日本×グアテマラ DST作品上映会&ネット対話開催報告 [2012年07月24日(Tue)]
6月22日、23日、大田区産業プラザ・PIOにおいて、日本とグアテマラで作られたデジタル・ストーリーテリング(DST)作品をもとにした上映会&インターネット対話が行われ、2日間で延べ約50人が参加しました。
6月22日には、日本の4作品とグアテマラの12作品を一挙に上映。普段映像制作に携わる人やグアテマラに関心をもつ人などが参加しました。 |
参加者からは、「短い作品なのに制作者の人となりがよく伝わってきた」「静止画を使う手法に映像とは違う魅力を感じた」などDST作品に対する感想や、「グアテマラの作品をいくつかまとめて見ることで、彼らが生きている世界がまるまる伝わってきた」といった感想が聞かれました。
次の日には、日本とグアテマラのサン・ファン・デル・オビスポ村、サン・ファン・コマラパ村をそれぞれスカイプでつなぎました。 サン・ファン・デル・オビスポ村の参加者は、10代前半までの子ども達が中心。「日本の人は何をするのが好き?」「(山登りが好きという日本の参加者に対して)山に何をしに行くの?」など、活発に質問が出され、多くの笑い声が聞こえるなど楽しそうな様子が伝わってきました。また、日本の参加者からは、「(立派な大人になりたい、と語るDST作品を見て)あなたにとって立派な大人とは?」という質問が出され、それに対して「自分にとって何が良いことか考えられ、悪いことをしない人」という答えがありました。 サン・ファン・コマラパ村の参加者は、10代後半から20代前半の若者達が中心。「DST作品を通じて初めて自己表現ができた」「今までパソコンに触れたこともなかったが、作品作りをきっかけに映像制作に興味が湧いた」という声が聞かれました。 記者は制作者の一人に、「日本はいわゆる先進国だが、グアテマラは日本のようになりたいと思うか」と尋ねました。彼の答えはこうでした。「日本は確かに技術も発達してすばらしい国だと思うが、環境問題や資本主義の弊害などを考えると、日本の後を単純に追ってはいけないと思う。また自分達は共同体を大切にするマヤの人間だから、誰か一人が豊かになるといったことは望まない。」 日本は明治維新後も大戦後も、欧米社会に追い付け追い越せで、他のことはあまり顧みずにやってきました。グアテマラは内戦、貧困、暴力など多くの問題を抱え、勉強をしたくてもできない、仕事に就けないなど厳しい状況にある若者達も少なくありません。そのような中で、弱冠20歳の青年から返ってきた返事に私は驚き、彼らの自分達のルーツへの信念や、経済発展の意味などについてとても考えさせられました。 推進機構では今後、さらに様々な国、年代の人を対象に、DSTワークショップやインターネット対話を行っていく予定です。DST作品を通じた国際交流に、今後も注目したいと思いました。【小川明日香】 グアテマラの12作品のうち、ウェブで公開中の作品はこちら。 http://guate-jap-dst.blogspot.jp/ 交流するメディア2011-2012 グアテマラ編 |