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早川理恵子博士
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胡蝶の夢 ー 若きビリオネラーの悩み(その2) [2013年05月13日(Mon)]
相変わらずビリオネラーから毎日のように電話やメールをいただいており、胡蝶の夢状態。
すっかり「いい気」になっている。
まだ名前も詳細も明かしませんが、例えばビルゲイツから毎日連絡があって
「リエコ、どう思う?」
「リエコ、この件について何か知ってる?」
「リエコ、君のおかげでここまでできたよ。報告書を読んくれたまえ。意見が欲しい。」
と言われたら、10人中8人まではそうとう「いい気」になると思いますがどうでしょう?

<ビリオネラー、大統領、ボス>
実はこの一件、ビリオネラー、大統領、ボスが絡んでいる。
ボス「金で解決しようなんて甘いね。いっしょにやる気はない。」
と一刀両断。完璧同意。
なんのために苦節5年、アタイ達は努力してきたの?島をなめんなよ。

とはいえ、相手はビリオネラー。つまり本当に動き出したら無視できない相手。
しかも小国とはいえ大統領のお墨付きで、当方の名前まで出ている。
この3人のおじさんたちの面子とガラスのプライドを壊さずに穏便にすませなければ、とガマの油状態になってしまった。
なにせ、ビリオネラーからはメール攻撃が。
「早急に話しがしたい、電話番号を教えて。」
電話番号を聞かれるなんてヒサシブリだ。。
相手はメディア出まくりの「公人」。教えても危害はないであろう、と判断。

当方「あのー いいですか。太平洋の国際関係は複雑なんですよ。しかも小国の国家運営は可能性も大きいが危うさも兼ねている。時間をかけてじっくりと。。。」と説明を試みた。
ビリオネラー「わかっているよ。でも実現しなければならない。君の助けが必要だ。君の事はすべて調べてある。」
なっ、何を調べたのであろう!慌ててとっさに仁義を切ってしまった。
当方「おひけえなすって。太平洋を渡り歩いて四半世紀。手前でよければ個人的にお手伝いさせていただきやす!」
どうせ、相手はおじさんだ。小娘(おば娘)の言う事なんか聞くわけないと思ったのが甘かった。あれから1ヶ月、ほぼ毎日連絡がある。

<経済と倫理、CSR>
仁義を切った背景には、個人的に世界的ビリオネラーに関心があったせいもある。
博論でアマルティアセンを取り上げているからだ。センは経済と倫理を議論している。それにCSRー企業の社会的責任は大親分が取り上げている分野でもある。
いったい、世界のビリオネラーはどのようにCSRを行っているのか、実体験できる機会である。
市場経済による貧困の研究は盛んでも、他方にある富裕層の研究はあまりされていないように思うけど、どうでしょうか。当方が見過ごしているかもしれません。

仕事がうまくいって、一生かかっても使い切れないお金を得たら人間どうするの?
豪邸を手に入れ、ヨットや、専用機も。個人のお金だから誰も文句を言えない。
でもビルゲイツやウォーレンバフェットは違う試みを提唱した。
それがThe Giving Pledge   http://givingpledge.org/
当方のビリオネラーもここに名を連ねている。

<お金持ちはケチ>
海洋安全保障に関しては米豪を中心に専門家のネットワークを確保しつつある。
ビリオネラーにその道の専門家を多く紹介した。
当方「ビリオネラーに紹介したいけど。いい?」
友人知人「喜んで。紹介して。」

最近知ったことだが、こうして紹介した友人知人達は「このような作業をしますからいくら下さい。」とビリオネラーとビジネス交渉していたのである。
その道の専門家として食っているのだ。当たり前なのかもしれない。

財団人生四半世紀。悲しいかな人にお金を出す事が染み付いて人からお金をもらうという意識が希薄だった。慌てて交渉を開始。
当方「牛が二千頭いると言っていましたが、一頭くらいいただけませんか?」
ビリオネラー「二千じゃなくて、一万だよ。僕の笑顔はいくらでもあげるよ。」
当方「一万頭は食べられないし、おじさんの笑顔なんてあまり嬉しくない。」

本当のお金持ちはケチなのである。