今日、NTT電話回線の不通状態が解消した旨の報道がありました。
これで、水道、電気、電話の主要ライフラインは概ね復旧したことになります。

ただし、いずれも応急的な設備などによる復旧のため、本格復旧には2年程度かかる見込み。また施設は復旧しても、住宅が損壊しているなどの理由で使えない世帯は残されている模様です。

避難は依然として82世帯、180名。
避難箇所は以下の通り。
田辺市　面川集会所、伏菟野小学校　合計26名
新宮市　能城集会所、相賀開館、椋井集会所、玉置口診療所、総合開発センター、福祉センター　合計50名
那智勝浦町　口色川会館、グリーンピア南紀　合計104名

全半壊、床上・床下浸水などの被害を受けた建物は9,583棟。
被害を受けた河川は県の管理河川で970カ所、市町村管理河川で11カ所。
現在も集計が続いており、判明次第数が増えている状況です。

交通機関は高野龍神スカイライン、国道311号線の復旧などでバスの運行再開が相次いでいますが、龍神自動車と熊野交通の一部路線で運休が続いています。

企業からの支援物資提供は現在も続いています。
9月までは様々な企業からの支援物資の提供がありましたが、10月に入ってからは主に大手スーパーが那智勝浦町の避難所に向けてパンや弁当を提供しています。

新宮市周辺の現在の情報です。

雨はほぼあがって曇り空。時折吹き返しの強風が吹いているとのことです。

12号の際に大水となった熊野川町日足（ひたり）地区では、また熊野川の水が堤防を越えてあふれている状況。また山からの出水があり、一部道路が寸断されているとのことです。

12号でほとんど被害がでなかった小口地区が道路冠水のため、現在孤立状態になっているとの情報があります。


雨は今後ほとんど降らないと予想されますが、これまでに降った雨が川に流れ込み続けますので、しばらくは水への警戒が必要です。

昨夜からの雨は、紀伊半島南部の一部で降り始めからの雨量が100mmを超えましたが、現段階では大きな被害の情報は入っていません。

雨は徐々に小康状態になっており、明日は晴れ間も期待できそうとのことです。

15日、県・県警のまとめです。

●人的被害
　死者46名・行方不明11名・負傷者6名

●家屋等への被害
　全壊146世帯、半壊70世帯、一部破損150世帯
　床上浸水2904世帯、床下浸水2004世帯、浸水被害383箇所

●河川・港湾
　県管理の河川で被害469箇所、市町村管理河川で被害6箇所
　港湾施設は27の施設で被害

なお、山間部など建物の被害状況が調査できていないエリアも多数あるとのことで、さらに増える可能性があります。

田辺市旧大塔村の社会福祉法人大塔あすなろ会の方からの情報をいただきました。

木守（こもり）地区は電線からの電気供給なし。
9日から関西電力のスタッフが発電機設置と管理で滞在中だが、電線からの電気復旧は1ヶ月かかる予定。

百�闥n区に発電施設の設置は無理のようで、五味地区に設置したいと現段階の話ではなっている。
携帯電話は繋がっていない。

五味地区の道も今は通れるが「おおとう山遊館」近くの道はいつ崩れてもおかしくない状態。そうなった場合、百�闔Rの板立峠〜面川間の林道しかない。

食べ物は今現在は村内で分け合っている。
災害後早々に後工務店から物資が届いた。

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ということで、今日現在でもかなり厳しい状況が続いているようですが、現地は道路事情が非常に悪く、なんとかしのいでいる、というのが実情のようです。

10日15時現在の県内の被害のまとめです。

●人的被害
行方不明者に重複があったり無事がわかったりして大幅に減っています。

御坊市　負傷者1名
田辺市　死者4名・不明5名・負傷者1名
新宮市　死者11名・不明3名
有田市　不明1名
かつらぎ町　負傷者1名
有田川町　負傷者1名
印南町　負傷者1名
日高川町　死者3名・不明1名
みなべ町　死者1名
那智勝浦町　死者22名・不明14名・負傷者1名

県合計　死者41名、不明24名、負傷者6名


●物的被害
　全壊102件
　半壊56件
　一部破損103件
　床上浸水2854件
　床下浸水1880件
　その他浸水被害149件

●インフラ被害

　和歌山県管理道路の被害153箇所
　市町村管理道路の被害97箇所
　河川の被害147箇所
　港湾施設の被害26箇所

　なお、全体像がつかめていない地域も多く、この件数はさらに増えるものと思われます。

和歌山県南部山間部の介護施設の情報が入ってきました。
手元に届いている分をご紹介します。いずれも9日午前現在です。

■白百合ホーム　田辺市中辺路町
　9月6日から水道電気が復旧。迂回路もでき　なんとか人員もまかなえている

■古座川園　あじさい園　東牟婁郡古座川町
　水道OK。道路も迂回路ができ　物資も人員もまかなえている　
　法人内で支援が入りだしている

■鮎川園　田辺市鮎川
　水道OK。　道路も迂回路ができ　物資も人員もまかなえている

■愛の園　西牟婁郡上冨田町
　水道OK。　道路通行可、物資も人員もまかなえている

■にしき園
　通常の運営ができている

■熊野本宮園
　電話つながらず

■熊野川園
　電話つながらず

山間部のご高齢の安否確認も進められているようです。

施設の職員さんが被災者であったり　自宅に帰れずに施設に寝泊りしている職員もいらっしゃる状況。県外から看護・介護などの専門知識を持つボランティアの派遣が検討されているとのことです。

新宮から熊野川方面へ三重県側から入るルートとなっていた「三和大橋」が通行止めになり、替わりに宮井大橋が復旧。九重地区の前も通れるようになっている模様です。

今日11時現在の田辺市の被災情報です。

避難勧告・指示の状況
　本宮地域（ 7世帯 20人 竹の本）
　大塔地域（43世帯 69人 熊野、面川）

避難者数
　本宮地域 218人（萩集会所･大居集会所･九鬼集会所･本宮中学･上地集会所･祐川寺･下湯川集会所･請川支援ハウス）
　中辺路地域 3世帯6人（中辺路コミュニティセンター）
　大塔地域 17世帯 24人（熊野集会所・面川集会所）
　田辺地域 7世帯 26人（伏菟野小、三栖コミュニティセンター）

集落孤立
　本宮町曲川 6世帯11人・・・9月6日 全員の無事を確認、建物被害なし
　徒歩による買い物が可能、谷川の水を飲料水として利用可能

今日の午後にお知らせした、R311迂回ルートのうち、「迂回ルートB」鮎川−富里−平瀬−近露が、先ほど通行止めになったとのことです。