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早川理恵子博士
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貧乏だけど世界で一番幸せなバヌアツ? [2014年05月26日(Mon)]
百田さんの「問題」発言のおかげで、バヌアツ、ナウルなど普段は日本の一般国民が耳にしない太平洋の国家が昨日から話題になっているようで、その余波を受けてか、当ブログへのアクセスがいつもの倍になっている。
以下のビデオは百田さんにも、また百田さんの発言を批判している人にも見ていただきたい、バヌアツからのメッセージである。



<百田さんの言った「貧乏長屋」。でも世界で一番幸せな国>
バヌアツは確かに後発開発途上国(Least Developed Countries)に位置づけられている。と同時に幸福指標(Happy Index)で経済を評価しようとまじめに考えている組織からは「世界で一番幸せな国」(*)との評価も過去に受けている。
バヌアツの人々自身が世界でも貧しい国に位置づけられている事に疑問を持っているようだ。


<メラネシアンウェイ>
太平洋島嶼国、どこに行っても浮浪者はいない。必ず誰かが世話をする。
だから再貧国、と国連機関に指定されても、「貧しさ」というのは感じない。逆に精神的、文化的、そして自然の豊かさが満ちている、と太平洋を渡り歩いて24年、個人的に感じるところである。
そんな事はバヌアツの、太平洋の島人が一番知っているのであろう。
そこで、バヌアツ政府はまじめにWell-being (福祉度、幸福度、健康度)を図る指標の研究を2012年に発表した。これぞメラネシアンウェイ。社会の、開発の価値観を自ら選択するという内容だ。
上記のビデオはこのレポートエッセンスと言ってもいいであろう。

vanuatu_wellbeing.jpg
Alternative Indicators of Well-Being for Melanesia: Vanuatu pilot study report - Vanuatu Pilot Study
http://www.msgsec.info/index.php/divisions/programs-division/projects

<泥棒は誰か>
百田さんは貧乏だから泥棒が入らない、とおしゃったようだが、バヌアツだけでなく太平洋島嶼国、泥棒どころではない。過去500年、西洋列強の大泥棒諸国に跡形もなく略奪され、それは合理的搾取、という形で今も続いている。
ちょうどバヌアツの国父ウォルター・リニ首相の自伝を読んでいるところなのでこれは次回に。

初代リニ首相の独立当時の言葉
Vanuatu’s first prime minister, Walter Lini, stated:
The future of Vanuatu will very much depend on what approach the Government decides to take. If Vanuatu decides to imitate other countries of the world, there can be no freedom in terms of being one’s own master with one’s own individual identity. But in deciding to be truly independent from any other country, whether within the region or afar, we shall have to work even harder to achieve this. The main effort will then be to really polish up our very own Pacific and Melanesian ideas, to make them the basis of unity in our own country and within our region and to give us the necessary strength and direction to choose wisely what we want and do not want for the future.
Quoted in “Vanuatu: Twenti wan tingting long team blong independens”, Suva, 1980.


* 地球上で最も幸せな国は、人口20万人で経済活動も小規模な南太平洋の島国バヌアツ共和国−。英国の独立系シンクタンクが12日公表した「地球幸福度指標」で、このような結果が出た。先進国は軒並み順位が下で、日本は対象178カ国中95位、英国108位、米国150位などとなっている。(2006 年7月:時事通信より)
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