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PEWの食い物にされるパラオ [2015年09月14日(Mon)]

<政策とは過程なりーMPA議論>
笹川平和財団が姉妹組織の海洋政策研究財団と合併して、海洋問題が少し身近になったような気がする。
旧海洋政策研究財団の古川恵太博士に色々おバカな質問ができる。
聞くは一時の恥。聞かぬは末代の恥、なのでどんどん質問している。
でもお忙しいようで殆ど無視されるのだが。。

パラオの海洋保護区の事が気になっている。
レメンゲサウ政権の命取りになっているからだ。
古川博士が興味深いMPAチェックリストを教えてくれた。
海洋保護区をどのように協議すべきか、という内容だ。
まさに政策とは過程なり。結果ではない。

The importance of regional networks of Marine Protected Areas (MPAs) and how to achieve them - An opinion piece by Graeme Kelleher AO
http://www.iucn.org/about/work/programmes/gpap_home/?21827%2FThe-importance-of-regional-networks-of-Marine-Protected-Areas-MPAs-and-how-to-achieve-them

このリストと照らし合わせると、パラオの海洋保護区案、相当問題がある。


<PEWの食い物にされるパラオ>
なぜ世界のセレブが、環境NGOが、ビリオネラーが太平洋の小さな島国の海洋保護区に関心があるのかは以前下記に書かせていただいた。

Global Ocean is Swarming with Money 海洋に群がる大金
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1082

今パラオで国を二分している海洋保護区案は、商業漁業全面禁止にして失う収入を信託基金で補う、という案のようである。で、その信託基金はPEWがお金をもって来るのだそうだ。


<お金持ちの悩みと信託基金>
なぜ信託基金をこんな小さな島国にもって来るのであろうか?
お金持ちの友人に聞いて見た。

友人「個人のお金で投資するより信託基金の方がよい。僕も子供の数だけ持っている。」
私「なぜそんな事をする必要があるのか?」
友人「僕が死んだ時、その信託基金は運営が継続され、子供の教育目的のみに使用していいとか、20歳になるまでアクセスできないとかいう取り決めをしておくのさ。」
私「この信託基金を太平洋の小さな島国で運用しようとしているようなのだがなぜか?」
友人「信託基金は常に投資しなければならないんだ。そうすると儲かる。米国に置いておくと税金を沢山取られるから海外におくのさ。でもね、今度はその得た利益を米国に持ち込めず、お金もちは困っているわけ。TAx holidayというシステムを作って年の数日海外から持ち込む資金に税金をかけないようにという動きもある。」

お金持ちの特有の悩みで当方には関係ない、が、パラオのおかげで勉強する事となった。


<パラオ国民の悩み>
今パラオの国民は困惑している。
パラオの海洋保護区のためにPEWが持ち込む信託基金の運用は一切PEWが権限を持つ、という条件なのだ。
現地メディアの知人に上記の信託基金のからくりを教えてあげた。
「でも、大統領の気持ちはわかるのよ。カジノも、海底石油も、麻薬も、マネロンも、台湾総督のためのタックスヘブンもだめ。米国からの支援金まで打ち切られる。パラオはどうやって生きて行くの?」と私。

やはり日本ーパラオ自由連合しかないのではなかろうか?
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