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早川理恵子博士
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台湾海軍パラオ台風災害支援 [2013年12月19日(Thu)]
大型台風ハイアンがパラオに残した爪痕は10億円以上の被害になるようである。
死者、負傷者はいなかったものの、北部カヤンゲル島は打撃的被害で、復旧作業は遅れている。

その中で台湾海軍2隻が支援物資を積んでパラオに到着した、とのニュースがあった。

中和艦と昆明艦の2隻。
160トンの支援物資の内訳は
・プレハブ仮設住宅44戸分
・給水塔
・米
・インスタントラーメン
(上記支援内容は下記のウェッブを参照させていただきました。)
http://ameblo.jp/help-palau/entry-11728846722.html

それからこんな英文の記事もあります。
"Navy vessels reach Palau with prefab houses"
By Joseph Yeh , The China Post, December 19, 2013
http://www.chinapost.com.tw/taiwan/national/national-news/2013/12/19/396309/Navy-vessels.htm

台湾、やるじゃなかと思っていたら、レメンゲサウ大統領のインタビュー記事がRadio Australiaに掲載。
「今回の台風被害に直接手を差し伸べてくれたのは、台湾と日本です。」
http://www.radioaustralia.net.au/pacific/2013-12-19/palaus-president-calls-for-more-international-help-after-typhoon-haiyan/1237422
誤解を恐れずに言えば、平時の軍事力の動きは、災害支援や違法操業監視とかそんな機会を生かす必要があるように思う。そして台風より前から、大陸からの接近を睨んだ台湾のパラオに対する動きは活発になっている。

ところで、台湾と外交関係のあるパラオ。ここに中国大陸の支援が入ったらニュースである。
今ニュースとなるのは自由連合協定を締結し安全保障を管理しているはずの米国の役割がパラオ大統領の口から出てこない事である。

台風通過直後パラオの首都コロールからカヤンゲルに向かったのは豪州は支援したPacific Patrol Boat である。グアムや横田辺りから米軍が支援した様子はない。
そもそもパラオのインフラ自体が米国支援でできているので、米国が何もしていない訳ではない。
大統領のコメントはいささか政治的なにおいを感じる。
即ち、パラオの安全保障に責任のあるはずの米国への牽制。

それから先週横田基地から米国の支援はある事はあった。
「クリスマスドロップ」*
http://amview.japan.usembassy.gov/operation-christmas-drop-j/
戦後62年間続いた米軍によるミクロネシアの離島への支援。
しかし、これが台風災害に対応しているか、疑問である。
*在日米軍司令部ツイッターより「オペレーション・クリスマス・ドロップはミクロネシアの各島々に食料やおもちゃなどの物資をC-130機からの空中投下で届ける活動で毎年12月に横田基地の第374空輸航空団とグアム・アンダーセン空軍基地の第36航空団が一緒に行っています。」

太平洋での米国の安全保障能力を弱めてはいけない。かと言って米国の財政難や内向きな姿勢をただす処方箋もない。
かつてニミッツ司令官が日本から奪い取ったパラオであるが、ここは日米の協力でパラオ、いやミクロネシア全体への支援を戦略的に展開する時期に来ているのではないか。