事を申し立てている。
下記参照

日本政府代理人 鶴岡公二外務審議官による冒頭陳述 国際司法裁判所(ICJ)における「南極における捕鯨」訴訟(仮訳)平成25年7月2日 より 引用
14.この事件の別の側面は,豪州が,特別許可に基づく日本の捕鯨の地理的な範囲を豪州が南極海において独自に主張している排他的経済水域(EEZ)に限定していることにあります。多数の行為によって十分示されてきたように,豪州はこの海域において管轄権を行使しようとしています。日本は,南極の関係での豪州のEEZに関する主張は認めておりません。この事件の地理的範囲を南極海において豪州が主張している海域とその隣接海域に限定していることによって,豪州は,独自に主張しているEEZに関する立場を正当化しようとしているのでしょうか。それとも,実行はしていないけれども,自国が主張する南極のEEZにおいて捕鯨を禁止する措置をとればそうなるように,南極における自国の主張が試されることを避けようとしているのでしょうか。我々は,豪州が裁判所の管轄権を受け入れた際に付した留保の観点から,裁判所の管轄権について大いなる疑問を有しております。

日本政府代理人 鶴岡公二外務審議官による最終陳述及び最終申立て(仮訳)国際司法裁判所(ICJ)における「南極における捕鯨」訴訟平成25年7月16日17.より引用
裁判所長,裁判所の裁判官の皆様,それではこれから日本の正式な申立てを行います。
日本は,裁判所が次のことを判断し宣言することを要請します。
(1)- 裁判所は,2010年5月31日の訴状によって裁判所に付託された,豪州の日本に対する請求について管轄権がないこと。
  - そして結果として,豪州が日本に対して開始した手続についてニュージーランドが行った参加の許可の要請は失効すること。
(2)あるいは,
  - 豪州の請求は却下されること。


結果はみなさんご存知の通り。国際司法裁判所は豪州のそしてニュージーランドの南極大陸領土権を認めたのです。(結果的にそういう事だと思う)
豪州は自分が主張し、国際司法裁判所が認めた(そのつもりはなかったのかもしれないが)、だけど国際的には認められていない南極海から日本を追い出す事に成功したのである。
ところで日本の捕鯨調査。鯨資源だけが目的ではないはずだ。南極大陸及びその海域での実績作りが将来の日本の安全保障に与える影響は計り知り得ない。
220px-Australia_map_maritime_zones.gif



<豪州、表玄関に日本海上自衛隊を招く>
最後に本題。この4月に日豪首脳が、そしてこの6月に日豪防衛外務大臣2+2が合意し段取りしている「 アルバニー船団記念式典」日本海上自衛隊艦艇の参加。(このきっかけを作ったのが、当方がこの2月に実施した笹川平和財団のキャンベラ出張での協議である。)
アルバニーとはどこか?日本の調査捕鯨船も立ち寄るフリマントル港の近く、豪州西南パースの近くである。1897年にフリマントル港が商業港として開港するまでアルバニーは主要な港であった。第一次大戦時はヨーロッパに向け船団が出発したのである。現在人口は約2万5千人。南半球の最後の捕鯨拠点でもあった。(写真左、鯨博物館もある!)

500_26914492.jpg 02_thm.jpg
日清戦争以来、豪州の脅威は日本なのである。ANZACは日本海軍に守ってもらった記憶を消去し、侵略国家日本のイメージを持ち続けた。日本バブルの頃はANZACデーに日本人は出歩くな、というアドバイスもあったと聞いている。
私も現場で数々の、この豪州のパラノア的反応を、攻撃を受けて来たので明言する。一例。豪州海軍は民間人の豪州ビリオネラーと共同謀議までして、日本財団が支援するミクロネシアの小さな監視艇事業を中止させようとしたのだ。勿論、レメンゲザウ大統領もクアルテイ外相もそんな共同謀議は相手にしなかったし、逆に豪州の信用を落としただけの結果となったであろう。


太平洋が豪州の裏庭であれば、南極海は豪州の表玄関である。
日本の捕鯨調査船を追い出した矢先に、豪州はそこに、アルバニーに日本海上自衛隊艦艇を招いたのである。そこには豪が日清戦争以来持ち続けた対日イメージの変換が、末期的オランダ病の症状と重なって、南極領土問題と軍事協力、特に海洋安全保障協力を通して、「積極的平和主義」の方向に揺り動かされているような気がする。
答えは多分、南極海の共同調査・開発であろう。



安倍首相の太平洋訪問に向けて(10)ウェワック [2014年06月22日(Sun)]
WewakWarMemorial.png
wewak.png

(画像をクリックすると拡大します)


安倍総理の太平洋訪問がいよいよ迫ってきた。
パプアニューギニアでは、北部のウェワックに入る事が予定されており、今ウェワックの町は大急ぎで町の清掃が行われているとのニュースである。

"Wewak festival venue works underway"
http://www.pngloop.com/2014/06/03/wewak-festival-venue-works-underway/

ウェワックは、このブログに何度も書いているが、国父ソマレ閣下の故郷であり、現在ソマレ閣下は東セピック州の知事を務めていらっしゃる。ここに日本軍最大の航空基地があった。
ソマレ少年が始めて教育を受けたのは日本軍が設置した学校であった。ここでソマレ少年は柴田中尉と出会い、独立の精神を学ぶ。それから20数年後、慰霊に訪れた笹川良一名誉会長に出会った事がパプアニューギニアの独立を左右した。

先々週のソマレ閣下からいただいた笹川陽平会長への電話の取り次ぎ事件。その興奮はまだ冷めやらない。パプアニューギニア独立支援の話は私ごときが触れたり話したりすべき件ではない、とずっと思っていた。が、24年も太平洋の島の仕事をさせていただき、笹川陽平会長も「陰徳の美」はよろしくない、と言っていらっしゃるので、最近積極的に言ったり、書いたりしている。
で、言ったり書いたりしている内に、その重みが以前と全く違う姿で、目の前に表れて来るのである。


安倍総理のパプアニューギニア訪問、パプアニューギニア以外のメディアは殆ど取り上げていないようなのだ。やっと昨日のDiplomatに記事が出ていた。

"The Three Pillars of Abe’s Oceania Tour"
http://thediplomat.com/2014/06/the-three-pillars-of-abes-oceania-tour/

パプアニューギニア訪問は天然ガスの件が取り上げられている。日本のエネルギー安全保障上重要なテーマであるには違いないが、私はウェワック訪問の方が精神的なテーマで重要と考える。

笹川良一名誉会長がソマレ青年を支援したのは、傀儡政権を作るためでも、アメリカのリバタリアン不動産のような租税回避のためでもない。西洋諸国の植民地支配からアジア太平洋を独立させる支援は戦争が終わった後も続いていたのである。

Et tu, DeCaprio? デカプリオ、お前もか? [2014年06月21日(Sat)]
先週米国国務省主催で開催された"Our Ocean 2014" 。メディアの脚光を浴びたのはハリウッド俳優レオ•デカプリオのスピーチと新たな7億円ばかりの彼の財団からの拠出金である。

Et tu, DeCaprio? (デカプリオ、お前もか?)
と心の中でつぶやいてしまった。

この海洋保護活動、最近はビリオネラーや軍事産業の餌食、そして環境原理主義者(当方の造語)の、要は白人による新植民地支配に見えてきていたので、ガッカリした。

レオ•デカプリオ、『ブラッド・ダイヤモンド』や『J・エドガー』などの社会問題や『シャッター アイランド』『インセプション』(老荘思想の胡蝶の夢)も扱っていてファン、なのである。
娘には「デカプリオから結婚を申し込まれたらお父さんの別れるから。」と常々言い聞かせてある。

お願いだから、まともな事を言っていて欲しいと一縷の望みを持ってYouTubeを見たが。。 かわいそうなサメやイルカだとー!



<唯一光っていたレメンゲサウ大統領>
我らがパラオ共和国のレメンゲザウ大統領も当然の事ながらスピーカーで招かれている。
メディアが、米国、キリバスが海洋保護区と商業漁業禁止を宣言する中で、下記のように述べている。
「誤解しないで欲しいのです。私はアンチフィッシングではありません。持続可能なフィッシングを支持する立場です。私自身もフィッシャーマンです。パラオではフィッシングが上手な独身男性が一番モテます。家族を食わせる事ができるからです。」(下記YouTube14分頃から)
世界中が、デカプリオまでが環境原理主義の罠にはまっている状況の中、このレメンゲザウ大統領のコメントは強調しすぎる事がないほど重要だが、メディアはどこも取り上げていない。


<大統領制と議院内閣制>
2009年にブッシュ大統領が退任直前に駆け込みで発表した海洋保護区。 今回の会議を機会にオバマ大統領がこの保護区を50海里から200海里に拡大すると発表。日本のメディアや環境原理主義者は「さすがアメリカ!」みたいな反応だった。この日本の単眼的米国崇拝。
大統領制の米国には大統領のexecutive powerなるものが存在する。議院内閣制の日本ではできない。
今回のexecutive powerの行使、早速米国内では懸念するコメントが至る所に出ている。米国がまともな証拠である。
しかもキリバスの近くに、米国がこんな小さな島々を領有している事も、領有した背景(鳥のウンチ法で)もほとんどの米国人は知らない事実であろう。その意味ではオバマ大統領の発表は米国人に太平洋のど真ん中にある米国の領土、領海を知らしめる機会になったのではないだろうか?



例えばFox News
"President Obama on Tuesday announced plans to create what could be the largest marine preserve in the world, an initiative that aims to protect "pristine" Pacific Ocean environments but could run into opposition from the fishing industry and lawmakers worried about the president's use of executive power. "
Obama aims to create world's largest ocean preserve
Published June 17, 2014
http://www.foxnews.com/politics/2014/06/17/obama-will-reportedly-expand-protected-areas-pacific-ocean/

今回の提案は環境原理主義者の支持を得ながら(デカプリまで利用して)太平洋でのPACOMの活動強化を狙っているのでは、と穿った見方もしてしまう。保護区を指定したらサーベイランスが必須なのだ。環境原理主義者はパラオ国民に約束した支援金を払わなくても、”かわいそうな”サメやイルカを守るために税金を使う事には反対しないであろう。

<海洋保護地区(Marine Protected Area)の誤解>
それから海洋保護地区が禁漁区だとの誤解、曲解も蔓延っている。
海洋保護区イコール漁業を含む人間の活動一切禁止、と信じている人が多いし、環境原理主義者はそのように主張しているようである。
第 27 回海洋フォーラム講演「知床の海域管理:世界遺産への新たな課題」(横浜国立大学環境情報研究院 教授 松田 裕之)
にその誤解が説明されているので長くなりますが下記に引用させていただきます。なお、米国NOAAも同様な事を言っています。http://oceanservice.noaa.gov/facts/mpa.html

(引用開始)
海洋保護区について
IUCN から再三指摘されたにも拘わらず、政府は一貫して海洋保護区という言葉を用いなかった。その背景には、我が国では海洋保護区が禁漁区(No-take zone)と混同されており、もし 海洋保護区を設定すると言えば漁業者から強い反発を食らう可能性が高いことにも原因があ るだろう。しかしながら、既に日本にも海洋保護区と言える実行がいくらか存在する。たとえば、 京都府沖合海域におけるズワイガニ資源の管理は、漁業者が中心となって禁漁区を含む海 域管理が行われており、実質的な海洋保護区が運営されている。これは順応的管理(adaptive management)のモデルケースとしても興味深いものがある。国内の実行を如何に海外に伝える かという点にもう少し注意が向けられて良い。日本の沿岸漁業制度において特徴的な漁協に よる自主規制も、voluntary regulation などと説明すれば、海外では理解されにくく、「資源利用 者による資源の保護・培養」を理念とした Community-based Management と説明すれば実態に も即し、またより良い理解を引き出しうる。(引用終了)


里山、里海という日本の伝統的環境保護、デカプリオに今度会ったら教えてあげなくちゃ。
豪州の天然ガス開発とCSR [2014年06月20日(Fri)]
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オーストラリア・チモール海共同石油開発地域 http://www.inpex.co.jp/business/australia.html より


来月、安倍総理が訪問するかもしれない、豪州北西部。
日本企業による大型資源開発が行なわれている。
資源のあるところ地元民の悲劇がある。
ブーゲンビル島しかり、西パプアしかり。
で、CSRはどうなっているのか、豪州で開発を進める国際石油開発帝石株式会社のウェッブを見てみた。豪州関係のCSRを下記にリストアップさせていただきました。
創業数百年がざら日本企業。(*)地域との調和、CSRはお家芸とも言えるだろう。
リストにもある先住民アボリジニ問題は豪州のアキレス腱でもある。
オーストラリアのメディアは鯨で日本を叩くばかりではなく、こういった日本のCSRにも注目して欲しい。

*全国124万社のうち、創業百年以上の会社が約2万社、このうち二百年以上が約1200社、三百年以上が約400社、五百年以上が約30社、千年以上が7社
「創業百年以上の企業は約2万社」  http://www.nippon.com/ja/features/c00615/ より


オーストラリア北部準州遠隔教育支援校への寄附金の拠出について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2013/20131023.pdf

オーストラリア 『先住民社会との協調活動計画(ReconciliationActionPlan)』 の着手について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2013/20130705.pdf

オーストラリア連邦北部準州 チャールズ・ダーウィン大学における「オーストラリア北部石油・天然ガス研究センター」の開設について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2012/20121121.pdf

オーストラリア 西豪州キンバリー地区における 文化遺産の保護活動および研究活動への支援について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2012/20121115.pdf

オーストラリア連邦北部準州ダーウィンにおける職業訓練校の開校について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2011/20110415.pdf

オーストラリア クイーンズランド州および西豪州の 洪水被災に対する義援金の拠出について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2011/20110119.pdf

オーストラリア連邦北部準州ダーウィンにおける職業訓練校の設立支援について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2010/20100329.pdf

オーストラリア ビクトリア州の山火事被災に対する義援金の拠出について
http://www.inpex.co.jp/csr/topics/2009/20090226.pdf
「駒吉」 予告 [2014年06月18日(Wed)]
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太平洋を渡り歩いて24年。普通では出会えない人々との出会いがあった。
そんな中のお一人が團伊玖磨さんである。
以前から「駒吉」というタイトルでこのブログに書きたいと考えていた。
もうそろそろ書こうかと思う。

その前に備忘録。

駒吉(團琢磨)が暗殺された血盟団事件(1932年)、それに続く5.15(1932年)、2.26(1936年)。
中島岳志著の『血盟団事件』を読んで井上日召や貧しい農家の青年の精神状況はわかったが軍人将校の動機がわからなかった。そうしたらあった。

今年5月22日に開催された民主党オープン・フォーラム(近現代史研究会)「二・二六事件とその時代――危機的状況下の日本」(筒井清忠帝京大学文学部日本文化学科教授・学科長)の会議録である。


ベルサイユ宮殿での会議に続くワシントン軍縮会議(1922)。このあおりを受けて9万6400人、約十万人の将校、士官の首が切られた。軍縮会議が、軍事大国となっていた日本にこんな影響を与えていたとは始めて知りました。とういうか当時10万人以上の軍人がいた事も知りませんでした。現在は約25万人、予備兵が5万人で合計30万人。
首を切られた軍人達。士官は潰しが効いたが、エリートの将校の潰しが効かなかった。この将校達が北一輝と繋がっていく。

筒井清忠教授は”たまりにたまったマグマが暴発したようなことになったのが二・二六事 件だと言えるだろう”と結んでいる。
ビショップ豪外相、ジョンストン豪国防相記者会見ー歴史から消されたアルバニー船団の記憶 [2014年06月17日(Tue)]
2014年6月11日翌日に実施されたビショップ豪外相、ジョンストン豪国防相の記者会見。



共同記者発表の内容と同じだが、ある意味また違った情報がある。
その一つが「アルバニー船団記念式典」への日本の海上自衛隊艦艇の参加の件である。
ジョンストン豪国防相はこの事は大きく取り上げられるであろう、(多分豪州で)と語っている。
この件を今年2月のキャンベラ出張で、豪州政府に呼び起こしたのは自分である。
よってその意味を改めて考えたい。



<歴史から消された日豪の記憶>
私は第一次世界大戦で日本海軍がANZACを護衛した事を本間洋一氏の本で始めて知った。回りのオーストラリア、ニュージーランド、日本人に聞いても誰も知らない歴史なのだ。
この協力は、元祖集団的自衛権の行使は,豪州の白豪主義(人種差別)と敵国ドイツの情報操作もあって、ANZACの歴史、記憶から抹殺されたのだ。
そして、太平洋に進出してくる悪い日本人のイメージがANZACに植え付けられた。
ミクロネシア諸国は英仏露との秘密協定、そしてベルサイユ条約で正式に日本領となったが(形式的には委任統治)米豪はアジアへ繋がる要所を日本に押さえられる形となり、許せなかった。
ベルサイユに続くワシントンの軍縮会議では欧米諸国の共同謀議と知りつつ日本は大きく譲った。
しかし、その結果10万人の日本軍人の首が切られた。(この事は数日前に始めて知った)
1922年の軍縮会議の最も重要な点はここであろう。戦艦の数が減らされた事より、この10万人の軍人の首切りが社会に与えた影響。
当時世界第二位(だと思う)の軍事能力を誇った日本の気高き軍人、得に職を失って潰しが効かない青年将校達を追いつめる結果となる。
青年将校達の不満のマグマが爆発したのが、血盟団事件、五.一五,二.二六だ。
軍人と貧困に喘ぐ農民が手を組んだ。彼らの貧困を苦悩を理解しない日本の指導者達、ブルジョワ層への憎しみ。さらに母国には戻れない満州在住21万人の日本人が追いつめられていく中で、それを守った関東軍。(これも最近知りました)

その歴史の流れを見ると、100年前日本帝国海軍のANZACへの貢献が歴史から消された事の意味、そして100年たってその事を改めてANZACが認識(評価)しようとしている事の意味の大事をつくづく考えてしまう。
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