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エセナフォーラム2008「社会起業家入門」〜開催報告 [2008年07月20日(Sun)]

ビジネスであなたの生活と社会をチェンジ!
〜発想の転換がカギ!素人の私ができる社会起業〜



 7月6日(日)、午前10時から12時半まで、大田区大森のエセナおおたにて、エセナフォーラム2008「社会起業家入門」が開催されました。
 これは、エセナおおたが実施するエセナフォーラム2008の一環として、具体的に社会起業をした人、準備をしている人や、これから何かやりたいと思っている人の助けとなればと、オフィスマッサージ「手がたり」を展開する田辺大さんをお招きし、おおた市民活動推進機構が主催したものです。
(「手がたり」を展開する田辺大さん)

 まず田辺さんが、ご自身が社会起業に至った経緯や、社会起業家とはどういう存在かについて紹介。その後、田辺さんとおおた市民活動推進機構代表の玉田が公開対談を通じ、お二人の体験や他の社会起業の例を取り上げながら、社会起業が成功するポイントを語り合いました。
 社会起業の例として、おおた市民活動推進機構事務局長の中野からも、民設民営の協働オフィス「ぷらっとホーム大森」の紹介を行いました。

(おおた市民活動推進機構代表 玉田さとみ)

 社会起業に最も重要なのは、「解決したい課題」です。「何がビジネスになるか」を考えるのではなく、課題を解決するための手段の1つとしてビジネスの手法を用いるのが社会起業家です。
 ただ、今や第一線の社会起業家である田辺さんも、最初から課題が定まっていたわけではありません。むしろ就職してからも、会社での仕事に物足りなさを感じつつ、何をすれば良いか定まらない日が続いたといいます。
 ところが、ご自身の妹が、目も見えず、耳も聞こえない人と結婚したのをきっかけに、障がい者の雇用の機会が少ないことに気づきます。それが田辺さんの、解決したい課題との「出遭い」でした。

 参加者からは事前に、「何か社会の役に立つことをやりたいが、自分ができることをどうやって見つければ良いのか」という質問が多く寄せられました。
 田辺さんは、一人ひとりが毎日の生活で感じている不便や不満が、課題の原点だといいます。ただ、そのために行動することは未開の地に踏み込んで行くことであり、情報も、人脈も、お金もないのが当たり前。そういった「ないない尽くし」の中でも、思い切って打って出る「起業家精神」が大切とのことでした。

(おおた市民活動推進機構事務局長 中野真弓)

 解決したい課題が定まったら、それを起業として成功させる1つめのポイントが、「マイナスをプラスに変えること」。
 「手がたり」で働くマッサージ師たちは、目と耳に障がいがあるが故に指先の感覚がとても繊細。だからこそ、非常に高品質のマッサージをすることができ、彼らに活躍の場がないのは社会的損失だと、田辺さんはいいます。
 また、耳の聞こえない人は、目からの情報の取り込み方が聞こえる人とは比べものにならないくらい優れています。だからこそ、玉田は、ろうの子どもたちを「耳の聞こえない子」とは呼ばず、「目の人」、「手話を母国語とする少数派」と呼ぶそうです。
 いわば、逆転の発想が新しい価値を生み出すといえ、価値を生み出すことは「宝探し」と同じとのことでした。

 2つめのポイントは、宝探しで見つけた宝物を、できるだけ多くの人に共感してもらうこと。
お二人からは、広報には、メディアなどによる不特定多数への働きかけ(=空中戦)と、どぶ板の営業(=地上戦)の組み合わせが重要、との話がありました。
 また、玉田からは、講座や講演に行ったら必ず、質問タイムに自分の活動の1分プレゼンをしてから質問をしましょう、例えば車内の中吊り広告や新聞の人生案内欄を見て、自分だったらどう伝えるか、どう答えるかを常に意識しながら、伝え方を磨きましょう、といった実践的なアドバイスもありました。

 最後に重要なポイントは、目標を絶対にぶれさせないこと。
玉田は、苦労して学校法人を設立しましたが、組織を維持することに固執してはいないといいます。むしろ、行政がきちんとした学校を作ってくれれば良いこと。最終目標は、ろう者と聴者の平等な社会を作ること。最終目標は絶対に妥協しないが、それを達成するための妥協なら何でもする。そして、すでに次のステップ「日本手話を国に言語として認めさせる活動」をはじめているとのことでした。
 また、田辺さんは、もともと事業計画としてカフェとマッサージが一体となったお店を考えていました。しかし、金融機関から「前例がない」と言われ資金調達に失敗。多くの借金だけが残る「地を這う」日々が続きました。それを乗り切れたのは、当初の志があったからです。

(告知・質問タイム)
 対談後の告知・質問タイムでは、子育て支援の事業を始めた方、ダンサーなどのアーティストを支援する事業の準備をしている方、企業とNPO・NGOなどをつなぐ事業に携わっている方、男女混合バレーを推進する方からの発言があり、さっそく1分プレゼンが実践されました。

 終了後の懇親会では、参加者それぞれの活動へのアドバイスなどが飛び交い、新たなネットワークが生まれました。おおた市民活動推進機構では、これからも、社会貢献をしたい人のお役に少しでも立てるような講座などを、開催していく予定です。

<玉田からメッセージ>
社会起業家入門の講座にご参加頂いたみなさん。ありがとうございました。
できるだけ多くのことをお伝えしたいと思いましたが、限られた時間の中で、なかなか難しいものですね。
この続きは、おおた市民活動推進機構のネットワーク会員MLで、詳しくお伝えして行こうと思います。
これからも、良きおおた・良き日本をめざして、頑張りましょう!

※「ネットワーク会員ML」とは、おおた市民活動推進機構の会員制MLです。
年間1000円という手ごろな金額で、様々な分野の多くの方が入会しています。
お申し込みは、おおた市民活動推進機構(ota-suisin@nifty.com) まで。

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