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令和4年8月災害ボランティアセンター立ち上げ訓練 [2022年08月29日(Mon)]
訓練日 2022年8月27日(日)13:30〜16:30
会場  総合福祉会館 福祉の広場
参加者 焼津VC11名

 今回は、ボランティアコーディネーターのスキル向上と維持を目的として、机上にて各自が作成したボランティアニーズ受付票を使用してのニーズ受付処理のシミュレーション、及び、ボランティア受付〜ボランティア活動報告までの流れに沿って処理の復習を行った。作業内容については、従来から使用している「焼津市災害救援ボランティアセンター本部運営マニュアル」に基づき、意見交換を行いながら実施した。いずれも、事情や状況を考慮してケースバイケースの判断の必要もあると想定される。
 
作業依頼(ニーズ)の受付
1.平常時の準備
@ボラセン立ち上げ後、速やかにニーズが上がってくるようにするため、日頃から自治会、自主防災会などにニーズの出し方を事前説明しておく。⇒焼津VCはHUGなどで自治会と顔つなぎをしている。
A受付できるニーズと出来ないニーズについて、その条件を明確にしておく。

2.ニーズの募集(洗い出し)
@市内の被災状況を確認し、被害が集中している地域を重点地域として、自治会(自主防災会)などを通じたチラシ募集によりニーズを拾い上げる。HPも活用したい。
A避難所に避難している住民に対しても、チラシ配布を行う。
B被災者ニーズが上がってこない場合には、調査隊の派遣も考える。

3.ニーズの受付
大規模災害などが発生した後には、時間経過とともに様々な被災者ニーズが発生する。出来るだけ相手の立場を理解・想像し、落ち着いて必要な情報を正しく聞取ることが求められる。
被災者ニーズの中にはボランティアでは対応できないケースもあるので、検討が必要な場合は社協・市などと対応を協議する。

1)ニーズに対する考え方
@ まず相手の話を良く聞き、「焼津市災害救援ボランティアセンター」の考え方に合うか、また、依頼者や内容などを可能な限り事前調査し、受理・不受理、又はアドバイスや他組織への依頼とするかなども含め判断する。
A 被災者が作業の依頼に来た場合は、特に横暴にならないように気をつける。(ボランティアをしてやる ⇒ ボランティアをさせてもらう)

2)受付範囲
  市内一般住民の要請、障害者の要請、外国人の要請、市の要請、他組織からの要請(個々で協議)

3) 窓口の開設
@被災者ニーズを直接受け付けるための窓口と、電話での受付窓口を開設する。HPも活用したい。
A依頼者のプライバシーに充分な配慮を心掛け、聞き取り調査の場所は部外者の立ち入らない場所が望ましい。

4) 受付方法
@ニーズ受付表の「書き方の見本」を掲示しておく。
A被災者又は、被災者の代理人が直接窓口にこられた場合には、ニーズ受付票に必要事項を記入していただき、それを基に聞取りを行う。
B被災者又は、被災者の代理人から電話にて依頼があった場合、依頼内容など必要事項を聞取り、ニーズ受付票に記入後再確認する。
C電話や代理人の被災者ニーズでは、連絡先なども確実に聞き取る。
D状況にもよるが、即日のボランティア派遣は出来るだけ避ける。
Eボランティアの活動に合わない依頼内容の場合には、丁重にお断りする。
F被災者個人からのニーズを対象とし、要配慮者からのニーズは優先的に対応する。また、原則は一軒ごとの要請だが、組単位のようなグループ要請も対応とする。
G商店・企業からのニーズは基本としてお断りする。但し、個人商店における市民生活にかかわる部分や企業が被災者のために物資提供支援をする時のお手伝いなどは、状況により判断して受け付ける。
H避難所内で発生したニーズについては、避難所運営組織と協議の上、個人宅への派遣に支障がない範囲で協議して受付を検討する。(避難所生活上で生じる諸問題は、避難所運営組織(自治組織)で対応することを基本とする。)
Iボラセンの能力を超えるようなニーズに対しては、ボラセン内の協議(VC、社協)とともに、市災害対策本部や関係団体との協議(相談)を持つ必要がある。
Jニーズの優先度(緊急度)を判断し、対応必要時期の協議・検討をして活動紹介(ボラ募集)に回す順番を考慮する。

4.ニーズの不受理(受付できないニーズ)
ボランティアの活動に合わない依頼内容の場合には、丁重にお断りする。

1)受付できないニーズ
@ 危険な作業
A 専門技術の必要な作業
B 企業の営利活動に関するもの
C 政治活動や宗教活動に関するもの
D 極端な重労働
2)ボランティアでは無理と思われるもの
 @ 専門的な知識等が必要と思われるもの。(例:住居の床板はがし)
 A 特殊な機械や重量があるものなどの運搬。
 B 運び方などに専門的知識を要するもの。(例:使えるピアノ・文化財・美術工芸品など)   
3)ボランティアが行うべきではないもの
 @ 被災家屋が危険な場合の荷物の出し入れ(応急危険度判定未済建物)
 A 営利目的なもの(ボランティアの趣旨に反する)
 B 商店や会社の商品の出し入れ(社員・アルバイトで実施すべき)
 C 介護や保育など日常生活支援(他組織に依頼すべき)
 D 代行運転(ボランティアに運転させるべきではない)
 E 特殊な楽器など高価な物の出し入れなど
 F 情報が曖昧なもの
 G 避難所入居者個人からの、避難所内での生活上の問題に関する依頼
   (入居者の自治組織で避難所の運営をすることになっている。)
   (自主防や避難所運営組織よりの要請は協議)

 なお、ボランティアで対応できる内容かどうか判断に迷う場合には、社協・市と協議して判断する。
 ニーズ受付票によって活動紹介カードを作る。
 よく分からない事は現地調査などで確認する。
 ケースバイケースになるものもある。

・瓦礫搬送先は、身近なところにする。(1Kmも離れた場所に搬送は無理)
  ⇒公用地、公園・グランド等を予定する。行政や自治会からも情報を入手する。
・作業内容によりボランティア派遣人数の考慮が必要。
・床はがしは専門職に!! 床がはがされた後に、床下土砂かき出しのボラ派遣。
・依頼者が不在であっても、家族が代理でボランティアを受け入れる場合はボランティア派遣対応可能。
・保険請求のための被害データーが必要な場合、その前にはできない事もある。

以下、各自が作成したニーズを事例として、下記の事に注意をしながら検討した。

緊急度
依頼者等への連絡手段の確保
営利目的のボランティアニーズではないか
危険度
依頼人数は妥当か
ニーズの内容が非常時において妥当か
要配慮者の要請に基づいて依頼者が申請しているか
特殊専門技術が必要なニーズではないか⇒事情を確認して、頼める所を紹介することでも良いのでは。

以下は、今回の事例
1.浸水・家具・畳の撤去と床下の泥かき
  床より上の物の片付け、床を外してから(大工さんなどが必要)もう1度床下の泥かきという継続になるか、床板を外す専門職と一緒に。ボランティアが依頼者の家を壊してしまうわけにはいかない。
  古い家は床板が乗せてあるだけで外せるので、全部できる。
  現地調査をして、状況をしっかり確認する必要がある。

2.山からの土砂崩れで家屋が埋まった。泥・倒木などの撤去
  土砂崩れの下に人がいないか等の捜索が終わらなければ入れない。
  被災建築物応急危険度判定は?
  重機が無いとできないのでは?

3.室内の片付け。食器棚、ガラスなど
  食器棚を起こすだけで良いのか? ⇒他にどんな物があるのか?
  家の人に確認しながらで良いのでは? ⇒何人ボランティアを出せば良いのかを知るのも必要
  ガラスの片付け用のコンテナなどあるのか。
  片付けた物の捨て場の確認。⇒遠くまでは運べない。
  ゴミは分別するのか? ⇒市の担当。市はどう考えているのか?事前の連携を!
  市はゴミ集積所を決めているのか? ⇒災害の状況によって決めるのでは?
  長野などでは家の前に積んだ物をゴミ運びの車両が集めていくケースもあったが。
  行政が決めかねていても地元住民などで決めて捨ててしまう場合もあるが。
  分別してあったゴミの山が積んでいる内に混ざってしまったら?
  行政との連携はできているのか? ⇒地元自治会と行政の話ではないか。ただ、ボランティアを派遣するには、それを知っておかないと対処できない。

4.町内会から、小河川が泥で詰まってしまったので、清掃してほしい。先にやらないと、各家の片付けができない。
 本来行政がやるはずだが、我々は個人の手助けをするべきだが、市からの要請があればできる?
 側溝ならできるが、暗渠はできるのか?
 スコップくらいでできればできるが、川となるとどうか?

5.高齢者。給水車の水を毎日届けてほしい
  ニーズはあると思う。
  朝10時、ボラセンからというのは?
  地域の中で、高齢者・障碍者などに地域内でのボランティアが運ぶアイディアを伝えればどうか。
  知らない人より顔を知った人に頼みたいと思う。
  個人ではなく自治会のニーズとして出してもらう。
  時間の限られたものは難しい気がする。

6.農家の倉庫内の片付け。機械の組み立てなど
  素人にできるのか?専門的な知識が必要。
  農家も企業では?
  農家さん同士の協力があるはず。

7.高齢者世帯。2階寝室の片付けの手伝い。家に帰りたいのでまず寝る場所の確保をしたい。階段がギシギシいう。応急危険度判定は緑。
  1階はどうする?
  大勢で上り下りをしたり、毎日上り下りをしてその階段は大丈夫なのか?
  応急危険度判定は家の傾きを見るだけ? 二次災害防止のために専門技術者が危険度を判定する。
  ボランティアを派遣できるかは、1度現場を見ないと分からない。

8.大規模災害から半年。海外からボランティアが入っている。通訳の人はいる。
 母が認知症。妻も精神的に不安定。娘は進学を中断してこれからどうするか悩んでいる。人付き合いがあまりないので、気持ちを整理するために日本語で話を聞いてほしい。

  まず、民生委員に相談をしたらどうか。包括支援センターの利用もどうか。

9.マンションの9階の高齢者。エレベーターが止まっているので、水を持ってきてほしいのと、ゴミ出しをしてほしい。
  トイレ・食料などはどうなっているのか、親族や避難所への移動を勧めたら。
  マンションだと管理組合で防災対策はしていないのか?

10.美術品を離れから自宅へ運んでほしい
  高額なものは破損した時どうなるのか。業者に依頼した方が良いのでは。
  緊急なものが優先されるので、やるとしても後回しになる。
  ボランティアの受け手が無いのではないか。

派遣をする・しないの答えが必要。
現地調査が必要の場合が多々ある。
依頼の返事は、ダメなもの以外は「協議させてもらいます。後でお返事します。」になる。
受けた人の責任ではなく、調査や会議で協議して判断する。


ボランティアの受け入れ・派遣
 ※流れだけはしっかり覚えて、あとはその時々の応用で。

1.受付前のオリエンテーション
  今日の活動内容を書き出しておく
  センター内の配置図
  服装などの注意
2. ボランティア保険
  会社などの集団の場合は、かけられない場合もあり(会社の業務として来ている)
3.ボランティア受付
  社協がWeb活用のボランティア登録利用を考えている。データーの紐づけ方法・利用方法が分からないが…。
  被災地外でボランティア受付をしてデータをまとめる事もできるが。
  インターネットでのやり取りも普通になっている。
4.活動紹介(マッチング)
  各人の行きたい所を選ぶのではなく、人数で順に切るとか、団体参加者の行き先を先に決めておくとか方法は色々ある。
5.派遣説明
6.活動用資機材の貸出返却
7.活動報告

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以上(KO)