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人類の共同財産 Common Heritage of Mankind とは何か? [2017年02月22日(Wed)]
海洋法の本を読む中で出て来る人類の共同財産ー Common Heritage of Mankind (CHM)
田中則夫先生の『国際海洋法の現代的形成』第5章深海底の法的地位をめぐる国際法理論の検討で議論されているので、まとめてみたい。が、ムズカシ。(138−155頁)

*CHMの概念は1976年(8.11月)のパルド国連大使以前にも存在していたが、国際法と結実していくのはマルタ提案以降。

*CHM原則に対する国家の態度は、米国を中心とした先進資本主義諸国、発展途上諸国、ソ連を中心とした東欧の社会主義諸国に分けられる。

*CHMは厳密な法の概念ではなく、先進諸国は使用を回避。現在でもなお「人類共通の利益とはなにか」「何をもって人類全体の利益が確保されると見るのか」見解の一致はない。

*先進諸国は自由に開発しその収益が配分されることがCHMと。これに対し途上国は1.人類の財産の集団的管理、2.深海底活動への集団的参加、3.利益の集団的享有が CHMの原則と主張

*社会主義国の立場は機構設置が帝国主義につながるとの反対から一転して先進国の資源独占を防止すると途上国側に付いた。

*条約レジームの基本的枠組には発展途上国によるCHM原則の位置付けが色濃く反映。そこには公海の自由の下で不平等な伝統への批判がある。よってCHM原則は収益配分という狭い位置付けではない。

この後学界における理論状況、条約レジームの一般的拘束性が議論されているが、難しい。
おわりに、国連広報局の CHM原則が紹介されている。

*全ての国が同意する方法にしたがい、すべての国の合意によってのみ処理・利用される国際的共同財産の存在
*開発にからあがる収益が恩恵によってではなく「国際社会におけるパートナーシップ」によって得られるようになった。

<感想>
途上国グループである太平洋島嶼国について考えてみると、恩恵ではなく参加のCHMというの具体的にどういうことになるのであろうか?漁業の場合を考えると、EEZになるが結局自国水産業はできず、便宜置籍で台湾などの漁業権を渡している。しかも法執行に問題がある。BBNJの議論で、便宜置籍ビジネスをしている島嶼国が後ろ向き、という記述がどこかにあった。ここで私の関心は島嶼国の国家主権の基盤となる民族自決の概念が、政治的レトリックから国際法になった経緯を議論したカッセーゼ教授に移ってしまう。ちなみにEHCarrも「民族自決の危機」で小国の存在の限界を議論している。

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