(ケアマネージャー 濱洋子さん)

ケアマネージャーで施設を経営しておられる濱さんは、高齢者が65歳になって受けられる介護保険が自分のために役立つようにするには、「受けるためのハードルを自分自身で乗り越える努力をする事」が不可欠である、と強調されていました。そのために知っておくこと、実行しておくことをまとめると次のようになります。
@ 介護保険は申請制度なので申請しないと受給できない。
A 申請に際しては「かかりつけ医師の意見書」が必要となるので複数の医師にかかっている場合、代表の医師を決めておく。
B 「みんなの介護保険」という大田区発行の資料を手元に置いておく。
C 元気なうちに担当のケアマネージャーを決めておく。(区への申請はケアマネが代行してくれる。
D 元気なうちに自分の老後をどうしてもらいたいか記録しておく。(そのために活用する「わたしの安心のーと」を濱さんが作りました。一部100円です。)
(司法書士 辻井宏さん)

司法書士の辻井さんからは「遺言」の作り方についての説明がありました。特に財産の多い人はご自分がしっかりとしているうちに法的な拘束力のある「遺言」により、残された方々が「相続」ならぬ「争族」にならないよう準備をすることを強く進められていました。
そして身寄りもなく、相談する人が見つからないときでも「成年後見人制度」という力強い味方があります。体、頭が元気なうちは介護保険の手続き、ケアマネージャー探し、遺言の作成など自分で出来ますが、認知症などが出てくると自分で出来なくなります。そのような時の為の制度について、社会福祉士で、この「大田北高齢者見守りネットワークをつくる会」代表の中村一孝さんから「成年後見人制度」の活用についての説明がありました。
(社会福祉士 中村一孝さん)

ケアマネージャー・司法書士・社会福祉士そして医師・警察・消防署・介護業者・ヘルパー・地域の役所窓口・NPOや地域住民の方々が連携して今、大田区の高齢者見守りが着実に確立されつつあることを実感した2009年でした。
事務局長の澤登さんから「大田北高齢者見守りネットワークをつくる会」が大田区のジャンプアップ助成金の対象団体に決定したことが発表され盛会のうちに今年最後のセミナーが終わり、参加した方々は年末の買い物に向かいました。【写真・文 久保田充】