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早川理恵子博士
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ミクロネシア連邦日本漁船拿捕は国内問題? [2015年01月21日(Wed)]
(当初の原稿から修正があります。青字の箇所です。)

先週の読売新聞の記事が出てから、このブログへのアクセスが相変わらず通常より、2倍3倍になっているし、メディアや、水産専門家、そして何よりも羽生会長からも照会があって、これは本腰を入れて勉強せねばと思っているところである。

ミクロネシア連邦日本漁船拿捕は実はミクロネシア連邦の国内問題という側面で簡単にメモしておきたい。(現在旅の途中)


1.統率が取れないミクロネシア連邦
あまりここには書きたくない話だが、ミクロネシア地域をよく知る専門家の間の暗黙の了解がある。
「ミクロネシア地域で事業をするのであればパラオ」
別にミクロネシア連邦、マーシャル諸島の人々がパラオに比べ劣る、という話ではない。
連邦制を取るミクロネシアはその統率がなかなか取れないのである。特に首都のあるポナペ州と人口が国の半分を占めるチュック州の軋轢が大きいとあらゆる方から聞く。

人口
チュック州 54,595 (48%)
ポナペ州 34,685 (30%)
コスラエ州 9,686 (8%)
ヤップ州 16,436 (14%)
合計 115,402 (数字はwikiから)

2.ポナペ州の被害
今回の日本漁船拿捕で実質的被害を被っているのは、肝腎の漁業資源ではなく、首都ポナペのインフラ運営である。漁船一隻辺りの経済効果(推定)が約500万円。州の空港・港湾当局の主要収入でもある。しかし今回の拿捕で日本ばかりではない他国の漁船も寄港しなくなった。漁船員が地元で落すお金もばかにならないのだそうである。ポナペ州の(ミクロネシア連邦ではなく)インフラ機能にも市民の生活にも今回の拿捕はマイナスとなっており、地元業界から正式なクレームが連邦政府に出た、と聞く。

3.チュック独立運動
この過激な拿捕を進める米国人法律家スキリング司法長官を後押しするのがチュック州出身モリ大統領。異例の2期を努め、今年春には引退する。大統領のポジションは暗黙の了解で各州持ち回りになっており、次はポナペ州の番だそうだ。
同国への支援は人口が2番目のポナペ州に集中するのである。ポナペさえよければ後はいい、というのがポナペのリーダー達、とこれも至るとこで耳にする。即ち深刻かつ独特な国内格差問題がある。
ここで現れたのがチュック独立運動。チュック州の政治家が同州の政治的地位検討委員会を2013年に立ち上げている。
参考 Chuuk Reform Movement
https://chuukreform.wordpress.com
ちなみにヤップ州も独立か、パラオにつきたい、という声が時々出て来る。(この状況が中国からの投資や支援につながっていいく)

4.チュック問題
ミクロネシア連邦最大の課題がチュック州問題。極大雑把に言えばそれは土地制度にある。土地所有を主張する人々が教育、インフラの開発整備を遅らせている、という話である。
ポナペの例になってしまうが、世界的に有名になったエコツーリズムのThe Villageというホテルが数年前に閉鎖した。ここのオーナーは西洋人で(多分米国人)知り合いだったので原因を聞いた。土地は借料である。当初数名だった土地所有者がいつの間にか30名位に増えていて、賃貸契約が成立しない事が原因だった。
戦後の日本でGHQが大鉈を振るった土地改革。米国政府は信託統治となったミクロネシア諸国には対策を取らなかったようである。
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