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わかやまNPOセンターの政策提言(2004年)
2004年の政策提言とその回答です。
本年は提案項目と回答内容を並列して表記します。

NPOと行政の協働の推進に向けた諸施策の実現に向けて〜わかやまNPOセンター

 木村知事におかれましては、多忙ななか、過日私たちが開催いたしました「わかやまNPOケアーズ2004 オープニングシンポジウム」にご参加いただき、あらためてお礼申し上げます。
 また、和歌山県のNPOや市民活動に対する前向きなご理解と積極的なご支援に感謝申し上げます。特に本年、NPO協働推進課各位のご努力により「協働のガイドライン」(行政職員用)がリリースされましたことは、NPOにとっても大きな一歩となるに違いありません。このガイドラインは、NPOとの協働を自らすすめるための指針であり、完成度の高さはNPO側にとっても評価に値する、すぐれた出来栄えであります。今後は、このガイドラインの周知とともにNPO活動への理解が一層促進されることを期待します。
 さて、全国各地で「行政とNPOの協働」の取り組みが進んでいます。
 私たちは昨年に引き続き本年も「NPO政策フォーラム」を組織し、県職員の方々や全国のNPOのオピニオンリーダーの方々と「NPOと行政の協働の具体的施策」について議論を重ねてまいりました。そこで、下記の施策について取りまとめましたので、是非ともおとりあげいただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

一、透明性の高い、適切な協働をすすめ、「協働のガイドライン」を充実したものにするため、和歌山版ローカル・コンパクト(知事とNPO代表による、協働に関する基本的な協定書)の締結を要望します。

(回答) イギリスで策定されたコンパクトは、政府とNPOが公共サービスの提供をするにあたっての役割分担や責務を決めた包括的なルールであると認識しています。
 県では、昨年9月、行政職員向けの「共同推進ガイドライン」を策定しました。また、学識経験者、NPO関係者や行政職員で構成する「行政とNPO等のパートナーシップのあり方についての提言」をまとめる予定です。
 本県においても多様なNPO活動が活発化してきており、NPOと行政が協働する事例も増えておりますので、双方が協働する際のルールなどを明確化する必要性も高まってきております。
 行政職員向けの「協働推進ガイドライン」は、今後、よりよい協働をめざして、NPOと行政双方の意見を取り入れながら見直しを図っていく予定です。
 NPOと行政がそれぞれ遵守すべきルールを策定するに当たっては、双方が納得する形で取りまとめていくことが大切であることから、NPOと行政の双方の協議の場を継続して持ち、NPOの意見も聞きながら検討していきたいと考えております。


一、本県の「NPOからのふるさとづくり企画提案事業」は、協働をすすめるうえでの貴重な位置付けの事業であり、NPOの企画力、力量を高めるためにすぐれた事業であると評価できます。本事業継続と拡大を切にお願いするとと もに、NPO側が事業を企画するにあたって十分な検討時間を確保するための募集時期の前倒しを要望します。

(回答) 平成14年から実施している「NPOからのふるさとづくり企画提案事業」については、毎年多数のNPOから積極的な応募があり、NPOと行政の協働推進の面では多いに成果があったと考えております。ただ、NPOと行政双方とも協働事業にまだ不慣れなため、十分にお互いを理解したうえで対等なパートナーとして協働に取り組めたかどうかは疑問です。
 平成17年度からは「NPO協働モデル事業」として、今まで協働が進んでいない分野やNPO同士が連携して企画する事業を実施し、協働のモデルを構築していく予定ですが、3年間実施してきた「NPOからのふるさとづくり企画提案事業」の反省点を踏まえ、NPOからの企画案提出後すぐに行政担当課とNPO双方で十分協議する時間を設け、協議が整った後審査会にかけるように改善するとともに、実施事業の評価も双方で行うことにより、より効果的な協働の形を目指していきたいと考えております。


一、これからは「収益事業に取り組み、雇用拡大につながるNPO活動」への期待も高まっています。こうした活動は、「コミュニティ・ビジネス」として注目されていますが、いわゆる立ち上げ資金の調達がネックになり、希望の芽が育たない場合も散見されます。こうした活動にも、「NPOからのふるさとづくり企画提案事業」のノウハウが活かせるはずであり、「委託事業」方式とは別の「助成、奨励金」方式などによる事業の検討をお願いします。

(回答) 地域の活性化の担い手として、NPOの活動への期待が高まっています。しかし、志はあっても、資金的な面から活動が思うようにいかない団体もあるのが現状です。
 NPOの経済的基盤の安定性を確保し、自主的・自立的な活動の促進を目指して、県では平成17年度にNPO支援システム検討委員会(仮称)を設置し、NPO支援基金の設置など、県民がNPOを支えるようなしくみづくりについて検討してまいりたいと考えております。


一、NPO活動にとっての基盤整備の第一歩は、「活動場所・事務所」にあるといえます。NPO法人にはなってみたものの「理事の自宅」が事務所代わりであるところも多く、充実した市民活動は不可能です。公共施設をNPOに開放し有効活用する例は、近くでは、大阪NPOプラザ(大阪府)やpia NPO(大阪市)などがあり、NPO相互の活動が集約されることで、相乗効果を上げつつあります。
 本県においても、こうした取り組みはNPOの活動を支援するための必要な施策とおもわれますので、県の遊休施設や既存施設の空きスペースをNPOの活動場所として提供可能かどうかのご検討をお願いします。

(回答) NPO活動が活性化するためには、活動環境の整備が不可欠です。
 県では、活動・情報提供の拠点として平成14年度にビッグ愛に「県NPOサポートセンター」を設置しておりますが、平成17年度からは、地域に密着して活動するNPOをサポートする中間支援組織が地域センターを立ち上げる際に支援を行い、県内NPOのサポート体制の強化を図っていく予定です。
 しかし、個々のNPOを見た場合、活動資金面で苦しい団体が多く、独立した事務所を持っておらず、個人宅を事務所にしているところが大部分です。NPO立ち上げ期における支援の一つの方策として、今後、NPOインキュベーションブースとしての既存施設の空きスペースの有効活用策を研究してまいりたいと考えております。


一、行政とNPOの人材交流の必要性は、前回の政策提言の課題でしたが、具体的にすすめるために、県内NPO活動からの「人材募集」のプレゼンテーションの場を設定していただくことを要望します。

(回答) NPOと行政がお互いの組織のしくみや行動原理を理解することは、協働を進めるうえでは非常に重要なことであり、その手法の一つとして人材交流が効果的であります。NPOから人材募集のプレゼンテーションの場の設定をという要望ですが、行政職員が対等なパートナーとしてNPOと協働するためには、まずNPO活動の現状を理解することが第一だと考えます。
 県では、既に職員を企業に1年単位で派遣しておりますが、交流先をNPOに拡大することや、研修の一環としてNPOの活動現場を体験する機会の設定の可能性を研究するとともに、ボランティアへの認識を高める環境づくりにも取り組んでまいりたいと考えております。


一、県の保有する施設については、今後、民間事業者に運営を委託する「指定管理者制度」が導入されますが、こうした運営の担い手として、NPOにも期待がかかるところです。指定管理者制度の対象となる施設運営の仕様書づくりには、関係するNPO等の参画をご検討くださいますようお願いします。

(回答) 和歌山県でもして居管理者制度導入第1号として、平成17年1月から情報交流センター「Big・U」の管理をNPOが受託しています。企業やNPOなど5団体の中から選ばれたわけですが、受託NPOの事業企画案が高く評価されたようです。
 指定管理者制度導入にあたっては、NPOには今まで培ってきたノウハウや新しい発想による、県民のニーズに的確に対応したきめ細かなサービスの提供を期待しているところです。
 指定管理者は公募するため、審査の公平性を保つうえで、仕様書づくりには関係NPOの関与は難しいとは思いますが、多くのNPOが指定管理者制度に参画できるよう、NPOの特徴を見据えた仕様書づくりや審査方法の導入を関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。


以上

(2004年12月16日提言、2005年2月23日回答)