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早川理恵子博士
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パラオのユネスコ世界遺産登録を支援した笹川太平洋島嶼国基金 [2012年07月08日(Sun)]
RockIs.jpg


パラオから嬉しいニュースが届いた。
下記、コピーさせていただく。

− − −
パラオでは今、世界遺産の話で盛り上がっています。

 パラオの南ラグーンとロックアイランドが世界遺産の複合遺産に登録されました。
2012年6月24日からロシアのサンクトペテルブルクで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)「第36回世界遺産委員会」は、7月2日付で26件の新規登録を認め、これで世界遺産は962件となりました。この26件のうち文化・自然の『複合遺産』はパラオの「南ラグーンとロックアイランド」の1件のみで、その内容は次のとおりです。ロックアイランドは約10万ヘクタールの海に点在する445の無人島から成り立ち、トルコ色のラグーン(環礁に囲まれた浅い海)にマッシュルーム型の島を見ることができます。
景観の美しさばかりでなく、ロックアイランドには385種類以上の珊瑚や、多種多様な植物、鳥、ジュゴンや13種以上の鮫などの海洋生物も生息しています。
また、ロックアイランドには海から隔離された海水湖も集中しており、固有の種が多く生息し、新種の生物の発見につながっています。
− − −

 この世界遺産登録は手続きがなかなか大変らしく、 地元誌"Island Times"によると、CSM Consultants、Environmental Inc. というコンサルタント会社、それからオーストラリア人研究者の Geoffrey Clark, Christian Reepmeyer and Jolie Listonの支援を受けた、という。
 このオーストラリア研究者は愚夫の友人や学生さんである。ー 悔しい〜。

 それにしてもパラオの人々の努力がなければ今回の結果に繋がっていないはずである。それで思い出したのが、笹川太平洋島嶼国基金が1996年から2003年まで、太平洋に広く助成した「文化財、遺跡保護管理人材育成」事業だ。
 パラオには1997年から(途中1年空くが)2002年まで支援をし、現地の文化財保護担当官の育成に努めた。

 勝手な思い込みではいけないと思い、当時事業担当をしたScott Fitzpatrick博士に聞いてみた。当時博士課程の学生だったFitzpatrickさんは今オレゴン大学の助教授になっている。
「そうだよ、今回のユネスコの申請は笹川太平洋島嶼国基金が10年以上前に支援した成果です。私たちはまだこの作業を継続しています。」

ヤッター 手(チョキ)
 やっぱり人材育成は10年20年のスパンで見て行かないと成果は測れない。

<文化財管理の人材育成を提唱したのは日本人>
 笹川太平洋島嶼国基金が文化財管理の人材育成を助成する事になったのは、ハワイのビショップ博物館の篠遠喜彦博士の提案に始まる。
 篠遠喜彦博士の業績は『楽園考古学』などに詳しい。
 博士は研究者としてだけでなく、現地の遺跡管理人材育成や公教育における文化教育の普及、経済開発にもつながる文化管理など、今を生きる人々の事を視野に置いた活動を展開している。
 その篠遠博士からの助成申請を受けて始まったのが、仏領ポリネシアでの人材育成事業である。島嶼国基金は広く太平洋全体を対象としているし、しかも仏領だし、他の地域に拡大する事を当初からご検討いただいていた。
 結果、1997年からはメラネシア、ミクロネシアにもその活動が試験的に拡大した。
 さらに、その結果、2000年から3年間、グアム大学に対して11,467,994円の助成をし、ポナペとパラオの事業が始まった。ポナペの方はデング熱等の理由で事業は予定通り進まなかったが、パラオの方はFitzpatrickさんががんばって延べ17名のパラオの文化財保護管理者が訓練を受けた。
 なにはともあれ、このような島の人材育成の視点を日本人が提唱し、欧米人が追従している姿は、すばらしい。追従する日本人研究者が少ないのは残念だ。


<評価報告書の作成と次期ガイドラインへ向けて>
 笹川太平洋島嶼国基金は太平洋の文化財保護人材育成に8年と6千万円弱の予算を投資してきた。この成果を評価し、記録しておく必要があると考えた。2003年に(株)東急総合研究所に委託し外部評価を行った。予算上、調査はミクロネシアだけに絞ったが、この評価は ー「ミクロネシア地域における遺跡保護管理の人材育成」事業評価および当該地域への援助の実態 ーという報告書になって公開されてる。挨拶文は当時の理事長名になっているが、実際は当方が書いたものである。

 パラオのビッグニュースは、笹川太平洋島嶼国基金にとっても(当方にとっても)10年以上前の努力が報われたことを意味している。きっと、他の太平洋島嶼国にも大きな影響を与えているであろう。
 そう考えると、沿岸資源の文化財を含む総合的管理とそのための人材育成は、笹川太平洋島嶼国基金の次期ガイドラインの課題として検討する意義があるのでは?と思った。
 経験も実績も、そして人的ネットワークも基金にはあるのだから。
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