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PIF - High Tea or High Sea? [2015年06月30日(Tue)]

<上記映像はPIF事務局長メグ・テイラー女史を迎えたインタビュー。内容は太平洋地域主義やフィジーのメンバーシップ問題について>

昨年の夏、「島と海のネット」事業を立ち上げる際のカウンターパートについて、寺島常務、古川部長から意見を求められた。
寺島常務たちは長年PIFと協議を重ねてきたようだ。
笹川太平洋島嶼国基金のカウンターパートであったPIF(当時はSPF)を1991年から観察してきているし、特にフィジー問題を抱えた2000年初頭からPIFの組織的問題は悪化してきているとの認識があったので、具体的事業を進める相手としては賛成できない、との意見を述べさせていただいた。


しかし、昨年末から新事務局長のメグ・テイラー女史を迎えたPIFの組織改革は目を見張るばかり。
ちょうど「島と海のネット総会」が開催された5月25−26日に重なったPIFのオーシャンガバナンスの会議では、テイラー女史の指導力行動力が発揮されたのである。


「私たち、ハイティをするためにあるのではありません。行動しましょう。」
とAndie Fong Toy事務局次長も引っぱり出してビーチ掃除活動を展開した。

"High Hopes for High Seas!"
Dame Meg Taylor
http://www.huffingtonpost.com/dame-meg-taylor/high-hopes-for-high-seas_b_7556618.html


またテイラー女史は海のないパプアニューギニア高地出身である自身の事を語りながら、当初自信がなかったが、海洋を巡る状況は刻々と変化し、PIFは機会を活かし、挑戦を続けなければならない、と熱く語っている。


テイラー女史が形容した”ハイティ” ー まさにPIFのイメージそのものである。
PIFは浜辺でゴミ拾いなんかしない。会議室で語るだけ。
過去のPIFは島嶼国のリーダーの意思を軽視し、PIF事務局が豪、NZに仕切られていた可能性が高い。またそのような非公式な声を至る所で耳にする。

この5月に開催された「島と海のネット総会」では、大鉈を振るっているテイラー女史の事を寺島常務と古川部長にご説明し、早々にフィジーに行く事を提案させていただいた。
レメンゲサウ大統領CSISで吠える [2015年06月12日(Fri)]
我らがレメンゲサウ大統領がCSISで吠えた。
米国の無責任なパラオへの対応を、最高の外交技術で指摘した。





しかし、米国にやる気も、そのキャパもなさそうだ。
島サミットの宣言内容を見てもわかるように、日本にはその準備が、パラオのEEZを護る準備がある。

プロパガンダNGO PEWのMatt Rand氏がコンパクトって何?て大統領に今頃聞いている。
自分の国がパラオに約束した基本的安全保障の支援内容を知らずに、仕事をするなと言っておいた。

NOAAはとにかく金がない。船も古いし、データも古い。ダメだコリャ。

米国はとにかくUNCLOSにサインしろ、と。

豪州もひどいが、米国はもっとだ。そもそも、ワシントンD.C.の裏側にあるパラオを米国人が真剣に考えるとは思えない。金儲けの話がなければ。。
島と海のネット第1回総会報告 その1 [2015年05月29日(Fri)]
第7回島サミットのサイドイベントとして開催した「第1回島と海ネット総会」が5月25−26日の両日200名以上の内外からの参加者を得て無事終了した。

この島と海ネット事業は、昨年サモアで開催されたSIDS会議で姉妹団体の海洋政策研究財団の寺島常務から声をかけていただいたことがきっかけで関わる事となった。
サモアの会議ではパラオのレメンゲサウ大統領のスピーチをアレンジさせていただいた。

今回の第1回総会ではキリバスのトン大統領のスピーチ、またバヌアツのレゲンバヌ大臣の参加等々事前のアレンジをお手伝いさせていただいた。


<寺島常務と羽生会長>
本番の会議に当方が行く必要もないのではないか、と思ったが兎に角来いという。
TNCの古い知り合いも来るし、元水産庁の宮原さんにも会えるし、それよりも海洋問題の大家、寺島常務から続けて声をかけてもらえる名誉、栄誉はどんな勲章(もらった事はないが)よりも嬉しい。
2008年ミクロネシアの海上保安事業を立ち上げる際、羽生会長から「寺島さんは人格者なので訪ねて学びなさい。」とのアドバイスをいただいた。年に2、3回は門を叩かせていただき、事業の進捗も報告させていただいていた。あれから7年。門外漢の当方が海洋問題をどうにか続けられた来れたのは寺島常務のおかげなのだ。
寺島常務と羽生会長、同じ国交省ご出身、同じ東大出身である。
全然タイプが違う。羽生会長は走りながら考えよう、タイプ。
寺島常務は十分な準備と話し合いを重んじるタイプ。

<会議で発表>
島と海ネットは2009年から議論を重ねて来たのである。
しかし、6年の協議期間の中でその流れをフォローしている人は少ない。
オーストラリア人の参加者から
「なんだか、ナイフでモノを切る前に、そのナイフを一生研ぎ続けてているようですねえ。」
という皮肉そのもののコメントもあった。
ほとんど意味のない、ただ存在感だけを示してきた豪州海軍のPPBPを延々30年以上もやっているアンタだけには言われたくない!
会議では事務局側であるにも拘らず、笹川平和財団と日本財団のミクロネシア海上保安事業がどれだけ具体的な活動を行っているか、それだけでなく水産庁まで動かして500トン級の取締船派遣までしたこと、加えて笹川会長がオープニングのスピーチで発表した通り、日米豪の新たな海洋管理枠組みに動き出す事を繰り返し聴衆に訴えさせていただいた。

島と海のネット事業は、2つの財団の統合を経て笹川平和財団の事業となったのである。
太平洋島嶼国の活動は笹川平和財団の、太平洋島嶼国基金の遺産(勿論プラスの)を嫌でも背負う事になるのではないだろうか。
第7回太平洋島サミットの見所は”マグロ”だった! [2015年05月23日(Sat)]
第7回島サミットの宣言が出ました。

第7回太平洋・島サミット(PALM7)「福島・いわき宣言−共に創る豊かな未来−」(仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/page4_001213.html

The Seventh Pacific Islands Leaders Meeting (PALM7)  Leaders’ Declaration
- Fukushima Iwaki Declaration -“Building Prosperous Future Together”
http://www.mofa.go.jp/a_o/ocn/page4e_000261.html

一見したところ、マグロが、漁業資源管理が浮きだっています。
海洋問題が単独の議案になったのは前回から。
前回の宣言にはマグロは出て来ませんが、今回の海洋議案の6項目中4項目がマグロの話。
水産庁が相当コミットしたに違いありません。
これは宮原さんに伺わないと!


<PALM7>
9 海洋・漁業
44 首脳は,太平洋が太平洋諸国の繁栄の基盤であることを認識し,海洋資源及び海洋環境の持続可能な開発,管理及び保全に対する統合アプローチの重要性を再確認した。この関連で,首脳は,「海洋:命と未来」に関するパラオ宣言(2014年),パシフィック・オーシャンスケープ枠組み(2010年)及び太平洋島嶼地域海洋政策(2005年)に留意した。首脳は,海洋環境,海洋安全保障,海洋の安全,海洋監視,海洋科学調査・観測及び海洋資源の保全並びに経済成長を促進し,及び生活と食料安全保障を改善するための持続可能な漁業管理等の分野において,二国間及び多国間の協力を一層強化する決意を強調した。

45 首脳は,太平洋地域の一部のまぐろ資源の持続可能性が危機にさらされているという最新の漁業資源評価に留意し,公海における協力を含め,中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の枠組みの下で,太平洋諸島フォーラム漁業機関(FFA)及び太平洋共同体事務局(SPC)を含む関係団体の協力を得て,効果的な保存管理措置の策定のために協力を増進することをコミットした。

46 首脳は,島嶼国の主要な収入源を損ない,太平洋地域の漁業資源の持続可能性を脅かす違法・無報告・無規制(IUU)漁業に強い懸念を表明した。太平洋の漁業資源の持続的利用から恩恵を受けている国として,首脳は,IUU漁業を根絶するために必要な措置をとるべく緊密に協力するコミットメントを確認した。

47 島嶼国の首脳は,日本による漁業関連の支援を評価し,長期的な経済発展を目指して太平洋漁業の活力ある持続可能な管理を向上させるためには,地域機関を通じたものを含む継続的な支援が必要であることを強調した。首脳は,漁業資源の持続可能性の向上やこの地域における日本漁船との間で相互利益となる関係の促進等,日本と島嶼国間の漁業分野における長期的な協力関係の重要性を強調した。

48 首脳は,近代的なマグロ漁船の太平洋船籍船への導入を含め,自国の海洋資源を適切に開発する島嶼国の権利を認識した。島嶼国の首脳は,日本と島嶼国間で漁業分野における協力関係をさぐる必要性を強調した。

49 首脳は,太平洋における平和と安全の重要性を改めて述べ,国連海洋法条約及び関連実施協定を含む,普遍的に認められている国際法に従い,海洋秩序が維持されるべきことを再確認した。首脳は,自制的行動をとり,武力による威嚇又は武力の行使に訴えることなく国際紛争を平和的に解決することの重要性を強調し,海洋の安全及び海洋安全保障の分野において協力を促進する意図を再確認した。

<PALM7>
9. Oceans, Maritime Issues and Fisheries
44. Recognising that the Pacific Ocean provides the foundation of prosperity for the Pacific countries, the Leaders reaffirmed the critical importance of integrated approaches to sustainable development, management and conservation of ocean resources and the marine environment. In this regard, the Leaders took note of the Palau Declaration on “The Ocean: Life and Future” (2014), the Framework for a Pacific Oceanscape (2010) and the Pacific Islands Regional Ocean Policy (2005). The Leaders underscored their resolve to further enhance both bilateral and multilateral cooperation in such areas as marine environment, maritime security, maritime safety, maritime surveillance, marine scientific research and observations, conservation of ocean resources, and sustainable fisheries management to promote economic growth and to improve livelihoods and food security.

45. Taking note of the latest fisheries stock assessment that the sustainability of some of the tuna stocks in the Pacific region are and remain at risk, the Leaders committed to improved collaboration in the interests of developing effective conservation and management measures under the framework of the Western and Central Pacific Fisheries Commission (WCPFC) including cooperation on the high seas, in cooperation with relevant entities, including the Pacific Islands Forum Fisheries Agency (FFA) and the Secretariat of the Pacific Community (SPC).

46. The Leaders expressed their grave concern about illegal, unreported and unregulated (IUU) fishing that undermines a major source of revenue for FICs and threatens the sustainability of fisheries stocks in the Pacific region. As countries that benefit from the sustainable use of fishery resources in the Pacific, the Leaders affirmed their commitment to closely cooperate for taking necessary measures to eradicate IUU fishing.

47. The Leaders of the FICs appreciated the fisheries-related assistance provided by Japan and emphasised that continued assistance, including through regional organisations, is important for improving the robust and sustainable management of the Pacific fisheries for long-term economic development. The Leaders highlighted the importance of the long-term and cooperative relationship in the fisheries area between Japan and the FICs, such as for improving the sustainability of fisheries resources as well as promoting mututally beneficial fisheries relationships with Japanese vessels in the region, as appropriate.

48. The Leaders recognised the right of Pacific island countries to develop their own maritime resources as appropriate, including through the legitimate introduction of modern tuna fishing vessels into Pacific island flag fleets. The Leaders of the FICs emphasised the need to explore cooperative relationships in fisheries between Japan and the Pacific islands.

49. Reiterating the importance of peace and security in the Pacific Ocean, the Leaders reaffirmed that maritime order should be maintained in accordance with the universally recognized principles of international law, including the United Nations Convention on the Law of the Sea (UNCLOS) and its relevant Implementing Agreements. The Leaders underscored the importance of exercising self-restraint and peacefully resolving international disputes without resorting to the threat or use of force, and reaffirmed their intentions to promote cooperation in such areas of maritime safety and security.


<PALM6>
海洋問題
40.首脳は,貿易・投資,食料安全保障及び環境を含む生活のあらゆる側面を太平洋に依存しているというこの地域の特殊性を認識し,海洋及び海洋資源の持続可能な開発,管理及び保全を確保することが決定的に重要であることに改めて言及した。これに関連して,首脳は,太平洋地域海洋政策(PROP)の一部としてのパシフィック・オーシャンスケープを作成したPIFの努力を称賛した。首脳は,これらの課題についてリオ+20で力強い成果が出ることを期待した。
41.首脳は,太平洋の潜在能力を持続可能な形で活用するため,海洋環境,海洋安全保障,海洋の安全,海洋監視,海洋科学調査・観測及び経済成長を促進し生活と食料安全保障を改善するための持続可能な漁業管理等の分野において,海洋に関する協力を促進することの重要性を認識した。
42.首脳は,太平洋の平和と安全を維持する上で国際法が果たしている役割を認識し,海洋秩序に関する主要な法的枠組みを反映している1982年の海洋法に関する国際連合条約及び関連の実施協定の重要性を強調した。

Maritime Issues

40. Recognising the region's unique reliance upon the Pacific Ocean in every aspect of their livelihood including trade and investment, food security and environment, the Leaders reiterated the critical importance of ensuring the sustainable development, management and conservation of the ocean and its resources. In this regard, the Leaders commended PIF's efforts in developing the Pacific Oceanscape which is an integral component of the Pacific Regional Oceans Policy. They looked forward to strong outcomes on these matters in Rio+20.
41. In order to sustainably utilise the potential of the Pacific Ocean, the Leaders acknowledged the importance of promoting maritime cooperation, in such areas as marine environment, maritime security, maritime safety, maritime surveillance, marine scientific research and observations and, sustainable fisheries management to promote economic growth and to improve livelihoods and food security.
42. Recognising the role of international law for the maintenance of peace and security in the Pacific Ocean, the Leaders underlined the importance of the 1982 United Nations Convention on the Law of the Sea and its relevant Implementing Agreements reflecting the principal legal framework with regard to maritime order.
Deep Sea Mining の対話を始めたバヌアツ [2015年05月05日(Tue)]
4月の統合に伴って笹川平和財団の常務理事になられた寺島常務に、バヌアツのラルフ・レゲンバヌ国土大臣を紹介させていただいたのは、彼のお父さんセシー・レゲンバヌ氏が独立運動の志士で且つ1988年に開催された笹川平和財団主催の島嶼国会議に文部大臣として参加された関係だけではない。

レゲンバヌ大臣はバヌアツ文化センター所長時代から、国の政策作りを行ってきており、今まさに国土大臣として「Deep Sea Mining」の政策対話を国民、ステークホルダーと開始したばかりなのである。
しかも、ソマレ閣下のご令嬢が副所長を務める政策研究所(PiPP)も参加している。

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左がレゲンバヌ大臣、右がソマレ閣下のご令嬢でPacific Institute of Public Policyの副所長ドルシアナ・ソマレ女史。写真はPIPPから


このPiPPが昨年10月に"Deep Sea Mining: starting a dialogue" というレポートを発行した。
今月笹川平和財団が島サミットのサイドイベントとして開催する「島と海のネット総会」にも関連するので簡単にまとめたい。
なおレポートは17頁で文字大きめなので、分量は少なく、英語が苦でなくお時間のある方は下記をご参照ください。
http://pacificpolicy.org/2015/02/deep-sea-mining-report/


バヌアツ政府、2013年末には154の海底資源開発のライセンスを発行している事を発表。
この事、政府の少数のスタッフが知るだけで、国民もレゲンバヌ大臣始め多くの政治家も一切知らなかった!
こういう事はバヌアツだけではなく他の島嶼国でも発生している。(日本でも?)
しかも、ライセンスを発行した当時の大臣には袖の下、汚職マネーが、というニュースも流れたりした。

なし崩し的に海底資源開発が進む、PNGやトンガと違い、レゲンバヌ大臣は立ち上がったのである。
レポートにある議論の内容は多方面に渡る。下記は当方の関心を中心にまとめました。


まず、アセスメントの件。評価のために入手される情報は開発会社から入手したもの。即ち中立性の問題が残る。それにバヌアツ政府に海洋資源どころか、バヌアツの国土資源を評価する人材に限りがある。

その2、開発で得た利益をどのように分配するのか?政府の収入とするとあるが、バヌアツの伝統的土地沿岸所有権の問題もあるし、政府が管理する能力があるのか?

その3、海洋資源開発に関する科学研究は未だ初期の段階であり、環境への影響は未知数である。

その4、海洋資源開発は海洋境界に関する紛争が将来予想される中、UNCLOSを実践する能力が小島嶼国にはなく、スポンサーシップを要請する国もある。

そして最後の提案には下記の6点が上げられている。

1.広く対話を促進する事。
2.情報をより多く提供できるようにすること。
3.全ての関係省庁をカバーする事。
4.他者の経験から学ぶ事。
5.より目的にあった対話、コンサルテーションを実施する事。
6.バヌアツの人々にわかりやすくするためビスラマ語で情報を共有、対話を促進する事。


レゲンバヌ国土大臣。海洋資源開発の以前に土地政策を既に改革している。
これは、日本を含む思に豪州の土地開発会社が現地の人々から土地を安く借り(75年賃貸)分譲して豪華なプール付き一件家を販売しているのだ。
目の前の現金に目がくらんだバヌアツの人々は多くの土地を手放す結果となった。
しかし、泡銭は手に残らないのがこの世の常。
無一文になった人々が、またその家族親戚が、住む場所も耕す土地もない、というような状況を生み出している。
これに対応する土地制度政策をJICAも支援し、策定したかしている最中である。


太平洋諸島フォーラムと海洋問題 [2015年05月03日(Sun)]
太平洋諸島フォーラム(PIF)はIONet事業の主要パートナーである。

PIFが海洋問題をどのようにその組織の中に位置づけているのか整理したい。

まずPIFの主要活動領域が下記の3点。
1.経済ガバナンス
2.政治ガバナンスと安全保障
3.戦略的パートナーシップとコーディネーション

この3つ目の「戦略的パートナーシップとコーディネーション」の中には、気候変動、ジェンダー、障害者等々16の項目があり、その一つが「海洋」Oceanである。

Oceanの項目の下に多くのサブ項目があるが、海洋政策の項目の中にリストアップされているのは、下記の6項目。(UNCLOS IWC等の国際政策も入っているがそれは除いた)
1 Pacific Islands Regional Ocean Policy (PIROP)
2 Pacific Oceanscape Framework
3 Waigani Convention (有害廃棄物、核廃棄物関連)
4 Te Vaka Moana Arrangement (TVMA)(漁業関連のポリネシアの枠組み)
5 Vava’u Declaration on Fisheries(漁業関係)
6 Forum Fisheries Agency (FFA) the Regional Tuna Management and Development Strategy (RTMDS); and the Regional Monitoring, Control, Surveillance Strategy (MCSS) (これも漁業)


注目したいのが国際パートナーシップの項目に日本財団フェローシップが掲載されている事である。PIFはこのフェローシップを重視しているように見える。多分海洋に関する人材育成の機会としては貴重なのではないか?


海洋保護活動として列記されているのはミクロネシアチャレンジを含む下記の15の活動
1 Cook Islands Marine Park (CIMP)(デカプリオもメンバーのOcean5が支援している)
2 Coral Reef Initiative for the South Pacific (CRISP)
3 The Phoenix Island Protected Area (PIPA)
4 Development of Shark Sanctuaries
5 Great Barrier Reef Marine Park Act
6 New Caledonian Coral Sea Initiative
7 Pacific Ocean Initiative (POI)
8 Pacific Oceanscape Framework(トン大統領のイニシアチブ)
9 Papahanaumokuakea Marine National Monument
10 The Coral Triangle Initiative
11 The Locally-Managed Marine Area (LMMA) Network
12 The Micronesia Challenge
13 The Pacific Ocean 2020 Challenge
14 The Parties to the Nauru Agreement (PNA)
15 The Phoenix Ocean Arc


以上、6つの政策と15の保護活動を詳細に見ていけばPIFの海洋活動の全容が見えてくるかもしれない。
しかし、要点はPIFは政策を中心とした組織で海洋の専門家は多分一人しかいない、という事である。つまり具体的な活動や、政策作りをする時はPIFがパートナーとしているFFA, SPC, SPREP, USPと協力する事になる。

島と海のネット総会準備作業進む その2 [2015年04月28日(Tue)]
4月の国連防災会議に参加したキリバス共和国のトン大統領。
笹川会長に面談を申し込まれたのだそうだ。
それで、当方は羽生会長から緊急の指示をいただく羽目となった。

笹川会長とトン大統領の面談の内容は誰も教えてくれないので、キリバスの知り合いに聞いてみた。
「笹川会長の器の大きさにトン大統領始め一同感動しました。」
という返事をいただいた。笹川会長は何を話したのであろうか?
それにしても自分の親分が褒められるのを聞くのは、素直に嬉しい。


「島と海のネット総会」にはキリバス共和国大統領が参加される予定です。


それだけではない。バヌアツのレゲンバヌ大臣の参加も確実なった、と先日事務局から報告いただいた。

レゲンバヌ大臣、海底資源開発に関して太平洋島嶼国で始めての政策を策定している政治家である。しかも彼の父親は1988年の「太平洋島嶼会議」に教育大臣として参加したセシー・レゲンバヌ閣下。独立の志士の一人でもある。

笹川良一、笹川陽平両会長が作られてきた、太平洋島嶼国との絆を、繋ぎ、紡いでいく事が、当方の役割である事を、昨年笹川会長から言われ始めて気づいた。
なので、レゲンバヌ大臣とも連絡を継続し、昨年のサモアのSIDSでは寺島常務にご紹介させていただいたのだ。
改めて言うとパプアニューギニアの独立は笹川会長の支援なくては有り得なかったのである。(このことはソマレ閣下の自伝を読んで始めて知った。)

1988年、笹川平和財団主催の「太平洋島嶼会議」に参加した首脳の次世代が、今太平洋島嶼のリーダーとなりつつある。



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右がレゲンバヌ大臣、左がソマレ閣下のご令嬢でPacific Institute of Public Policyの副所長ドルシアナ・ソマレ女史。写真はPIPPから

島と海のネット総会準備作業進む [2015年04月27日(Mon)]
第7回太平洋島サミットのサイドイベントとして5月25-26日、東京大学伊藤国際謝恩ホールで「島と海のネット総会」が開催される。
昨年、サモアで開催されたSIDSで、姉妹組織だった海洋政策研究財団の事業をお手伝いした事がきっかけ。
この4月に当方が25年勤めさせていただいている笹川平和財団と海洋政策研究財団が統合した後の事業として、引き続き、お手伝いをさせていただく事になった。

詳細はコチラ
 https://blog.canpan.info/ionet-jpn/


日本政府主催の島サミットと笹川太平洋島嶼国基金の関係を改めて整理しておきたい。


<島サミットと笹川太平洋島嶼国基金>
そもそも1997年に日本政府が開催した島サミットの原型は1988年に笹川平和財団が開催した『太平洋島嶼会議』なのである。
戦後初の対太平洋島嶼政策「倉成ドクトリン」を受けて開催された会議で、倉成氏を議長にお迎えし、ソマレ閣下、カミセセ•マラ閣下、ツポウ皇太子(当時)等々、蒼々たる首脳が太平洋から集まった。しかも東京での会議の後これら首脳を北京にお連れしている。

1997年の島サミットの目玉支援事業USPNet。これも笹川太平洋島嶼国基金が仕込んだ案件である。1988年、マラ首相が笹川会長に衛星を打ち上げて欲しいと依頼したのがきっかけ。これが南太平洋大学のUSPNetになり、そして笹川会長の判断で日本のODA案件にした。

実はあまりパッとしなかった島サミットの流れを変えたのも笹川太平洋島嶼国基金なのである。
2000年の第2回島サミット控え、小渕総理から助言を求められた笹川会長が沖縄開催を提案。基金はメディアカバレッジの強化支援もした。

2003,2006,2009は島サミットの影の運営者である電事連が仕切ったというと怒られるであろうか?
この流れを変えたのが3.11の後の2012年の島サミットだ。
外務省大洋州課課長からの要請で、笹川会長、羽生会長、寺島常務、海野常務の了解を得て、海洋問題、米国の参加を提案した。
前回の島サミットではこれが全て入った。これでプルトニウム対策だった島サミットの流れが大きく変わったのである。

<第7回島サミットと海洋問題>
今回の島サミットでは、海洋問題がまた一歩踏み込んだ形で議案として取り上げられる。
この背景を作ってきたのも笹川太平洋島嶼国基金、そして日本財団なのである。
2008年から始まったミクロネシアの海上保安事業であり、もっと大きな視点からは、日本財団が過去40年に渡り行ってきた海上保安事業の国際的動きや、海洋基本法制定等々。
だから、今回笹川平和財団が海洋問題をテーマにしたサイドイベントを開催する事は、また一歩も二歩も日本政府の先を進める事になるのである。


以上、「島と海のネット」事業責任者の古川恵太博士に何度も説明しているのだが、どうも信用してもらえていなさそうなのでここに書かせていただきます。
で、どんな準備作業が進んでいるかは次回書きます。
旧日本軍艦船油流出恐れ(読売新聞2015.3.28) [2015年03月28日(Sat)]
読売新聞の高沢剛史記者からご連絡をいただいたのは1月中旬の事だ。
ミクロネシア連邦チュック州に沈んだ日本船の油流出問題。このブログ見て連絡をした、という。
南の楽園の島は、そのイメージとは対称に、毎日取り上げきれない程の記事、ネタがある。

”ああ、あの件か。”
記憶を辿りながら対応したが、電話を置いてから過去のブログを確認した。


ミクロネシアの海洋汚染 − 日米に届くか小国の声
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/539


PIF総会への日本の参加
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/436


そうだ、ミクロネシア閣僚から直接問い合わせをいただいたのであった。
そして民主党政権の山口壯外務副大臣が下記のようにPIF総会で述べ、外務省大洋州課も前向きな反応を”珍しく”示した件であった。しかも米国がキャンベル国務次官補始め50名も送ったPIF総会でのコメントだった。

「ミクロネシア連邦は,第二次世界大戦中に沈没した船からの油漏れによる環境汚染に対処すべく,国際社会に対し支援要請を行っている。国際社会がこの要請に前向きに対応することを期待。我が国としても,環境問題として,どのような支援が可能か検討していきたい。」

大きな案件である。動きがあれば記事になっている。その後この件は見当たらなく気になっていたが、高沢記者の連絡を受け、立ち消えになっている事が確認できた。


外務副大臣の国際会議での声明である。どのように消されてしまったのだろうか?


高沢記者から再度連絡をいただいた時はコメントが欲しい、という事だった。
今度の島サミットの議案には海洋管理が入るが、油流出だけでなく、広い海洋管理の視点からの支援が必要と述べたかった。
こういう時SNSは便利だ。削られる事を覚悟で書いたコメントが下記。
高沢記者に送ったコメントをコピーする。



- - - - - - -
高沢様

拝復、

パラオでのJMASの活躍、そして天皇皇后陛下のパラオ訪問は、これらの地域が日本とは未だに関係がある事を語っています。


ミクロネシア、サモア等の島嶼国はウィルソンがself-determinationをパリ講和会議で訴えたときも、独立は不可能と認識。c式統治、となったわけです。
WWII後は米国が、ソ連の圧力で渋々独立を認めたのですが、自分たちの安全保障上、完全に自立させようという気はなく、従属を強める政策を取ってきました。

「トラック島の油問題」の実態はブログに書いた範囲でしか知りませんが、これに限らず、バヌアツのサイクロン被害も、何にしても自分たちだけではやっていけない規模の国家である、という現実があります。
ここら辺はEHカーが『平和の条件』で議論しています。
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/857
カーの言うように「軍事経済力の裏付けがない小国は存在してはならない。民族自決を否定はしていない。しかしそれを国家と結びつけるのは現代では無理がある。」(これは私の理解)という事だと思います。

しかし、国家を辞めろ、とも言えないので、それは国連が定めた本来の「自由連合協定」の形で存続するのがベストだと思います。
現在米国とミクロネシア3国が締結しているのが、冷戦構造下の協定なので、当該地域に戦略的関心を失った米国の支援の手が離れつつあります。そこに入り込んでいるのが中国です。

ミクロネシア3国に関しては日米が(本来の)自由連合協定のような枠組みで、特別なケアが、特に海洋管理などの安全保障と経済面での支援が必要と考えています。


早川
- - - - - - -


大手新聞社の記者がこのブログを参考に取材、記事を書く。しかもかなり大きな扱いだ。こんな光栄なことはない。このブログを続けていてよかった。高沢剛史記者、ありがとう。
これからも戦後70周年という視点から取材を続けるという。このブログが引き続きお役に立てば幸いです。
海洋保護区は新型投資金融商品? [2015年03月19日(Thu)]
羽生会長から相変わらずのメガ級の業務指示が昨日あった。
「2時間後に、キリバスの大統領と面談するので資料をそろえて欲しい。」
「えっ、2時間!。どんな資料を集めたら。。」
「わからん。考えろ。」
(多少脚色してありますが、ほぼこんな感じです.)

キリバスのアノテ・トン大統領、何度かお会いしている。
最近はパラオのレメンゲサウ大統領とハグする関係になってしまったので忘れていたが、彼こそ、元祖「海洋保護区」提唱者、グル、指導者なのである。
よって、トン大統領の事はこのブログでも結構取り上げており、資料は10分できた。パンチ


トン大統領は2008年にフェニックス諸島約40万㎢を海洋保護区に制定。
しかし、禁漁区はたった3%で有名無実となっている。
そこでトン大統領は昨年末に全保護区を今年1月から商業漁業禁止にすると宣言していた。
(参考)「有名無実の海洋保護地区」
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/747


羽生会長に資料を送ってから、暫くウェッブサーフィン。
海洋保護区に関してはパラオで、豪州海軍、PEW, ビリオネラー、軍事企業等々、魑魅魍魎を相手に豊かな現場経験を持つ立場となってしまった。
海洋保護区の美名の下で蠢く「金」の存在は誰よりも詳しいのではないだろうか?

そう言えばフェニックス諸島は信託基金を設置したんだったよな、と思い出して再度サーフィンしたら面白い記事を見つけた。

Kiribati Bans Fishing in Crucial Marine Sanctuary
By Christopher Pala
WASHINGTON, May 9 2014 (IPS)
http://www.ipsnews.net/2014/05/kiribati-bans-fishing-crucial-marine-sanctuary/

トン大統領に「海洋保護区」の知恵を授けたのが英国の海洋学者Gregory Stone。
下記にTEDの講演ビデオがある。
Phoenix Islands Protected Area (PIPA)は信託基金を設置している。
つまり禁漁区、保護区にして損する分を埋め合わせるための基金。
これに世界のお金持ちが投資先として注目しているのだそうだ。

“as a commitment towards protecting and conserving its marine resources as well as a bid to attract donors to invest in the PIPA Trust Fund,
(上記の記事から。下線は当方)

さらに怪しいのは海洋学者Gregory StoneはPIPAの運営を支援する2つの組織ーConservation International と New England Aquariumの副会長の職を得ている事である。


ここからは当方の想像、妄想。(羽生会長にはまだ報告していない)
「海洋保護区」は新型投資商品、金融商品なのである。
だから実際に保護されているかどうか、漁業資源管理なんか関係ないのだ。

で、本当に漁業資源を保護したければ。。
ーWCPFC等の国際漁業資源管理機関での規制合意(昨年水産庁が成功)
ー途上国の監視体制の強化。これも日本財団と水産庁がパラオ、ミクロネシアで展開。
ートレーザビリティの強化(流通ルートの管理)
ー寄港国の取り組み強化
が必要で海洋保護区なんて要らない!
(上記リストは公海から世界を豊かに ~保全と利用のガバナンス~2014 年 6 月公海のガバナンス研究会から。)

ただ、資源回復がされていない、という事が公になれば「海洋保護区」信託基金がピケティが怒りそうな租税回避の金融投資商品である事も公になってしまう。

この「保護信託基金」Conservation Trust Fund(CTF)について研究したペーパーも見つけた。
しっかり読んでいないが70以上のCTFが存在するそうである。

A Review of Conservation Trust Funds for Sustainable Marine Resources Management Conditions for Success, June 2014, International Institute for Environment and Development
Annabelle Bladon, Essam Yassin Mohammed, and E. J. Milner-Gulland
http://pubs.iied.org/pdfs/16574IIED.pdf


百歩譲って、海洋保護区が実際に海洋保護にならなくても、基金ができて、小島嶼国がそこから利益を得て、しかも世界中のお金持ちが租税回避できるんだから(ピケティは怒るだろうが)いいじゃないか、と考える事もできる。
問題は?
海洋保護区、禁漁区、No Take Zoneを設置すると、マトモに入漁料を払ってマトモに行う漁業だけが閉め出され、本当に違法な操業だけが残される。
いや、逆に彼らのパラダイスになる、という事だ。
そして彼らこそが、漁船を使って人身売買、麻薬密輸、違法移民等等のあらゆる越境犯罪の犯人である事も忘れてはならない。

結論
「海洋保護区」は海洋ガバナンスを破壊する単なる金融商品。


ブリティッシュ・コロンビア大学のDaniel Paulyがプロパガンダ組織PEWから20億円もらっているという記事もある。
http://www.fishtruth.net/Pauly.htm



グレッグ・ストーン: 一つずつ島を救って 海を守る

このグレッグさん、世界市場とキリバスの国益が一致したと明言している。つまり投資商品として成功した、と。問題は漁業資源管理が全く抜け落ちている事だ。


2015年2月のIslands Businessの記事。
2011年時点のキリバスの入漁料は29M豪ドル。2014年は3倍の100M豪ドル。
2015年からの禁漁区が開始すればこの収入が減る。

Protected fisheries area to impact Kiribati’s national budget
By Taberannang Korauaba
February 2015

The Pacific island nation of Kiribati has seen a significant increase over the last few years in revenue earned from fishing licenses.
From a relatively low figure of A$29 million in 2011, revenue increased to A$58 million in 2012 and then experienced huge growth in 2013 to reach A$89 million and a reported A$100 million in 2014.
That growth, however, could begin to taper off in 2015, as a result of the declaration of the Phoenix Islands group as a protected area which, from January 2015, is closed to commercial fishing.
An initiative of the Anote Tong government, the Phoenix Islands Protected Area (PIPA) covers an area of 408,250 km2 (157,626 sq. miles), or 11.3% of Kiribati Exclusive Economic Zone. It is one of the largest marine protected areas in the world and the largest marine conservation effort of its kind by a Least Developed Country (LDC).
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