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早川理恵子博士
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バラと砂糖水と出張 [2011年11月23日(Wed)]
 一昨年植えた藤がとうとう枯れてしまった。ジャスミンも花が少し開いてはいるが元気がない。
 一方で鉄線ークレマティスは元気で、塀一杯に伸びて小さな白い花が何百と咲いている。これは近所のお友達から苗をもらって挿し木したものだ。ピンクのもある。昨年購入した紫の大輪のクレマティスも10センチくらいもある莟がついているし、今年新たに購入した風車クレマティスも開花して1週間経つが、まだ元気に咲いている。
 クレマティスは虫にも強いようだ。

 問題はバラである。周り近所でバラが結構咲いているのをみて、この土地に合うのかもしれないと思い冬が終わったころ、3鉢買ってみた。
 ぐんぐん伸びて莟がついたが、最近アブラムシがつくようになった。ピンセットで取っても取ってもキリがない。
 ウェッブで何か良い方法はないか探したら、10%の砂糖水が効くとあった。通常は3%でこれでうどん粉病でもなんでも治ってしまうらしい。市販の薬品は子供もいるし、なんとなく使いたくなかったから早速砂糖水でためしてみた。

 結果はいかに。それよりもうじき出張が始まるので不在中にアブラムシの天国になってしまうだろう。バラさん、ごめんなさい。
太平洋島サミット2012ー海洋外交の行方 [2011年11月21日(Mon)]
太平洋島サミット2012ー海洋外交の行方

 こうやって太平洋島サミットへの提言に対しいろいろコメントをさせていただいているのは外務省から意見をください、とのメールをわざわざいただいたからなのである。
 なんでも笹川会長のアドバイスで大洋州課の皆さんにはこのブログを読んで頂いているのだそうだ。

 実は昨年の今頃太平洋島サミットに海洋問題を議案にあげましょうと、羽生会長に進言し案も作成していた。但し、元々このサミット自体がプルトニウム太平洋海上輸送の島嶼国対策であり、漁業問題では水産庁の宮原次長が監視船の提案をするまでは資源管理という姿勢が弱かったので、無理だろうと諦めていた。
 ところが、蓋を開けてビックリ。海洋外交が新たな太平洋島嶼国政策の中心になっているではないか! 
 昨日寺島常務からご指摘いただき「海洋外交」に関する部分を書き出してみた。

(1) 日本における海洋外交の新たな出発点にするという認識と覚悟で取り組むことが重要となる。そこで、
(2)地域の海洋秩序を担うために、太平洋島嶼国への関与強化を図りはじめた米国を、次回太平洋・島サミットに招待するよう検討す べきである。

(1)海洋外交としての太平洋・島サミット
海洋国家である日本にとって、南方の広大な海域に位置する太平洋島嶼国が安定した民主主義国家として持続可能な発展を遂げることは、安全保障上も死活的に重要である。こうした観点から、第6回サミットの機会に海洋外交に関するイニシアティブを打ち出し、サミットを新たな海洋外交の出発点と位置付けるのは極めて意義深い。そのために、サミット冒頭で総理が「我が国の海洋外交」に関する政策方針スピーチを行い、日本の対海洋姿勢を明確に示すべきである。
(2)太平洋・島サミットへの米国の参加
太平洋島嶼地域の海洋秩序を担う米国は、この地域の戦略的重要性を再評価し、従来以上に関与を強化しつつある。例えば、本年の太平洋諸島フォーラム(PIF)域外国対話には、これまでで最高レベルかつ最大規模の代表団を派遣した。 こうした状況を踏まえ、米国との連携強化に向け、次回サミットに米国を招待するべく検討する必要がある。

3 国際社会に向けた広報
日本が始めた独自のイニシアティブとしての太平洋・島サミットを国際社会に対して広報することは、途上国の開発に向けた日本の取組をアピールする上でも非常に有意義である。特に、太平洋・島サミットを通じて日本が太平洋という広大かつ重要な海域の平和と繁栄に積極的に貢献している事実は国際的にもっと知られてよい。その意味でも、次回サミット冒頭では、総理が海洋外交に関するスピーチを行い、これを世界に発信することで、海洋国家日本による太平洋・島サミットという取組を世界にアピールすべきであろう。


 日本の対太平洋島嶼国政策としての海洋外交とは、米国と地域の海洋秩序を構築することなのである。まさにこのブログの愛読者が書いたとしか思えない内容である!

 2008年から日本財団と笹川平和財団が行ってきていることなのだ。
 但し「日本が太平洋という広大かつ重要な海域の平和と繁栄に積極的に貢献している事実」はどの事実を指しているのだろう?
 日本の貢献といえば日本財団と笹川平和財団が海上保安庁の協力を得て進めているミクロネシアの海上保安事業くらいのはずで、日本の貢献はこれからではないか。
 1997年に開始したサミットの大スポンサーであった電事連がこのサミットから撤退するとの噂も聞いている。”海に護れてきた日本が海を護る日本”に生まれ変わるよいチャンスである。

 笹川太平洋島嶼国基金設立の背景には大平正芳元首相の太平洋への思いがあった、と伺っている。 電事連の後押しはない。笹川良一名誉会長はプルトニウムの輸送に懸念を表明している。(『くじけてなるものか 笹川良一が現代に放つ警句80 』参照)
 環太平洋構想を発表した大平正芳元首相。首相就任前の1978年に自身でまとめた「大平正芳の政策要領資料」に始めて「環太平洋連帯」という言葉が出て来る。英文では”Pacific Ocean Community”と書いているのだ。大平首相の胸には島嶼国の存在があったが、今APECにはPNG以外島嶼国の姿はない。
 
 先日開催された東アジアサミットでは日本の提案「東アジア海洋安全保障フォーラム」は不発に終わったとのニュースを見た。ここは南の楽園、世界経済や世界政治にほぼ影響を与えないという認識を持たれている太平洋島嶼国で提案してはどうか。大平首相の遺志を継いだ”Pacific Ocean Community Forum”を立ち上げたらどうか。

 太平洋島サミット参加者はPIF(NZ豪)+日米同盟。反対する国はない。それに島嶼国で軍隊を持つのはトンガ、フィジー、パプアニューギニアだけなので自ずと法執行機関が主役となる。
 海洋分野における非伝統的安全保障が新たな日米同盟の方向を示すことになる。下記の笹川会長のワシントンでのスピーチを実現する事にもなる。

東京・ワシントン対話 オープニング・スピーチ(原文・英語)2011年9月7日 於:ワシントンDCより抜粋
(前略)そこで、私はこの会議の最終目標を「5年後、日米両政府に対して日米関係の目指すべき新たな姿に関する政策提言を行う」と設定し、会議を毎年1回ずつ開催することを構想しており、会議における議論は、大局的かつ戦略的な政策提言につなげていきたいと考えております。そのような中長期のテーマの1つとして、私たち日本財団がこれまでとりくんできた「海洋」分野における日米のパートナーシップの在り方も重要なテーマとなりましょう。ご存じの通り、太平洋島嶼国の周辺海域管理の問題は大変重要性を増しています。この問題に対処するには、専ら軍事面に重きを置く伝統的な安全保障の考え方にとどまらずに、テロや海賊行為、大量破壊兵器の拡散への対応も考慮し、広い意味での海洋監視の能力向上を図ると共に、多国間での協力を深めていくことも必要になるでしょう。その際には当該太平洋島嶼国はもとより日米と心を同じにする国々と協力して対処することもこの広い海域においては重要になります。今年6月にカート・キャンベル国務次官補が太平洋島嶼国9カ国を歴訪された背景には、そのような情勢があるのではないかと察するところです。一方で、インド洋・アジア海域においてもマラッカ・シンガポール海峡の航行安全など、中長期的に重要性を増していくと考えられる問題が依然として残されております。この海域に関しても、日米と多国間での協力が必要になるでしょう。(後略)


 次回は「日米コモンアジェンダがコンフリクトアジェンダにならないために」、を書きます。
シップライダーズ [2011年11月21日(Mon)]
シップライダーズ

 豪州が太平洋島嶼国に供与したPacific Patrol Boatは多くの教訓を残した。
 船を島嶼国に供与しても燃料を買う予算も無く、メンテナンスする施設も人員もなく、また法的整備がされていない島嶼国で積極的に違法行為を取り締まるインセンティブがない。犯罪者を裁き、勾留するキャパシティがないのだ。

 結果、Pacific Patrol Boat Program は島嶼国の自立を促すのとは逆に豪州への依存を深める事となっている。今豪州が支援の手を引けば、同盟国が好ましいと思わない国やシーシェパードがPacific Patrol Boatに乗り込み支援する事になるであろう。「危険なおもちゃを与えてしまった」とは某豪州防衛関係者の非公式コメントである。

 この教訓から豪州は現在のサイズの警備艇を将来供与するつもりはなさそうだ。ではどうするのか?豪州関係者が一様に声を揃えて支持するのがシップライダー協定である。米国沿岸警備隊が15年前から実施し、太平洋島嶼国では2007年から展開。現在ミクロネシア3国とキリバス、トンガ、クック諸島の6カ国と締結。今年のPIF総会では新たに2カ国(ナウル、ツバル)と締結した。
 これは米国沿岸警備隊の船に島嶼国の法執行官が乗船し海上警備活動を行う制度である。

 途上国、特に国家の経済規模に比較して非常に広大なEEZを保有する太平洋島嶼国の海洋監視活動は、ほぼ無きに等しい。途上国にコーストガード等の法執行機関の設置や強化、PSCの強化等を国際協力で支援しても、すぐにその効果は期待できない。その中でシップライダーは即戦効果が期待できる唯一の方法かもしれない。

 400年前、グロティウスがポルトガルとスペインの独占を打破するために思いついた『自由海論』はオランダ船の海上略奪行為を正当化した。この「自由海論」を基礎としているUNCLOSは海上犯罪取締が難しいシステムになっている。(と理解していますが、正しいかどうか不安)
 領海内は沿岸国の法が適用されるが、EEZ内は資源管理(living & non-living)のみ沿岸国の資源管理の法執行権が適用でき、後は公海の原則が適用される。公海での船舶の違法行為は基本的に旗国のみに法執行権がある。(でいいでしょうか?)

 米国が締結しているシップライダー協定は沿岸国の法執行官を米国の船舶、飛行機に乗せ、沿岸国の法執行を米国が支援する事が許されている。それは沿岸国の法執行権が及ぶ領海内、領空内、そしてEEZを対象とする。

 EEZの法執行範囲が資源管理だけなので、実態は違法操業の監視がメインになる。豪州海軍がなぜFFAに乗り込んで地域監視活動制度を構築したのか、これで理解できた。
 但し、違法操業監視がメインであっても協定相手国との協力活動は信頼構築につながり、他の犯罪を取り締まる時に有効である。

 シップライダーは協定相手国の海洋警備活動を支援と言いつつも、米国が実行する事を許する内容と捉える事もできる。国家主権の観点から「諸刃の剣」になることも懸念されないだろうか?

 以上、ハワイ沿岸警備隊14管区からいただいた下記の資料を参考にまとめました。

U.S.-FSM Shiprider Agreement Becomes Permanent, May 29, 2008

http://www.state.gov/documents/organization/109215.pdf

Bilateral Agreements -They’re not just for drugs anymore.
by CDR ANDREW NORRIS Staff Judge Advocate
U.S. Coast Guard 14thDistrict


http://wiki.answers.com/Q/What_is_a_shiprider_Agreement
太平洋島サミット2012ーフィジー問題 [2011年11月20日(Sun)]
太平洋島サミット2012ーフィジー問題

 先日発表された太平洋島サミットの提言にフィジー問題が取り上げられている。
 日本は2006年の軍部クーデター以来、豪NZと一歩距離をおいて対話とエンゲージメントを主張して来たはずなので今までと変化がある対応とは言えない。
 但しPIFメンバーシップを保留されているフィジーを過去2回('06と’09。確か’06も呼ばなかった記憶があるが未確認)のサミットには招聘していないので、今回首相か外相を招聘すべき、という内容はPIFとNZ豪あたりからの反発が予想される。

 フィジー問題。いまどうなっているのだろう?
 9月にオークランドで開催されたPIF総会に合わせオーストラリアのLowy研究所がフィジーの軍事政権に対する国民の受け止め方を調査し60%が支持していることを発表した。
 これも以前より言われている事で驚くことではないが、公式な数字として出したことの意味は大きい。豪州国内にもアンソニー・ベルギン博士を始め「制裁よりも関与を」と主張する声は以前よりあった。
 他方軍事政権に理解を示していた米国政府は今回のPIF総会で豪州NZに足並みを揃える姿勢を見せている。

 さて、このフィジー問題の原因はなにか?
 人口の半分を占める、英国植民地時代に連れて来られたインド人とフィジー人の対立、とよく説明されるが、事はそう簡単ではない。以前御紹介したがバヌアツの研究所が出している4頁の報告書を見て頂くのが一番お勧め。

 乱暴に言えば、西の酋長と東の酋長の戦いなのである。
 17、8世紀頃南太平洋で海洋帝国を築いた王国があった。トンガである。フィジーも東部から徐々に植民地支配が進んだ。雨の多い東部に首都スバがあるのもそのためであろう。その後トンガの強大な支配力を西洋人が利用して植民地化を進めたのである。即ちトンガとヨーロッパ人による2重の植民地支配。
 
 ところが独立、近代化と共に民主主義と市場経済が導入され、砂糖黍と観光が盛んな西の酋長達とインド系が富み始めた。砂糖黍も観光もフィジーの基幹産業である。国際空港も西のナンディにある。これを面白く思わないのは東の酋長、即ちトンガ系の人々と彼らと結びついていた旧宗主国の人々である。

 上記のLowy Instituteの報告書に異論を唱えた人がいた。ハワイにある東西センター内のPIDP所長スティベニ・ハラプア博士である。現在トンガの国会議員でもある。そう、トンガ人なのだ。日本のフィジー支持は豪NZだけでなく、トンガやサモアなどから反発を招く事は必須である。
 フィジーの特殊な事情は理解できるが、確かに軍部が力で政権を取るのは、いいことではない。しかし事は4、5百年前続く歴史を覆す作業なのだ。

 個人的には現政権を支持している。
 2006年からの情報通信改革には目覚ましいものがある。軍事政権でなければステータスクオは、即ち今までの既得権益(非公式の植民地経済)を崩して競争を導入できなかったであろう。この10月には太平洋島嶼国初のブロードバンド国家戦略まで発表している!
 何よりも尊敬する東の酋長系Ratu Inoke Kubuabola現外相(元在京フィジー大使)が一族郎党を裏切って軍事政権を支持した事に心を動かされている。島社会では”親戚家族”が何よりも重要なアイデンティティなのだ。Kubuabola閣下の英断は重い。

 では日本政府はどのように対応すればよいのか。ここは2枚3枚の舌を用意しておく必要があるだろう。
 PIFとの共催のサミットの席にRatu Inoke Kubuabola外相に座っていただく調整ができなければ、例えば琉球大学主催で沖縄イニシアチブや、沖縄IT憲章の検証などを、大規模ODAでICTの支援をしている南太平洋大学と共催し、そこに我らがKubuabola外相を招いたらどうであろうか?閣下は前政権では情報通信大臣だった。
太平洋島サミット2012-人の移動 [2011年11月19日(Sat)]
太平洋島サミット2012-人の移動

 先日発表された太平洋島サミットへむけた提言の中で見落とされている点がある。
ここ数年豪州NZで注目され、今米国とミクロネシア3カ国の間に問題になっている島人の移動、島嶼国からこれらメトロポリタン諸国への移動である。

 次の数字は順にNZと本国に居住している人口、そして両者の割合である。2001年国勢調査。
  
 トンガ   40,716   101,700   0.40
 サモア  115,017   178,800   0.64
 クック   52,566   17,800   2.95
 トケラウ   6,204     1,500   4.14
 ニウエ    20,148     1,650   12.21

 サモア、トンガは本国の人口の約半分がニュージーランドに居住。クック諸島、トケラウ、ニウエに至っては本国の人口の何倍もの人々がニュージーランドに住んでいるのである。
 ミクロネシア3国とアメリカも似たような数字である。

 この溢れ出る人口をどのように調整するかが島嶼国支援の鍵であることをいち早くニュージーランドが指摘し、ツバル、キリバスを含む特定の島嶼国から毎年上限を決めた移民を受け入れている。また葡萄摘み等の季節労働者の受け入れも数年前に開始し、順調に進んでいる。この季節労働者スキームに当初懐疑的だったオーストラリアもNZに続き新たな支援を提示した。

 日本は海外労働者や移民受け入れの経験や政策が基本的に弱いようだが、留学生でも季節労働者でも某かの方法で島嶼国の人口を受け入れる支援を検討する必要はないか?


 小さな経済規模の島嶼国は、多分そに人が住み始めた数万年前から資源管理が最重要課題であったはずである。特に人口の調整だ。これはジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊』が詳しい。
 島の人々は数千年前から数千キロの海洋を行き来してきた。理由はいろいろ議論されているが、一つは資源を求めて、新たな植民地を探してであろう。当時より交易、交流が盛んであった。

 これが西洋の植民地支配と共に困難なり、国家として独立した現在は国境が、即ちビザやパスポートがなければ外に行く事ができなくなってしまった。昔はカヌーに食料を積み込んで自由に出かける事ができたのだ。国家という概念が島嶼国を縛っている、とも言える。
 
 以前ミクロネシアセミナーのヒーゼル神父の研究発表で、人口調整ができていないメラネシア地域で政情不安が頻発しているのに対し、米国にアクセスのあるミクロネシア諸国とニュージーランドの移民枠のあるポリネシア諸国は比較的政情が安定していることが指摘された。
 島嶼経済の特徴は地元経済よりも海外送金の方が大きいことだ。国境を越えて、人のモービリティを促進する事を考えた方がよい。環境破壊や文化破壊につながる無理な開発をしなくても済むかもしれない。
 
太平洋島サミットー海洋外交を優先議案に [2011年11月17日(Thu)]
太平洋島サミットー海洋外交を優先議案に

 11月15日、外務省から来年の太平洋島サミットへ向けた提言が発表された。
 1ヶ月程前、外務省から突然連絡をいただいた。この提言に向けて意見が欲しい、という内容であった。なんでも笹川会長からこのブログ「やしの実通信」を読む様に言われたらしいのだ。冷汗である。
 それで早速下記の3点を提案した。
  
 1)米国を関与させること
 2)海洋問題を議案に入れること
 3)沖縄の継続的役割。特に島嶼国のための特別奨学金の設置。

 これらは、自分のアイデアというより、笹川会長や羽生会長、渡辺昭夫前運営委員長、そして寺島現運営委員長らのご意見を反映している。

 先日、外務省から提案書ができました、とご連絡をいただいて見たらびっくり。この3点が全て入っている。特に海洋外交がトップに入っている意味は大きい。
 日本財団は過去40年以上、笹川平和財団は2008年から海洋外交に舵取りをしているである。

 以前書いた様に1997年から開始した太平洋島サミットの背景にはプルトニウムの海上輸送に対する島嶼国からの公式な非難があった。正確には太平洋島サミットのカウンターパートでもあるPIFからの非難声明である。1992年から2006年まで15年も続いた。
 外務省の書類には書けないかもしれないが、太平洋の海に、即ちそこに住む人々に、負担を、迷惑を日本がかけている事を忘れてはいけない。
 放射能だけではない。今この時もミクロネシアのチュックの環礁に沈んだ戦中の日本船から重油は流れ出している。同じく戦中に残した不発弾も太平洋の人々に危害を与えている。
 この提言には全く触れられていないが、漁業外交についても省庁を越えた協議が必要であろう。太平洋島嶼国にとって日本と言えば漁業資源なのだ。水産庁の宮原次長が昨年提案したシップライダー式の漁業資源管理は是非復活すべきである。これを廃案にして何が起ったか。言うまでもないがシーシェパードを招く結果となった。

 2008年に笹川会長、羽生会長のイニシアチブで始まった太平洋島嶼国での海洋外交。とうとう日本政府も同じ方角に舵取りをすることになったようだ。このブログもお役に立っているようで幸いです。


第6回太平洋・島サミット(PALM6)に向けた有識者会合提言書の報告及び「フラガール」に対する親善大使の委嘱状交付

【正論】日本財団会長・笹川陽平 太平洋島嶼国との共同体を
2008/05/06 産経新聞
PALM 2012 - Ocean Diplomacy [2011年11月17日(Thu)]
PALM 2012 - Ocean Diplomacy

Ministry of Foreign Affairs press released recommendations for next Pacific Islands Leaders Summit in Japan.
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/11/pdfs/1115_06_02.pdf

Notably they included "Ocean Diplomacy" as top priority as well as "Cooperation with US".
This two elements may give this summit new direction, as I believe.

I had been given an opportunity by Mr Sasakawa, Chairman of the Nippon Foundation, to make a submission to the Ministry of Foreign Affairs.
I have suggested:
1) Invite US who make clear their commitment and engagement to the Pacific
2) Japan need to take responsibility for Pacific Ocean where we heavily rely on.
3) Special scholarship for Pacific Islanders to study in Okinawa who already have contact with PICs Colleges and Universities

Recommendation also include special scholarship.
アマルティア・センかアダム・スミスか。ハタマタ、沖縄のオバアか。 [2011年11月16日(Wed)]
アマルティア・センかアダム・スミスか。ハタマタ、沖縄のオバアか。

 アマルティア・センの『自由と経済開発』を読了した。
 日本語の本は博士課程を始めてから何度も読んでいてボロボロになっている。
 いよいよセンのCapability Approachを展開する決心をしたので英語版を読み始めたが、これが難しい。それで日本語と平行で読むことにした。

 超遅読術で約3ヶ月かかった。
 正直に言って疲れた。わかったようなわからないような。まあ、センの専門家でも10年やってやっとわかった、と思うことがあるそうなので、専門家でもない自分がわかるはずがないのだが。

 それでもセンに出会えてよかったと思っている。
 特にセンを通してアダム・スミスに出会えたことは感謝している。
 謝辞でセンが書いている様にこの本はセンの妻でありアダム・スミス研究家のエンマ・ロスチャイルドの貢献が大きい。共著と言っていいくらいにアダム・スミスが四方八方に散らばっている。
 『国富論』のアダム・スミスは市場原理主義の親玉みたいなイメージがあったが、どうやら私だけでなく、世界中がスミスを誤解している様なのだ。スミスは倫理道徳学者で『国富論』よりも『道徳感情論』の方に力を注いでいた。さらにジュピターの「見えざる手」を展開する基礎となった『天文学史』も重要なのである。スミスの全体を観ないと『国富論』は理解できないはずなのだ。
 センを通して、即ちエンマ・ロスチャイルドを通してアダム・スミスの真実の姿を知り得たことは幸運であった。

  「人間の幸せと何か?」。言葉にすると非常に簡単なテーマなのである。
 センの難しい文章を読んでいると「沖縄のオバアに聞くのが一番だよな。もっと優しく簡単に教えてくれるに違いない。」と本を放り出したくなることもあった。彼女達が人生の達人であることは誰もが認めるであろう。島人に人生哲学を語らせたらノーベル受賞者も負けるはずだ。

 それでもこの数年、センやスミスを読みながら、荘子を訪ねたり、聖書に行ったり、太平洋の島で海洋安全保障を考えたり、京都で禅や仏教、能、歌舞伎に遊んだり、かなり充実した時間を過ごしたように思う。
与那国からの便り [2011年11月15日(Tue)]
与那国からの便り

 ひさしぶりに与那国の知り合いから連絡があった。
 なにやら外国の学者先生と国境の話しをする事になったらしい。意見を求められた。

 <いい刀は鞘に納めておくもの>
 与那国と言えば自衛隊配備で揺れている。(いた。?)だろうか。今どうなっているのだろう。
 それで早速「海洋安全保障の新秩序構築研究会」で勉強しているmilitary enforcementとlaw enforcementの話しをした。
 自衛隊を否定するわけではないが、一義的には海保の配置が望ましい。『椿三十郎』如く、いい刀は鞘に納めておくものです。
 それに海保は人命救助や海洋環境保護等近隣諸国にも利益になる可能性もあり、緊張ではなく協力関係が生まれるのではないでしょうか?と伝えた。
 これをうまく展開しているのは米国である。沿岸警備隊がまずは前面に出て来るが沿岸警備隊と海軍は常に協力関係にある。ケースに応じて法執行であれば沿岸警備隊が前面に、軍事執行ケースであれば軍隊が前面に出る。

 <幻想の国境>
 ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』はもう忘れられたのであろうか。国家が想像であるというこの本は今こそ重要な気がするし、特に国境を語る時に忘れてはならないように考えてる。
 実際に与那国からは東京よりも台湾の方が距離的にも文化的にも経済的にも近い。
 あまり大きな声では言えないが、台湾の漁師さんが「どなん」を買い求めに頻繁に上陸するそうである。海人にとって数百キロの航海はピクニック感覚だ。
 自衛隊が配置されれば、こんな微笑ましい違法行為もできなくなるのではないだろうか? 国家が想像であれば、国境こそ、その想像ー幻想の象徴的な空間。

 <新案ー愛子様牧場>
 与那国の友人に以前より暖めている案も伝えた。
 与那国には自衛隊より、海保より効果あるソフト抑止力として「愛子様牧場」を作る事だ。
 古事記にある八島*、即ち天皇の支配する地域に沖縄は入っていない。また天皇の日本統一の歴史はソフトパワーを多く使用してきた。
 与那国にはヨナグニウマという人間の背丈ほどの馬がいて子供に人気である。勿論大人も乗れる。ホースセラピーとして障害者にも利用されているという。
 皇室が与那国を訪れれば、セキュリティ万全。観光効果莫大だだろう。
 何よりも愛子様、雅子様にとって与那国の自然や文化は大きな癒しになると思う。
 加えて、イギリスの王室を観察していると現在のそして過去の大英帝国支配地を頻繁に訪れている。太平洋の島も未だ英国連邦メンバーが多い。英連邦王国というクイーンエリザベスを元首とする国も多い。
 クイーンエリザベスの夫エディンバラ候フィリップが白保の珊瑚を護るために石垣島に自家用飛行機で来た事はみんな知っているだろうか?
 王室/皇室パワーは侮れない。

*古事記の八島は 淡路島、四国、隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州。
iSPINF-2 [2011年11月14日(Mon)]
iSPINF-2

 なぜ笹川太平洋島嶼国基金がICT事業に重点を置く様になったのか。
 それは1988年に開催された「太平洋島嶼国会議」でフィジーの故カミセセ・マラ首相から故笹川良一名誉会長に、太平洋諸島のために衛星を打ち上げて欲しい、という要請があったことに始まる。

 USPNetやPEACESATが冷戦の落とし子であることは以前述べた。米国の衛星開発政策の一環としてケネディ政権が衛星の平和利用を唱えた。NASAに注ぎ込まれる膨大な国家予算に対する議会からの批判を回避する目的もあった。

 1988年この平和利用の中古実験衛星ATS-1が落ちていたのである。
 まだ通信の自由化もされていなし、インターネットもない時代。即ち国際通信がべらぼうに高額だった時代。この”無料”衛星ネットワークPEACESATを太平洋諸島の地域機関、南太平洋大学やフォーラム漁業局(FFA)も利用していた。まさに命綱だったのだ。(USPNetはPEACESATネットワークを利用して開始した)
 ところが冷戦がファイドアウトする中で米国の太平洋への関心もファイドアウト。もうその頃はアーミテージ氏が2006年にキャンベラで述べたように、米国にとって太平洋なんかどうでもよい、存在になりつつあった。

 米国政府はUSPNetだけでなく、PEACESATを運営するハワイ大学にも冷たかった。それで、1991年ハワイ大学から笹川太平洋島嶼国基金に助成申請があった。新たな中古衛星を確保したものの政策会議を開催するお金が米国から調達できなかったのである。
 それで笹川太平洋島嶼国基金はPEACESATとUSPNetという事業を抱えながらICT分野にのめり込む事になったのだ。インターネットを、ウェッブを財団で最初に使い出した理由はここにある。


 ところで、米国の冷戦の落とし子ーUSPNetとPEACESAT。冷戦後米国に見捨てられた両ネットワークは、偶然にも冷戦終結の時期に創設された笹川太平洋島嶼国基金がその再構築、維持、改善、政策と言った全体的な図を支援することになった。
 即ち笹川太平洋島嶼国基金は最初から米国との関係で太平洋諸島支援をしてきた事になる。基金の第2次ガイドラインには米国との関係を明記した。

 USPNetを日本が支援する事を世界中が賛成した訳ではない。
 米国、特にハワイ大学の関係者は自分たちが立ち上げたネットワークを横取りされるような懐疑心があった。インテルサットとの交渉もした。USPNetが独立したネットワーク構築を計画していたので、現地の電気通信会社の反発は大きく、命の危険も感じたほどだ。
 USPNet申請書ができるまで、多くの人々の貢献があるが、基金はこれらの利害関係者とのロビーイングが一番大変であった。このような背景があり、ICTの技術的支援もさることながら、90年代後半からICT政策分野への支援に重点を置く事になったのである。

 
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