きょうだいの会 ボランティア勉強会のご報告 [2019年11月28日(Thu)]
2019年7月16日(火)
宮城学院女子大学にて きょうだいの会に参加されるボランティアさんを対象に きょうだい支援についての勉強会を開催しました 講師は、ワンポケ理事できょうだいの会の責任者でもある 宮城学院女子大学教授の足立智昭先生 まずはきょうだいの心の状態について説明がありました。 一般的に、病児の兄弟姉妹の子どもたち(きょうだい)は 乳幼児期から思春期の家族体験が希薄なため 自分のストーリーが描けないことが多いといわれます。 「自分のストーリーが描けない」とは 例えば、過去の記憶を紡げなかったり、 自分のストーリーが誰かに入れ替わったりする状態です。 また、きょうだいの子どもたちの多くは 次の3つの能力 @心をケアされる能力(愛される能力) A自分をケアする能力 (病児への思いやりは親から称賛されることであるため、 自分自身をケアする能力を喪失する) B他人をケアする能力 のうち、Bを家庭環境の中で獲得し発揮していきます。 これは本来のぞましいことですが、@Aの能力が 発揮できなければ自分の心はケアされないままになります。 そこで、ワンポケのきょうだいの会では @とAの能力を高めることを目的としています この目的の実現のため、きょうだいの会では ●自分が愛されていることや 他者から認められていることを実感できる活動 ●自分自身を発揮できる活動 ●「心のエネルギー」を「表現」へとつなげる活動 を企画し実施するように心がけています さらに、子どもたちを支援するにあたり知っておくべきこととして アタッチメント(愛着)についても説明がありました。 安定したアタッチメントとは 「ある人と特定の人との間に形成される強い情緒的な絆であり しかも長期にわたって継続するもの」と定義されます 足立先生からは、きょうだいの子どもたちとかかわる中で 彼らの安心できるアタッチメント対象となるために 次のことを心掛け、実践してみてほしいとお話がありました。 ・近くにいる ・自己紹介 ・声をかける ・批判よりも共感(叱るよりも、しないことによるメリットを伝える) ・見守る ・気持ちをわかる、応える(無視せず、何らかの形で応える。見捨てない) ・支える、慰める、励ます これらは、長くきょうだいの会にかかわっているスタッフも 改めてその通りだなあと感じるものでした 中でも「近くにいる」というのは簡単なようですが 全ての子どもたちのそばに常に誰かがいるためには 多くの支援者が必要となり、 支援者同士の意思の疎通も重要になります。 事務局スタッフとして、子どもたちはもちろんのこと サポートしてくださるボランティアさんたちにも目を配り 丁寧に関係性をつくっていきたいなと改めて思いました 受講されたボランティアさんたちからは 早速次回の活動から参加したいとの声をいただきました。 皆さんどうぞよろしくお願いいたします 事務局 ふらんそわ |