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早川理恵子博士
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揺れるヤップー今昔 [2012年07月23日(Mon)]
中国からのヤップ*への投資開発ニュースは昨年の9月頃明らかにされ、その後ニュースで進捗がたびたび報道されている。

*ヤップーミクロネシア連邦の西端に位置し、160,000平方kmに広がる4島と約130の環礁からなる。人口約6千人


中華人民共和国四川省にある投資開発会社The Exhibit and Travel Group とヤップ州政府が合意した内容は、
・2015年までに8−10のホテルを建設。4000ゲストルームになる。
・2020年までには10,000ゲストルームを建設。
・ワールドクラスアイランドリゾート開発を目指し、コンベンションセンター、カジノ、エンタテイメントセンター、それに8−15のゴルフコースの開発。
・それに合わせた空港と港湾の拡張。
・さらにこれらの開発に合わせ農業、漁業、環境開発にも手をつける、と言った内容。
(以上2011, Oct, Kaselehlie Pressより。)

 ミクロネシア連邦は中央政府より州政府の力が強く、また州内では州政府より酋長会議の力が強く、今回の合意は酋長会議の合意を得ている。

 米国が自国の安全保障上重要と認識し、自由連合協定を締結するミクロネシア連邦ではあるが、主権国家ミクロネシア連邦内のヤップ州政府と中国の企業の合意でもある。米国は本件を認識したとしても口を出す立場にない。
 ただし、ミクロネシア3国はこの自由連合協定のおかげで、米国への人の移動に特別な配慮がされており、ヤップで各種ビザや、国籍、パスポートを取得した中国人が米国本土へ渡る可能性、即ちヤップが米国への経由地、足がかりとして利用される可能性がある。その事を米国が懸念をする事は想像に難くない。
 なにせ、ヤップの人口の3倍の中国人が観光、長期滞在で入ってくる事に対するヤップ及び米国への影響は明らかだ。

 先月の6月に州民集会が開催され請願が提出された。10万人規模のデモを無視する日本と違ってヤップは「意外」と民主制度が確立している。(実は島の政治は民主的だ。意外ではないかもしれない。)


 時は100年近く遡る。
 ヤップは西洋列強が太平洋進出した際に、地政学的に重要な島であった。
 ドイツの南洋諸島統治には、資源豊かな領土を結ぶ航路と通信網の経由地点という観点があった。
 あまり知られていないが、ベルサイユ条約で南洋諸島が日本に委譲される事に怒りまくったのは米国である。
 私は長年この背景がわからず放っておいたが、実は数週間前に実情が判明し驚いている。

 ご存知の通り、ヒトラーやナチスを支援したのもダレス兄弟を始めとする米国資本。即ち、ドイツ資本と米国資本は強く結びついていた。米国の移民トップはドイツ系である。20%近い。
 当時ヤップはグアム、香港、オランダ領東インドなどを結ぶ海底ケーブルのハブ、即ち米国資本が投資したケーブルであり、財産だったのだ。
 日本にヤップを取られ、米国はアジアへの、またその先にあるヨーロッパへの通信、まさに生命線を失った。米国は上へ下への大騒ぎだった。当時のNYTの記事をインターネットで読む事ができる。
 (ここら辺の事情は続々と情報が入手できこの項を改めて書く予定。ついでに自分の博士論文にも書く予定です。)

 興味深い事に、現在パラオーヤップーグアムを結ぶ海底ケーブルの案が進んでいる。
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