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早川理恵子博士
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「守りのJAL、攻めのナカムラ」 [2011年01月30日(Sun)]
「守りのJAL、攻めのナカムラ」

 2010年11月のパラオ出張では、現場だからこそ知り得た情報が山ほどあるが、日本ーパラオ直行便就航のニュースには驚いた。
 しかも週4便である。それを可能にしたのがあのナカムラ元大統領であった。

 日本からパラオに行くにはコンチネンタルミクロネシア航空でグアム経由しかない。早くても10時間はかかる。しかも帰り便は朝の2時頃出発で、グアムでの乗り継ぎが地獄のようだ。
 グアム空港では、米国のテロ対策強化で、行きも帰りも長蛇の列に並び通関と手荷物検査を通過しなければならない。

 これが直行便だと5時間である。繰り返すが、しかも週4便である。
 2002年に念願の成田ーパプアニューギニアの直行便を就航させ、国交省との悪戦苦闘の8年を経てやっと週2便にしたエアニューギニ島田謙三日本支社長の苦労話をよく伺っていたので、俄に信じ難かった。

 パラオ側はいったい誰がこんなミラクルを可能にしたのであろう、と不思議も思っていたら初代大統領で今は手広くビジネスを展開するナカムラ氏だった。
 笹川会長をペリリューに案内していただくことになっており、早目に桟橋に行くと、
「デルタとの打合せが長引いて、遅れるかと思ったよ。」
「えっっ、もしかして直行便はナカムラ大統領が仕込んだんですか?」
「そう。JALのチャーター便もあったけど、JALはリスクを取れなかったね。」

 世界のダイバーが憧れる、パラオ。
 日本からはJALが定期的にチャーター便を飛ばしていた。しかし、日本からしか乗れないし、日程は決まっているし、自由は利かない。アドバンテージは、旅行会社が席を全部買い取るのでJALの損失がないことだが、それ以上の発展は望めない。出張なんかには絶対使えない。

 今、ミクロネシア地域はグアムの軍事基地開発で地域全体が経済チャンスを狙っている。労働人口の移動は2014年に向けてうなぎ上りだ。
 こんな時JALの元気がないのが残念である。

 グアム基地特需。議論はあると思うが、少しでも日本のタックスペイヤーが投資した6千5百億円の見返りが日本経済にあるとよいのだが。
 その意味でもパラオー日本の直行便が、日本経済にとってもチャンスとなって欲しい。

(文責:早川理恵子)
「大島襄二先生と太平洋学会」 [2011年01月28日(Fri)]
「大島襄二先生と太平洋学会」

 お正月、京都で大島襄二先生と奥様にお会いすることができた。
 大島先生は太平洋学会の三代目会長をされていて、2年前にいろいろとお話をお伺いする機会をいただいて以来である。

 太平洋学会は1978年、ホノルル滞在中の中島洋氏が、ビショップ博物館の篠遠喜彦博士と共に立ち上げた組織。初代会長が五島昇氏、二代目は赤澤章一氏。
 インターネットで太平洋情報が自由に入手できるようになる前は、太平洋学会が唯一の情報を得る窓口であり、三田にあった学会は当時の事務所から歩いて10分程度だったので、日参させていただいた。

 文化地理学者、文化人類学者の大島先生は『水産養殖業の地理学的研究』(東京大学出版会、1972年)、『魚と人と海―漁撈文化を考える』(日本放送出版協会、1977年)なども出版されており、海への思いが深い。
 笹川太平洋島嶼国基金もいよいよ海の問題を扱う様になりました、というご報告だけしたかったのだが、京都の老舗(創業1722年)萬亀楼に席をわざわざ設けてくださった。

 大島先生は今年91歳になられる。
新カテゴリーのご案内 [2011年01月27日(Thu)]
 2010年3月8日に開始したこのブログも272件の記事になる。
 本人もどこに何を書いたか段々わからなくなり、検索機能をやっと入れた。

 いつも読んでくださっている、という海保の山川さんからミクロネシアの海上保安事業についてできれば一枚モノを書いて欲しい、という光栄な要望をいただいた。
 是非、やりたい。
 まとめること、人に分かってもらうことは重要だ。

 その前に本人にもわからなくなっている記事を整理するため新たなカテゴリーを5つ設けた。

・ミクロネシアの海上保安事業
・海洋安全保障研究会
・未来に魚を残そう
・オーストラリア-down underの国
・アメリカー海のウルカヌス


 最後の「ウルカヌス」は渡辺昭夫先生が監訳された『ウルカヌスの群像』から取らせていただいた。

 これから一つ一つの記事を徐々にカテゴリーに登録して行きますので多少は読みやすくなるかもしれません。
「安かろう 罪深かろう」 [2011年01月26日(Wed)]
「安かろう 罪深かろう」


違法伐採が原因の西パプア州のウォンダマ湾県ワシオールの大規模水害





環境NGO「地球の友」の中澤さんが音頭を取る、フェアウッド・カフェに参加した。
木の問題と魚資源の問題に共通点を見つけた。
消費者が1円でも安い製品を買おうとして、生産者や自然環境を無視していることが、魚のアンフェアトレード、木材の違法伐採に繋がっている。

私もその、典型的な消費者。
一皿100円の回転寿しか行かないし、数千円のテーブルや椅子しかない。
水産庁の宮原審議官に、そして中澤さんに指摘され、0を一つ増やした消費行動を心掛けているが、ついつい安いものに手が出てしまう。
魚の産地を板前さんに聞きながら、木の産地を大工さんや家具やさんに聞きながら、というのはほどよい緊張を伴った消費行動だ。勉強になるし、豊かな気持ちになる。


FSC認証のニュージーランド産、シルバーバーチを輸入している中野さんは言う。
「木を一本切ることで生態系が壊れ、大きな災害を引き起こし、たくさんの人が死んでいるんです。木を切るなと言っているのではない。切るべき木を切らないで、切ってはいけない木を切っていることが問題なんです。」
バブル時代、疑問を残した伐採経験を持つ。


ネットの力は偉大だ。フェアウッド・カフェに京都の元衆議院議員河上みつえさんも参加された。
農林水産委員もされていたので質問がたくさん。
私は調子に乗って翌日開催された河上さんの集まりに参加してみた。

政治集会?というのだろうか?参加するのは初めてだ。
ここに偶然にも綾部からおじさん2人が来て、林業の実態を痛切に訴えた。
戦後、木材が足りないと言って植林された杉が今は安い輸入木材に押されて花粉をバラまいている。村の過疎化は進み、老人が何メートルもの雪に囲まれ一人で暮らしている。

議員さんは有権者に高い国産品を買いなさい、となかなか言えないだろうから、気がついた消費者が声を上げ、行動して行くしかないのだろう。
その翌日、キャンベラに住む西パプアの友人の村が洪水に押し流されたことを電話で知った。違法伐採が原因だそうだ。

(文責:早川理恵子)
得て失うもの [2011年01月25日(Tue)]
得て失うもの

 まるで宇宙にいるような錯覚におそわれた。
 2010年の12月、京都。
 東山から昇った月齢14夜の輝く月には、兎が餅をつく姿は見えず、クレーターがはっきり見える程、迫ってきた。
 地球にうっすらかかる大気がレンズの役目をして、東西の空に掛かる太陽や月を大きく、時に七色に染めることがある。
 水の多い京都は霧や霞が多く、そのことが日本の色文化を発展させた要因であることは1月20日のブログに書いた。
 多分はこの日はいつもよりも大気のレンズの性能が強かったに違いない。

 夕日が赤く見えるのは、地球にかかっている大気が朝晩の角度の方が昼より厚いこと。朝より夕方の方が赤が強いのは昼間埃やチリや蒸気が大気に蔓延し、大気のレンズ機能が高まっているからであることは、説明する必要もないか。
 イヤ、大新聞の論説委員長とキリバスに行った時のことである。満月の美しいラグーンに佇んでいた。「早川さん、キリバスって星が少ないのかしら。」「???」返事に困りしばし沈黙。「私、非科学的なこと言った?」「(笑顔を返す)」
テナ話もあるから一応書いておく。

 この月を、桓武天皇や白河上皇、小野小町も観ていたのだと思うとドキドキしてきた。平安の時代であれば、夜は今よりもっと暗く、遮る建物も少なく、大気の環境によって変わる月のさまざまな姿を観ていたに違いない。
 月の満ち欠けは日々の生活にもっと近く寄り添い、海の干満に呼応していることを人々は肌に感じていただろう。

 電気ができて便利になったけれど、失ったものも多い。

(文責:早川理恵子)
 
 
王立豪州海軍は美人に弱い [2011年01月24日(Mon)]
王立豪州海軍は美人に弱い





いよいよ王立豪州海軍に乗り込むことになりそうだ。
まさか、軍隊と仕事をすると思っていなかったので情報収集もあまりしていない。
まずは相手の弱点を探すことが重要である。

昨年新聞記事をにぎわしていたが、バカバカしい記事のような気がし、無視していたニュース。早速ウェッブサーフィンで検索。

誰が思いついたのか、Myerという大手デパートのモデルでミスオーストラリアの栄光にも輝いた美人、ジェニファー・ホーキンズ女史の水着姿と海軍兵士の撮影会が開催された。
海軍に入ればこんな美女と出会えますよ、という戦略らしい。Myerの宣伝にもなる。

海洋国家を目指すオーストラリアの先鋒に立つ同海軍は日本の海上保安庁とほぼ同じ数の要員しかいない。約一万三千人だ。
2008年には潜水艦のうち半分が人員不足で出動できない状態にある、との政府報道があった。
リクルートが最大の課題でもある。



ナールホド。王立豪州海軍は水着姿の美人に弱いのか。
Myerに水着を買いに行かなくちゃ。

(文責:早川理恵子)
アーミテージとナイに伝えたいこと [2011年01月22日(Sat)]
アーミテージとナイに伝えたいこと

 日本財団の宮崎さんから貴重な情報をいただいた。
 あのアーミテージが、日米合同上陸作戦訓練をマーシャル諸島やパラオでやろうと、言っているとのこと。
 早速、「文芸春秋」2011年2月号を購入。

 「あの」としたのは、2006年キャンベラを訪ねたアーミテージは「南太平洋なんかアメリカは知らないし、知る気もない。オーストラリアに任せるよ。」と豪語していたからである。
 それを証明するように、冷戦後は、米国と自由連合を締結するミクロネシア3国でさえ、その海洋安全保障を豪州に任せていたのである。

 過去のブログ「密約ではないミクロネシアにおける基地拡張 」で紹介した通り、グアムの軍事基盤強化を進める米国は、自由連合協定を結ぶ、即ち軍事的アクセスが可能なミクロネシア3国の港湾、空港等のインフラ整備を急ピッチで進めている。ミクロネシアの国民のため、というより米軍が使用するためである。

 グアム基地開発はグアムだけでなく、マリアナ諸島始めミクロネシア地域全体の経済、社会に大きな期待と不安を抱かせている。

 それにしても「日米合同上陸作戦訓練」なんて、島の人の存在や感情を全く無視した発言だ。
 日米合同でまずやるべきは、ペリリュー島やマッキンタラワ等の不発弾処理と遺骨収集である。誰も反対しないはずだ。そして、日本財団、笹川平和財団が進める、海上保安庁を中心とした非軍事的海洋安全保障活動である。

 文芸春秋2月号には「中国とこれから正義の話をしよう」という大型企画が組まれており、アーミテージ発言はその中の一つ。他に三笠宮崇仁親王の「日中不戦の誓い」や坂東玉三郎の「私には米国より中国が似合う」という日中関係の重要性を説いた文章も入っており、バランスの取れた内容で面白い。
 特に崇仁親王の日中の比較、関係の観察や指摘は興味深い。
「日本の政治は、昼間、役所の机の上の公文書の活字から生まれ、中国の政治は、夜間、私邸の机の上の麻雀の牌から生まれる。」
 軍部が「危険文書」に指定。焼却処分され半世紀行方不明であった文書だそうだ。

 宮崎さんからこの1月、笹川会長が『隣人・中国人に言っておきたいこと』を出版されたことも伺った。こちらも早速購読。
 二千年の日中関係。敵か味方か、好きか嫌いか等のレベルでは語れない。アメリカに、アーミテージやナイにとやかく言わるレベルではない、と思うようになった。


(文責:早川理恵子)
『日本の配色』 [2011年01月20日(Thu)]
『日本の配色』
ピエ ブックス発行 2009年


上野の東京国立博物館の地下に売店がある。
そこに平積みで置いてあった。
あまりにも美しい本だったので、値段も気にせず購入してしまった。

中に、京都市立芸術大学の佐野敬彦名誉教授が書かれた「日本人の色彩感覚と伝統配色」と題した、短いが、興味深い解説がある。


 ー前略ー
日本の「かたい色彩」は飛鳥・奈良時代に五行説にもとづく中国の配色が入ってきて、青丹よし奈良の都が作られたからである。

 ー中略ー
平安時代に入って、色彩感覚は日本化する。それは京都の風土に由来する。鴨川をはじめ河川の多い京都では、霧や靄など水蒸気を含んだ空気が強い色彩をやわらげ、デリケートなものにする。大阪や江戸も水の都であった。また、日本では四季の変化に富んでいて、春夏秋冬と微妙に色彩が変化して行き、微細なものへの感性をたかめ、花鳥風月、草木昆虫のやわらかな色彩に心をよせた。

 ー以下略ー



奈良と京都の違いは「霧と靄」か。
そう言われれば色彩が違う。
そう言われれば奈良が日本の古里、という気がしない。
日本と言えば、京都である。

イタリアの色彩感覚も水の都ベニスに由来するのだろうか?
そうであれば、乾燥地帯の色彩は明確で、固いのであろうか?

色の文化にも、海外のものを積極的に取り入れそれを日本化する、という日本伝統的な、なんというのだろうか、「受容→修正(編集)→固有化」していく文化があった。

次は京都の「霧と靄」が奏でる月夜の話を書きたい。
『突破者』 [2011年01月18日(Tue)]
『突破者』
宮崎学著
南風社、1996年

「ゲイシャ」と「ヤクザ」。外国人が興味を示す日本文化だが、説明できない。
数ヶ月前もNZのグリーン党に勤める隣のルーシーから呼ばれ、日本の漁業とヤクザの関係について聞かれた。勿論わからない。服装や行動様式に若干共通点があるかもしれないが、どうであろうか?
そもそも「ヤクザ」とは何なのか?
人間社会の差別や区別はなくならないであろうが、その仕組みを知る事は重要だ。

松岡正剛氏は、 
「われわれはヤクザを知らなすぎる。それはよくない。もっと知るべきである。」
「アメリカにはマフィアや暗殺団やアウトロー集団の研究書は、それぞれ50冊をくだらないという。それもたいていは分厚い本格的な研究書で、文学的にも社会学的にもすぐれたものが多い。」と言う。
千夜千冊『やくざと日本人』より 

それでネットで探していたら宮崎学氏の自叙伝『突破者』を見つけた。
京都出身のヤクザで、早稲田で学生運動をしていた方である。
『近代ヤクザ肯定論』『談合文化論』『万年東一』など日本の裏社会を描き続けている。


同著で2カ所気になった箇所があった。

(本文より引用)
そもそも京都は古い町だけに、階級ないし階級秩序が今もって厳然として存在している。天皇家と縁戚関係にある公家衆が、表面には顔を出さないが絶大な発言力を有していたりする。この公家衆を取り巻くようにして、本願寺などの坊主衆、茶道・華道の家元衆、西陣の織元である室町衆が上層階層を形成している。これらの各衆は血縁や寺と檀家の関係などによって緊密なつながりをもっている。

観光誌には決して書いていない内容だ。
エっ!と驚いた、もう一カ所。
宮崎学は事業に失敗し、元愚連隊の万年東一の集金係になる。恐喝まがいの行動。

(本文より引用)
笹川良一のところにも二度ほど集金に行ったことがある。中略 
「万年の金回りはどうなんだ?」と訊く。
「ああいう人だから、相変わらず苦しいですよ」
「相変わらずか...」
「困っている兄弟がいたら、それを助けるのが兄貴の役割でしょうが」
「わかった、わかった」

そう言って故笹川良一名誉会長は宮崎氏に大金を渡したそうだ。
一割ほどが万東に。残りは宮崎氏の懐に入ったようである。


知れば知るほどわからなくなる「ゲイシャ」や「ヤクザ」の存在。
2005年には英語の「TOPPA MONO」も翻訳出版されたという。
海洋安全保障とは全く関係ないけれど、海賊理解には役立つかもしれない。
こちらの分野も引き続き勉強したい。


(文責:早川理恵子)
水産庁がパラオに密漁監視船を提供 [2011年01月12日(Wed)]
水産庁がパラオに密漁監視船を提供


 年明け、海保の山川さん(笹川平和財団に出向中)からニュースが。
いよいよ水産庁がパラオに密漁監視船を提供する、という記事が日経に出たという。(2010年12月30日付け)

 昨年、水産庁の宮原審議官のコメントをスクープしてある。宮原審議官、本気だったようだ。


 記事には、水産庁が民間企業から監視船業無用の船を借り上げ、パラオ政府に貸与する方式を検討、とある。USCGが進めているShip riders Agreement方式のようだ。
 さらに漁業規制を求める要因として中国や欧州の需要が高まっていることをあげているが、日本の違法操業も勿論あるし、漁業資源に対する中国脅威論も冷静に分析する姿勢が必要だ。本件については下記三重大学の勝川先生のブログが参考になる。

「カツオ漁業における中国脅威論を分析する」

 何よりも世界最大のお魚消費国、日本が、漁業資源の管理、監視をしようということはいいことだ。ここはオールジャパンで協力していければよいのだが。。。

(文責:早川理恵子)

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