こらぼ夏まつりに人形劇がやってきた [2015年09月20日(Sun)]
8月23日、こらぼ大森夏まつりにて、小さな人形劇の上演会が開かれました。人形を操るのは、福島県で農業を営む大河原多津子さん、伸さん夫婦。こらぼ夏まつりの協力団体である「くぅ〜の東北」に商品を出荷している縁で、この日のために福島からやってきました。
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この日上演されたのは、田畑を耕し続ける農民夫婦を描いた「じっちさんのいうことにまちがいはない」と、森の環境を破壊してしまう「パツー」を描いた「さよならパツー」。夫婦が演じるじっちさんとばっぱさんのほのぼのしたやりとりや、多津子さんがいくつもの声音を使って演じ分けるパツーと森の生き物とのやりとりに、子どもも大人も引き込まれていました。
(大河原多津子さん、伸さん) ![]() ![]() 「さよならパツー」のラストシーンでは、花を食べつくして満足したパツーはふらりとどこかへ消え、ナレーションが「次はあなたの町に現れるかもしれませんよ」と結びます。これまでは全国の原発が止まっていたため、パツーはやっつけられる設定でしたが、川内原発の再稼働を受けてストーリーを変えました。「これだけ大変な事故を経験したのにどうしてわからないのかな」と伸さんは悔しそうです。全国の産直市に行くと、「福島はもう復興しているんでしょ」と言われることもしばしばと言います。「いまだに10万人以上が避難生活を送り、汚染された土地はもとには戻らないという現実が伝わっていない。避難経路がどうとかいう問題ではなく、原発はひとたび事故が起こったら取り返しがつかない。自分たちが経験した現実を、人形劇などいろんな機会を通して、戦争の語り部のように伝えていきたい」と決意を語りました。 「壱から屋」の商品は、くぅ〜の東北が出店する池上本門寺の朝市で買うことができます。出荷する商品は、毎月全種類の放射線量を測定し、検出限界以下か、検出されても数Bq/kg程度と安全性を確認したものです(現在非常に厳しいとされる飲料水の基準値でも10Bq/kg)。月に1回宅配で届く「月壱くらぶ」もあります。詳しくは「えすぺり」のサイト(http://www.esperi311.com/)まで。 |