CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 海洋安全保障研究会 | Main | オーストラリアーdown underの国»
プロフィール

早川理恵子博士さんの画像
早川理恵子博士
プロフィール
ブログ
<< 2018年07月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
Google

Web全体
このブログの中
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
海外まき網漁業と資源管理(一社)海外まき網漁業協会会長◆中前 明 [2017年10月04日(Wed)]
【Ocean Newsletter】第411号(2017.09.20 発行)
海外まき網漁業と資源管理(一社)海外まき網漁業協会会長◆中前 明
https://www.spf.org/opri-j/projects/information/newsletter/latest/index.html

当方の指導教官の坂元教授が編集委員をされるようになってから【Ocean Newsletter】はしっかり読むようになった。
上記の海外まき網漁業協会、中前 明会長の記事は、水産庁叩きしかできないメディアの皆さんもしかり読んでいただきたい内容である。読むだけだったら単なる読者で終わる。ここから得た情報をきっかけに途上国の水産資源管理がどうなっているのか、とか、PNAを巡る議論を探ってから新聞に記事に自分の主張と共に書いて欲しい。
耳学問で一般読者を迷わせないで欲しい。

「水産経済新聞」2017年1月16日に掲載された中前明会長の「<年頭会見>中前明・海外まき網漁業協会長/入漁料高止まり」の記事をこのブログで紹介しようと思いつつ忘れていた。上記の【Ocean Newsletter】の内容とほぼ同じである。

要はPNAが進めるVDSは単に入漁料を値上げしただけで、水産資源管理とは関係ない事。さらに漁船の管理、漁師の労働条件をしっかり守る日本水産業にとって値上がりは死活問題で、法や人権を守らない途上国や近隣の漁業に有利な状況を作っているのだ。こんな基本的な情報も精査せず、PNAを持ち上げるNGOやメディアばかりなので、一人、頭を抱えていた。

加えて、このブログで書いているように、違法操業しているのは途上国や島嶼国だし、水産資源の科学的データを持っていないどころか、理解できないのである。
なんとなく、弱者、小国は犠牲者で、悪い事はしない、と思っている人が多いのではないだろうか?
世の中、そんなに甘くないのだ。
パラオの漁港 [2017年10月04日(Wed)]
パラオの漁港。
黒い煙を吐く漁船がひしめき合っている。
一体、どれだけの船が違法漁船で、どれだけが便宜置籍船で、そしてどれだけの漁船がきちんと漁獲量を申告しているのか?もしくは政府機関が管理しているのか?
水産資源管理は法遵守からはほど遠い途上国、太平洋島嶼国にその大きな責任があるはずだが、日本のメディアは水産庁叩きのバカの一つ覚えしかしない。。

21686337_1304453013014783_3000398013042029863_n.jpg

21686468_1304453016348116_6277679473926453696_n.jpg

21617715_1304453026348115_2820578604282759943_n.jpg

21765651_1304453029681448_5813758215556913585_o.jpg

21685970_1304453019681449_128825746895552258_n.jpg
メディアの水産庁叩きは馬鹿の一つ覚えか? [2017年09月09日(Sat)]
クロマグロの記事、相変わらず水産庁叩きばかりだが、昨年の会議の議論を知れば、先週釜山で開催された会議に水産庁のドン、宮原さんが議長じゃなければ合意が得られなかったことがわかるであろう。

当然プロフェッショナルジャーナリストは専門家の意見だけでなく資料を読む努力をされているとは思う。前回の、即ち昨年の議事録は確認されたであろうか?これがわからないとなぜ今回妥協点を見出し合意に至ったか理解できないはずなのだ。

ここに今までのnorther committeeの議事録がある。
https://www.wcpfc.int/meeting-folders/northern-committee

前回、日本案に反対したのは米国と台湾。しかも全く反対の角度からの反対。
米国はそれでは甘い、と。台湾はそれでは厳しすぎる、と。

クロマグロ管理は米国の言いなりか?
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1678

今回の合意は、この両者を抑え込むことに成功した、のだと思う。


<クロマグロ漁獲枠15%減 漁業者に不満も>
これもバカの一つ覚えのようにメディアが一斉に日本の漁獲枠が合意を超えた、と騒いでいた。国際的に批判晒されている?騒いでいる環境NGOはどれだけ漁業の事を知っているのか?そもそも水産業を知らないメディアは目利きができないはずだ。
多くのメディアは水産業を知らないのだ。そして知らない市民がそのメディアに騙される。イエロージャーナリズムの極地である。日経がやっと冷静な記事を出した。

クロマグロ漁獲枠15%減 漁業者に不満も
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H77_Y7A800C1EE8000/

それから漁業国の韓国、台湾、中国などのデータを調べてから日本叩きを、水産庁叩きをした方が良い。そもそもこれらの国が信頼できるデータを出しているのか?太平洋島嶼国は北朝鮮の漁船に便宜置籍船を提供しているのだそうだし。。。これは次回。




WCPFC第13回北小委員会ー日本海?東海? [2017年09月03日(Sun)]
YUH FA NO.88  船側照.jpg

違法操業で2.5million USDの罰金が課せられた台湾漁船Yuh Fa Fishery Limited(バヌアツの旗で操業)
https://www.wcpfc.int/node/18393 より


マグロ資源管理を巡るWCPFC第13回北小委員会が釜山で開催され、相変わらず日本のメディアやNGOが水産庁叩きをしている。

これらメディアは絶対報告書読んでないよな、と思いWCPFCの資料に目を通していたら、なんと山田宏自民党参議院議員が活発に名称の修正を呼びかけ、外務省に指示を出している「日本海」と「東海」の議論がされているではないか。
当たり前だが、きちんと日本政府が説明し、主張している。山田議員の活動を知らなければ私も気に留めなかった箇所だ。

35. Korea reported its implementation of CMM2016-04 (NC13-DP-06) in which “East Sea” was referred to. (略)

38. Japan made the following statement: “Sea of Japan” is the one and only internationally established and recognized name for the sea area concerned. The United Nations has already officially confirmed its policy using the name “Sea of Japan” as the standard geographical term in official UN documents. In addition, governments of a number of countries recognize the name “Sea of Japan” as the official name. Thus, Japan never accepts the name “East Sea”. The ROK should use the one and only internationally established name, “Sea of Japan”. We request that the ROK correct the name “East Sea” to “Sea of Japan” and the correction be recorded in the summary report. (下線は当方)

会議には外務省の経済局漁業室からも一名参加している。
添付資料に日韓それぞれの主張があるが、韓国がUNCSGN (国際連合地名標準化会議)と IHO (国際水路機関)の合意に沿え、と主張しているのに対し、日本は両機関の合意内容の詳細を引用し日本海の呼称はこのケースに当てはまらない、と主張。Attachment CとB参照。

以上下記のレポートより
Commission for the Conservation and Management of Highly Migratory Fish Stocks in the Western and Central Pacific Ocean, Northern Committee, Thirteenth Regular Session, Busan, Republic of Korea, 28 August – 1 September 2017, SUMMARY REPORT
https://www.wcpfc.int/system/files/NC13%20Summary%20Report%20adopted%20-%20Final.pdf



肝心のマグロの管理だがやっぱり科学的な議論はついていけない。
しかし、上記のレポートを"china"で検索すると、中国はデータを出していない事がわかった。
日本のメディアのみなさん。日本叩きをする前に、河野外相に倣って中国に対し大国としての水産管理の責任を、と呼びかけようではありませんか!


14. It was clarified that the information from all the countries involved with albacore fisheries was incorporated in the assessment, both from ISC and non-ISC countries. However, the size information from non-ISC countries as well as China were not provided, so only catch information is used from those countries.

19. China was not present and its report (NC13-DP-02) was introduced by Chair; China reported that there is no vessel fishing for PBF and it is taking a heavy punitive measure on any illegal catch of PBF. China also suggested that its domestic catch clearance certificate could be considered for the development of CDS. NC13 urged the participation of China in future meetings.

103. It was noted that China did not provide information to NC that is required under CMMs. NC13 encouraged China to submit all required information to NC.


次に"chinese taipei" 台湾で検索。

29. Chinese Taipei noted that it was unfortunate that overcatch occurred but it considered it as a result of substantial increase of recruitment in 2016. It also urged Japan to take further monitoring efforts as mentioned by Japan so that this does not ever happen again. Chinese Taipei asked for more detail about the timely monitoring Japan is suggesting and explanation for the reason for the two different “year” definition among fishing gears and its consistency with CMM2016-04.

ここでは日本国内の漁獲オーバーを指摘している。情報を提供しているのは日本のメディアであろう。
ところが次のやり取りでは台湾の漁獲量の報告がどうも怪しい事を韓国と議長(水産研理事長の宮原さん)が指摘。世界を見渡せば馬鹿正直なのは日本だけである。台湾が一番違法操業しているのだ。しかも島嶼国の旗で。*

43. Korea asked for the reason why the catch declined while the number of vessels operating increased. It further asked how many officers are present for verifying CDS and if CDS is verified before or after the landing.
44. Chinese Taipei replied that the operation days were not increased although the number of vessels increased in 2016. It also clarified that PBF is landed in three major domestic ports and officers are present during their opening hours and that CDS verification is done before sale at landing ports.
45. Chair recalled that Chinese Taipei once commented that it had not designated domestic landing ports for PBF. Chinese Taipei clarified that it is preparing to designate landing ports for PBF. This may happen in 2018.
46. Chair further asked if the landing in ports other than those designated would be prohibited and sale of PBF without CDS would also be prohibited. Chinese Taipei confirmed these.

日本のメディアが日本の水産行政を叩くのも重要だが、まずはこのような一次資料を読む努力が「先」ではないでしょうか?


*米領サモアでバヌアツの旗の台湾漁船が違法海洋廃棄で2.5ミリオン米ドルの罰金。太平洋のニュースを追っているとこんなのばかりです。
Huge fine for fishing operator in American Samoa
http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/338479/huge-fine-for-fishing-operator-in-american-samoa
1 September 2017
NOAAも宣言。クロマグロは絶滅しない [2017年08月30日(Wed)]
クロマグロが絶滅、絶滅、とどうしてもハルマゲドンを望む、絶滅を希望するイエロージャーナリストや環境NGOがいるようだが、この8月に米国商務省のNOAAが絶滅しません、と発表した。

水産資源の素人の私だってちょっと、バランス良く資料を見て行けばわかるクロマグロの資源管理。
先入観を持たずに勉強する事が重要だと思う。
セレブや、白人、環境NGOの言う事はわかりやすいし耳障りがいいので気をつけましょう。

下記のNOAAのサイトには、昨年嘆願書を受け取ったNOAAが調査チームを結成し科学的調査の結果をした経緯が書かれている。このように全体の流れを公表する方法は、イエロージャーナリズムやイエローアカデミズム(私の造語)対策に重要だと思う。水産庁も見習ったらどうだろうか?


Pacific Bluefin Tuna ESA Status Review

On June 20, 2016, NOAA Fisheries received a petition to list Pacific bluefin tuna (Thunnus orientalis) as endangered under the Endangered Species Act (ESA).

http://www.westcoast.fisheries.noaa.gov/fisheries/migratory_species/pbt_esa_status_review.html


<関連ブログ>
マグロは絶滅?馬鹿の一つ覚え
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2012

「絶滅させるものならばやってみろ」
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2014


「絶滅させるものならばやってみろ」(2)
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2016
水産行政とは? [2017年08月24日(Thu)]

ニュージーランドの第二位の水産業者シーロードの成功は日本のニッスイの支援があってこそ。



「水産行政がこれでいいはずはない、そう思いませんか?」

下記の記事を書いた産経の記者からこんなコメントをいただいた。

2017.8.22【主張】クロマグロ 長期的視野で対策主導を
http://www.sankei.com/economy/news/170822/ecn1708220005-n1.html


「水産行政」とは何か?水産資源と共に漁師さん、水産業を守る事である、と水産庁の方から私は教えてもらった。
まさに毎日水産行政に人生を、命をかけている方だ。

そんな、日本の水産行政の国内、国外とのさまざまな交渉も身近に拝見する機会もいただいた。漁業大国日本は日本の漁業を守り、世界の漁業を主導していく立場にあるのだ。
百年以上前に、遠洋漁業を始めたのはハワイや太平の島に渡った、瀬戸内海や和歌山の漁師さんたちなのだ。

戦前、農林省の一部局だった水産局は戦後水産庁になり、GHQから水産省にしなければだめだ、とまで言われていたのである。それほど日本の海洋外交にとって重要な組織である。
水産庁叩きも批判も重要だが、水産資源科学を知らない海外のNGOの主張をそのまま鵜呑みにしたり、歴史も文化も違う海外の漁業構造と簡単に比較してはいけないのだ。この記者が漁業先進国と言っているニュージーランドは日本のニッスイが入っているからこそ、世界にマーケットを持ち成功している。国内消費は少ないのだ。

とりわけ、遠洋漁業の経験のない島嶼国は権利を叫ぶだけで海洋開発、管理はできない。パラオやキリバスのメガ海洋保護区はペーパーでしかなく、海洋法条約上も疑義があるし、科学的調査を欠いた水産資源管理とは関係ない案である。それよりも便宜置籍船などで、台湾や中国の漁船の漁獲量を増やしている。

こういう事は数年かけて、色々な資料を読み込んで、色々な立場の人の意見を聞かないとわからない事である。


ニッスイだけでなマルハやイマナカという日本に水産業者がニュージーランドの水産業を支えている。
THE INVESTOR’S GUIDE TO THE NEW ZEALAND SEAFOOD INDUSTRY 2017
http://www.mbie.govt.nz/info-services/sectors-industries/food-beverage/documents-image-library/folder-2017-investors-guides/investors-guide-to-the-new-zealand-seafood-industry-2017.pdf
漁業資源が枯渇!というイエロージャーナリズム [2017年07月26日(Wed)]
イエロージャーナリズムはアメリア・イアハート失踪事件ばかりではない。

漁業資源が枯渇する、とこれもマグロ絶滅と同様バカの一つ覚えのように唱えているメディアが後を立たない。
ちゃんとFAOの資料見るくらいの努力はして、記事を書こうよ。

『世界漁業・養殖業白書2016年』14ページより
http://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/user_upload/publications/FY2016/SOFIA2016_in_brief-J.pdf

漁業資源の状況
世界の海洋漁業資源の状態は、一部の地域での顕 著な進歩が認められるものの全体的には改善され ていない。 資源状態が評価されている漁業資源の31.4%は、 生物学的に持続不可能な水準の過度な漁獲を受けており、乱獲の状態にあると推定された。資源の再生産力と均衡した十分な漁獲を受けている状態の 資源は58.1%であり、低度の漁獲を受けている状態 の資源は10.5%を占めている。
最も生産力の高い上位10魚種で、2013年の世界の 海面漁業漁獲量の約27%を占めている。 しかしながら、これらの魚種のほとんどはすでに 十分な漁獲を受けている状態にあるので、漁獲量を さらに増加させる余力はない。

ちなみに日本の漁獲量は増えていない。
増えているのは島嶼国枠の、即ち便宜置籍船で創業する、中国台湾の漁船。
日本は、マグロ資源の管理など地域機関で主導的立場にある。
勿論、世界最大の漁業資源消費国として責任ある行動を取るべきであるが、法律が、水産・海洋政策がない、に等しい島嶼国の支援を検討した方が良い。彼らが原因なのだから。。
中国の太平洋漁業進出 [2017年07月15日(Sat)]
rarotongaoffice1-thumb.jpg

これがクック諸島の水産省です!


上海での漁業交渉から戻ってきたばかりの水産庁高官と話をする機会があった。
中国の漁業政策、すごいのだそうだ。補助金が一隻の30%強を占める。日本はとてもじゃないけど競争できない。

それから、外国の船籍の購入。
それで思い出した気になった記事。
中国高官がクック諸島に漁業支援で入ったとのこと。

High Level Delegation From China Talks Fisheries With Cook Islands
Submitted by PIR Editor on Mon, 07/03/2017
http://www.pireport.org/articles/2017/07/03/high-level-delegation-china-talks-fisheries-cook-islands

中国外務省の高官と広東省の漁業者がクック諸島を訪問。広東省の深セン市はクック諸島とはえ縄漁船のライセンスを購入している。

一行はクック諸島のシャコガイ保護活動他、同国への支援に高い関心を示し、水産資源省の Aitutaki Marine Research Centreも訪問した。


広東省の人口1億人。クック諸島の人口2万人。
中国のEEZ 紛争地域を外すと約100万km2 クック諸島は200万km2
陸地面積とEEZの比率は中国が1対0.9 クック諸島は1:8300


みなさん、何が起こっているわかりますね!
PNAの今後 [2017年07月02日(Sun)]
70年代に、即ち第3次国連海洋会議の協議の最中に次々と独立した太平洋島嶼国の思惑は、その広大なEEZから得られる水産資源への期待、があったのだ。
これはきちんと調べて行けば証明できると思う。

1971年に設立された太平洋諸島フォーラムの重要議案が水産資源であったし、1979年にはその水産部が独立してソロモン諸島にフォーラム漁業局ができたのだ。

しかし、高度回遊魚は、広い太平洋にまんべんなくいるのではなく、赤道から南北30度の範囲。即ち、フォーラム漁業局の中にもお魚がたくさん取れる国とそうでない国、言い換えれば水産業という外交カードを強気使いたい国とそうでない国がある。

そんなフォーラム漁業局内の不満が「ナウル協定」という8カ国が抜け出す枠として形成された。
このグループはとうとう2010年にはソロモン諸島にあるフォーラム漁業局を出て、マーシャル諸島に独立した事務所を設置。初代事務局長、Dr Transform Aqorauの主導で、入漁料を約8倍、年間60ミリオン米ドルから500ミリオン米ドルにつり上げたのである。

こんな無謀な値上げをされたら、漁業国は堪らない。米国は漁業協定を一端破棄。確か、2、3年の交渉経て妥協案を探って合意する、という事となった。

このPNAの入漁料つり上げ政策。水産資源管理とは一切関係ないどころか、魚が取れても取れなくても毎日100万円くらい払わなければならないので、資源管理を無視した量の確保を優先する結果となるのだ。
しかし、遠洋漁業をした事のない、水産資源管理とは何か、を知らない(ここは敢えてハッキリ書いておきます)島嶼国は、特にPNAメンバー国は目の前に出されるお金のことしか興味はない!



ところでPNAの2代目新事務局長、Ludwig Kumoru 氏はこれ以上入漁料を上げないこと、そして外交関係を重視すると下記のニュースで述べている。

eight_col_ludwig.jpg


Pacific's PNA plans to be more diplomatic
27 June 2017
http://www.radionz.co.nz/international/programmes/datelinepacific/audio/201848966/pacific-s-pna-plans-to-be-more-diplomatic


さらに、ツナエコノミクス、とまた訳のわからなポリシーをPIFが掲げているが、太平洋島嶼国に缶詰工場が次から次に設置されていようなのだ。マーシャル、ソロモン、パラオ。
規模は小さいので国内消費が限界。
そもそも缶詰工場と言っても、工場運営を支える電気、水道などの安定したインフラや品質や労働者を守る法律とその遵守も必要である。オーストラリアから管理指導を受けているというが、オーストラリアに品質管理ができるの?豪州はまだ缶詰作っているのだろうか?

そして、これがツナエコノミクス、なのであろうか?
ここは水産庁の専門家の意見を伺いたいが、素人見当では、島嶼議連の提案の中にある季節労働者派遣のような制度で、日本の缶詰工場に働ききてもらった方が良いようなきがしますが、どうでしょうか?
ハワイの漁業開祖は瀬戸の海賊!その2 [2017年07月02日(Sun)]
瀬戸内海の村上水軍を訪ねた事をきっかけに『ハワイに渡った海賊達』(2007年、堀雅昭著、弦書房)を読んでいる、のだが芋づる式に出てきた資料に道が逸れている。

瀬戸内海の海賊の末裔はハワイに渡って、漁業の開祖となったのである!

小川 真和子 「ハワイにおける日本人の水産業開拓史--1900年から1920年代までを中心に」
(国際シンポジウム 環太平洋地域における日本人の国際移動 ; 太平洋世界の多様性・多元性と日本人の国際移動)、掲載誌 立命館言語文化研究 / 立命館大学国際言語文化研究所 [編] 21(4) (通号 100) 2010-03 p.39〜52
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/pdf_21-4/RitsIILCS_21.4pp39-52OGAWA.pdf

ハワイの海と日本の海:ハワイでカツオの一本釣り漁を行った日本の漁師さんの物語
小川真和子
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/pdf_28-1/RitsIILCS_28.1pp.115-126OGAWA.pdf

小川氏は移民研究の視点に漁民や海洋開拓が抜けている事を指摘し、ハワイの水産業の歴史と日本の移民の関係を追い、ハワイでの日本人の社会的、経済的上昇を可能にした理由を探る事を目的にこの論文を執筆された。

下記は同論文から、印象に残った箇所。
・日本人移民、特に瀬戸内海の小島からの出身者がハワイに渡った時点では既に白人社会が確立され、陸の権益は白人が握っていた。p. 40−41
・当初は、農業の合間に行っていた漁業だが、1910年には日本人人口は10万になっており大きな市場となっていた。白人も、先に来ていた中国人もまたハワイ人もそれほど魚を食べていなかった。p. 45
・漁業を行っていたハワイ人はせいぜい2キロメーターの沖に出てカツオを取る程度で1900年
の水揚は190トンのみ。
・日本人が成功した理由の一つが会社経営で、流通や氷・燃料・食料・水などの調達費用を用意し、「誰よりも漁師を大事に」する経営方針があった。p. 44
・ツナ缶工場の成功は地元白人社会に禍根を残す事にも。パールハーバーの米軍施設と日本の水産業の確執も。排日漁業法案にもつながった。p. 47-50


やはり、瀬戸内海の海賊の末裔が開拓した漁業が日米関係の運命を変えたのである。
また、日本統治となった南洋よりも数十年先に開拓されたハワイの水産業は、1920年以降に主に沖縄から移民したミクロネシアの水産業に某かの影響を与えなかったであろうか?
グロチウスの海洋の自由を満喫したのは、日本の水産業だったのかもしれない。そしてそれを変えたのも。即ち瀬戸内海の海賊の末裔が太平洋の水産業を開拓した結果、海洋の権益が発生した?
しかし、この論考を見ればわかるように、その自由は、日本の小さな離島で間引きして人口調整を強いられていた人々が海外に出て、さらに現地で搾取され、差別された移民ー弱者を救う「管理された」自由、即ち組織経営・会社経営であったはず、なのだ。缶詰工場は漁師の夫や父親のいない、残された女性達が相互扶助する場でもあった、という。
現在、水産業の市場価格総額が年間数千億円、そのうちのたった数パーセントしか受け取っていない島嶼国は不平等な扱いを受けている、という理論展開(難癖ともいう)はどこかが間違っているような気がする。ではどうすれば良いのか?
太平洋・島サミットへの課題でもある。
| 次へ