食の安全と企業独占とTPP 蒲田で上映&トーク [2012年12月30日(Sun)]
「安全な食品」とはどんなものをみなさんは想像しますか?
12月12日、蒲田の消費者生活センターで、映画「モンサントの不自然な食べもの」の上映とトークイベントが午後、夕方の2回開催され、約200人が参加しました。 ![]() |
この映画は、2008年にフランスで公開され、話題を呼んだドキュメンタリーで、アメリカに本社を持つバイオ化学メーカーが世界の遺伝子組換え作物市場を牛耳る過程を明らかにする作品です。枯れ葉剤、土壌汚染など、人びとが本来望まない状況に巻き込まれていく様子からは、日本がTPPに加盟したら起こると危惧される問題にすでに直面している現実が示され、農業者だけでなく消費者にも直結していることがわかります。
遺伝子組換え作物の影響が現れた動物実験の写真 (安部さん提供) ![]() トークでは、消費や経済分野に詳しい安部芳裕さん(プロジェクト99%代表)が、今の日本では一部の原材料に遺伝子組換え作物かどうかの表示義務があるために消費者の選択は可能だが、TPPに加入すれば、遺伝子組換え作物の種苗メーカーがそれを「商売の妨害」として訴えれば、その表示義務を廃止せざるを得なくなる。消費者は安全かどうかを判断する機会を失うなどの影響が想定されると、映画でも取り上げたインドやメキシコの現状にも触れながら解説しました。 主催した「モンサントの不自然な食べもの」上映実行委員会では、予想以上の来場や若者の参加があったことで関心の高さを感じ、今後は参加者の提案を受けながらイベントを開催していく方針で、託児の受付数も増したいとのことでした。 情報保障の観点では、暮らしに関わる活動に参加する親たちへの支援が進んでいません。英語圏や北欧地域に見られる外出時に子どもを預ける公的な機能は、こういったイベントへの参加も保障しています。文字通訳や音声ガイド、移動サービスなどの身体的な障害による参加の機会を保障することと同様に、会場での託児サービスを提供する公的な仕組みの必要性が示された集会ともなりました。【写真・文 池田佳代】 「モンサントの不自然な食べもの」上映&トーク(動画) http://www.youtube.com/watch?v=VepzMKoZ8T8 映画公式サイト http://www.uplink.co.jp/monsanto/ |