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早川理恵子博士
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豪州の鼻をあかしたGrand Chief ソマレ閣下 [2014年05月14日(Wed)]
2002年に再選されたソマレ閣下は2011年4月まで長期政権を維持した。
最後に日本を訪ねたのが2010年3月。
その間に大きな動きがあったのが天然ガス開発である。

296936-100916-graphic-png.jpg images-2.jpeg

当初、パプアニューギニア高地で採掘された天然ガスをなんと海底パイプラインで豪州の北部クイーンズランド州にもってくる話が進んでいた。この話がポシャったのが2006年。そしてパプアニューギニアは、ソマレ閣下は日本の投資で、このパイプラインをパプアニューギニアの首都ポートモレスビーに引っ張ってきて輸出する事にしたのである。
上の図をご参照下さい。

この、国運をかけた大事業の裏で何があったのか?
豪州の北部クイーンズランド州関係者や、当初の案を進めていた関係者はパプアニューギニアの、ソマレ閣下の心変わりに恨みを抱いているような話も立話だが聞く。
この天然ガス、ガスなので遠くに運搬できない。それがマイナス160度にすると液体になるんだそうだ。しかし、この作業は高度なインフラが必要となる。豪州ではなく、パプアニューギニアの首都にそれを作ろうという話だ。
現在ポートモレスビーは開発の嵐。

ソマレ閣下の心変わりならぬ、英断、勇断を支えたのはどうやら日本企業のようである。
JX日鉱日石開発の記事を見つけた。

前略 ー LNGプロジェクトは、必要ガス埋蔵量の確保、 信頼性の高い液化設備建設、LNGの長期販売先 の確保、巨額となるプロジェクト必要資金の調達 などの条件がすべてそろって初めて実現できるも のです。そのため検討段階では、これまでLNG プロジェクトの開発実績の無いパプアニューギニアでプロジェクトが実現できるか危ぶむ見方もあ りました。しかし、日本の買い主(東京電力と大 阪ガス)との間で長期売買契約が締結されたこと、 液化設備のEPCを日本のエンジニアリング会社
(千代化と日揮)が受注したこと、国際協力銀行 (JBIC)をはじめとする銀行団からプロジェクト ファイナンスベースでの融資供与が決定したことなどにより、事業化実現にたどり着けました。(J X 開発 飯田信康副社長)ー 後略
JOI 2013.3より https://www.joi.or.jp/

エネルギー分野これも全く素人なのでよくわかりませんが、45年前に笹川良一名誉会長がソマレ閣下の独立運動を支えた成果が現在の日本のエネルギー安全保障にも繋がっているのではないだろうか。
他方ブーゲンビル島の事も頭をよぎる。急激な開発、急激な現金収入は必ずしも人々の、コミュニティの、そして自然環境への悪影響を免れない。構造的暴力に加担しないよう、日本企業始め日本政府、そして消費者もこの親日国家パプアニューギニアへ多角的な支援をしていく必要があるであろう。

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