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早川理恵子博士
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島サミットにパプアニューギニアとフィジーが参加しなかったワケ [2012年05月30日(Wed)]
今回の島サミットに参加しなかったフィジーとパプアニューギニア。
両国とも中国との関係が深い。
中国に遠慮して参加しなかった、などという記事あったが何を根拠に書いているのだろう。

フィジーは、日本が首相ではなく外務大臣を呼んだので(フィジーの新聞ではオーストラリアの圧力に日本が負けて)不参加を表明。バイニマラマ首相は今年末に野田首相を日本に招待している。
中国の圧力とは関係ない。

パプアニューギニアは、政局の混乱を知らないと理解できないだろう。
独立の父、ソマレ閣下が心臓手術で長期不在中に国内の混乱を収拾すべく新たな首相が誕生した。
これに対しソマレ閣下及びその周辺は軍も動かして抵抗。
パプアニューギニアでは最高裁が首相を決定する。
島サミットへ向け首相が日本に飛び立とうとした直前、最高裁が現首相を認めない、との判断を下したのである。
中国との圧力とはこれも関係ない。

中国の太平洋への影響を否定しているのではない。
このような誤解に基づいた中国への批判は、本質的な中国の影響、脅威を見逃してしまうことにならないだろうか。

太平洋で領土紛争を抱えていたのは米国である。下記米国内務省のウェッブに詳細がある。
http://www.doi.gov/oia/Islandpages/disputedpage.htm
CNAS Fifth Annual Conference: Cooperation and Competition: China and the Asia-Pacific [2012年05月30日(Wed)]
CNAS Fifth Annual Conference: Cooperation and Competition: China and the Asia-Pacific

昨年2011年6月に開催された会議。
ウォルシュ司令官が参加している。
こちらはテキストとビデオがある。

テキスト
http://www.cnas.org/node/6542

ビデオ こちらは1時間以上あります。
キーティング司令官の西太平洋における米中の利害関係 [2012年05月30日(Wed)]
 2009年と少し古いですが、太平洋分割案で登場するキーティング司令官、そしてミクロネシア海保案件のきっかけともなったキーティング司令官のインタビュー番組がありました。
 日本が西太平洋の関わるかどうか、日本次第だ。って言ってます。

China and US interests in West Pacific 1/2



China and US interests in West Pacific 2/2



この記者会見もおもしろいです。
何を今更の「島サミット」(3) [2012年05月30日(Wed)]
対太平洋島嶼国の関係とは、即ち米国との関係ナリ。

これは財団に入った1991年、現場ですぐに実感した。
特にケネディの落し子みたいなPEACESAT事業に関わると米国の太平洋への関与がまざまざと見えるのである。
1991年は冷戦が終結し、米国がサーッと太平洋から引いて行った時期である。

それで、笹川太平洋島嶼国基金の第2次ガイドラインには米国との協力をしっかり入れた。
1998年の事である。
太平洋島嶼国の事をやろうと思ったら米国抜きではまともな事業はできないのだ。
だから、やっぱり「何を今更」なのだ。


米国は自国民の多大な犠牲を払って中国から日本を追い出し、太平洋の島々と海を日本から獲得したのである。本当は赤道以南の島々も管理したかったようだが、これは豪州NZが反対した。
他にもペリーが日本に来た拡張時代に「鳥のウンチ島法」で獲得した島が太平洋にたくさんある。これが米国のEEZの30%位を形成している。ハワイやグアム等を入れると51%になる。

昨年キャンベル国務次官補がアイランドホッピングをした時に各メディアから「中国への牽制では?」と今回の島サミットで日本メディアが喚いていたような質問を受け、悉く否定していた。
逆に中国と協力したい、と述べている。
しかし、これは中国が丁寧に断っている。

PACOMのウォルシュ司令官も同行したキャンベル国務次官補のアイランドホッピング。
海洋安全保障に関する結論は違法操業取締強化である。
EEZの管理は資源管理しかできないので、魚か海底資源なのだ。

第一「中国への牽制」などと言ったら、島嶼国が引いてしまう。
中国は島嶼国を植民地支配した事もないし、領有権を主張したこともない。
戦地にして不発弾や沈没船を置き去りにした事もない、
何も知らない島の人をだまして核実験をした訳でもない。
多分核廃棄もプルトニウム海上輸送もしていないのではないかと思う。
島嶼国にとってはどちらが脅威か。
「中国への牽制」ー島(沖縄も含め)の立場を理解しない発言である。

ベルサイユ条約の交渉にあたった柳田国男が泣いている。
日本は100年前と外交センスが変わっていない。

「しかし結局は委任統治と言う組織が、妙な理屈倒れの人工的なものなので、そう言う結果になるものだ、と思わずにはいられなかった。2年間の経験で私に役に立ったのは、島というものの文化史上の意義が、本には書いた人が有っても、まだ常人の常識にはなり切って居ないことを、しみじみと心付いた点であった。所詮裏南洋の陸地は、寄せ集めて滋賀県ほどしか無いのに、島の数が大小三千、うち七百まではたしかに人が住んでいる。それでは巡査だけでも七百人はいるわけだと、冗談を言った委員もあったが、その島々が互いにくい違っためいめいの歴史を持って、或る程度、別々の生活をしていることまでは、陸続きで交際する大陸の連中には呑込めない。茶碗の水も池の水も、水は水だと言うような考えは、西洋で物を覚えた我邦の外交官までが皆もって居て、第一に本国の周辺に、大小数百の孤立生活体の有ることをさえ考えない。数を超越した「人」というものの発達を、せめては歴史の側からなりとも考えて見ることの出来るのが、日本の恵まれた一つの機会だったということを、気付かぬ者だけが政治をして居る。だからまだまだ我々は、公平を談ずる資格が無いと、思うようになって還ったのは御蔭である。」
柳田国男『ジュネーブの思い出―初期の委任統治委員会』より


(注)1919年、柳田国男は官僚を辞め自由の身となり日本の島々を巡った。1921年、太平洋諸島巡歴を前に政府の交渉を受けてジュネーブの委任統治委員会に参加する。この結果1922年から日本が現在のミクロネシア3国を含む南洋旧ドイツ領を統治。ちょっと長いが下記に『ジュネーブの思い出―初期の委任統治委員会』から引用する。
何を今更の「島サミット」(2) [2012年05月29日(Tue)]
太平洋島嶼国支援における、日米協力と海洋問題。
今回の島サミットで初めて取り上げられた。

「何を今更」との渡辺昭夫先生のコメントは「前進ではある。結構!」と続く。
ホントウにやっと前進、というかやっとあるべき姿になったのである。

実は、「日米協力と海洋問題」は、昨年当方から外務省に提案させていただいたテーマである。
外務省大洋州課飯田課長が日本財団笹川陽平会長に面談された際に、笹川会長から当方の意見を聞くようにアドバイスをされたのだそうだ。それで連絡をいただいたので、提案させていただいた。

実は、外務省への助言は初めてではない。2000年の島サミットでは、同じく笹川会長にアドバイスを求めにきた当時の大洋州課課長宮島昭夫さんも、笹川会長から早川に聞け、と言われてご連絡をいただいた。その後宮島さんからお礼、ということで白山のフレンチレストランにご招待いただいた。外務官僚に奢ってもらったのはこれが最初で最後だ。こういう人は出世する。手(チョキ)


なぜ今まで米国の参加がなかったのか?
島サミットは当初よりPIFとの共催である。PIFに豪NZは入っている。米国は入っていない。

で、なぜ、PIFなのか?
PIFは日本政府の公式対話相手組織である。
そして以前このブログで説明した通り、PIFは1992年から延々2006年まで、日本のプルトニウム海上輸送に対する非難声明をその年次総会で決議してきた。
島サミットの一義的な目的はプルトニウム輸送にあった、と私は考えている。それが証拠に1997年から3年置きに開催されている島サミット開催中に電気事業連合会の主催で太平洋首脳を招いた会食会、原発施設視察、そして10億円のPIFへの基金設置があった。これらのアレンジは外務省外郭団体の国際問題研究所がやっていた。同研究所の会長は電事連会長でもあった故平岩外四氏である。
プルトニウム海上輸送による”海洋汚染”の可能性に対する島嶼国からの非難声明を回避するためのサミットであった。海洋環境、海洋安全保障をテーマにあげる事は矛盾する。

それでは、なぜ今回の島サミットから「日米協力と海洋問題」が議案にあがったのか?
もう今回からロビー団体である電事連関連の事業はないそうである。
3.11ー福島原発事故が島サミットの、すなわち日本の対太平洋島嶼国政策をあるべき姿に変えたのである。
今回のサミットは大きなターニングポイントである。飯田課長の役割は大きかった。
至る所、米豪島嶼国で飯田課長の評価は高い。私は直接聞いている。


何を今更の「島サミット」、もう一回続きます。
次回はなぜ米国なのか。キャンベル国務次官補も言っているように中国への牽制ではないよ。
何を今更の「島サミット」 [2012年05月28日(Mon)]
第6回島サミットが5月25,26日の2日間にわたって開催された。
各メディアは「日米協力で太平洋に拡大する中国を牽制!」と勇ましいかったが、結果はメディアや一部の学者、政治家の想像とは違うものになったようだ。

当方の先生でもあり、2代目笹川太平洋島嶼国基金の運営委員長(初代は笹川陽平会長)でもある渡辺昭夫教授からメールをいただいた。
「何を今更」
ホントウに「何を今更」なのだ。

渡辺昭夫教授は1995年のナイレポートを導いた「樋口レポート」の実質的な執筆者である。(詳しくは秋山会長の本を御参照ください。)
太平洋島嶼国を米豪仏の国際関係で見ている学者は日本で渡辺先生だけであろう。
『日米の戦略対話が始まった』ーその1
『日米の戦略対話が始まった』ーその2

2008年PACOMのキーティング司令官の公聴会の発言に日本で真っ当に反応したのは笹川陽平会長だけである。産経新聞の正論に発表されている文章を是非読んでいただきたい。
https://blog.canpan.info/sasakawa/archive/1358
オバマ大統領と同じく、笹川会長の原稿は草稿チームがいて(単独で書かれる事もあるらしいが)この草稿には当方も意見を求められたので、渡辺昭夫先生と相談し提言をさせていただいた。これを元に羽生プロジェクト、ミクロネシアの海保案件が開始したのである。

キーティング司令官が暴露した内容ー中国高官から、ハワイを基点に太平洋を東西に分け米中で分割管理する提案自体憂慮するべき話だが、米中の軍人はお酒の席でこのようなきわどいジョークを投げ合って相互の腹の探り合いをする程の関係がある、ということの方が重要だと思う。ちなみにこの中国高官のコメントを受けてそこにいた多くの米国軍人が「そうだ、そうだ。」と返したらしい。
念にために言っておきますが、これをこのまま受けとるのはバカである。
これも笹川陽平会長のブログにあるが、中国と日本の軍人交流をしているのは笹川日中友好基金だけであるそうだ。
https://blog.canpan.info/sasakawa/archive/3294

日本の安全保障専門家はどうも軍事オタクばかりらしい。
渡辺先生曰く、法執行の分野が弱いのだそうだ。
忙しい人のために、たった20頁で太平洋島嶼国のことを学べる教科書も出ましたよ。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/570
94041.gif
Secretary Clinton Testifies on the Law of the Sea Convention [2012年05月24日(Thu)]
米国はUNCLOSにまだ参加していないんだった。
クリントン長官のtestifies, 米国が不参加の理由にあげて来た項目は悉く事実に即していない。年内に参加すべき。百利あって一害もない!と力説。

しかし、米国がUNCLOSに参加すると海底資源開発がすごい事になりそう。
他方太平洋島嶼国ではまさに海外投資、海外企業によって海底資源開発が着手されつつある。
米国と太平洋島嶼国はEEZや大陸棚でつながっているので、国際協力で開発が進む可能性もある。

米国は太平洋にその51%の EEZがある。多くは無人島によって形成されている。

パラオ法務省柔道チーム、ロンドンオリンピック出場 [2012年05月23日(Wed)]
PalauJudo.png
ミクロネシアの海上保安事業の関連で各国の法務省とコンタクトをするようになった。
そんな中、パラオの法務省が行う柔道への支援の話が出て来た。
先般の違法操業取締を見てもわかる通り、体をはった命がけの業務である。
護身術は重要だ。

当初法務省職員のための柔道が、今は子供も参加するコミュニティ活動になっている。子供の柔道着と日本人の指導者が必要、ということだった。
子供柔道着は家の娘のお古や、知人に募って2、3着すぐに送った。指導者はこのブログにボランティアの案内を出したところ、問い合わせがあり、今パラオを訪問中である。

この法務省の柔道活動は2003年、JOCVの協力で立ちあがった。
パラオからの当時の要請は下記の通り。
『派遣要請理由:公安局スタッフ(刑事、警察官、刑務官など)は法秩序を守るために犯罪取締やパトロール業務などを行っているが、このような業務において暴力などの危害を受けるリスクを常に持っている。スタッフは前記危害から自ら身を守る術、護身術を習得すべきであるが、現在のところ護身術を教える人材がパラオにいない。そこで、公安局スタッフに柔道による護身術を教えながら、将来的に柔道(護身術)指導ができる人材の育成が可能な隊員の要請に至った。』

当時の苦労話は派遣された高野重好さんという方がウェッブで詳細を報告している。
・青年海外協力隊員としてパラオに行ってきます
http://www.eco-union.jp/summary/booklet/vol26-1/open26-1_1.html
・私にとっての「働く」とは[4]青年海外協力隊(パラオ共和国)に赴任して
http://www.eco-union.jp/summary/booklet/vol45/open45_3.html


「私たちオリンピックに行くのよ。」
「オリンピックってまさかこの夏開催のロンドンオリンピック?!」
「そうよ。応援に来なきゃだめよ。」
この夏はロンドンに行くことに。
我が家のドンマイさん [2012年05月18日(Fri)]
<我が家の母娘の会話 その1>
娘:ガーッシャーン!
母:「何やってるの!、だから言ったでしょ!よそ見しているから落とすのよ!両手で持ちなさいって何度言ったらわかるの!」ガミガミと2、3分はやる

<我が家の母娘の会話 その2>
母:ガーッシャーン!
娘:「イッツアクシデント、ドンマイン、マミー。」
母:「ありがとうございます。」
娘:「ね。こうやって言うのよ。怒鳴らなくてもいいのよ。」
母:「申し訳ございません。」

子供が失敗して「気にしなくていいのよ。」と一言目に出てくる風景は日本では見ないような気がするがどうでしょう?
私も自分の経験から、わざとでなくても、娘が食器を壊したりするとまずは怒ってしまう。
一度反省し、「イッツアクシデント、ドンマイン。」と言ってみたら娘がキョトンとした顔で「どうしたの?」と言われてしまった。「いつもの対応を反省してみました。」と返したら「ドンマイ」とまた言われてしまった。
考古学者とピアニスト [2012年05月16日(Wed)]
「ご主人は何を?」
「考古学者です。」
「まあ、ステキ。」
(何がステキなものか!)
 
考古学者を誤解している人が多いらしい。
そう言えば、トトロのお父さんも考古学者だし、映画にも考古学者が活躍している。
娘も父親が考古学者であると友人や先生に言うと良い反応がある事に気づいている。
それで「お母さんは何をしているの?」と聞かれた。

ヌヌッ。ここは考古学者に負けない位世の中から誤解されている肩書きにしよう。
学生、NGO活動、母親? あっ、ピアニスト!
ピアニストも考古学者に負けないくらい映画に出てくるよな。
きっとみんなが「ワー、ステキ!」と言うに違いない。

「マミーはピアニストよ。」と言ったら怪訝な顔をされた。
「だってピアノ上手でしょう?」と言ったら
「そうだね。わかった。」
本当にわかってんの?
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