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早川理恵子博士
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海洋保護区は新型投資金融商品? [2015年03月19日(Thu)]
羽生会長から相変わらずのメガ級の業務指示が昨日あった。
「2時間後に、キリバスの大統領と面談するので資料をそろえて欲しい。」
「えっ、2時間!。どんな資料を集めたら。。」
「わからん。考えろ。」
(多少脚色してありますが、ほぼこんな感じです.)

キリバスのアノテ・トン大統領、何度かお会いしている。
最近はパラオのレメンゲサウ大統領とハグする関係になってしまったので忘れていたが、彼こそ、元祖「海洋保護区」提唱者、グル、指導者なのである。
よって、トン大統領の事はこのブログでも結構取り上げており、資料は10分できた。パンチ


トン大統領は2008年にフェニックス諸島約40万㎢を海洋保護区に制定。
しかし、禁漁区はたった3%で有名無実となっている。
そこでトン大統領は昨年末に全保護区を今年1月から商業漁業禁止にすると宣言していた。
(参考)「有名無実の海洋保護地区」
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/747


羽生会長に資料を送ってから、暫くウェッブサーフィン。
海洋保護区に関してはパラオで、豪州海軍、PEW, ビリオネラー、軍事企業等々、魑魅魍魎を相手に豊かな現場経験を持つ立場となってしまった。
海洋保護区の美名の下で蠢く「金」の存在は誰よりも詳しいのではないだろうか?

そう言えばフェニックス諸島は信託基金を設置したんだったよな、と思い出して再度サーフィンしたら面白い記事を見つけた。

Kiribati Bans Fishing in Crucial Marine Sanctuary
By Christopher Pala
WASHINGTON, May 9 2014 (IPS)
http://www.ipsnews.net/2014/05/kiribati-bans-fishing-crucial-marine-sanctuary/

トン大統領に「海洋保護区」の知恵を授けたのが英国の海洋学者Gregory Stone。
下記にTEDの講演ビデオがある。
Phoenix Islands Protected Area (PIPA)は信託基金を設置している。
つまり禁漁区、保護区にして損する分を埋め合わせるための基金。
これに世界のお金持ちが投資先として注目しているのだそうだ。

“as a commitment towards protecting and conserving its marine resources as well as a bid to attract donors to invest in the PIPA Trust Fund,
(上記の記事から。下線は当方)

さらに怪しいのは海洋学者Gregory StoneはPIPAの運営を支援する2つの組織ーConservation International と New England Aquariumの副会長の職を得ている事である。


ここからは当方の想像、妄想。(羽生会長にはまだ報告していない)
「海洋保護区」は新型投資商品、金融商品なのである。
だから実際に保護されているかどうか、漁業資源管理なんか関係ないのだ。

で、本当に漁業資源を保護したければ。。
ーWCPFC等の国際漁業資源管理機関での規制合意(昨年水産庁が成功)
ー途上国の監視体制の強化。これも日本財団と水産庁がパラオ、ミクロネシアで展開。
ートレーザビリティの強化(流通ルートの管理)
ー寄港国の取り組み強化
が必要で海洋保護区なんて要らない!
(上記リストは公海から世界を豊かに ~保全と利用のガバナンス~2014 年 6 月公海のガバナンス研究会から。)

ただ、資源回復がされていない、という事が公になれば「海洋保護区」信託基金がピケティが怒りそうな租税回避の金融投資商品である事も公になってしまう。

この「保護信託基金」Conservation Trust Fund(CTF)について研究したペーパーも見つけた。
しっかり読んでいないが70以上のCTFが存在するそうである。

A Review of Conservation Trust Funds for Sustainable Marine Resources Management Conditions for Success, June 2014, International Institute for Environment and Development
Annabelle Bladon, Essam Yassin Mohammed, and E. J. Milner-Gulland
http://pubs.iied.org/pdfs/16574IIED.pdf


百歩譲って、海洋保護区が実際に海洋保護にならなくても、基金ができて、小島嶼国がそこから利益を得て、しかも世界中のお金持ちが租税回避できるんだから(ピケティは怒るだろうが)いいじゃないか、と考える事もできる。
問題は?
海洋保護区、禁漁区、No Take Zoneを設置すると、マトモに入漁料を払ってマトモに行う漁業だけが閉め出され、本当に違法な操業だけが残される。
いや、逆に彼らのパラダイスになる、という事だ。
そして彼らこそが、漁船を使って人身売買、麻薬密輸、違法移民等等のあらゆる越境犯罪の犯人である事も忘れてはならない。

結論
「海洋保護区」は海洋ガバナンスを破壊する単なる金融商品。


ブリティッシュ・コロンビア大学のDaniel Paulyがプロパガンダ組織PEWから20億円もらっているという記事もある。
http://www.fishtruth.net/Pauly.htm



グレッグ・ストーン: 一つずつ島を救って 海を守る

このグレッグさん、世界市場とキリバスの国益が一致したと明言している。つまり投資商品として成功した、と。問題は漁業資源管理が全く抜け落ちている事だ。


2015年2月のIslands Businessの記事。
2011年時点のキリバスの入漁料は29M豪ドル。2014年は3倍の100M豪ドル。
2015年からの禁漁区が開始すればこの収入が減る。

Protected fisheries area to impact Kiribati’s national budget
By Taberannang Korauaba
February 2015

The Pacific island nation of Kiribati has seen a significant increase over the last few years in revenue earned from fishing licenses.
From a relatively low figure of A$29 million in 2011, revenue increased to A$58 million in 2012 and then experienced huge growth in 2013 to reach A$89 million and a reported A$100 million in 2014.
That growth, however, could begin to taper off in 2015, as a result of the declaration of the Phoenix Islands group as a protected area which, from January 2015, is closed to commercial fishing.
An initiative of the Anote Tong government, the Phoenix Islands Protected Area (PIPA) covers an area of 408,250 km2 (157,626 sq. miles), or 11.3% of Kiribati Exclusive Economic Zone. It is one of the largest marine protected areas in the world and the largest marine conservation effort of its kind by a Least Developed Country (LDC).
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