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早川理恵子博士
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軍隊がお魚を護る意味(1) [2012年07月29日(Sun)]
 この件は昨年豪州や米国を出張している際に気づいて、もっと早く書きたかった。が、まとめる程の情報と知識がないので、ペンディングにしていた。
 まだ、ブログに書く程の理解はないのだが、先にメモだけしておきたい。

 なぜ、海軍が魚資源を管理するのか、という疑問である。
 豪州は、王立海軍がソロモン諸島にあるFFAに陣取って太平洋の漁業監視をしている。海軍が違法操業を追っかけるなんてイヤだ、という意見が国防省の中からもあったが、豪州に海上保安庁はないし、国境警備隊も弱小である。
 政府の判断で、海軍が太平洋の漁業監視に一役買う事が決まっている。

1.魚は大事な資源
太平洋島嶼国が自国の200海里の漁業資源を監視、管理するキャパシティはない。しかし漁業資源は今のところ唯一の大規模な収入源である。現在までの不平等漁業協定を辞めてフェアトレードすれば、日本のODAなんかいらない、とキリバスやニウエの首脳が述べる程の収入源だ。
2.軍事覇権の口実
 太平洋の広大な海洋は様々な危機、伝統的安全保障だけでなく、非伝統的安全保障とか非対称安全保障とか多角的安全保障の対応が必要とされている。加えてどこかの大国の軍事的進出を牽制するために、太平洋を監視する、とは外交上言えない。
 漁業資源の監視、管理は豪州王立海軍に太平洋の海域で活動する正当性を与えている。島嶼国も自国の広大な200海里海洋資源管理をする国際的義務がある。それはUNCLOSで各国の責務とうたわれているからだ。同じ太平洋を共有する豪州や米国に依頼する正当性がここにもある。
 即ち、「漁業資源管理の国際支援」という美名にかこつけて軍事的覇権を維持する事につながる。 これがいいか、悪いかは別の議論だ。
3.海洋管理は法執行?それとも軍事執行?
 それでも、海洋管理は海軍じゃあないでしょう、と支援を受ける島嶼国も他国も疑念の気持ちを抱いている。(豪州政府もそのような認識があり、post-PPBP政策策定を国境警備局に一度任せたがうまく行かず、国防省に戻された経緯がある。)
 上記のFFAが実施するクアド(4カ国国防協力)の枠組みに米国が入っているが、仏、豪、NZが海軍なのに対し、米国だけ一義的には沿岸警備隊が窓口となっている。他の国は沿岸警備隊、即ち海上の法執行機関がない、のだ。(国境警備局とかあっても海外支援をする程のキャパはない)
 実は豪州がこの問題を一番に認識しており、昨今連邦警察(法執行)の太平洋島嶼国への関与が活発である。法執行と軍事執行は話す言葉が違う、つまり文化が違うのだそうである。島嶼国側も軍隊があるのはトンガ、フィジー、パプアニューギニアだけである。他は全て警察しかない。
4. 違法操業と越境犯罪の関係
この項目をうっかり忘れていた。後から加えました。IUU(Illegal,Unreported and Unregulated(違法・無報告・無規制))をやっている漁船は、下記のあらゆる越境犯罪に関わっている可能性がある。これも漁業資源監視をする意味を裏付ける要因である。即ち漁業監視イコール越境犯罪の監視にもつながるのだ。
• Sea Piracy
• Weapons trafficking
• Human trafficking
• Drug trafficking
• Terrorist mobility
• International Criminal
syndication
• Smuggling
• Illegal migration
• Money laundering

 ここで気になるのが最近の米国のUNCLOS批准に向けた動きだ。
 数年前ホワイトハウス主導でオーシャンポリシーを策定した時はNOAAのルブチェンコ長官と沿岸警備隊のアレン司令官が先頭に立っていた。
 数ヶ月前のヒラリー長官が行ったUNCLOS批准を説得する陳述は隣に国防省のパネッタ長官が座っておった。国防省がUNCLOS推進に力を入れている様子がうかがえる。
 パネッタ長官のUNCLOS推進のスピーチでは、海洋海底資源の経済的効果が強調されているように思う。海軍が海洋資源開発の経済的効果を熱弁するする姿はちょっと違和感が。環境問題とガチンコしそうな話題である。
 ルブチェンコ博士はどのように受け止めているのだろう?

 別の項で何度も書いているが米国のEEZの50%以上が太平洋の島嶼で構成されている。EEZは漁業資源や海底資源管理のみにおいて、その国の管理が可能である。そこにどこかの海軍が通行したり軍事演習したりしても公海の自由上、(基本的に)文句は言えないのだ。
 米国が(海軍か沿岸警備隊かわからないが)太平洋へ進出する正当性はEEZの管理、即ちUNCLOSに保障される事になる。
 

 以上、結構重要議論ではないか、と考えている。今後専門家からいろいろご意見を伺い勉強していきたい。このブログはまだ生半可なのでいつかまた書改めたい。
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