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女性の視点で災害対策を エセナおおた [2009年04月01日(Wed)]

 3月24日、大田区立男女平等推進センター・エセナおおた(大森北)にて、「女性の視点をいかして『災害に強いまち』をつくる!!」と題した防災セミナーが開催されました。
 主催したエセナおおたでは、阪神淡路大震災などの経験から災害後に起きる女性への被害に対する備えが重要だとして、女性の視点をいかした防災計画を作ろうと昨年より検討を始めました。
 災害支援ボランティアとして経験豊富な福田信章さん(NPO東京災害ボランティアネットワーク事務局長)の講義の後、グループワークを行いました。

 福田さんは、救急車は大災害時に来ない、即時に行政が対応できることには限界があり、生死を分けたのは近隣住民が救助しあえたかどうかだったと先の震災を事例に強調しました。
 「今、住居の半径500m以内で安否を気遣ってくれる人がいると思う人は手を上げて」と参加者に尋ねると半分以下しか上がらず、「では、半径500m以内に安否を確認しようと思う人がいる人は?」と尋ねると半数以上が上がりました。
 これは、災害時に必要なのは生存するために自分の身を守ることですが、災害直後に体が動く人は可能な限り救出に力を貸すことが必要で、そのためには近所に誰が住んでいて、誰に手助けが必要なのかを認識しておく必要があることを認識してもらうための問いでした。
 大災害時には、発生直後15分以内に救助することで被害を最小限にできるといいます。

(写真は日ごろから地域防災に取り組む福田さん)


 また、被災後の問題は“すでにある社会問題”がむき出しになる傾向があると指摘しました。社会的な活動者(ボランティアやNPO)は課題ごとのつながりはあるが地域のなかにつながりを持っていないため、課題と地域をつなぐことが防災活動の第一歩だと提起しました。そのために、各活動者が「できること」に気づき、取り組んだ例として、「防災のまち歩き」「防災マップ作り」など自分たちで情報を出し合って共有するとりくみが紹介されました。
 
 後半は3つのグループに分かれて、
・今、私たちにできること
・今、私たちにできないこと
・これだけはしなくてはならないこと
を出し合い、グループごとに上がった意見を発表しました。

 最後に、近所の人と顔見知りになる、「171」災害伝言ダイヤルを試す(毎月1日)など、私たちにできることからはじめてみようとの挨拶で終了しました。
 参加者からは、「避難所は不便な空間であることに変わりはなく可能ならば家で過ごすのが一番」という指摘に”目からうろこ”の発見があった」「自分たちの活動拠点が災害時に役立つ方法はないのか考えるきっかけになった」「地域の情報を得るにはどういう方法がよいのか疑問がわいた」などの感想があがり、防災への備えに対する重要性をあらためて認識する機会となったようです。

(区の防災課が取り組みを説明)
 約30人の参加者の中には自治会のメンバーや災害支援ボランティアなど地域防災活動に参加している人もいました。
 大切なことだと感じていながらも、日ごろから防災に心がける機会は限られています。いざというときのためにどんな状況がありうるのか、何が求められ、何ができるのかを時々は見つめて、備えておくことでお互いに命や暮らしの危機から身を守ることはできるのだと実感しました。

エセナおおたでは8月までに同センターとしての防災機能について試案をまとめ、発表する予定。男女平等推進センターなどにおける防災機能は全国でもまだ例がないとして、実現に向けて取り組んでいる。
*区では地域防災計画があり、防災安心手帳を作るなど、防災に関する取り組みが行われている。
区民生活防災課(http://www.city.ota.tokyo.jp/naruhodo/soshiki/gyoumu/bousai/index.html
【文・写真 池田佳代】
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